機動戦士Dガンダム~悪魔の兵器の物語~   作:クニクニ

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※注意:少しだけ自重しません(誰がとはいわないですが。)


第25話 その拳に破れぬものなし

~シベリア~

 

仲間を引き連れて新たな戦地へと向うZEUTHチーム

しかし、彼らはその途中で更なる試練が待ち構えていた。

 

 

時間は遡り数十分前。

一時的な休息をしているときにセツコとトビーの元にUNの回線から送られてきたメッセージによりアサキムが待っているととの通信を送られてきた。あきらかに何か罠の感じがするが、彼らはデンゼルの敵を討つためそんなことを考えている暇もなくバルゴラを動かすのであった。

 

そして指定されたポイントに向うとそこにはチラム兵の部隊がいた。

明らかに彼らもアサキムによって誘われたの雰囲気があったが、彼らは敵の為これをセツコとトビーで撃破することになり、

チラム兵を撃破したときにアサキムと黒いカラスのようなメカであるコルニクスが登場する。

数で不利に思えたとき心配になって駆けつけてきたZEUTHチームがやってきたので戦況は有利になるのであった。

 

 

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そして現在、コルニクスを全滅させて残りはアサキムだけの状態となっていた。

 

「くらえ!」

 

トビーはバルゴラの持つ武器ガナリー・カーバーから実弾のストレイターレットを発射し、その隙を突いてセツコはバルゴラで接近戦を持ち込みガナリー・カーバーの後背面を直接シュロウガに叩き付けて攻撃する。

ZEUTHチームと共にシュロウガに大きなダメージを与え、いまのシュロウガはいたるところが破損している状態だった。

 

「そこまでだ、アサキムお前には死ぬ前に全て吐いてもらうぞ!」

 

「・・・。」

 

しかしシュロウガはセツコたちに背を向けて戦闘区域から逃げようとする。

 

「あの機体・・・まだ動けるの!?」

 

「追うぞ、セツコ!ここですべての決着をつける!」

 

「はい!」

 

セツコとトビーはZEUTHたちのところから離れ、アサキムを追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、それがアサキムの罠だと知らずに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

セツコ達がある程度アサキムを追いかけたところでシュロウガがこちらを向く。

 

「一時の勝利を味わったか・・・。そこから奈落へ堕ちるがいい。」

 

シュロウガの機体は破損していた。

普通であればどこかの整備できる場所でなければ修復不可能なぐらいに。

しかし、シュロウガのパーツはみるみる修復し始め機体損傷のないは綺麗な状態へとなった。。

 

「何っ!?」

 

「残念ながらシュロウガはそう簡単に崩れない。狭間にいるんだ現世と幻世の・・・。それに太極へと先んじているのさ。」

 

アサキムはシュロウガのディスキャリバーを抜き、バルゴラに向って距離をつめてくる。

 

「セツコ、回避だ!急げ!!」

 

「トビー!!」

 

「さあ・・・絶望を抱くんだ、その胸に・・・。」

 

アサキムはセツコ・・・ではなくトビーの機体に向って攻撃を仕掛ける。

シュロウガの動きが早くバルゴラでは回避が間に合わずトビーの機体はシュロウガの攻撃をモロに受けてしまう。

 

「ぬああああああああっ!」

 

バラバラになる機体。

そんな中、トビーは意識を朦朧とさせ・・・。

 

「す・・・すまねぇ・・・チーフ・・・セツコ・・・」

 

トビーは言葉の途中でトビーの機体は爆散する。

セツコの機体は爆発の衝撃で機体はバランスは崩し、セツコは機体の中で大きく振り回される。

 

「きゃあああ!」

 

バランスを崩したバルゴラはそのまま雪に覆われた地面へと倒れこむ。

 

「うっ、うう。い、一体何が?」

 

幸いなことにセツコに怪我はなく、セツコは外の状況を確認しようとモニターを確認する。

そぁそモニターが一部に砂嵐が流れ外を確認することが出来ず、機体のチェックするとバルゴラの機体は何箇所か損傷しており機体を動かすことは出来なかった。

セツコはバルゴラのコックピットから出て外を確認する。

そんなセツコの元に一人の人物が近づいてきた。

 

「あ、あなたは!?」

 

「そう、僕がアサキム・ドーウィンだ。」

 

