機動戦士Dガンダム~悪魔の兵器の物語~   作:クニクニ

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更新遅くなりましたがお待たせしました。



第30話 偽りの再会

~ミネルバ~

 

戦闘が終わり戦いから戻ってきたパイロットたちが艦に帰ってくる中、1機の機体を連れて帰ってきた。

 

整備士たちはその機体に誰もが目を向ける。

その機体は顔はガンダムの顔だが、注目しているのはその下半身だった。

6本の足を生やしまるで生き物のような下半身をしており、上半身とはまるで不釣り合いな姿をしていた。

 

そして、そのガンダムは格納庫の所定の場所に留まるとのコックピットが開き中から一人の人物が現れた。

その人物は黒い服装をしており、顔にも同じく黒い仮面をして素顔を隠していた。

仮面にある目と思われる赤く光っており、どこを見ているのか分からない不気味さがあった。

キョロキョロと周囲を見ており、おそらく彼はこの艦内の隅々を見ているのだろう。

 

そして、周囲を見終わったのかガンダムの手のひらの上へと乗りガンダムの手はパイロットを地面へと持っていく。

そこでタイミングがいいのかこのミネルバの艦長であるタリア・グラディスが兵を連れて格納庫へと現れた。

 

「改めまして。私はこのミネルバの艦長を勤めていますタリア・グラディスです。」

 

「自分はジョーカーといいます。」

 

タリアから差し出された手をジョーカーは握り、そして二人は互いに手を取り合って握手をする。

双方がどういう思いで握手しているのか分からないが、タリアの表情を見てあまりいい雰囲気ではないことは明らかだった。

 

「今回の戦闘に対して貴方のお陰で我々の被害は最小限に抑えられました。」

 

「いえ、あの噂に聞くZEUTHがどのようなものなのかを見れたついでにと思い手助けしたまでです。」

 

「そうですか。ではここで立ち話も何だしょうですから落ち着いて話せる場所まで同行してもらえますか?」

 

「ええ、構いませんよ。」

 

そして、タリアを先頭に歩き、そしてジョーカーを囲むかのように兵士が回りに立ちジョーカーと共にタリアの後ろへと付いていくのであった。

 

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ジョーカー達が格納庫から出ていった後、それを見ていた複数のパイロット達も移動を始めるものもいればデビルガンダムを見ているものもいた。

 

「あのガンダムに乗っている男仮面で顔が見えませんでしたが一体どんな男なんでしょうね。アムロ大尉。

・・・アムロ大尉?」

 

カミーユがアムロに声を掛けるが、アムロはジョーカーの後ろ姿をじっと見つめていた。

 

「どうかしましたか、アムロ大尉?」

 

「・・・いや何でもない。」

 

「?、そうですか。」

 

カミーユは不思議に思ったが、特に何ともないので他のパイロットと同じように格納庫を後にした。

 

「・・・何だったんださっきの感じは、なにか懐かしい雰囲気が。」

 

アムロのニュータイプとしての力なのか、ジョーカーから感じた雰囲気にどこか懐かしさを感じたがその正体が何だったのかを思い出すことはできなかった。

 

だが彼にとってはその人物こそ7年前にいなくなり、探していた人物だということを彼はまだ知らない。

 

 

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一方同じくデビルガンダムがいる格納庫で一人の顔立ちのよい少年はジョーカー・・・ではなく、デビルガンダムを見上げていた。

 

「ロランどうしたの?」

 

デビルガンダムをじっと見ているロランにソシエは声を掛ける。

 

「いえ、大したことではないのですが、さっきの戦闘のときホワイトドールがあの機体に反応していたような気がしたので。」

 

「ホワイトドールが?」

 

「ええ、それからは何の反応もありませんが少し気になったので。」

 

ジョーカーという不安要素があるなかロランはホワイトドールこと∀ガンダムがデビルガンダムに反応したことに一抹の不安を感じるのであった。

 

 

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~主人公視点~

 

格納庫からタリア艦長と周りの兵士達に案内されて艦長の部屋へと案内された。

扉には『艦長室』とかかれていた。

部屋の扉が開くとすでに部屋のなかには、神北 兵左衛門、クワトロ・バジーナ、ブライト・ノア達が待っていた。

 

「では、こちらの椅子へどうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「では、早速ですがこちらにいますクワトロ大尉、アーガマのブライト・ノア艦長、そしてキングビアルの神北 兵左衛と共にお話しさせていただきます。」

 

「ええ、わかりました。」

 

「ではさっそく本題に入るのですが、

貴方の所属をお聞きしたいのですが。」

 

タリア艦長は、さっそく俺の所属についての疑問を投げてきた。

まあ見ず知らずの人物を簡単に信用するなど軍はすることはまずあり得ないだろう。

 

「そのことなんですが自分はどこにも所属はしてはいません。」

 

「所属していない?

