機動戦士Dガンダム~悪魔の兵器の物語~   作:クニクニ

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今回は8000文字超えです(笑)。


第23話 一年戦争の亡霊

どうも隆司です。

セツコ達ZEUTHに会うために地球へと向かってましたが、

いまはというと・・・、

 

「どうした、アクシズの料理は食えないのか?」

 

「あっ、いえ。想像よりも豪勢だったのでつい。」

 

「そうか、遠慮はするな好きなだけ食うといい。」

 

アクシズの摂政であるハマーン・カーンのいるところに来ています。

 

どうしてアクシズにいるのかって?

それは・・・。

 

 

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~さかのぼること3時間前~

 

DGコロニーからデビルガンダムで再び出撃した俺は地球へと向かっていた。

しかし、セツコ達がどこにいるか当てがあるわけではない。ただいまどこにいるかはっきりと思い出せない。

 

(原作のゲームをしたのがけっこう前だったからみんなの場所があまり覚えてないな。)

 

その為、地球に降りて情報収集するしかないのだ。

 

そして、デビルガンダムで向かっている途中で閃光が放ち、カメラをそちらへと向ける。

そこでは他にいくつもの閃光が放っていた。

 

「あれは・・・、爆発の光か!」

 

近くで戦闘しているようだ。

もしかしたらセツコ達、ZEUTHか?

だけどこのとき宇宙に来てたか?

 

とりあえず俺はすぐさま戦闘している場所へと向かおうとしたが今乗っているのはデビルガンダム。

この機体なら戦闘は楽だが、もしDG細胞でZEUTHになんらかの影響を与えてしまってはいけない。

そう考えるとデビルガンダムでの戦闘の参加は今は控えたほうがいいと考える。

 

「ゲシュペンストを今から作るとなると・・・くそ、10分かかるのか!なら代わりに何かないか!」

 

俺はモニターで使える機体を探すが以前のヴァルシオンとの戦闘でほとんどの機体を失い残りは大破して使い物にならない状態だった。

直接このままでビルガンダムで、と思っていたときすぐ使える機体が1機だけあった。

 

「ザクⅡか。」

 

他の機体はボロボロなのに、なぜかザクⅡだけがまったくの無傷で残っていた。

 

「しかたがない。とにかくこいつで出よう。」

 

俺はすぐにデビルガンダムからザクⅡを出し、コックピットを乗り換え戦場に向かって飛ぶ。

 

「あれは・・・、」

 

戦場が近づくとセツコ達のZEUTHはいなかったが、そこにはネオ・ジオンのガザCの部隊とガイゾックのメカブーストのドミラが戦っていた。

ガザC部隊はドミラに反撃はしているがやはり、数で押されている。

 

「見過ごすことはできないな。」

 

俺はすぐさまザクⅡでガザC部隊の援護に向かう。

まず、近くにいるドミラを頭上から急接近してザクマシンガンを喰らわせる。

 

『お、お前どこの部隊だ!?』

 

ガザC部隊の男兵士がこちらに通信を飛ばしてくる。

 

「いまは、それよりもここを乗り越えるぞ。」

 

俺はガザC部隊を守るためにフットペダルを踏み、ドミラに向かって飛ばす。

 

「くらえ!」

 

俺はヒートホークを取り出して近くにいるドミラに対して胴体に向かってヒートホークの刃を食い込ませて攻撃する。

 

「そこ!」

 

そしてヒートホークで一体撃破したあとすぐさま反転してカメラで確認すると複数固まっているドミラを見つけたのでザクマシンガンを構えて撃ち、ドミラはザクマシンガンで無数の穴が開き、その直後爆発する。

 

「あと、数体!」

 

再び、バーニアを噴かしてドミラに向かって一直線に進む。

右手にザクマシンガン左手にヒートホークを持ち残りのドミラがいる場所へと近づく。

ドミラもこちらに気がついてか攻撃を仕掛けてくるが、こっちはDG細胞で強化されたカスタム機。

そうそう簡単に当たるわけがない。

 

