機動戦士Dガンダム~悪魔の兵器の物語~   作:クニクニ

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お待たせしました。

本当だったらもう少し早く投稿できていたのですが、『スーパーロボット大戦Z』を知らない人のために書き溜めていたのをすべて変更して、知らない人でも読めるようにしました。(たぶん・・・。)

※ただし、この小説は二次創作なので原作とは物語が大きく異なります。


第14話 怒れる瞳と黒の機体

~主人公視点~

 

ミネルバがいる港から離れているプラントの外壁でゲシュペンストを待機状態にして、俺はゲシュペンストのコックピットの中で座って、ただ時間がたつのを待っていた。

 

 

ゲシュペンストのモニターで拡大してミネルバ付近を見ているとカガリとアスランがデュランダル議長と話しているのをモニターで確認でき、視点を変えて格納庫付近を移すと、ステラたちはすでに内通者と共に格納庫でMSの奪取に動いているみたいだ。

 

本当ならコロニー内にいるのは危険だったが、あの子・・・ステラを見ていたとき、あんなにも無邪気に見えるあの子が強化人間でさらに彼女が死ぬ未来を知っているので、俺は何もしないままで良いのかとずっと考えていた。

それに彼女の家族とも言えるスティングやアウルだって戦争で死ぬことになる。

手を出したら、未来が変わる事だって知っている。

だが、何もしないでただじっとして人が死んでいくのを黙って見ているなんて俺にはできない。

だから、せめてできることはしよう。

 

ここは俺がいる現実の世界。俺の生きている世界なんだ。

それに俺はティナのように死ぬ光景を見るのは二度とごめんだ。

神やチート?それがどうした。俺はやることをやってやる。

 

それにしても、さっきまでとは大違いだな。

関わるのはごめんだと思っていたが、今では真逆なのだから。

まさか女の子一人でここまで変わるとは俺もチョロいのかな。

 

だから、せめてステラがシンとくっつくようにしないとな。

 

俺がモニターを見つめながらそう考えていると、突然眩い光が基地一帯を包み、ザフトの基地内に3機のMSが現れる。

 

「あれは・・・、バルゴラか。となると中にはセツコさんたちがいるのか。」

 

『スーパーロボット大戦Z』の主人公の一人セツコ・オハラ

 

「だとしたら、この世界は『スーパーロボット大戦Z』の世界になるのか。」

 

以前からこの世界がスーパーロボット大戦なのはわかっていた。

だがどのシリーズなのかは不明だったがこれでようやく『Z』の世界だと確信した。

 

基地内に謎の機体が現れたのでザフトの基地内からサイレンが鳴り響く。

 

ザフトのザクは3機のバルゴラに攻撃を開始して、バルゴラはうまいことコックピットを狙わずに戦闘不能にする。

そのうちのザク1体が基地の近くに倒れ基地の一部が爆発し倒壊する。そこにはオーブのカガリとアスランがいるのが確認でき二人はザクに搭乗するようだ。

その後、別の場所でスティング達の乗るガンダムタイプが現れる。

アスランの乗るザクウォーリアがアビスやカオスと戦闘になるが、ここでシンの乗る小型戦闘機コアスプレンダーが援護に入り、カオスの背中に攻撃を食らわせる。

 

コアスプレンダーはそのまま上空へと上がり、ソードインパルスガンダムへと合体する。

セツコ達とシン、アスランたちが手を組み、スティング達に向き攻撃体制を取る。

 

3機のガンダムの内アビスがセツコの乗る機体に攻撃が仕掛け、危ないと思い俺はゲシュペンストの待機状態を解除して、すぐさまゲシュペンストを動かす。

 

アウルの乗るアビスがセツコの機体に攻撃を仕掛ける時に、咄嗟に空中でガトリングガンで攻撃する。

 

うまいことアビスの槍に偶然当たりアビスは体勢を崩す。

 

(ラッキー!偶然だけど当たった。)

 

しかし、ゲシュペンストは減速できずそのままアビスに向ってものすごい勢いで突進する。

 

(やばいやばい!止まらないぞ。このままじゃぶつかる!)

