待った甲斐があった( ;∀;)
デビルガンダムの登場が気になります。
俺、橘隆司こと変装状態であるジョーカーである俺は心の中でだが、頭を抱えていた。
なぜなら、
「タリア・グラディス以下6名入室させていただきます。」
「ZEUTHの皆様初めまして。
新地球連邦軍総司令部所属エーデル・ベルナル准将です。」
なぜかタリア艦長を含む代表たちに含まれてる俺の前にはこの世界の中ボスが目の前にいます。
正直帰りたい。
「ではそちらのかたが・・・。」
「はい、彼が先の戦闘で活躍されていた者です。」
だが、味方のタリア艦長に逃げ道を塞がれた。
どうやら俺を帰らせてくれないらしい。
どうしてこうなったかというと、
さかのぼること、数時間前。
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~ミネルバ艦内~
俺はミネルバの艦内の窓から近づきつつある基地を眺めていた。
タンパグンダ基地。
ここは新地球連邦軍のエーデル・ベルナル准将がいる基地である。
一見普通にどこにでもある基地だが、ここにいるのは、この『Z』の世界で実権を握りつつある黒幕のような存在である人物たちがいる場所である。
そう、この世界で一番めんどくさいやつらが集まる場所なのである。
知っていたなら阻止していたのだが、あいにく先の戦闘により損傷したデビルガンダムに付きっきりだった為、俺の知らないうちにこの基地に向かうことが決定してしまい、俺がそれを知ったのはついさっきである。
なんとかできないものかと考えるが、あいにく凡人である俺の頭脳では解決策など思い付くはずもなく時間だけが過ぎていく。
当然ながら阻止するには何か理由を付けないといけないのだが皆をごまかせるその理由が思い付かないのだ。
幾つかごまかす選択肢を考えてみたのだが、
1.何か嫌な予感がする・・・むしろ彼らが突撃してしまう。
2.お腹がいたいので・・・学校か!
3.黒幕がいる・・・直球過ぎる。
ダメだやっぱり思いつかない。
しかし、そうこうしているうちにミネルバ含む艦はタンパグンダ基地へと到着し、艦は動きを止めて基地に着陸したことを知らせる。
当然ながら俺に残された選択肢は現状を受け入れることしかできないと言うことだった。
事によって、いざと言うときはデビルガンダムを使い力で解決するしかないだろう。
だがそれはあくまで最終手段。
使いどころを間違えればたちまち犯罪者として世界中から狙われるだろう。
そうなればデビルガンダムが原作と同じく破滅へと直行してしまうのは目に見えてる。
しかし、幸いなことに俺はZEUTHの主要メンバーではないのでエーデルとの会談には参加することはない。 なのでこのまま待機するとしますか。
「ああ、ここにいましたかジョーカーさん。」
のんびりしようとしていたとき声をかけられ振り替えるとそこには黒服を着た男性ミネルバの副官アーサーがいた。
「ん?これはアーサー副艦長。どうかしましたか?」
「はい、実は艦長からあなたを探すようにと言われましたので。」
「グラディス艦長が自分を?
何かありましたか?」
「申し訳ないが、私は細かい理由までは聞いてはいないもので。」
「んー。何かあったんでしょうか?
まあ、とりあえず艦長のところにいきます。」
俺は何故か嫌な予感しつつもタリア艦長のいる艦長室へと向かうのであった。
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~ミネルバ 艦長室~
「失礼します。グラディス艦長お呼びでしょうか?」
「態々ご足労ありがとうございます。そちらに座ってください。」
艦長室に入るとブライトさんたち艦長のメンバーが集まっていた。
そんな中俺はタリア艦長に席に座るよう勧められて俺は言われたとおりに椅子へと座り込む。
「さてさっそくですが本題を言わせていただきます。今回、この基地で行われる会談に貴方にもご参加していただきたく思いましてお呼びしました。」
(ふぁ!?)
さきほどまで呼ばれることはないだろうと思っていた俺を殴りたい。
これはさすがに想定しておらず、思わず変な声を出しそうになったがなんとか押し止める。
「なぜ自分も参加する必要が?
今回の会談では自分は不要かと思いますが。」
「確かに本来なら責任者である我々でするべき事であることは理解してます。
理由は不明ですが、今回会談で応じることとなるエーデル・ベルナル准将から貴方にも参加してほしいとのことですので。」
くそっ、先手を打たれたか。
グラディス艦長から伝えられた言葉に最初は理解が追い付かなかったが、その言葉の意味を理解して思わず悪態をつく。
幸いなことに仮面をつけているから表情に出てても気がつかれることはないだろう。
しかし、こんなにも速く行動を移すとは。
やはり、レーベンがデビルガンダムのことを話したからか?
だが、エーデルはなぜわざわざ俺を指名してきた?
会談で聞かれるとするとデビルガンダムのことなのだろうが、他にもガンダムなどオーバーテクノロジーを持った機体は幾つかある。
それなのなぜ俺を?
(もしや、DG細胞の事が漏れたのか?
秘密にしていたはずだが漏れた可能性は否定できない。
わざわざ会談に参加させるのには会談の話し合いで手に入れる算段か?
