機動戦士Dガンダム~悪魔の兵器の物語~   作:クニクニ

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第8話 悪魔の目覚め

放たれた銃弾が俺に向かって放たれて、俺は神様からもらった身体能力でギリギリで避けることができた。

 

多少、傷を負ったがなんとかなる。

 

『ちっ、避けたか。ならば、全機!一斉射撃準備』

 

すべてのMSの砲身がこちらに向き、射撃体勢にはいる。

 

『全砲門、撃・・・。』

 

『撃て』。そう言えば、全機体攻撃していただろう。

だが、できなかった。いや、出来るわけがなかった。

 

ここにいるもの全員は来るんじゃなかったと、後悔しているだろう。

 

後ろにいる悪魔の機体が、ウルベたちに向かって雄叫びをあげていた。

 

「グルアアアアアアァァァァァ!」

 

『なっ、なんだ!一体何事だ!』

 

その雄叫びは身を凍らせるほど恐ろしかった。

 

デビルガンダムは自分の主人を傷つけようとしたMSを見る。

そしてデビルガンダムは怒り満ちていた。

 

恐れよ。

 

そこにいるのは悪魔だ

 

泣こうが喚こうが無駄だと。

 

生者を闇へと引きずり込む

 

主を傷付ける者はすべて敵

 

敵は生かす必要なし。

 

 

悪魔は学習し、主の為には何が必要なのかを考える。

 

そして『究極』は『悪魔』へと進化を始めた。

 

 

 

「グルルルル」

 

悪魔は唸る。

 

 

一瞬。

 

たったの数秒もなかった。

 

何十体もいたMSは一瞬で粉々に砕け散った。

 

『えっ?』

 

ウルベはあまりのことに驚きを隠せず思わず素っ頓狂な声を出していた。

たった一瞬だったため自分の部下は声1つ上げることなく、撃墜されたのだ。

 

無理もない。

 

ほんの一瞬で触手を地面に張り巡らして、MSを貫き。

図体が大きいわりにスピードがあって、避けることはできずMSは無惨に破壊され、喰われていった。

 

そんなことができる機体に勝つことはあまりにも不可能に近いのだから。

 

『なんなんだ!?なんなのだこいつは!?』

 

たった、たったの数秒で部下の大半を失った。

ウルベは混乱し目の前で起こっている惨状が信じられなかった。

 

「ウルベ少佐!ウルベ少佐ァァァァァ!助けてください!ウルベ少佐ァァァァァ!」

 

部下の一人がデビルガンダムの触手に捕まり、デビルガンダムの胴体部分に飲み込まれていった。

 

他の部下も何もできずに捕まったり、逃げれたけどそれも虚しく下から来た触手に捕まり飲み込まれていった。

 

『こんなバカな事が、こんなはずでは!』

 

デビルガンダムの攻撃に成す術のないウルベ。

 

『ええい!撃て、撃ちまくれ!』

 

ウルベは全機に撃つように命令する。

 

部下の中にはただがむしゃらに撃つもの。

圧倒され撃つことができずただ呆然とするもの。

 

どんなに抵抗しても、デビルガンダムという存在にはまるで無意味だった。

 

『くそ、なぜ当たらん!』

 

ウルベはデビルガンダムに攻撃するが当たる気配すらない。数では圧倒的にこちらが上なのにも関わらず、デビルガンダムには弾1つ当たる事はなかった。

 

『ええい!何をやっている!奴はすぐそこにいるのだぞ!・・・なに左か!?』

 

ウルベは部下を叱責するが、その隙にウルベの機体も触手の攻撃に巻き込まれた。機体はなにもできずに無惨に破壊され落下していった。。

幸いなのか、コックピット部分は無事のようだった。

 

『おのれ、デビルガンダムめ!』

 

ウルベのコックピットの脱出装置が働き、脱出した。

 

それから数分がたち、さっきまでいたMSはもう見る影もなかった。

 

ウルベのMSは大破になりながらも、この場から撤退していき、今はもうこの場にはいない。

だが、生きている限りまた付き纏われるかもしれない。

 

「グルアアアアアアァァァァァ!」

 

デビルガンダムが再び雄叫びあげるとそれに呼応するかのように地面は揺れてデビルガンダムの体から光を放たれる。

その光は徐々に増して俺は光の中へと包み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光が弱まったのかようやく目を開けることができるので目を開けるとそこは先程までいた場所と大きく変わって森のような場所だった。

恐らく先程のは時空振動による転移だったのだろう。

 

「グルルルル」

 

そして俺の後ろにはデビルガンダムがおり、

デビルガンダムは顔を隆司の側へとゆっくり近づける。

 

「まさか、本当にデビルガンダムになったのか!?」

 