目の前にはアサキムが立ちふさがっており、周りを見たときにトビーがいないことにセツコは気づく。

 

「トビー?・・・トビー!?トビーはどうなったの!?」

 

「トビー・ワトソンはあの無様な人形と共に消えた。」

 

アサキムの言葉にセツコは驚きが隠せなかった。

いや、隠せるはずがない。

周りを見てみればあるのはバルゴラの無惨な残骸のみ、

さっきまで共に戦っていた仲間、その仲間はもういないのだから。

 

 

「いや・・・。いやああああああああ!」

 

「そう・・・その声いい響きじゃないか。僕はそれが聞きたかった。」

 

アサキムはセツコが絶望に包まれる顔を見てアサキムの顔は悪意に満ちた笑顔で微笑んだ。

 

「これで残るは君一人だね。」

 

「あなたは・・・あなたはチーフに続いてトビーまで!」

 

ユニウスセブンでの戦闘で転移した後、このアサキムは突然現れ、デンゼルの命を奪いそして今トビーの命さえも奪ったのだから。

そんな想いがセツコの感情を悲しみから怒りへと変わる。

 

「・・・その目はなんだい。君に許されるのは泣き叫ぶことだけだよ。」

 

セツコの感情が変わったことにアサキムは先程までの笑顔がなくなり、彼も不快な気分になっていた。

 

「君にそんなものは必要ない。さあ絶望の涙を僕に捧げるんだ。」

 

アサキムはセツコの頬にビンタをし、彼女はビンタの影響でふらつきセツコの頬は赤くなっていた。

しかしアサキムはそれでもやめず彼女に痛みを与える。

 

「君の体にはまず痛みと恐怖を刻み込み、君を絶望にしてあげよう。さあ悲しみを心に刻み込め!」

 

「いやあああああ!」

 

「ハハハハハハハ!そう、それだ!その姿こそまさに至福の悲鳴だ!

泣け!もっと泣け!

心の底から絶望するんだ!」

 

彼女を痛めつけるアサキムの姿はまるで他人を蔑んでいる狂人の姿だった。

 

「さあ、今から君に黒獄の時刻が訪れる!苦しみ、嘆き、もがき、そして耐え難い悲しみを抱きつつ堕落していくといい、アハハハハハハハハ!」

 

「助けて!誰か!誰かあぁぁぁぁ!」

 

彼女の元へと駆けつけたいZEUTHチーム。

しかし、敵の妨害が激しい上に彼女のいる場所がアサキムの策略によってZEUTHチームから離されているため向うことができない。

 

「だめだ、この距離じゃ届かない!」

 

アムロがすぐにでも助けに行きたいが行けず、アサキムはセツコに更なる悲しみを与える為に彼女に痛みによる苦痛を与え、涙を流せさせる。

 

「さあ、絶望するがいい!その道は僕も歩んできた道なのだからな!」

 

「いやあああああああ!」

 

 

 

「そこまで!でりゃああああああ!」

 

アサキムがセツコに苦しみを与えているとき、謎の人物がアサキムへと拳を当てにくる。

その拳はセツコに伸びていたアサキムを遮り、アサキムはすぐさまセツコから離れる。

 

「ぐっ、・・・邪魔が入ったか!」

 

フードを被った謎の人物はアサキムとセツコの間に入りセツコを守るように立つ。

 

「い、いや来ないで!」

 

アサキムは邪魔が入ったことに苛立つがセツコの絶望した顔を見れたのでアサキムは満足し、セツコから少しずつ離れる。

 

「ふ、まあいい。いずれ君を迎えよう。その顔を絶望に染めるために。」

 

アサキムは自分の機体であるシュロウガに乗り撤退を始めるが、謎の人物はそうはさせまいと、

シュロウガの前に立ちふさがる。

 

「逃がすと思ったかぁ!」

 

謎の人物は生身のままでシュロウガに蹴りを食らわせて、シュロウガの片腕が大きく損傷させた。

謎の人物は機体の中央を狙っていたがアサキムもただではやられとず僅かながら急所をはずしたのであった。

そのためシュロウガの撤退の速度は落ちずそのままエリア外へと向う。

 

「むっ!はずしたか。」

 

 

「いっ、一体何が?」

 