 

俺は咄嗟に目を瞑ってしまい、その時スロットルを思いっきり踏み脚部のブースターを全開で噴かす。

 

衝撃が伝わってきて目を開けると何とかゲシュペンストは両足で着地できていて無事だった。

ただ、アビスはどうやら避けた際にこけて転倒したようだ。しかも頭の一部は破損しているので、恐らくこけた際に破損したのだろう。

 

「ふ~、何とかなったみたいだな。」

 

俺は倒れているセツコさんの機体に手を貸して機体を起こすのを手伝う。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、あなたは?」

 

セツコさんが質問してきたとき他の2機のガンダムがこちらに向き、倒れていたアビスが立ち上がる。

 

セツコさんは危ないので下がってもらった。

 

「さてそれじゃあ、ステラたちを助けながらシンたちも援護しないとな。」

 

3機のガンダムが周りに警戒しながら、こちらに攻撃態勢を取る。

最初に仕掛けてきたのはスティングの乗るカオスガンダムがビームライフルを撃ち、俺はビームを避け、ガイアが避けているときにビームサーベルで攻撃してきて、すぐさま背中のブースターを噴かして上昇するが、空中にいるときにアビスがこちらに飛んできて槍をこちらに振り向ける。

 

すぐさま、左腕に装備してあるグラン・プラズマカッターを右手に持ちアビスの攻撃を防ぎ、止まったアビスの腕を掴みカオスに向けて振り落とす。

アビスとカオスはぶつかり合って転倒、その光景を見ているだろうガイアの隙を突いて上からガイアに向ってガトリングガンで攻撃する。

 

3機はゲシュペンストの攻撃を食らって所々が壊れていた。

 

3機のガンダムはすぐに立ち上がり、すぐさまその場を離脱した。

 

シンのインパルスが追いかけようとしたが一人で宇宙に行くのは危険なので俺はシンを止める。

 

シンがなにか言うかと思ったがどうやら、向こうも無闇に追いかけるつもりはないらしい。

 

その後、プラントが攻撃され全機体がミネルバに向かったので自分もついていった。

 

どうにか、物語の序盤はなんとかなりそうだな。

 

あっ、それと後で気がついたがいつの間にかこっちの通信のマイクをオフにしていたみたいです。

まあ、別に問題はないと思う。

 

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私の名前はセツコ・オハラ少尉。

 

地球連邦軍の戦技研究班グローリー・スターに所属するパイロットです。

 

月でエゥーゴとの戦闘中に謎の光に包まれて気が付いたらコロニー内にいた。

 

「チーフ!モビルスーツが出てきたぜ。」

 

同じ所属のトビー中尉がバルゴラ2号機から警告する。

 

正面を向きMSを見る。

あれはザク?どうしてこんな所にザクが?

私たちは月でエゥーゴと戦っていたのに。

 

「知るかよ!大方、戦闘中に気絶しちまったところをエゥーゴに拉致られたんだろう。」

 

「状況がわからん以上、下手に仕掛けるのは危険だ。ここは俺がコンタクトを取る」

 

チーフのデンゼル大尉はザクに対してオープンチャンネルの通信をとる。

 

「こちらは地球連邦軍月面駐留軍戦技研究班所属、デンゼル・ハマー大尉だ。

現在、この地にいる件については、当方も状況不明の状態にある。至急説明を願う。」

 

チーフは向こうのMSの返答を待つが、突然が様々な所で爆発が起きる。

 

「一体、何が?」

 

「不味いぜ、この展開。」

 

私は突然の爆発に戸惑い、中尉はこの状況を良く思っていなかった。

向こうのザクがこちらに攻撃姿勢をとり、こちらに銃口を向けてきた。

 

「やむを得ん・・・!向こうが仕掛けてくるなら、我々はバルゴラを守らねばならん。

それに、この状況では下手に説明しても、ますます疑われるだけだ。」

 

