~主人公視点~
サンジェルマン城 城内
先程までの戦闘が終わりサンドマンの案内でサンジェルマン城の部屋へと案内された。
部屋で待っている間、メイドの人にお茶をご馳走になった。
「お飲み物はいかがなさいますか?」
「あっ、すみません。コーヒーをください。」
「かしこまりました。」
しかし、本当にこの城は女の人しかいないな。
城に入ったら、整備班から警備まで全員女性なのだから。
原作で見たとき『ハーレムじゃねえか!!』と思ってしまったくらいだ。
べっ、別に羨ましくなんかないんだからな!
・・・・・羨ましい。
「しっかし、本当に女ばっかりだなこの城。」
甲児は俺と同じことを考えているんだな。
けど、その顔はまずいよ。
「甲児くん・・・。セクハラするんじゃないぞ。」
「ちょっ、!隆司さん!、俺がそう簡単にセクハラすると思ってるんですか!」
「いや、一応言っておこうかと思って。」
「そうよ、甲児くん。セクハラは駄目よ。」
「そ、そんなマリアちゃんまで・・・。」
甲児との会話をしているときに部屋の扉が開きサンドマンが部屋の中に入ってきた。
「お待たせして申し訳ありません。」
部屋に入ってきたこの男こそ『超重神グラヴィオン』のゴッドグラヴィオンの開発者でもある人物でこの『超重神グラヴィオン』の物語の中心人物とも言える人だ。
「いえ、ミスター・サンドマン。まず我々を助けていただいた礼を述べさせていただきたい。」
デンゼル大尉が前に出てサンドマンと話をする。
この中だとデンゼル大尉がリーダーみたいなものだしな。
「いえ、こちらこそ、勝手に皆さんを巻き込む形になったことをお詫びいたします。」
「・・・・助けてもらったことに感謝しています。でも俺たちを利用する魂胆があるんじゃあないんですか?」
「甲児くん!」
サンドマンに不審を抱いたのか突然、甲児はサンドマンに対して疑問をぶつける。
「利用とは?」
「俺たちの機体を使って戦力を集め戦いを仕掛けるとか。」
「確かに君たちの機体を使えば世界を手中に収めることも覇権を得る事も可能だろう。」
「だが私と私達の仲間の願いはたった一つ。この星とすべての人達を邪悪な魔の手から守ることだ。」
サンドマンの回答にこの場にいたものは驚く。
「それじゃあ、あんたは自分の金を使って正義の味方をやるってのかい?」
「そのためにアースガルツとグラヴィオンが存在する。」
彼は、過去の経験もありそして彼自身の性格もあって、サンドマンはこれほどまでの正義を貫くことが出来るのだ。
「さあ、部屋を用意しよう。まずは疲れを癒してくれたまえ。後のことはそれからだ。」
サンドマンとの話が終わり外は日が暮れ、全員それぞれサンジェルマン城の中で自由行動を始めた。
俺は部屋で寛いでいたのだが、何もすることがなかったのでゲシュペンストの様子を見ようと、格納庫へと向かう。
「俺は行かないといけねぇんだ!」
そして俺は格納庫の前を歩くと格納庫から声が聞こえたのでそっと、中を覗くとそこには勝平くんと琉菜ちゃんがいた。
「・・・頼む、琉菜。いえ、琉菜さん・・・琉菜様見逃してくれ!」
「何言ってんのよ、だいたいねぇ・・・。」
「父ちゃんが帰ってくるんだよ!だから、俺、迎えにいくんだ!」
「あなたのお父さんが・・・。」
勝平くんはお父さんに会いに行くため無断で出ようとしているんだな。
ザンボット3の鬱展開をなくすために俺も一肌脱ぎますか。
「どうやら困っているようだね。」
「隆司兄ちゃん!」
「隆司さん!」
「・・・勝平くん。」
「なんだよ隆司兄ちゃんも邪魔するなら容赦しないぞ!」
「まあまあ落ち着け、一人じゃ危ないだろ。」
「へっ、あんな奴ら俺一人でどうにでもできるよ。」
「ほんと、意地っ張りだね君は。」
「あの・・・。隆司さんはどうしてここに?」
「もちろん勝平くんの手伝いをするためさ。」
「隆司さん!?」
「琉菜ちゃん、今回は俺が逃がしたと言うことにしといて。」
「で、でも。」
「大丈夫、俺に考えがある。」