「これで最後だ!」

 

最後の一体にヒートホークを食らわせてようやく戦闘が終了する。

 

「ふ~、これで終わりかな?」

 

「何者かは知らぬが礼を言おう。」

 

俺は安心して息を吐いてその声を聞いたとき体がビクッと反応して声がした方向を見る。

あ、やっぱり。

この声に、目の前の白いガザC。

どうみてもハマーン・カーンです。

 

「見たところ貴様もジオンの者のようだな。」

 

いえ、違います。

でもザクに乗っている時点でジオンに見られてもおかしくないか。

というかいま声を出して『違う』と言いたいがビビってしまい声を出せない。

『機動戦士Zガンダム』ではシャア(クワトロ)やシロッコと戦うことのできる女性で、しかもスパロボでのステータスが異様に高い人なのだ。

それが目の前にいるとなるとビビってしまう。

 

「まあいい。礼をしよう。アクシズに来るがいい。」

 

「えっと、あの・・・。」

 

地球に行ってセツコ達、ZEUTHと合流したい。

だが、ビビってしまい声がでない。

 

「どうした?なにかあるのか?」

 

ガザCがこちらに振り向いたとき、俺は思った。

もし、自分がジオンじゃなかったらあのハマーンがこちらに怒りの矛先を向けるのではないかと思い・・・。

 

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~妄想(隆司の頭の中)~

 

「なに?貴様ジオンのものじゃないだと!」

 

「そうです。俺はジオンのものじゃないです。」

 

「ならば貴様は我々の敵か!」

 

「え?いや別に「恥を知れ!俗物!」」

 

「うわあああああ!?」

 

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ガクガクブルブル

 

お、恐ろしい。

もしジオンじゃないなんて知られたら俺生きて帰れるか。

 

「いえ、なんでもないです。」

 

「そうか、では来るといい。」

 

ここは素直に着いて行くのがいいのかもしれないな。

 

「はい。」

 

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~アクシズ~

 

俺はハマーンに連れられて、アクシズの格納庫に入り、ザクをジオンの整備班に預ける。

特に損傷はないから整備の必要はないだろう。

それにいざとなったらDG細胞のオートパイロットで何とかなるだろう。

・・・たぶん。

 

「そこにいたか。」

 

「あ、あなたは。」 

 

「始めましてだな。私の名はハマーン・カーン。このアクシズの指揮をしている。」

 

「た、橘隆司です。」

 

生で見たらすごい美人だな~。

思わずその美しさに動悸が激しくなり、危うくやられそうになる。いかんいかん、気をしっかり持たねば。

このハマーン・カーンはザビ家の復讐の為にいろんな手を使う恐ろしい女性なのだ。

いわば獲物を狙う際にはいいとこ取りをする美しき猛獣なのだ。

危ない危ない騙されるところだった。

 

「紹介したい人がいる。こちらに来てくれるかな。」

 

ハマーンの目は俺を獲物であるかのようにこちらに目を光らせる。

ここに来た時点で俺に拒否権はないんだな。

 

「わかりました。」

 

 

俺はハマーンと共にアクシズ内部を歩き、大きな扉の前へと来た。

ジオン兵が扉を開けてハマーンが中に入り俺も付いていく。

そこは大きな部屋で真ん中には赤いカーペットが引かれていて、その奥には玉座と思わしきものに一人の少女が座っていた。

 

「紹介しよう、このお方はミネバ・ラオ・ザビ様だ。」

 

玉座に座っていたのはジオンの忘れ形見で『ガンダムUC』で活躍するミネバ・ラオ・ザビだった。

俺は膝を折り、テレビとかでよく見る騎士が跪く姿勢にする。

 

「は、始めまして、橘隆司と申します。」

 

「うむ、おもてを上げよ。」

 

「は、はは。」

 

こんな経験一度もないから俺はとても緊張してか、体が硬い為か顔を少しだけしか上がらない。変な動きをしていないかな?

