機動戦士Dガンダム~悪魔の兵器の物語~   作:クニクニ

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第21話 始まりの敵

「うっ、う~ん。ここは?」

 

確か、ユニウスセブンの落下を阻止しているときに時空振動に巻き込まれて。

 

 

というかここどこだ?

なんだか異次元みたいな空間だな。

 

俺が迷い込んだ場所は宇宙でもどこかの星でもなく本当に何にもない空間だな。

モニターは生きているし、機体もDG細胞で修復は出来ているから問題ないな。

しかし、これからどうすれば。

 

ゲシュペンストには時空を越えるなんて機能はないし、

ましてや、移動もできない。

 

俺がコックピットの中で考えていると、上空の空間が割れて中から大きな機体がゆっくりと降下してきた。

そして目の前に降りたのは大きな剣を携えた赤い巨体の機体だった。

 

「こいつは!もしかしてヴァルシオン!?」

 

「・・・・・」

 

目の前にいたのは間違いなくヴァルシオンだった。

第2次スーパーロボット大戦のラスボスで、スパロボシリーズの数々に出てきた機体。

DC(ディバイン・クルセイダーズ)という組織の総統ビアン・ゾルダークの最新技術によって作られた「究極のロボ」の異名を持つ機体で、その名の通り攻撃と防御が桁違いの機体だ。

 

「・・・・・。」

 

ヴァルシオンは何もしゃべらないが、ヴァルシオンから溢れ出すこの威圧感で明らかにいい雰囲気じゃないのは確かだ。

 

それからゲシュペンストに乗っている俺はヴァルシオン対峙するとヴァルシオンは手に持っている剣ディバインアームを構えていきなりこちらに攻撃を仕掛けてきた。

 

「やばい!?」

 

俺はゲシュペンストのブースターをフルで動かすが、相手はヴァルシオン、機動力ならゲシュペンストが上のはずだがパワーは向こうが上、直線ではあっという間にゲシュペンストに追いつかれてしまう。

ヴァルシオンが剣で攻撃しようとするので俺はゲシュペンストを右に傾けて攻撃を避けるが、ヴァルシオンの攻撃が凄まじくかすっただけで左腕がボロボロに砕け散った。

 

「くそ、かすってこの威力か!」

 

今の攻撃だけでもかなりやばいのにヴァルシオンにはクロスマッシャーやメガ・グラビトンウェーブと強力な攻撃もしてくるので明らかに俺に勝ち目はない。

 

「だがこのままただでは負けるわけにはいかない!」

 

俺はやけくそでスプリットミサイルをヴァルシオンに向けて発射するがヴァルシオンは避けも防ぐこともせず全弾命中しヴァルシオンの周りに煙が発生する。俺はその瞬間にヴァルシオンに取り付きゼロ距離でガトリングガンを向ける。

 

「これなら!」

 

俺はガトリングガンをヴァルシオンに撃つがフィールドも発生しておらず当たったのは確実だが、傷ひとつすら付いていなかった。

 

「そんな・・・!?」

 

あまりの防御力にゲシュペンストの攻撃ではダメージを与えられないことに俺は驚きを隠せない。

俺が驚愕している隙にヴァルシオンはゲシュペンストを掴み、振り払う。

 

「しまった!?うわあああああ!」

 

ゲシュペンストを軽々と投げ飛ばし俺は機体の中で弾け飛ぶ。

 

「・・・ふん、この程度か。」

 

「!?・・・あなたは!?」

 

この声、間違いないヴァルシオンの開発者でありDCの総帥ビアン・ゾルダークだ。

 

 

「貴様はこの世界の理から外れたものか。」

 

「?」

 

ビアンの言っていることに理解ができず疑問を抱く。

 

「まあよい、さあ立て!そして俺を倒して見せろ!」

 

「ま、待ってくれ!なんであなたが俺と闘わないといけないんだ!?」

 

ビアンは俺の静止の声を聞かずヴァルシオンはゲシュペンストに攻撃を仕掛ける。

 

「貴様は何のために戦っているのだ?」

 

「な、なにがだ?」

 

「貴様は守るために戦っているのだろう!ならば剣を取れ、銃を持て!何もしなければ守るどころか勝つことすらできないぞ!」

 

ビアンは隆司の乗るゲシュペンストに向かって再び突進を掛けてくる。

 

「まずい、回避行動を!」

 

ゲシュペンストを動かしなんとかヴァルシオンの攻撃を避ける。

しかし、ビアンはその行動を予測しており剣を途中で止め機体を回転させゲシュペンストに蹴りを食らわせる。

 

「ぐあああああ!」

 

ヴァルシオンの蹴りは強くゲシュペンストは大きく飛ばされそのまま地面にぶつかり機体は倒れた。

 

「所詮この程度か。」

 

機体を起こせず、それでもヴァルシオンはこちらにゆっくりと近づいてくる。

 

 

くそ、まったく歯が立たない。

こんな強いのに勝てるはずがないだろが。

 

「ならば、ここで死ね。」

 

このままじゃ負ける。

 

・・・負ける?