----------------------
「勝平くんと隆司さんが脱走したって!?」
「ええ、明け方にザンバードとゲシュペンストが発進された模様です。」
「どうやら隆司さんがハッチを開けた模様です。」
「でも、どうしてあの2人が・・・。」
「・・・。」
琉菜は言うことができなかった。
あの2人と一緒に自分もいたことを。
彼女は隆司の言うとおりに隆司さんが逃がしたことにしたが。
本当は彼女はただ見かけただけであってあの後の手伝いは一切手伝っていなかった。
手伝おうと思ったが、隆司さんに「俺が何とかするから、琉菜ちゃんは見なかったことにしといて」といわれた為である。
だが彼女は罪悪感があった。
本当だったら止められたのに自分は止められなかったと・・・。
「まあ、いちおう隆司さんがいるから大丈夫だと思うけど。」
「勝平くんが勝手な行動をしないかが心配だよね。」
甲児とマリアは勝平の性格もあってか一抹の不安があった。
「レイヴン様。」
レイヴンに声を掛けたのはサンドマンのメイドの一人であるテセラがレイヴンへと声を掛ける。
「テセラか、どうした。」
「はい、実は隆司様のお部屋にこのお手紙が。」
テセラの手にはきれいに畳まれている一枚の紙があった。
「手紙?」
レイヴンはテセラから手紙を受け取り中を見てみる。
『みんなへ
俺は勝平くんのお父さんと会いに行くため、勝平くんと共に出ます。
追伸 念のため出撃準備をしておいてください。』
「・・・まさか。」
「レイヴン様?」
「勝平くんの父親と会うために隆司君は着いて行ったのだろう。彼らの飛んでいった予想進行ルートでおそらく駿河湾へと向っている。」
「ということは駿河湾で会うってことなのか。」
「・・・だが、もしもの事がある。
一応手を打っておくか。
テセラ、クッキーにこちらに上がってもらってくれ。」
「了解しました。」
レイヴンの命令でサンドマンのメイドのテセラは命令を実行するため部屋を出て目的の場所へと向う。
「念のため、我々も出撃準備をしておこう。」
「わかりました。」
「・・・隆司さん。」
セツコは何故か不安で仕方がなかった。
彼が無事なのかとそしてこれから起こる混沌の始まりに。
----------------------
~主人公視点~
サンジェルマン城を抜け出して、勝平くんと共に駿河湾に向っていた。
機体が見えないように駿河湾の近くの森へと降り、俺たち2人はコックピットから降りた。
「勝平くん。1つだけ約束してくれるかい?」
「ん?なに隆治兄ちゃん。」
「例え、町の人にひどいこと言われても、ザンボエースで仕返しなんてことはするなよ。」
「何でだよ!あいつら俺が町を守ってやったのにあんな風に言いやがるんだぜ!」
「じゃあ、ザンボエースは人を殺すロボットなのか?」
「そ、それは・・・。」
「勝平くん、ザンボエースに乗るなといっているんじゃないんだ。ただ使いどころを間違えたら君は一生後悔するかもしれないんだ。君はそれでもいいのか?」
「・・・分かったよ。」
「分かってくれたならもう言うことはないよ。」
「・・・隆司兄ちゃんここからは俺一人で行かせてくれねえか?」
「一人でか?」
「うん、俺の仲間に会って話をしなくちゃいけねえんだ。だから俺一人で行きたいんだ!」
「・・・わかった。ただし何かあったらすぐこの通信機で連絡するんだぞ。」
俺は勝平くんにDG細胞製の通信機を勝平くんに渡す。
あ、もちろん感染の心配はないよ。
俺が侵蝕するようにすればあっというまに侵蝕されるけど。
「・・・じゃあ、行ってくるよ。」
「気をつけるんだぞ。」
そして勝平くんは山を降りていき町へと向かった。
おそらく途中で勝平のヒロインでもある仲間のアキやミチと会うだろう。
でも、彼の父親が町の人たちから迫害されているのを勝平くんが見ていたら町の人たちをザンボエースで脅そうとするからな。
少し先回りしておこう。
----------------------
~駿河湾 港~
「お前たち神ファミリーのせいでこの町は滅茶苦茶にされたんだ!」