だとしたら、貴方の乗っている機体は貴方個人の機体ということかしら?」

 

「そうですね、作った人は別にいますがあの機体は自分の機体で間違いないですね。」

 

そもそも、作ったのはカッシュ博士でさらに言えばあの機体に乗ることとなったのは神様による特典で手に入れました。

・・・・なんて言えるわけもなく曖昧な答えで答えるしかない。

 

「そして、自分はとある研究を目的に活動していましたが、時空振動の影響によりこちらの世界へと飛ばされまい、いまに至るというわけです。」

 

「活動?」

 

「ええ、自分の目的は地球環境の改善を目的とした活動です。」

 

もちろんこれは半分嘘だ。

元々そのような活動は考えてはいなかったが、デビルガンダムことアルティメットガンダムの本来の目的は地球の自然環境の回復を目的としており、それに目を付けた東方不敗は地球環境の為に原作でも弟子を騙してデビルガンダムを利用して、あらゆる手を使うほど執着しているので、とりあえず環境改善を目的として行動している。

 

もちろん俺の本来の目的はデビルガンダムが暴走しないようにすることと、この世界で死なない程度に出きることをやろうと思っている。

 

「環境の改善・・・ですか?」

 

「ええ、戦争により消失した自然を取り戻すためにまだ研究中な為詳しくは言えませんがあの機体の特別な力でこの環境を改善を目的にしています。まあそのお陰でこうして仮面を被り自分の身を隠しているわけです。」

 

「なるほど、今回あなたによる救援で助かりましたので仮面のことはとやかくは言いません。それにしそうだとしたらあの機体は環境改善のために作られた機体という判断で間違いないようですね。」

 

「ええ、ご理解いただけて何よりです。」

 

「ですが、そんな貴方がなぜ我々ZEUTHの所へ来たのですか?」

 

「先程言ったように時空振動の影響によってこちらでさまよって各地を転々としていた所ZEUTHの噂を聞いたのです。

各地で困っている人々を救っている部隊があると。

そういうわけで、いく宛のない自分が身を寄せるためにこちらに来たときにZEUTHの皆さんが戦闘中だったので手助けしたまでです。」

 

取り繕っているような感じはするが少しでも自分は敵ではない感を出せばこの場を切り抜けられるだろうとジョーカーはとにかく本当のことと嘘を交えつつ話す。

 

「わかりました。

とりあえず、今のところ聞きたいことは聞けましたので、先程の戦闘でお疲れでしょうから、部屋を用意しますのでそちらで休んでください。」

 

「ええ、ありがとうございます。」

 

俺はザフトの兵士の案内で艦長室を退出して用意されている部屋へと向かった。

 

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ジョーカーが部屋を退出したあと、タリア艦長はジョーカーとの腹の探りあいに疲れが出たのか一息つく。

 

「さて、いかがてしたか?」

 

「ふむ、環境の改善を目的とした機体か。」

 

クワトロ大尉は顎に手を当てて、ジョーカーが言った言葉の意味を探る。

 

「しかし、先の戦闘でのあの機体。

はっきり言って一方的な蹂躙だった。

さらに最後のあの攻撃。

山を抉っては消し飛ばした攻撃。

あれは環境改善の機体にしては過剰戦力だ。」

 

ブライトが部屋に備え付けられたモニターに先程の戦闘のデビルガンダムの映像を流す。

さきほどブライトが言ったように環境改善の機体としては攻撃的でありそしてなにより異質であった。

 

「だが、彼を敵と断言することはできないが、少なくとも我々に対しては中立的な立ち位置ではないかな。」

 

「それもあなたの勘という奴ですかクワトロ大尉。」

 

「あまりからかわないでくれないかブライト艦長。」

 

二人は微かに笑ってはいた。

だが冗談をいっている雰囲気ではなく、互いに距離を感じさせるような言い回しにも感じ取れた。

 

「ですが、こちらに対して明確な敵対行為を出してない以上こちらから手出しすることはできませんので、彼は現状は敵ではないと判断してもいいということでいいですね。」

 

タリア艦長はこのままでは埒があかないと考えては結論をだしてその答えに他の3人は渋々だが頷いて肯定を示した。

 

「では、我々の現在の目的はジブラルタル基地へと向かいザフト軍と合流します。」

 

「先の戦闘での消耗があるようだが補給はどうするのじゃ?」

 

「ガリア大陸にある基地へ向かおうと思いましたが、友軍からの連絡でガリア大陸に連邦軍の動きが盛んになっているらしいので心許ないですが遠回りしてディオキア基地へと向かえば戦闘は最小限には収まるでしょう。」

 

「わかりました。」

 

タリア艦長は友軍からの情報により敵の部隊が動いていることを察知した為、到着の日数は遅れてしまうが遠回りでザフト軍基地ディオキア基地へと向かう航路を進むことになり、これにブライトは賛同する。

 

「それと、先程のジョーカーのことですが念のためにザフトの兵士から監視をつけましょう。」

 