 

俺が?

 

 

・・・・・・そうだったな。

 

俺はフリンコ村のような事がないように力を欲したはず。

負けたくない、そして守りたい。

すべてを守ることは出来ないが、一つでも多く守りたい。

だからこんなところで勿体がらずに全力で戦えばいい。

 

俺は自分の相棒とも言える機体の名を呼ぶ。

 

「来い!デビルガンダァァァァァム!」

 

俺の叫びに鼓動するかのように空間そのものが揺れる。

そして空間が割れてデビルガンダムが姿を現す。

 

「あれがデビルガンダムか・・・。」

 

俺はビアンがデビルガンダムに視線がいっている間にゲシュペンストを起こして、デビルガンダムに向かって飛ぶ。

 

ゲシュペンストのコックピットから出てデビルガンダムのコックピットから飛び移る。

 

「さあ、これからが本番だ。」

 

「ふふふ、いいぞ。ならば貴様の本気をこの俺に見せてみろ!」

 

俺はデビルガンダムに乗り込みヴァルシオンと対峙する。

 

周りからは一瞬とも思える時間がこのにらみ合いをしている俺はとても長く感じた。

まるでこの世の全てがスローモーションで動いているかのように・・・。

 

 

 

そして時は流れ・・・先にヴァルシオンが動いた。

 

 

「来た、行け!ガンダムヘッド!」

 

ヴァルシオンが来る場所にガンダムヘッドを地面から生やして攻撃させるがヴァルシオンはガンダムヘッドの攻撃をうまいこと避け、その上速度を落とさずにディバインアームでガンダムヘッドに反撃する。

 

少しずつこちらに近づいてきて、このままではデビルガンダムの元に来てしまう。

デビルガンダムには近接の武器が少なくましてや剣の装備など無いのだ。

 

・・・ん?無い?

そうだDG細胞だ!

DG細胞でデビルガンダムを新しく改造すればいいんだ!

間に合うかな?

いまならガンダムヘッドが時間稼ぎしてくれてるから急げば!

 

俺はデビルガンダムの腕をDG細胞で改造して、腕からビームが出るようにする。

 

改造が完了してヴァルシオンが目の前に来て、ディバインアームを振りかざす。

俺はずぐにデビルガンダムのビームソードで防ぐ。

 

「その程度ではこのヴァルシオンの攻撃は・・・何だ?」

 

互いに一歩も引かない状態でビアンはヴァルシオンに何かが引っ付き、モニターで確認すると黒い機体、ゲシュペンストがいた。

 

「む!こいつはさっきの機体か!」

 

ヴァルシオンにはさっき俺が乗り捨てたゲシュペンストがヴァルシオンの動きを止めるため、ヴァルシオンに張り付く。

 

 

「いいこと教えてやる。この機体は強いが本当に強いのはこの機体そのものの性能ではなく・・・。」

 

 

俺の言葉に会わせるようにデビルガンダムの周りに多種多様の機体がデビルガンダムを守るかのように現れる。

 

「増殖がこの機体の本気なのだからな。」

 

多種多様の機体は一気にヴァルシオンに向かって距離を詰める。

 

「その程度でこのヴァルシオンは倒せないぞ。」

 

多種多様の機体がヴァルシオンに向かうなかヴァルシオンは空中に浮かび空気がヴァルシオンを中心に回り竜巻のようなのが発生して、DG軍団を吸い込む。

 

「メガ・グラビトンウェーブ!!」

 

竜巻に機体が吸い込まれヴァルシオンの放ったエネルギーが竜巻の中心で爆発を起こし、竜巻の中にいた機体のほとんどは爆散してしまった。

 

 

デビルガンダムは周りの機体を利用して巻き込まれなかったが、今の攻撃でDG軍団の5割が減った。

 

さすがヴァルシオンだ。あれだけのDG軍団をたった1撃で半分がやられてしまった。

だが、まだ終わったわけではない。長期戦はこちらが不利になってしまう。

だからこの一撃で終わらせないと!