「あんたたちのせいで家が壊されたわ!どう責任取ってくれるのよ!」
「待ってください皆さん。我々は皆さんを守ろうと。」
『宇宙大帝ゴッドシグマ』の主人公壇闘志也と勝平くんの父親の神源五郎に対して町の人は自分達の怒りを二人に当てていた。
「勝平の奴が来たら、親父さんを使っておびき寄せれてやろうぜ。」
「そうだそうしようぜ!」
「そこまでだ!」
「うわっ、何だお前は!」
「通りすがりのヒーローだ。」
俺は勝平くんのお父さんの源五郎さんを利用して勝平くんをおびき出そうとする香月くんを止め、源五郎さんと闘志也さんを囲まれているなかから救い出す。
「おい!どこの奴かは知らないがお前は関係ないだろ!」
「すまないが、今は言い争っている暇はないぞ!」
「なにを・・・。」
香月君がなにかを言おうとしたとき駿河湾の港が爆破する。
「い、一体何が!」
町の人は突然の爆発に理解が出来ずその場は騒然とする。
そんな中で駿河湾からはドミラが軍勢がやってきた。
ということはもうガイゾックの部隊が到着したのか。
「うわああああ!宇宙人だ皆逃げろ!」
ドミラが現れ全員我先にとその場から逃げる。
ここにいては危険なのでまず源五郎さんと闘志也さんを安全な場所に・・・。
「隆司様!」
俺が源五郎さんと闘志也さんをとりあえずこの場から離れさせようとしたとき、後ろから声を掛けられる。
「あなたは・・・。」
「はい、クッキーと申します。」
そこにいたのはサンドマンのメイドの一人のクッキーだった。
「勝平様のお仲間の宇宙太様と恵子様を勝平様の元へ案内していた為遅くなってしまいました。」
「いえ、問題はないです。それより勝平くんのお父さん・・・源五郎さんと闘志也さんを安全な場所へ。」
「わかりました。」
『隆司兄ちゃん!』
空から声が聞こえ上空を見るとそこにはこちらに降りてくるサンボエースがいた。
「勝平くん!」
『ガイゾックの奴らが来たみたいだけど大丈夫?』
「ああ、こっちは大丈夫だ。」
「勝平!」
『父ちゃん!』
勝平くんと源五郎さん感動の対面か。
っとそんな場合じゃない。
「勝平くん!今すぐお父さんを連れて安全な場所へ連れて行くんだ!」
『あ、安全な場所ってどこに!?』
「とりあえず離れた場所にだ!」
『わかった!』
源五郎さんはザンボエースの手のひらに乗りザンボエースはすぐさまこの場から離れる。
「闘志也さん、あなたは今すぐトリニティシティへ行くんだ!」
「あ、ああ、すまない。(何で俺の名前を知っているんだ?)」
「闘志也様こちらです。」
クッキーさんの案内で闘志也さんもこの場から離れトリニティシティへと向った。
「隆司様は?」
「俺も戦うさ。」
俺は空に向って自分の機体の名を叫ぶ。
「コールゲシュペンスト!」
----------------------
~ビアル1世 艦内~
「もう間のなく駿河湾に到着する。全員出撃準備の用意じゃ。」
サンジェルマン城から出撃した一行は駿河湾に向った隆司と勝平の元へと向っていた。
「おじいさん見えました。駿河湾です!」
一太郎は兵左衛門に目的地が見えたことを伝える。
「どうやらすでに戦闘が始まっているようじゃな。」
「もうすぐ他の仲間も来る、ビアル1世は準備するから全機体出撃後離脱するぞ。」
「わかりました。」
ビアル1世は海上を進み駿河湾近郊へと近づいた。
「よし、全機出撃!」
デンゼル大尉の合図で全機体が出撃する。
「隆司さん!」
「セツコ、それに皆も来たか。」
「グランナイツおよび+αも登場だ!」
「こら、エイジ!俺たちをおまけ扱いにするんじゃねえよ。」
「君たち、今は敵を撃破することが最優先だ!」
スパロボチームが到着し、こちらの形勢が有利になり敵を次々と落としていった。
そしてもうあと少しで敵は全滅しそうなとき、セツコの機体を狙っている機体を見つける。
俺はすぐさまスロットルを踏み込みセツコの機体の援護に向かいせめての思いで銃口を敵に向ける。
(チャンスは一回!外すなよ!)