ミネバはこちらを見てニコッと笑う。

 

(うっ!ミネバはこの頃から可愛かったんだな。)

 

こりゃあ、バナージが惚れる理由がわかるな。

 

「この度はここアクシズの危機を救ってくれたことを感謝する。」

 

「とんでもありません。自分もジオンの一兵士です。仲間の危機は救わなければなりません。」

 

実際見過ごすことも出来たけど、見過ごしたら後味悪いからね。

 

「では、アクシズを救ってくれた礼だ。ここで過ごすといい。」

 

「ありがとうございます。」

(どうしよう・・・ますます帰りにくくなったぞ。)

 

「ところで、お前もジオンのものだといったが本当なのか。」

 

「はい。その通りです。」

 

「そうなのか。なにか面白い話はあるか?」

 

「面白い話ですか?」

 

「ああ。ここにいると退屈でたまらない。」

 

「ミネバ様・・・。」

 

ハマーンはミネバを止めようとする。

 

「構わないだろ。ハマーン」

 

「・・・わかりました。では、もう少しで食事のお時間ですので。貴公もそれまでお話されてはいかがですかな。」

 

「わかりました。ではミネバ様。ここに来るまでのお話をしましょう。」

(ここで、ミネバと仲良くなれば俺のイメージアップになって信頼を得れば俺の生存率も上がる・・・はず。)

 

それから、ミネバ様と見張りだろうジオンの兵士数名と共に部屋で待機して、ミネバにスパロボのお話をしてあげた。

 

「・・・そして、甲児はこういったのです『やい!一昨日来やがれ』っと。」

 

「ほう。そのマジンガーZは強いのだな。」

 

「ええ、とても強いですよ。」

 

「他には何かないのか?」

 

「そうですね。他でしたら・・・、ああ、なら次はUFOのロボットで戦った男の物語はどうですか?」

 

「おお、それも面白そうだな。」

 

「では・・・。」

 

俺が次の話をしようとしたときに侍女が部屋の中に入ってくる。

 

「ミネバ様、お食事のご用意が出来ました。」

 

侍女がミネバを呼びに部屋の中へと入ってくる。

 

「もうそんな時間か。では隆司今日は楽しかった。」

 

「いえ、ミネバ様が楽しいと思われて良かったです。」

 

「では。」

 

そして、ミネバは侍女と共に部屋を出ていった。

 

(・・・は~。なんとかなった。)

 

とにかく面白い話をしようとあれこれ考えていたらつい熱中してしまった。

これじゃあ、俺まるでアニメの話に夢中になったオタクじゃないか。変に思われなかったかな。

 

「少し良いか?」

 

「ひゃい!」

 

突然声を出せない掛けられて驚いてしまい、後ろを振り向くと、そこにはマシュマー・セロがいた。

 

「すまない。驚かせてしまったようだな。」

 

「え、えっと。あなたは?」

 

「む!失敬。こちらの自己紹介がまだだったな。私の名前はマシュマー・セロ。ハマーン様をお守りする忠実なる騎士だ。」

 

「マシュマー・セロさんですか。自分に何かご用でしょうか?」

 

「うむ。実はハマーン様から貴公を呼ぶようにと仰せつかったので呼びに来たのだ。」

 

「じ、自分をですか?」

 

「そうだ。貴公のこれまでのことを聞きたいらしい。」

 

一難去ってまた一難。

今度はハマーンの相手をしなければならないのか。トホホ。

 

「わかりました。いきましょう」

 

俺はマシュマーに着いていってハマーンのいる所へと向かった。

 

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・・・そして今に至るわけだ。

ただ、案内された場所がなぜか食堂だったのだが。

ちなみに、食堂とは言ってもミネバは別の場所で食事を取っているらしくこの部屋では俺とハマーンとジオン兵数名だけだった。

 