「タリア艦長、それについてなのだが。」

 

タリア艦長の考えに対してクワトロ大尉が意見を出す。

 

「私にいい考えがある。」

 

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~主人公視点~

 

さて、ZEUTHとの会話をした後、

とりあえず部屋を借りれたのでザフトの兵士の案内で部屋へとたどり着き、一人で中に入った後俺は適当にベットに座り込んだ。

 

ようやくZEUTHとの再会を果たし、これでいいと思いだろう思うかもしれないが、

 

「は~、どうしてこうなった。」

 

そう、現在の行動は自分の考えていた予定とは大きく違っていた。

そもそも、デビルガンダムで地中にもぐっており出て来る場所の座標がずれており戦場のど真ん中へと出てしまったのだ。

そのため逃げることができず、デビルガンダムで戦闘をすることになり。

そして、この格好。

デビルガンダムによる悪影響の際の保険として着ているこの服と仮面。

今さらだが周りから見れば謎のガンダムに乗って現れた仮面の男なんてアニメだったら不審者フラグ確定じゃないか。

でも今さら仮面を外して皆と話すこともできないし、

外してしまったら仮面をつけている意味がなくなってしまう。

なので仕方がないが、しばらくジョーカーとして過ごすしかないようだ。

 

そして次に、その元凶であるデビルガンダムがいまZEUTHと共にいることである。

 

DG細胞の機体ならまだしも、元凶が艦内いるのはどうだろうか。

 

「ほんと、どうしたらいいんだ。」

 

もう、いまの俺の精神ズタズタで、ため息を吐くことしかできない。

 

「ジョーカー殿。」

 

どうしようと思い悩んでいたとき、天井から声が聞こえた。

その声の主となるの者は俺が覚えているなかでは一人だしかいない。

 

「・・・・東方不敗か。」

 

天井にあるダクトの蓋が外れ、そこから東方不敗降りてきて地面へと降り立った。

 

「ジョーカー殿、お待ちしておりましたぞ。」

 

「東方不敗、早速だが現状の報告を頼む。」

 

「はい、ジョーカー殿のご命令通りにZEUTHの監視を遂行し、いまの所気が付いておる者はおりません。

そしてジョーカー殿との話していたとおりにZEUTHには我が主なるものの命令で同行しておると伝えて、儂とジョーカー殿との関係は話しておりませんので儂ら二人の関係に気がついてはいないでしょう。」

 

「ふむ、とりあえず計画通りか。」

 

東方不敗と俺との関係は明かさないように事前に打ち合わせしてもらっている。

なぜならば、先程のいったように俺がデビルガンダムに乗っているからだ。

分かっていると思うがデビルガンダムは本来は地球から人間を滅ぼそうとまでした機体だ。

出来ればそんなことはしたくはないが、何が切っ掛けでデビルガンダムが破壊衝動に駆られるかわからない。

それで潜入している東方不敗と俺との関係がZEUTHにバレてしまったら、ZEUTHの皆を見守ることができないのだ。

その為、東方不敗には事前に俺のことは言わないようにしてもらっている。

 

「そしてジョーカー殿のご命令通りにあのセツコという娘もいまのところ異常はありませんぞ。」

 

「そうか・・・。」

 

本来の原作のとおりにトビーさんとデンゼル大尉は亡くなり、セツコはスフィアによる因果に巻き込まれることになる。

その為、護衛の目的として東方不敗に見守ってもらうこととなった。

 

「ついでに流派東方不敗の修行をして肉体の強化もしておりますぞ。」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

・・・ん?

 

 

 

 

 

・・・・・・え!?

どういうこと!?

なぜそうなったんだ!?

いやそれどころかなぜ流派東方不敗なんだ!?

俺そんなこと言ったっけ!?

 

「あ、あの東方不敗その事なんだが・・・、」

 

「む!」

 

「ん?、どうかしたか?」

 

俺が東方不敗に問いかけようとしたとき、東方不敗は何かに気づいたのか視線を扉の方へと向けていた。

 

「いえ、とりあえず報告は以上です。ではまた後程。」

 

「え?あ・・・、ああ、頼んだ。」

 

俺は東方不敗にセツコのことを聞き出すことができず、

東方不敗は先程入ってきた天井の中に戻り、ダクトの蓋はきっちりと閉めてくれた。

 

東方不敗って忍者だったけ?

というか色々聞きたいこと聞きそびれたな。

まあ、後で聞くとしよう。

 

コンコン、

 

そして、東方不敗と入れ替わるかのようにドアからノックの音が響き、誰かが来たことを知らせてくれる。

 

「はい、どちらさまで・・・しょう・・・か。」

 

扉を開けるとそこには先程話していたセツコが扉の前に立っていた。




新作のスパロボXを早速プレイして更新が遅れてしまいました。(それ以外にもありますが(汗))

とりあえず色々と落ち着きができてきたので更新を早めにできるように頑張ります。(^_^)/

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