しかし、俺の思いは虚しく攻撃を当たらず外れてしまった。
「しまった、外してしまった!くそ、間に合え!」
「きゃあああ!」
俺はセツコの機体を守るためにバルゴラに体当たりしてゲシュペンストを盾にしたが運悪く左腕が持っていかれ、ゲシュペンストには片腕しかない状態になった。
「うわあああ!」
「隆司さん!」
ゲシュペンストの体勢が崩れて機体は地面へと倒れた。それを見ていたセツコは隆司の元へと駆け寄る。
「だ、大丈夫だ!まだ戦える。」
「そんな無茶です!」
「片腕と足がある。最悪援護だけでも出来るさ。」
「・・・わかりました。けど、絶対に無茶だけはしないでください!」
「ああ、わかったわかった!」
「本当に分かっているのですか!」
セツコの怒っているけど泣いている顔であまり怖くなかった。むしろかわいい。
彼女なりに俺のことを心配しているのだろうな。
彼女、仲間のことは大切にする人だからな。
でも大丈夫、俺には神様の力とDG細胞があるから無敵さ!(・・・無茶したら死ぬかもしれないけどね)
セツコに怒られてしまったので俺は後ろに下がり右腕のみで援護をするのだった。
だが相手の戦力も除々に減り、最終的に敵はいなくなった。
敵がいなくなってすこししてからグランフォートレスも到着した。
「へえ・・・迎えに来てくれたんだずいぶんと手回しがいいじゃない。」
「うるせえ連合が来ない内に早く帰ろうぜ」
琉菜とエイジが楽しそうに会話を始めるが、グランフォートレスに乗っているサンドマンはそんな楽しくやっているような状況ではなさそうだった。
『グランナイツ、ならびに協力者の諸君、君たちにはこれより宇宙へ上がってもらう。今から30分前にユニウスセブンが地球へ落下軌道に入ったと報告が入った。』
やっぱり来たか。
ユニウスセブン。
原作だと「血のバレンタイン」という地球連合がユニウスセブンに核攻撃によって多くの人が亡くなった場所で、ザフトと連合の戦争のきっかけともなった場所だ。
そしてスパロボZでは特異点ともいわれる存在だ。
分かりやすくいうと、別々だった世界を繋げられる「平行世界への扉」のようなものだ。
「マ、マジかよ!?」
「ユニウスセブンが!?」
「ユニウスセブンは本来だったら安定軌道に乗って落ちてこないはず・・・。」
「でもどうしてユニウスセブンが今になって地球に落ちてくるのよ!」
「おそらく、何者かの意図によってユニウスセブンを意図的に落下させようとしているのだろう。」
「・・・コロニー落とし」
「異世界に来てまであのムナクソ悪い作戦に遭遇するとはな。」
セツコ達宇宙世紀の世界の人たちにとってはユニウスセブンの落下はコロニー落としが身近なものなのだろう。
「こうしちゃいられねえ!艦に乗って宇宙でユニウスセブンを食い止めるんだ!」
「で、でも。グランフォートレスにすべての機体を乗せるのは無理です!」
闘志也がグランフォートレスで宇宙へ行こうと考えるが、あの一隻だけでは重量オーバーだ。
「心配はいらん!」
駿河湾から水しぶきがあがり、そこからビアル1世、2世、3世が浮上してきた。
「よし!一太郎ドッキングじゃ!」
「了解!ドッキングします!」
ビアル2世、3世がビアル1世を中心に合体し、キング・ビアルへと変形した。
「すっげぇ!船まで合体したぜ。」
「これがキング・ビアルだ、勝平!」
「よし、では全員乗り込んでくれ。」
兵左衛門さんの指示に従い、各機体はキング・ビアルへと乗り込む。
「よし、全員艦に収容できたみたいだな。それじやあ、宇宙に・・・。」
発進間近のところで突然警報が鳴り、確認するとドミラが再びこの駿河湾付近に出現した。
「まだガイゾックの増援がいたのか!」
そんな!?
原作ではこんなのはなかったぞ!?
もしかしてこれが俺が原作に介入した影響か?