「ハマーン様・・・。」

 

「どうしたのだ?」

 

「いえ、なぜ自分めが食事なのでしょうか?」

 

「おかしな奴だ。食事をとるために食堂にいるのではないのか?」

 

「??」

 

「まあよい。実はお前には聞きたいことがあるのだ。」

 

「自分にですか?」

 

「お前はジオンに所属していると言ったな。」

 

「・・・え、ええ。」

 

「どこの部隊の所属だ?」

 

・・・ま、不味いぞ。

所属している部隊のことはなんにも考えていなかった。

ど、どうしよう!

 

「・・・どうした?」

 

「い、いえ、なにも!!」

 

くそ、適当な部隊の名前を言えばなんとかここを切り抜けられるんじゃないか?

 

「自分の所属は・・・。」

 

ドカン!

 

俺が意を決して言おうとしたとき突然爆発と揺れが起きて食器や食事がひっくり返る。

 

「なんだ!?」

 

「ハマーン様!」

 

「マシュマー!一体何ごとだ!」

 

「敵です。先程襲撃してきた異星人が再びこちらに。」

 

「また、奴等か。」

 

ガイゾック、また来たのか。

アクシズを置いて逃げるか?

でも、逃げるのもなんだか悪いような。

う~ん。

そうだ!戦ったあととんずらすれば良いじゃないか!

そうすれば罪悪感もないはずだ。

 

「ハマーン様、自分も手伝います。(そのあとは逃げますが。)」

 

「・・・助かるぞ隆司。」

 

食堂を後にして俺はハマーンと共に格納庫へと向かった。

 

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俺はアクシズからノーマルスーツを借りて、ザクの元へと行く。

 

「特に損傷もなかったのでいつでも動かせます!」

 

整備士の人から特に問題はないとの事なので俺はザクのコックピットへと乗り込む。

 

「わかった。橘隆司、ザク発進する!」

 

俺はアクシズのカタパルトから出撃してアクシズに近づいているドミラを見つける。

 

「そこか!」

 

俺はザクマシンガンを発射してまず1体を撃墜する。

ドミラは散開して少数でこちらに攻撃を仕掛けてくる。

 

「くそ数か多いこのまま戦うのは面倒だな。だけど誰が見てるかわからないからDG細胞で戦ったらそれこそ後がもっと面倒だ。」

 

俺は仕方がなく敵を1体ずつ倒すことにした。

幸いなことにDG細胞だとエネルギー切れを起こすことはないので弾の残弾を気にせず、ドミラに向かってザクマシンガンを撃つ。

そして、命中した弾が一発でもドミラに当たれば内部でDG細胞が侵食を初めてドミラの動きを止める。

そして、動きが止まったところをさらにザクマシンガンで止めを指す。

 

これらを繰り返したので特にこちらに被害はなく粗方倒したので、こちらは大丈夫だろうと思い、モニターを見ると近くにハマーンの機体があった。

モニターを確認するとハマーンはガザCを巧みに操り、ドミラを何体も撃墜する。

 

「さすが、ハマーン。あれほど動けるとは。」

 

しかし、モニターをよく見てみるとハマーンの乗ってるガザCの後ろにある隕石の影にドミラの姿を見つる。

ドミラは隕石に隠れてハマーンを後ろから狙おうとしていた。

 

「まずい!」

 

俺はすぐさまブースターを噴かせる。

ドミラを撃墜させようとドミラに照準を向けトリガーを引く。

しかし、それも遅くドミラは撃墜直前にガザCに向ってビームを発射する。

そのとき俺はドミラを落とすことより、ハマーンを守る為にザクの向ける方向を変えた。

 

だが後々で考えてみればハマーンならこの程度の攻撃ぐらい避けられただろうと思った。

けど俺はこの時、そんなことを考える余裕もなく迷うことなくハマーンの元に向ってブースターを噴かせる。

 