アムロはアサキムの機体を蹴りだけで損傷させた人物に驚きを隠せなかった。

だが、謎の人物の周りにはアサキムを逃がそうとアサキムの仲間の黒いカラスのようなメカであるコルニクスが謎の人物の周りを囲い逃がさないようにする。

 

「お、おい!あんた、そこにいると危ないぞ!」

 

シンは謎の人物が戦場に生身でいることに危険を感じ謎の人物に呼び掛けてこの場から離れるように促す。

 

「ふん!若造に心配されるほど儂は甘くないわ!でりゃあああああ!」

 

謎の人物は自分の持つ布を巧みに操り、その布を鉄よりも硬くしコルニクスに向って真っ二つに切り裂く。

空中に浮かび身動きが出来ないところを敵はレーザーで撃ち落とそうとするが、謎の人物は布を回転させ、攻撃をすべて弾き、布を大きく振り回しては遠心力の力で布は周りの機体を切り裂き謎の人物の周りにいた機体を一気に倒しシュロウガへと距離を詰める。

 

「す、すごいあの人、生身で敵を。」

 

シンは生身で敵を倒す東方不敗に度肝を抜かされる。

生身で敵を倒すなんて不可能のはず。

だが目の前にいる人物はいま目の前でやってのけているのだ。

 

「貴様!一体何者だ!」

 

アサキムは謎の人物に正体を問う。

 

「ならば貴様に名乗ってやろう!その耳で聞き、覚えとくがいい!」

 

謎の人物はフードを取り、空へと投げ捨てる。

 

「儂は、流派東方不敗のキングオブハート!そしてこの儂こそ、東方不敗マスターアジアだ!」

 

東方不敗の気が凄まじく、アサキムも東方不敗が並みの人物ではない強者として認識した。

そして先程の戦闘もあって準備不足な状態なため、ここは退いた方が賢明だと判断する。

 

「どうやら一筋縄ではいかない相手のようだな。ならここは一旦撤退する。」

 

「アサキム!」

 

アサキムは撤退を始めようとしたとき新たな機体が現れる。

 

「来てくれたか、ランド。」

 

現れた新たな機体はアサキムの味方でガンレオンに乗ったランド・トラビスだった。

 

「当然だろ、兄弟。お前のピンチときたら放ってはおけねえよ!」

 

「すまない、ここは任せる。」

 

アサキムは後をランドに任せ、アサキムはその場を撤退する。

 

「さあて、悪いが俺がいる限り、アサキムはやらせねぇよ!」

 

「ほう、この儂に対してその口は達者じゃな。」

 

「おっさん、怪我しない内に帰った方がいいぜ。」

 

「ふん、ならば試してみせようかの、そこのお主!この女はお主に任せる。」

 

「ええ!?えっと、はい!」

 

完全に出だしが遅れたレーベンは東方不敗の近くにいた為かセツコの回収を任される。

 

「おいおい、おっさん、いくらなんでも生身はやめときな怪我するぜ。」

 

ランドは到着する前にアサキムの機体が生身の東方不敗に壊されたことを知らなかった。

そのため、ランドは生身の東方不敗に遠回しに無理だと鼻で笑うのであった。

 

「こいつと戦うなら自分の機体でも「でりゃああああああ!!」ぐあああああ!?」

 

ランドが余裕を見せたとき東方不敗はすかさずガンレオンのコックピットに一撃を喰らわせる。

そのためガンレオンの中ではランドは大きく弾ける。

 

「な、なにが!?」

 

「お主、大口を叩く暇があるなら構えよ!敵は目の前!ここにおるのだからな!」

 

ガンレオンを生身。しかも素手で一撃を与えたことに理解ができずランドは混乱する。

しかし、ランドも負けるわけにはいかないと、ガンレオンを起こし戦闘態勢をとる。

 

「何をしたかわからねぇが!だったら、もう容赦はしねぇぜ!」

 

「では!来い!」

 

「でぃやああっ!」

 

ガンレオンは人間の大きさよりはるかに大きい工具のデッカー・スパナを東方不敗に向かって投げる。

普通に当たれば当然のごとくミンチの状態になるだろう。

 

「そんなものでこの東方不敗が止まると思うなぁ!せいっ!」

 

しかし、東方不敗はこれも簡単に蹴りで弾き、デッカー・スパナは地面に突き刺さる。

 