「だろうな。状況はこっちのほうが不利だ!」

 

「応戦するぞ、トビー!お前は少尉のフォローに回れ!」

 

「了解」

 

「だが、俺達の目的は状況を把握する事だ!少尉、コックピットは狙うなよ!」

 

「りょ、了解です!」

 

 

ザクがこちらに攻撃を仕掛けてきて、私はバルゴラを動かして避ける。

隙ができたザクにバルゴラの近接戦闘武器「ジャック・カーバー」を使って敵の頭を潰し敵を撃破する。

 

どうやらチーフや中尉もザクを倒せたようだ。

だが、倒したザクが工場近くへと落ち、基地が爆発する。

 

 

「片付いたか。」

 

敵がいなくなり全員無事なことをデンゼルが確認する。

 

「そういや、工場の爆発の方はどうなったんだ・・・?」

 

先程あった爆発にトビーは気になっていた。

もし、まだ中に人がいたら相当な被害のはずだろうと。

 

デンゼルとトビーが話しているときセツコのバルゴラのレーダーに新たな機影を確認し2人に注意を促す。

 

「チーフ、トビー中尉!新たな機体です。」

 

レーダーで表示されている方向を見るとそこには3機のガンダムが起動していた。

 

「また、見たことの無いモビルスーツだ!ガンダムタイプか!?」

 

「確かに頭部の意匠は似ていますが・・・。」

 

ガンダム、かつて宇宙世紀の一年戦争で『白い悪魔』と言われたアムロ・レイが使用していたと思われる機体。

細部の形は違うが頭部はガンダムタイプに似ている機体が目の前にいた。

 

「おいおい!どうなってだ!?俺たちの知らないザクとガンダムがいるこのコロニーは何なんだよ!?」

 

知らない場所に知らないMS。訳の分からない事にトビーは混乱していた。

 

 

 

 

「よし、こっちはいける。そっちの調子はどうだ、アウル?」

 

スティングはザフトから強奪した機体のチェックをして問題が無いことを確認して仲間のアウルに確認する。

 

「悪くないね。さすがザフトの新鋭機ってところだよ。」

 

「ステラもいけるな。よし・・・まずは周辺施設を潰すぞ。」

 

全員のMSに問題は無いので、ザフトの基地に対して攻撃を開始する。

 

 

ガンダムが現れたと思ったら突然基地の破壊を始めた。

その光景をトビー中尉は、

 

「あのガンダム、施設を破壊してるぜ!」

 

「い、今、通信を傍受しました!どうやら、あの3機のガンダムは何者かに強奪された模様です!」

 

「ちょっと待てよ!このタイミングじゃ、俺達、盗みの手伝いしたみたいじゃねえか!」

 

そう、あまりにもタイミングが悪かった。もし強奪が無ければまだ話し合えたかもしれないのに。

だが目の前ではその強奪された機体が施設を破壊していた。

 

「これで、あのザクの部隊が俺達に仕掛けてきた理由が分かった・・・。連中俺達を強盗一味と判断したか・・・!」

 

----------------------

 

セツコ達がガンダムの行動を見ているとき、別の場所では1機のザクを起動している者がいた。

幸いにもザクは倒れていて、コックピットには容易に入れた。

 

「やれるのか、お前・・・!?」

 

「あのままでは死ぬのを待つだけだ。」

 

アスランはカガリを抱いてザクのコックピットへと入りザクを起動する。

新しくなっているがザフトの機体のシステムや操縦の仕方は変わらない。

アスランはザクを立たせてガンダムに向かってきて対峙する。

 

「だけど、ザフトの部隊はやられて1対6なんだぞ!」

 

「こんな所で君を死なせるわけにいくか!」

 

数では確かに圧倒的に不利だが、ここのただじっとしていてもカガリを死なせてしまうだけだった。

だがそれでは護衛として失格だ。キラにも約束した必ず守ると。

 

「アスラン・・・。」

 