「ハマーン!」

 

俺は咄嗟にハマーンの前に出て、ドミラの攻撃がザクの肩のアーマーに当たる。

 

「うわああああ!」

 

「隆司!異星人め、落ちろ!」

 

ハマーンはガザCのナックルバスターをドミラに向けて撃つ。

 

『ハマーン様ご無事でしょうか!?』

 

「マシュマーか、こちらは問題はない。

それより大事無いか?隆司。」

 

ハマーンはガザCをザクに近づけて接触回線を送る。

 

「あ、ああ。損傷は軽微・・・です。」

 

「そうか、では帰還するぞ。」

 

とりあえず俺はハマーンと共にアクシズへと帰還するのであった。

 

 

・・・あ、逃げるチャンスが。

 

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アクシズへと帰還を果たして見事逃げるタイミングを失ってしまい、今はハマーンとマシュマーと共にアクシズの中の通路を歩いていた。

 

「お前には2度も助けられたな。」

 

「い、いえ、そんな。ハマーン様ならあれぐらい避けれられたから余計な手出しだったでしょう。」

 

「ふ、お世辞はよい。

それに今日はもう遅い。ゆっくり休むがいい。

マシュマー、彼を部屋へ。」

 

「はっ!ではこちらに。」

 

俺はハマーンと別れてそのままマシュマーさんに着いていって部屋へと向う。

 

「すまなかった。」

 

「え?」

 

「この度の戦闘で2度も貴公のおかげで助かった。そして先の戦闘でもハマーン様の盾となってくれたことを。」

 

「い、いえ。俺がしたことなんてたいしたことは。」

 

「いや、貴公は騎士の鏡に相応しい。それに比べて私は情けない。ハマーン様の危機にこの私が守ることができなかったとはなんと情けない!」

 

マシュマーは薔薇の花びらを撒き散らしながら涙を流していた。

 

「いや、でも、マシュマーさんもすごいと思いますよ。」

 

「この私がか?」

 

ここでフォローしないと後々が面倒な気がするので、なにか良い感じにしないと。

 

「そうですよ。ハマーン様の騎士なんてマシュマーさんがきっと一番ですよ。」

 

「そ、そうか?

ふ、ふはははは。やはり私が一番の騎士か。ありがとう我が同士よ。最初は貴公のことはジオンの者ではなくどこか怪しいやつと思っていたが私の勘違いだったみたいだな。」

 

ば、バレてる!?

いや、勘違いといってくれたのだ。

たぶん大丈夫だろう。

 

「さて、ではここが貴公の部屋だ。」

 

部屋のなかにはいるとそこはベットが置いてあり綺麗な装飾品とかがおかれていた。

 

「随分といい部屋ですね。」

 

「アクシズを2回も救ってくれたのだ。私ができるのはこれぐらいだ。」

 

「マシュマーさん。」

 

「では、ゆっくり休むとよい。」

 

そういってマシュマーさんは部屋を出ていくのであった。

 

折角用意してくれた部屋なのだ。

俺はとりあえずベットに滑り込み、横になる。

 

「逃げるタイミング逃したな。これからどうしよ。」

 

まあ、とりあえず今日はここで休むとしよう。

俺が目を閉じようとしたとき、腹の虫が鳴く。

 

「そういえばご飯まだ食べてなかったな。」

 

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~格納庫~

 

 

「やれやれ、ガザCの整備はやっと終わったな。えっと次はあのザクか。」

 

整備士はザクの肩が損傷していると聞いたのでどんな状態なのかを確認する。

 

「あれ?損傷がないぞ?」

 

ザクの肩を見るとそれはまるで新品のように傷1つなかったのだ。

 

「おい!このザク誰か修理したのか?」

 

「いえ、まだ誰もさわってませんよ?」

 

「?、おかしいな。」

 