 

「これ以上時間は掛けられないな。では、これで終わらせよう。」

 

ヴァルシオンは右手を挙げてこちらに向ける。

どうやら早めに終わらせようとしているのは向こうも同じか。

 

俺はヴァルシオンに強力な一撃を与える為にデビルガンダムの胸部にエネルギーを集める。

 

そして互いにエネルギーが溜まり発射準備が整う。

 

 

「行くぞ!クロスマッシャー!」

 

「メガビームキャノン!」

 

 

 

ヴァルシオンとデビルガンダムの攻撃が互いにぶつかり合い、大きな爆発を起こす。

爆風はヴァルシオンの機体を大きく揺らす。

 

「くっ、この程度!」

 

爆風により、機体は一時的に動けなくなったがすぐさまビアンは爆発で発生した煙の中にある、動かないデビルガンダムの影に向かって歩く。

 

「ふふふ、よく頑張ったといいたいがこれまで・・・なに!?」

 

 

 

そこにいたのはデビルガンダムではなくデスアーミーが固まってできたデビルガンダムっぽい模型だった。

 

 

 

 

ビアンが驚いたときに一瞬の隙が出来てしまい、ヴァルシオンの足元からガンダムヘッドがヴァルシオンをがっしりと絡みつき身動きが取れなくなる。

 

「しまった!?う、動けん!」

 

そのできた隙にデビルガンダムはヴァルシオンの後ろを取る。

 

「これで終わりだああああああああ!!」

 

デビルガンダムはヴァルシオンの背後に迫り、ヴァルシオンに向ってデビルソードで切り裂く。

 

 

 

 

 

 

 

デビルガンダムの攻撃でヴァルシオンの目の光が弱まり、機体は力尽きたかのように崩れ落ちた。

 

 

「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・。か、勝ったのか?」

 

ヴァルシオンを倒し、俺はコックピットにもたれ掛かり休憩する。

 

「はぁ~、なんとかなった。」

 

俺が休憩しているときデビルガンダムはヴァルシオンに触手を伸ばしヴァルシオンを吸収し始める。

 

俺が一気に出てきた疲れを癒し、デビルガンダムがヴァルシオンを吸収しおわった時に時空振動なのか空間が揺れる。

 

「時空振動か?今度はどこに飛ばされるんだ?」

 

俺は時空振動でどこかに飛ばされる不安はあったが、さっきまでいたビアンにたいして感謝をする。

 

「ビアンゾルダーク。貴方のおかげで気付くことができました。守るために必要なことが。」

 

 

(・・・それでよい。)

 

 

ん?、今誰かの声がした様な・・・。

 

俺はその声を最後に時空振動でその場から消えた。

 

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~???~

 

 

「・・・これでよかったのか。」

 

「すまぬのわざわざこのようなことの為にお主を呼び出してしもうて。」

 

「構わん、久々にいい戦いだった。」

 

「だがよかったのか?お主の機体じゃろ?」

 

「お前が作った模造品だろ?完成した本物はもっと強い。」

 

(神の力で完全コピーしたからまったく同じなんだが・・・。)

 

声に出していったら面倒だから言わぬが。

 

「しかし、俺の世界に関係ないからいいが、よかったのかあれを渡して。」

 

「かまわんよ。あやつには好きなようすればよい。」

 

「だが、あのデータは・・・。」

 

「特別なことをしないと開かぬよ。まぁ、その特別は普通のものには到底越せぬものじゃからな。」

 

普通のものなら・・・。

 

「ふん。やはりお前は食えぬ奴だな。何を考えているのかよくわからん。」

 

「そうかの?」

 

「突然現れて俺に協力しろだのなんだの、いきなり言ってきたのはお前じゃないか。」

 

「ほっほっほっ、まあよいじゃないか。それにいずれあの者は『神の書』すら見つけるかもしれぬな」

 

「神の書?」

 

「なんでもあらゆる記録が書かれているらしい。」

 

「お前は知らないのか?」

 

「見たことはないの、この世のどこかにあるかもしれないと言われている。」

 

だが、あやつなら見つけるじゃろう。

その時、悪魔によって世界は破滅するかそれとも他の選択肢が出るかの。

 

「まあ、おまけに色々なデータをデビルガンダムに追加したが・・・まぁ大丈夫じゃろ。」

 

 

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〈デビルガンダムの能力が進化しました。〉

 

・ヴァルシオンを吸収したことにより性能が強化

 

・特定条件クリアによりブラックボックスSRを解放

 

・ブラックボックスSR解放によりデビルガンダムにデータ集:DCが追加されます

 




正解はヴァルシオンでした。

ヴァルシオンはスパロボの2作目のボスです。
初代スパロボはパイロットキャラがいなかったので、2作目が個人的にはスパロボの始まりだと思います。


オリジナル武装

・デビルソード・・・デビルガンダムの腕からビームサーベルを生やし相手を切りつける。いわゆるチョップに近いもの。イデオンソードみたいなもの

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