「ならこれならどうだ!」

 

デッカー・スパナは外れてしまったが、

ランドはガンレオンが持つ巨大なレンチ、ライアット・ジャレンチを東方不敗に目掛けて真上から叩き落とす。

その衝撃は凄まじく辺り一体を揺らす。

 

ライアット・ジャレンチの攻撃で地面に大きなクレータが出来上がっていており、周りには煙が立ち込めていていた。

あの男がどうなったか煙でわからないがライアット・ジャレンチを生身でモロに食らったのだ恐らく原型は留めてないだろう。

 

「はぁはぁ、や、やったか!?」

 

直撃を喰らわせたのでランドは相手を倒せたことにほっ、と安堵する・・・。

 

 

しかし、その後異変が起きる。

 

ライアット・ジャレンチが少しずつ()()()()()ているのだ。

 

 

「なっ、なにが起きてやがる!?」

 

煙が少しずつ晴れるとそこにはライアット・ジャレンチを両手で支えている東方不敗がいた。

 

「なに!?」

 

「でりゃああああああ!!」

 

ランドが驚くのと同時に東方不敗がライアット・ジャレンチを持ち上げガンレオンごと押し倒す。

 

「その程度!その程度か、貴様は!!」

 

「くっ、なめんなよ!こっちには修理屋の意地ってのがあるんだよ!」

 

ランドはガンレオンをすぐに立て直して東方不敗に向かって対峙する。

 

「ほう、その根性は良し!たが貴様は根性だけで他には足りないものが多いわぁ、たわけめ!」

 

東方不敗はガンレオンから離れ、近くの瓦礫の上に立つ。

 

「ならば、こちらはこれで相手をしよう。出でよ!ガンダアアアアァァァム!!」

 

東方不敗は拳を高く突き上げて、自分の機体であるクーロンガンダムを呼び出す。

クーロンガンダムは雪の下から飛び出してきて東方不敗の元へと飛んでくる。

 

「とお!」

 

東方不敗は瓦礫の上から飛び上がり、クーロンガンダムのコックピットへと飛び移る。

 

「このガンダムの攻撃、貴様には受けきれるか!」

 

クーロンガンダムが構えてガンレオンに一撃を与えようと構えを取る。

 

「超級!覇・・・。」

 

「くっ、あの技を喰らったらヤバイ気がするぜ!

それにこれ以上は持たない。悪いがここは引かせてもらうぜ!」

 

ランドは東方不敗の攻撃を受けては不味いと思い、すぐさま撤退する。

 

「逃げたか・・・。

ふん、情けない。少しは手加減してやろうと思ったが、

・・・まあいい。」

 

クーロンガンダムの一撃を喰らわせようとしたがランドが逃げてしまったことによりその気が失せたので攻撃をやめる。

 

(追撃をするのは得策ではないな。ここは見逃すのが良さそうじゃな。)

 

東方不敗は周りに敵がいないことを確認して構えを解き、戦闘態勢も解く。

そして視線をZEUTHに向ける。

 

「ふむ。あれがZEUTHか。」

 

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~アーガマ艦内~

 

「この度はご助力ありがとうございます。」

 

戦闘が終了しブライトは艦の中にに一緒にいる東方不敗に礼を述べて感謝していた。

 

「構わぬ。儂も主殿のご命令で動いたまでよ。」

 

「主?」

 

「うむ、我が主がこのZEUTHの元に行き、手助けせよとのご命令されたのでな。」

 

「命令・・・ですか?」

 

「うむ。我が主は聡明で思慮深いお方だ。きっとあの方は何か理由があって儂をこの場所へと赴かせたであろうと思ってこちらに来たのだ。」

 

「あなた程の人がそれほど言うなんて余程すごいお方のようですね。」

 

「うむ、儂はあのお方と初めて会ったとき最初儂は敵として仕掛けたが、あのお方は本気を出さず儂の攻撃を簡単にあしらったのだ。

しかも、敵だった儂を配下にしてもらった素晴らしきお方なのだ。」

 

「「「えっ?」」」

 

ZEUTH一同は驚きを隠せなかった。

機体を素手で倒した東方不敗の主である人物は本気を出しておらず、しかも東方不敗を配下にできるほどの人物。

東方不敗が褒め称えている人物が一体どれ程のものなのかとZEUTH一同は内心不安もあった。

 