整備士は肩を触っても(・・・・)特になんにもなく。

ましてやハリボテではないちゃんとした金属(・・)であった。

 

「俺の気のせいか?」

 

整備士はそのザクに損傷がないので手をつけることはしないでザクから離れていった。

 

そして、ザクから整備士が離れていくのをザクはモノアイでそれを確認しており、

特に問題はないと判断して主が来るまで格納庫でじっと待機するのであった。

 

 

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~ハマーンの私室~

 

 

隆司が自分の部屋にいるとき、別の部屋ではハマーンが一人暗い部屋で椅子に座っていた窓の外を眺めていた。

 

「・・・私はいったいどうしたのだろうか。」

 

窓の外の暗い空を見上げて一人つぶやくハマーン。

 

「やはりあの男が来てからか・・・。」

 

思い浮かぶのは隆司の顔。

アクシズが異星人の襲撃に遭い、兵士が何人もやられていくとき、あの男が現れた。

奴等に負けるなどはないがあの男が現れなければより一層被害は大きかっただろう。

あの男が何を思ってこちらの支援をしたのかはわからないが、あれほどの技量を持っているのだ。

利用する手はないだろう。

 

利用はするが最初は怪しい男と思い、ミネバ様と話しているときに化けの皮をはがそうと思って兵士には不審な行為をしたら撃てと命令して、私は部屋の外であの男の行動を見ていたが怪しい行為はなくミネバ様と仲良くお話もされていた。

 

・・・それにしても、ミネバ様があんなに笑われた姿は久しぶりに見た気がする。

ゼナ様が亡くなられた後はシャアと過ごしているとき、ミネバ様は笑われていたが、シャアがここを離れてからミネバ様の笑顔は減ってしまった。

だがあの男はまだ来て一日も経っていないのに、ミネバ様との会話で笑わせることができた。

 

それから、ミネバ様との会話が終わり私が確かめようとした際、先程の異星人からの攻撃を受けた。

このタイミングで襲撃を受けるとは実はこの男は異星人の仲間ではないかと疑ったが証拠がない。

その為確かめることはできなかったが、幸いなことに戦闘にあの男が協力してくれることになった。

あの男がザクで出撃した後に私はガザCで後ろを付いていき、奴が異星人の仲間ではないかを確かめることにした。

もし奴が異星人の仲間ならこの戦闘のどさくさに紛れて逃げるはずだろう。

そう思って戦っていたが、敵の数が多くあの男を確認する暇がなかった。

そして、私が戦っているとき後ろからの攻撃を隆司は自分の機体を盾にして私を守った。

 

あの時、あの男の頭の中が見えた。

奴は欲などはなくただ純粋な思いで私を守ったのだ。

彼の中を感じたときとても心地がよく、そして・・・暖かった。

私は情けないな。

あの男の純粋な気持ちを踏みにじろうとしたのだから。

 

それから戦闘が終わったあと今回の礼を重ねて良い部屋へと案内させた。

 

たが、なぜだろうか。

以前の自分なら男にこのような感情を振りまくようなことはなかった。

しかしどうだろうか、いま隆司の顔を思い出すとぼんやりだがなんらかの感情が沸いてくる。

 

「ふっ、まさかな・・・。」

彼女は誰もいない部屋で独り言を呟く。

 

「隆司か・・・。」

  

ハマーンが無意識で呟いた言葉は誰にも聞かれること無く。

 

そして、自分自身も気付くことはなかった。

 

 




いかかでしたか?
『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』を見ていてハマーン様の小説を作りたいと思いました。
ちなみにこの小説ではハマーン様:ハニャーン様が8:2でできています。
ハマーン様って『Z』より『ZZ』の方が美しく見える。そうは思いませんか?

というか、『ZZ』のキャラクターどうしようか。
取り合えずマシュマーさん出したけど『ZZ』のストーリー出すつもりがないから、アクシズのキャラクターだけ出そうかな?そもそも出番がないからね。

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