全員、艦に入りあとは宇宙に上がるだけなのだが、敵が多く簡単にはいきそうにもなさそうだ。
ガイゾックのドミラはキングビアルに攻撃を仕掛け始め、ビームをキング・ビアルに向ける。
「緊急発進じゃ、一太郎!」
「は、はい!」
一太郎さんがキング・ビアルを緊急発進し、ぎりぎりのところで避ける。
しかし、数は十数体いるため攻撃が激しく避けることだけしかできない。
「くっ、避けるだけで精一杯じゃ!」
「ここは俺に任せろ。」
幸い俺はゲシュペンストをキング・ビアルから緊急発進して地上に降り敵の前に立ちはだかる。
「隆司兄ちゃん!」
「君たち全員ユニウスセブンに向かうんだ。」
「しかし、それでは隆司君が!」
モニターで全員が隆司を心配する。
損傷している機体で敵中に一人で戦うなど無謀だった。
「俺は大丈夫だよ。この程度どうにでもなるさ。
それに、ユニウスセブンを落とすのを阻止するには人数が多い方がいい。」
それに、片腕のゲシュペンストじゃ足手まといだろうし。
「・・・これより宇宙に向かうぞ!」
「じいちゃん!」
「男はやると決めたら引かぬものじゃ、それに誰かが引き留めなければ儂らは宇宙へ上がれん。」
「でもよ!」
勝平は何処か納得いかず悔しそうな顔をしていた。
「リュウジさん!」
「セツコ。向こうは任せた。」
「発進!」
兵左衛門さんは隆司の決意を無駄にしないようにスロットルを引きキング・ビアルを発進させる。
ゲシュペンストはキング・ビアルに背を向けて、敵の正面に立つ。
「さあ、来い!ガイゾック共!」
----------------------
それから、俺はゲシュペンストでガイゾックの機体を1機残らず倒したが、ゲシュペンストも損傷をしてしまい、現状は左腕の使用不可能、各部に軽微の損傷、モニターが一部使用不可能の状態だ。
「手酷くやられたな。修復してからユニウスセブンに・・・ん、何だ?」
俺はレーダーに反応する数十体の機影を確認したので機影が来る方向を向くと、そこには連合軍の機体がゾロゾロとやって来た。
----------------------
軍人は本来は正規の訓練をして軍人になれるが一部例外がある。
傭兵やならず者の中で優秀な腕前を持つ者の勧誘だ。
正規の訓練をして軍人になるところを軍の上層部らは優秀な人材欲しさに性格に難がある人物の勧誘をすることもある。
いまその駿河湾にはその腕前は優秀だが、問題の部隊が接近していた。
彼らの任務は所属不明の機体の奪取だった。
しかし、彼らは面倒な戦闘を避けるためわざと到着する時間をずらしていたため、いま戦場にはゲシュペンスト1機しかいなかった。
「おいどうするあの1機しかいねぇけど。あの機体も落とすか?」
「かまわねよ。どうせザフトの機体だろうし。」
「それにあんなボロボロの弱っちい機体じゃ数分も持たねえよ。」
「へへへ、違いねえ。」
「というか、今ユニウスセブンが落ちてきているらしいがどうする?」
「ほっとけ、最悪基地をおいて逃げればいいしな。」
「それもそうか、連合とは金を貰えるからいるだけだしな。」
「それじゃあ、あの機体をさっさとぶっ壊そうぜ。」
「おいおい俺たちはあの機体の奪取だぜ。まあいいけどさ、さて。宇宙に行った奴はほっといて。さっさとこいつを片付けて酒でも飲みたいぜ。」
「お!いいねぇ。帰ってあの機体を撃墜したと報告すれば給料は少し上がるかもな。あとカメラの記録は切っとけよ。後で偉いさんに見つかったら面倒だ。」
「それじゃあ、ちゃっ・・・ちゃ・・・と。」
連合軍が色々と言うが黒い機体に変化が現れ言葉は途中で途切れて終わった。
黒い機体からは体の至るところがボコボコと泡のようなのを発生させていた。
黒い機体の肩からガンダムの顔を着いた触手が伸び、壊れていた左腕はまるで生えているかのように元に戻っていた。
『そうか。弱くて数分も持たないか・・・。』
ストライクダガーの通信機から誰かの声が聞こえてきた。
その声を聞くと背筋が凍り少しずつ体が震えだした。
「おいおいおいおい!!何だよあれ!!」
「し、知るかバカ!あんなの見たことがねえ!」
「やばい、俺ちびりそう。」
「くっそ、何だあれは!?」
突然のことにストライクダガーに乗っている仲間は混乱を始めた。
「落ち着け!」
ストライクダガーの隊長が混乱している仲間を叱責して落ち着かせる。
「どうせ見せ掛けだ。全員で攻撃すれば必ず勝て・・・・。」
隊長機の通信が突然切れたのでモニターで確認すると・・・。
隊長の機体は地面から生えた頭がガンダムの触手が隊長機を真っ二つに噛み千切っていた。
隊長機が噛み千切られているのが映っていたモニターは突然ノイズが走り、全てのモニターがハッキングされたのかモニターにはコックピットの中で座る誰かを映した。
『あっけないな・・・。まアいい、君たチハ何分持つかな・・・フフフ・・・ハハハハハハハ!』
その笑顔は不気味、恐怖・・・とにかく言葉では言い表せないものだったと、連合軍のパイロットはそう思ってたのだろう。
だがその真相を知る者は誰も分からない。
記録はない上に、その戦場にはストライクダガーの機体は1体もおらず残骸すら存在しなかった・・・。