アスランは3機のガンダムを見て、かつて自分がしていたことを思い出す。

以前は自分たちザフトが奪い、今度は連合がMSを奪う。

 

「また、戦争がしたいのかお前達は!」

 

----------------------

 

1機のザクの出現はスティング達からも確認されていた。

 

「どうする、スティング?1機出てきたぜ。」

 

「たった1機だ、仕留めるぞ!」

 

3機のガンダムはザクに向って仕掛けようとする。

 

「来た!」

 

「つかまっていろ、カガリ!」

 

スティングの乗るアビスが先行し一番にビームを放つ。

しかし、アスランのザクは見事に攻撃を避け回避する。

 

「かわしたって!?まぐれに決まっている!!」

 

アビスが再び攻撃をするがこれもザクは回避する。

だが、このザクはコーディネーター用に設計されている上、シートに座っておらずさらに怪我をしているカガリにはかなりの負担がある。

 

「くっ、」

 

「・・・このままでは、弾に当たらなくてもカガリが持たない!」

 

カガリを心配しザクの動きを止めてしまい隙ができ、それをスティングは見逃さなかった。

 

「これならどうだ!」

 

スティングの乗るカオスは脚部に装備されているビーム・クロウで攻撃する。

 

「うわあっ!」

 

「くっ!つかまったか!」

 

「もらった!」

 

「スティング!何か来る!」

 

ザクに止めを刺そうとしたとき、アウルが何か接近していることを伝えるが、カオスの背中に小型戦闘機が接近し攻撃される。

 

「何!?」

 

「今だ!」

 

小型戦闘機の攻撃によりスティングは小型戦闘機に気を取られてしまったので隙ができ、アスランはすぐさまカオスから離れる。

 

デンゼル大尉は攻撃した小型戦闘機をモニターで確認する。

 

「あの小型戦闘機、ザクの援軍か!?」

 

「チーフ!さらに来ます!」

 

小型戦闘機の攻撃にデンゼルは味方なのかを確認しようとするが、さらに後方から別の戦闘機が来るのをセツコが確認する。

 

小型戦闘機がさらに3機通り過ぎ、さっきの小型戦闘機と共に飛行していると突然合体をはじめ地上に降り立つとそこには赤いガンダムの姿が1機あった。

 

「合体してモビルスーツになった・・・!?」

 

アスランは援護してくれたであろう小型戦闘機が空中で合体してガンダムになったことに驚きが隠せなかった。

 

 

「何でこんな事・・・。また戦争がしたいのか、あんた達は!?」

 

平和で戦争が無くなった世界。

しかし今日、その平和は3機のガンダムの強奪で砕けた。

シンはまた戦争になることに憤りを感じた。

 

 

シンと3機のガンダムが対峙している時、バルゴラに乗っている3人は通信でやり取りしていた。

 

「どうする、チーフ!?どさくさに紛れて、俺達も逃げるか!?」

 

「で、でも、状況がわからないのにどこへ!?」

 

トビー中尉が逃げることを提案するが全く知らない場所な為、セツコは戸惑っていた。

 

「ここは下手に抵抗するよりは、俺達の身の潔白を立てる方が得策かも知れん・・・。」

 

「では!?」

 

「俺達は奪われた3機のガンダムを押さえるぞ。」

 

デンゼルの下した命令はザクたちの味方になり、3機のガンダムを取り押さえることだった。

 

「本気かチーフ!?いきなり寝返りかよ!」

 

この命令にトビー中尉は驚きを隠せない、

無理もない。突然見知らぬ土地に聞いたことのない軍。

ただでさえ状況がわからない状態なのに敵対していた組織と手を組むのだ。

驚くのも無理もない事だ。

 

「下手に脱出しようとすればさらに状況が悪化するだけだ。ここはまず身の証を立てるぞ。」

 

デンゼルはすぐさまシンの乗るガンダムに通信を送る。

 

「通信?あのアンノウンから?」

 