あるいはなにか別の思惑が?)
いくら俺は頭の中で考えても相手の考えなどわかるはずもなくただ予想することだけが俺の限界だった。
(ここはひとまず相手の目的を探るためあえていくしかないか。)
「わかりました。自分も参加させてもらいます。」
俺は意を決してエーデルとの会談に参加することにした。
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~タンパグンダ基地~
場所は代わりタンパグンダ基地内へとレーベンを先頭にグラディス艦長含む人たちの中に俺は付いてきていた。
そしてレーベンは通路の奥にある扉の前に到着すると、扉をノックする。
「どうぞ。」
扉の向こうから優しさのある声が聞こえ、レーベンはその声の指示にしたがって扉を開ける。
「失礼しますエーデル准将。
ZEUTHの皆様をお連れしました。」
「ご苦労、レーベン大尉。
あなたは下がっていなさい。」
「はい・・・。
では失礼します。」
レーベンが下がるのと入れ替わるようにグラディス艦長が中へは入り敬礼をしながら挨拶をする。
「タリア・グラディス以下6名入室させていただきます。」
「ZEUTHの皆様初めまして。
新地旧連邦軍総司令部所属エーデル・ベルナル准将です。遠路はるばるご苦労様です。」
「この度は我々の支援をしてくださりありがとうございます。」
「私は当然のことをしたまでです。
皆さんが無事到着されたのを嬉しく思います。
そして後ろにいる方々もZEUTHのチームの皆様ですね。」
「こちらにいます方々は我々ZEUTHの代表としてきた方々です。」
「ではそちらの仮面を着けた方が・・・。」
「はい、彼が先の戦闘で活躍されていた者です。」
という感じでいまに至るのであった。
「あなたの活躍はレーベン大尉からお伺いしております。」
「自分のことを知っていただいているとは恐縮です。」
俺は相手の気分を害さないようにとりあえず頭を下げておく。
「では立ち話もなんですので、どうぞお座りください。」
「では失礼させていただきます。」
各々は用意されている椅子へと座り、俺も同様に空いてる席へと着席する。
「さて、さっそくで申し訳ないが、質問をよろしいのですかな?」
席に座ってからか兵左衛門さんがエーデルに質問を投げる。
「ええ、どうぞ。」
「我々ZEUTHは独立遊撃部隊と名乗っていますがザフトの人間も所属しております。
本来なら敵である我々をかくまっていると知られればただでは済まないでしょう。」
「お心遣いをありがとうございます。
ですが心配は要りません。
このタンパグンダ基地は私直下の特殊部隊・・・カイメラ専用施設といってもいいものですから、
ここであなた方とお会いしていることは外部には決して漏れません。」
「しかし、准将・・・・。
それでも危険であることは事実です。
それを冒してまで我々に接触する意図をお聞かせ願いたいのですが・・・。」
「皆様はご存知のとおりこの世界では様々な国家や立場の人間達が望まぬ形で同居することとなった世界、
それらは一つの組織となり、結束しています。
ですが、いまの新地球連邦は一部の人間の独善による私的な集団と成り下がっています。」
「ティターンズやブルーコスモスですね。」
ティターンズとブルーコスモス。
旧連邦、そして旧連合の内部に存在する組織で、大きな勢力を持って独自行動をとる組織である。
そして同時に戦争の裏で暗躍することも有名な組織でもある。
「私はこの状況を内部から正そうと思います。
そしてそんな中で活動しているあなた方が私の同士となってくれるかどうかをこの目で確かめたかったからここへお呼びしました。」
グラディス艦長は信用しきっていないのか少し考えるが、エーデルの人柄とそして思いに応じてなのか協力することを決める。
「・・・わかりました。
では、なにか我々にお手伝いができることがあれば手をお貸しましょう。」
「ありがとうございます。
さて、ここにお呼びしたのは皆様にお願いがあるというのはすでにご想像されていると思われます。
ですのでさっそくですがひとつあなた方に調査してほしいところがあります。」
「調査してほしいところですか?」
「実は、ここから少し離れたところにですが連邦軍の古い施設がありまして、そこの調査をお願いしたいのです。」
「施設ですか?」
「ええ、どうやらあそこは連邦の極秘施設ようでして、非人道的な施設との情報があり、それを確認してきて欲しいのです。」
非人道的な施設となると、強化人間の研究所か。
「エーデル准将では直接の確認はできなかったのですか?」
「私も極秘のルートで入手した情報ですので、私でも確認することができず、無理やりにでも確認しても決定的な証拠がなければ私の地位が危ぶまれます。」
「それは・・・我々に捨て駒になれといいますか?」
「仰ることはわかります。
私も本来なら客人であるあなた方にこのようなことをお願いするような立場ではないことはわかっております。
ですがこれで決定的な証拠を見つければ新地球連邦軍の大部分を改革することができます。」
「・・・。」
エーデルは真剣な眼差しでグラディス艦長を見詰め、訴えかけている。
当然ながら俺は拒否したいと声に出して言いたいが、何分エーデルが敵である証拠がない。
彼女が裏切るのはほぼ分かりきっている。
しかし、それを俺が言ったところで信じてはくれないだろう。
さらには当の本人は今回の騒動の立役者ジ・エーデル・ベルナルのことなど知らないからなお、敵であるとは言いづらい。
まったく知っているとはいえ精神的に疲れるな。
そんな考えの中タリア艦長はエーデルの頼み事をどうするのかを決めたのか、小さく息を吐きエーデルの目を見据える。
「わかりました。
その調査我々がお引き受けしましょう。」
そして俺の願いは無情にも叶えられず、
グラディス艦長はエーデルの頼みを了承するのであった。
「ありがとうございます。
我々も可能な限り皆様のバックアップは勤めさせていただきます。」
「エーデル准将、お伺いしたいことが。」
会談が無事終わりそうなところでブライト艦長がエーデルに対して質問をする。
「今回の会談で彼・・・ジョーカーを呼んだわけをお伺いしたいのですが。」
(ナイス、ブライト艦長!)