結局、デビルガンダムになることは避けられなかった。

ガンダムのなかでも最狂最悪とも言われる悪魔の機体になってしまったのだ。

俺がデビルガンダムの顔を見つつそんなことを考えているとデビルガンダムはコックピットを開き、触手を隆司に伸ばそうとしていた。

 

「まっ、待て!?とまれ!!」

 

生体コアにされることを感じとり、デビルガンダムに止まるように呼び掛ける。

 

すると、俺の言葉に従ったのかデビルガンダムの触手の動きが止まる。

 

呼び掛けに答えてもらったのか、デビルガンダムはさっきまでと違い落ち着いた雰囲気を纏っていた。

 

まるで俺が何か言うのを待つ狂犬だった。

 

「デビルガンダム。お前は、俺の言うことがわかるのか?」

 

「グルルルル」

 

隆司の問いにデビルガンダムは首を縦に振り答える。

 

「そ、それじゃぁ、幾つかお前に命令する。」

 

俺の言葉が解るということなら好都合。デビルガンダムに幾つか命令する。

 

「まず、むやみやたらに人を傷付けるな。」

 

これは、デビルガンダムになってしまったこいつにはこの命令は絶対必要だ。

原作では、地球に人間は必要ないと判断し、人類の滅亡を人工知能が判断した。

なので、同じことを考えているかもしれないので人間はできるだけ傷つけないように命令する。

 

「次に、俺を生体コアにするな。」

 

さっきの1つ目の命令は絶対に守ってほしいが、できればこの命令も聞いてほしい。

生体コアにされて操り人形みたいにはなりたくない。

 

「あとは俺の命令は絶対に聞いて守れ。」

 

俺は念のためにデビルガンダムに再度言い聞かせる。

 

大事なことなので2回いいました。

 

「グルルルル」

 

デビルガンダムは頭を縦に降ったので、恐らく理解はしてくれたのだろう。

 

デビルガンダムは触手を俺に巻き付け持ち上げる。

 

「おっ、おい!何を!?」

 

まさか!やっぱり生体コアにされるのか!?

 

「待つんだ!俺を生体コアにするんじゃない!?」

 

それでも触手は俺をデビルガンダムに近づける。

 

しかし、俺の予想を裏切り触手はデビルガンダムの肩に下ろす。

 

「あっ、あれ?俺はどうなったんだ?」

 

頭が混乱して、理解が追い付かなくなってやっぱり混乱する。

 

しかし、時間がたっていくにつれ、自分の状況を理解する。ただデビルガンダムは俺を肩に乗せたいだけだったみたい。

 

どうやら、原作みたいにただ人間を排除するだけの機械になったわけじゃないみたいだ。

 

俺は安心して一呼吸置き、落ち着く。

どうやらいまのこいつは無差別に攻撃するやつにはなっていないのかもしれないな。

 

「さて、これからどうしようか。」

 

ホワイトベースを降りたのはいいが、やっぱりこれから何しようか考えていなかった。

相変わらずこの無計画さに呆れる。

 

「グルルルル」

 

「ん?そうだな、考えるよりとりあえず歩くか。」

 

デビルガンダムが何を言っているのかわからないが、

ここで立ち止まっているより、どこかに歩いたらとりあえずなんとかなるだろう。

 

「それじゃあ、デビルガンダム!あっちの方向へ進むぞ。」

 

デビルガンダムは隆司の言う通りに指差す方向へ進路を向ける。

 

しかし、俺はまだ知る由もなかった。

 

これから俺たちは物語の中心となり戦禍に巻き込まれることを。

 

 

 

 

〈アルティメットガンダムの状態変化により能力が改変されます。〉

 

デビルガンダム

 

ガンダム三大理論

 

・NEW

『自己増殖 UG細胞がDG細胞へと変化。デスアーミー・ガンダムヘッド・吸収した物が増殖可能。ただし完全にDG細胞化しておらずUG細胞の能力も残っている為、生物に無害な物も増殖可能』

 

・NEW

『自己再生 変化しても基本能力は変わらず。UG細胞は壊れた部分の再生及び、DG細胞の除去が可能。

DG細胞は生きた人間は操ることができDG細胞で相手に苦痛を与えることができる。

死んだ人間にも使用可能。ただしゾンビとして活動。

ただし、ゾンビのDG細胞を除去すれば再び活動停止する。』

 

・NEW

『自己進化 変化しても基本能力はかわらず。機体を吸収することにより進化し続ける。機体を吸収したら機体の特性、特徴をデビルガンダムで使用できる。』

 

・自我が芽生えたことにより独自行動が可能。

 

 




皆様お待ちかねのデビルガンダムの登場。

あと少しでZ本編へ。
スパロボの皆様もうしばらくお待ちを。

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