シンは通信を取り、デンゼルとの通信をつなげる。

 

「再度交信を求む!こちらに敵対の意思はない!先程の戦闘はあくまで自衛のためだ!」

 

「勝手な事を!アーモリーワンに潜入しておいて、何を言うんだ!」

 

「ザフトのパイロット、今は口論している時間は無いぞ」

 

デンゼルの言葉に突っかかろうとしているシンにアスランは通信に割り込む。

 

「あんた・・・ザフトじゃないのか・・・!?」

 

「俺はオーブの人間だ。非常事態としてこの機体を借りている。今は奪われたモビルスーツの奪還を優先するんだ。」

 

「あの得体の知れない連中を信用しろっていうのか!?」

 

シンがアスランにも突っかかるとミネルバの艦長タリア・グラディスから通信が入る。

 

「シン、聞こえる?今は彼のいうとおり奪われたカオス、アビス、ガイアの奪還を優先しなさい。」

 

「グラディス艦長・・・。」

 

「こちらは他に回せる機体がないわ。今はあのアンノウンの言うことを信じるしかないわ。」

 

「しかし!」

 

「これは命令です。直ちにカオス、アビス、ガイアを追い、これを奪還しなさい。」

 

「・・・了解です。」

 

シンはタリアの命令に渋々だが従うことにした。

 

 

----------------------

 

 

「どうする、スティング。あの3機のアンノウン、手を組んだようだぜ。」

 

「ちっ・・・!何なんだよ!あいつらは!俺達のアシストに来たんじゃないのか・・・!アウル、ステラ!こうなりゃ奴らを蹴散らして離脱だ!」

 

「了解!最後までスリル満点だね!」

 

「・・・・。」

 

スウティングとアウルが喋る中、ステラは首に掛けられた首飾りを撫でてある人物を思い出す。

 

「リュウジ・・・。」

 

彼は今どこにいるのだろう。

だが今は戦場。ステラは首飾りを撫でた後、手をレバーに戻し視線を戦場へと戻す。

その瞳は少女の瞳ではなく狩る者の瞳へと変わっていた。

 

 

----------------------

 

 

タリアの命令はデンゼルたちも聞いていた。

 

「聞いたなどうやら向こうの指揮官は俺達を信用してくれたようだ。俺達も剣のガンダムをフォローして、向こうの3機のガンダムを押さえるぞ!」

 

「「了解!」」

 

グローリー・スターは3機のガンダムに攻撃を開始する。

 

5対3と数では不利だが、スティング達の操縦技術でカバーする。

 

セツコの乗るバルゴラが、カオスに近接攻撃を仕掛けるが避けられる。

 

カオスが上空へと飛びビームを地面に向かって撃つ。

放たれたビームは地面に当たり粉塵で周囲が見えなくなりモニターでは敵の位置を確認することはできない。

 

「しまった、早くこの場所から逃げないと!」

 

こんな中にいては格好の的であると判断したセツコはバルゴラを粉塵の影響がない場所へと移動しようとするが、粉塵のせいでアビスが後ろから迫っており、アビスの攻撃に気付かなかったセツコはもろに攻撃を受けてしまい粉塵の外へと飛ばされる。

 

セツコのバルゴラは攻撃された時にできた隙をアウルは見逃さずにバルゴラの腹部に追撃で槍で止めを刺そうとする。

 

「少尉!危ない!?」

 

デンゼルがセツコに注意を促すがセツコは避け切れずアビスの攻撃で地面に倒れる。

 

「きゃああああ!?」

 

地面に倒れたバルゴラにアビスは槍を振りかざした状態にして相手のパイロットに最後の言葉を掛ける。

 

「さようなら、どっかの誰かさん!」

 

アビスの槍がセツコの機体に振りかざそうとした時、槍にガトリングガンの弾が当たる。

 

「なんだ!」

 

攻撃のされた方向を見ると1機の黒いMSがこちらに向ってきた。

 

「あの機体こっちに来る!ダメだ避け切れない!」

 