そう、俺が一番知りたいこと。
それはなぜ俺が呼ばれたかだ。
「それについてはちょうどご説明しようと思いました。
ジョーカーさんをお呼びしたのは今回の調査にあなたのお力が必要であるからです。」
「自分の?」
「ええ、レーベン大尉からお聞きになりましたが、あなたは生物学、または植物学に大変詳しいとお伺いしております。」
以前にタリア艦長たちに言ったことがレーベンからもう伝わっているのか。
「おや、すでにご存じとは驚きですね?」
「余計な詮索だと思い不快に思ったのなら申し訳ありません。」
エーデルは俺が詮索されているのが不快になっていると思ったのかエーデルは軽く頭を下げる。
「いいえ、別に気にしてはいません。
ですがなぜそんなことをお聞きに?」
「今回の調査で非人道的な実験をしているのは先ほどご説明しましたがその実験について貴方にも確認して頂きたいからです。」
「待ってください。確かに彼も科学者の一人ですが、彼以外に他にも科学者がいます。なのになぜ?」
確かにブライト艦長の言うとおり、以前に彼らとの自己紹介で科学者と自己紹介をした。
いや、そもそも俺は科学者じゃないから間違っているけど、俺よりも人体に詳しい科学者はいる。
「ごもっともな意見ですね。
確かに彼以外にも科学者はいることは存じています。
ですが、場所は極秘の施設。
さらにはどんな罠が仕掛けられているかわからないなか、非戦闘員である科学者の方を危険に巻き込むわけにはいきません。」
「では、戦闘経験がありモビルスーツを動かせ、さらには科学知識のある彼を行かせると?」
「そのとおりです。」
むむむ、たしかに正論ではあるが。
だがわからない。
エーデルがただそんなことで俺を行かせる理由が何かある。
デビルガンダムが目的なのか、それとも別のなにかなのか?
ん?
まてよ戦闘・・・?
・・・なるほどようやく合点がいった。
俺の想像が正しければエーデルの目的は戦力が未知数であるデビルガンダムの戦力の把握。
デビルガンダムの能力を知らないこの世界の人にとってはデビルガンダムの力は未知数以上。
だが明確に敵対するより頼み事をしつつ、俺達が施設の調査をしているところをエーデルとは関係無さそうな連邦が襲ってくる。
襲ってくる連邦のことをエーデルは知らぬ存ぜぬで通せば裏切ったことにはならない。
それにエーデルからすれば連邦を動かすことなど簡単だろう。
そう、結局のところはデビルガンダムが目的なのだ。
危うく騙されるところだった。
やっぱり原作知識は持っててよかった。
そうと知ればこれは断らなければいけない。
「で「なるほど、では彼を送り出すことはなにも問題はないということですかね。」
ブライトォォォォオオオオ!?
まさかの退路を粉砕しやがった。
「ええ、ジョーカーさんにならきっとやり遂げて貰えると思いました。」
くっ、エーデルめ。
ブライトの言葉に合わせるかのように喋りやがって。
「・・・わかりました。」
そして俺は逃げ道がなくなりやむを得ず了承せざるを得なかった。
これが終わったら部屋で寝転がろう。
別に不貞腐れているわけじゃないからな。
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~ZEUTH視点~
エーデルとの会談が終わり、その後ジョーカーとは別れたZEUTH一行。
「ブライト艦長少し伺いたいことが。」
そんな中で、タリア艦長はブライト艦長を呼び止め彼に疑問を投げ掛ける。
「どう思いましたか?」
「どう・・・とは?」
「ご冗談を、すでにお気づきではないのでは?」
「・・・。」
「彼・・・ジョーカーとエーデル准将との関係はいかがでしたか?」
「やはりあなたも気になっていましたか。」
「ええ。」
「やはり、彼は連邦と繋がっていると?」
「連邦・・・というよりエーデル准将と繋がっているのが正しいかと。」
「先の連絡でわざわざ彼を指名してから何か胸騒ぎをして思わず彼女に聞きましたが、残念ながらこれといった確証はありません。
ですが、懸念事項として留めていた方が身のためでしょう。」
「ええ、そうしましょう。」
部屋で過ごしているジョーカー。
そんな中、彼に対する不信感は積もるばかりであった。