「それはそうと、先程の女性は?」

 

「え?ええ、彼女は・・・。」

 

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~医療室~

 

 

「・・・。」

 

セツコは先の戦闘で回収され、体に異常はなくほっぺが少し赤くなっているだけだった。

しかし、彼女の心には大きな傷ができていた。

 

「トビー・・・。」

 

つい数時間前には共にいた人が今はいない。

チーフが死んだときもトビーが慰めてくれた。

だが、そんな彼も今はいない。

セツコは目に涙が溜まりベットの上で膝を抱える。

 

 

セツコのいる部屋の扉が開きそこに一人の男性が入ってきた。

 

「少しいいかの?お嬢さん。」

 

「・・・貴方は、さっきの?」

 

「うむ、まだ名を言っておらなかったな。儂の名は東方不敗マスターアジア。武闘家だ。」

 

「あの、先程はありがとう・・・ございました。」

 

「気にするでない。儂もただ手助けをしたまでよ。」

 

東方不敗は部屋の中に入りセツコがいるベットの横の椅子に座る。

 

「ほれ、これで涙を拭くが良い。」

 

東方不敗は懐から綺麗な布を出してセツコに渡す。

 

「事情は少しだけ聞いておる。・・・辛かったであろう。共にいた仲間を失い、そしていまは一人。」

 

セツコは東方不敗の言葉を聞きアサキムに殺されたデンゼルやトビー。

彼らがいないと思うとセツコの瞳からは再び涙であふれる。

 

「泣きたければ泣くが良い。・・・じゃがな、泣いても何も戻らぬ。それはわかっておろう。」

 

「・・・・。」

 

わかってはいる。いまこの現状が現実で何も変わらないのだと。

だがセツコは何もいえずただ黙っているしか出来ない。

チーフとトビー、セツコがグローリー・スターで共にいた仲間はいなくなり、いまではもう一人だけなのだから。

 

「じゃが、お主にはまだ残っておるものがあるではないか?」

 

「・・・え?」

 

「このZEUTH、それにもしかしたらお主には他にも信頼の置ける人がいるのではないのか?」

 

「信頼の置ける人・・・。」

 

「その信頼の置ける人物のことは知らぬから絶対とはいえぬが。もしかしたらお主の帰りを待っているかも知れぬぞ。その者の為にも立ち上がってみてはどうだ。」

 

「わ、私は・・・。」

 

「迷うなとは言わぬ。むしろ気が済むまで迷い、そして泣くが良い。そして腹の中にあるものをすべて吐き出すが良い。それから決めるのも遅くないぞ。」

 

東方不敗はそれだけを言った後にはそれ以降なにも言わずに椅子から立ち上がり部屋から出ていった。

再び一人になったセツコは目を潤ませて、膝を抱える。

 

「私、いったいどうしたら・・・・隆司さん。」

 

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~???~

 

セツコと話を終わった後、

アーガマの格納庫の人目がつかないところに東方不敗はいた。

 

『・・・そうか、間に合わなかった。』

 

「はい、もう少し早く到着していればジョーカー殿の言っていたトビー・ワトソンを救えたのかもしれたのですが。」

 

『いや、彼らの援護してくれたのは良くやってくれた。

ありがとう。』

 

「ジョーカー殿、礼などと。」

 

『いや、東方不敗が行ってくれなければ事態は良くない方向になっていたのかもしれないからな。』

 

「ありがたきお言葉。それで今後は?」

 

『そのまま、ZEUTHと同行して報告をしてくれ。俺も近いうちにそちらに行く。』

 

「自らこられるのですか?」

 

『ああ、そこは少々縁がある場所だからな。』

 

「畏まりました。到着されるまでこの東方不敗がお守りいたします。」

 

『心強いな。では頼んだ。』

 

「はっ!」

 

東方不敗は通信を切り、ジョーカーのいわれたとおりにこのZEUTHの動向と行き先を調べる行動に移った。




東方不敗が本編に参戦
東方不敗のキャラがうまく表現できていたらいのですが・・・。

そういえば関係ないですけどスパロボ64では東方不敗vs衝撃のアルベルトの戦いがありましたね。あの戦闘シーンは衝撃的でした。ロボットではないですけどwww

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