アウルはアビスを避けさせようとするがさっきの攻撃の反動と向こうの機体の速さで避けることができない。

だが、途中で黒の機体は空中でブースターを噴かして強力な回転蹴りをアビスに食らわせる。

 

「うわああああ!?」

 

猛スピードな上、回し蹴りでさらに加速したことにより攻撃が格段に上がり、蹴りが強力だったのでアビスは大きくぶっ飛んでしまう。

ぶつかった衝撃によりアウルはコックピット内で大きく弾ける。

 

黒のMSはアビスに攻撃した後、バルゴラに視線を向ける。

 

「大丈夫か?」

 

黒の機体がこちらに手を差し伸べる。

セツコは黒いMSの手を取り体勢を立て直す。

 

「あっ、あなたは?」

 

セツコは黒いMSに何者かと問う。

 

「・・・どうやら向こうは待ってくれないようだな。」

 

黒のMSのパイロットに誰なのか問おうとしたが、

3機のガンダムはこちらに攻撃の姿勢をとっていた。

 

「下がっていろ。ここは俺が相手する。」

 

「そんな、一人じゃ危険です!」

 

黒いMSは3機のガンダムに挑もうとしている。セツコは黒のMSのパイロットを止めるが、こちらのことは無視して、しかも3機のガンダムの内の緑のガンダムが仕掛けてくる。

緑のガンダムは黒いMSに対してビームライフルで攻撃する。

 

黒いMSは緑のガンダムのビームを避けると黒いガンダムのがビームサーベルを振り上げて黒いMSに追い討ちを掛けられる。

しかし咄嗟の判断で黒いMSはブースターを噴かして上空へ上がり黒いガンダムの追撃から逃げる。

 

だが、さらに青のガンダムが攻撃するときもうだめだと思ったが、黒いMSはビームサーベルで防ぎ、動きが止まったところを掴んで緑のガンダムへとぶつけ、黒いガンダムにガトリングガンを当てる。

 

3機のガンダムは攻撃された箇所がボロボロになり、黒いMSは無傷で立っていた。

 

あまりに一瞬だったので最初はなにが起こったのか分からなかった。

あのMSのパイロットは3機のガンダムを相手しながら、無傷だったのだ。

 

黒の機体、赤に光るバイザー。助けてくれた人に失礼かもしれないが、私はその姿に恐怖した。

今度は私達がやられるのではないかと。

思わず操縦桿を握りしめる。

 

そして、3機のガンダムは起き上がり、分が悪くなったのかすぐさま撤退していった。

 

「おい、待て!」

 

剣のガンダムが追いかけようとするが、黒いMSが剣のガンダムの前に出て手を出して制止するよう止められる。

 

「おい、あんたどういうつもりだ!」

 

「・・・・。」

 

黒の黒いMSのパイロットはなにも答えない。

その時、別の通信が入る。

 

『シン。いまはそのMSが正しいわ。』

 

「ですが、グラディス艦長!」

 

『仮に追いかけても外には戦艦がいるかもしれないわ。それに、インパルス1機で行ったところエネルギーがなくなるわよ。』

 

「くっ、了解。」

 

剣のガンダムは追いかけるのをやめて、黒いMSも手を降ろす。

あの黒いMSはこれを見越してあのガンダムを止めたのかしら。

 

黒いMSのパイロットについて考えていると、突然コロニーが揺れ始めた。

 

「なっ、なに!?」

 

『全機、今すぐミネルバに乗りなさい。』

 

先程の通信してきたグラディス艦長が通信してきた。

 

「グラディス艦長これはいったい?」

 

『外からの敵戦艦の砲撃よ。』

 

『アンノウン。それと、そこの黒のモビルスーツもね。』

 

「了解した。貴官の命令に従おう。」

 

「・・・。」

 

デンゼルはグラディスの命令に従い、黒のモビルスーツは返答はなかったが一緒にグラディス艦長の命令に従い、全機体がミネルバへと向かった。


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