題名は未定   作:俺だよ俺

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「・・・・間もなく、ポイントYMf290に到着します。」

 

エルシオールが合流地点にドライブアウトする。

 

「長距離レーダーに反応あり!敵の艦隊です。ポイントYMf288に停止中。こちらには気が付いていません。」

 

「大漁だな。見ろ、レゾムの旗艦もいる。どうする。今すぐ、しかけるか?」

 

「いや、まだだ。先手を打てるとは言え、この戦力だとさすがにつらい。ここは素直に、後続の増援が来るのを待とう。あの通信の後、暗号文で増援艦隊にはエンジェル隊のみんなが来てくれるらしい。それと、増援艦隊の司令官本当にラークらしいよ。」

 

「お?本当か。ルフト先生も粋な計らいをしてくれるな。」

 

タクトとレスターが雑談混じりの会話をしていると、格納庫から通信が入る。

 

「1番機ラッキースター、準備完了です。」

「ハッピートリガー、準備よろし。出番はまだかい?」

「同じくシャープシューター、出撃準備整いました。」

 

 

「ブリッジ了解。もう少ししたら出撃だから、それまではリラックスしてていいよ。さて、みんなはいつ頃到着するかな?」

 

警報音が鳴り響く

「ココ、状況を知らせろ。」

 

「はい、レーダーに多数の艦影を捉えました!」

 

「多数?援軍か?」

 

「い・・・いえ!敵です!」

 

「なんだと!?」

 

「小惑星の陰に潜んでいた模様です!一斉にこちらへ移動を開始しました!」

 

レスターとココが話し合っているとアルモが通信を受信する。

 

「敵艦より通信です!」

 

『すこしは知恵を働かせたようだけど、残念だったわね。』

 

「いきなり、ごあいさつだね。君は確かネフューリアだっけ?レゾムの副官の。」

 

『そう、ネフューリアよ。ちゃんと覚えていたようね。感心だわ。それに、目の付け所も悪くないわ。わざと情報を漏らして、こちらを誘導するとは・・・・・・・けど、詰めが甘かったようね。』

 

「手厳しいな。しかし、よく俺の行動が読めたね。」

 

『簡単よ。あなたはサインの入れ替えなんかで敵を混乱させるのがお得意なんでしょう?ならば、こちらは裏の裏をかくまで。造作もない事だわ。』

 

「なるほど。君も、一筋縄じゃないみたいだね。感心、感心。」

 

『ふふ、愉快な人間ね。』

 

「それにしても、解せないな。俺の手が読めてたなら、最初から全軍をこっちに回しても良かったのに。」

 

『罠に引っかかったと確信しない限り狩人は姿を現しはしない・・・。違うかしら?』

 

「・・・・・伝えてないのか。自分のところの大将を囮に使うなんて大胆だね。」

 

『これぐらいには役に立ってもらわないと、困ってしまうわ。』

 

「君、友達少ないでしょ?」

 

『友達?・・・・あぁ、あなたたちが、自分と近しいと錯覚する対象の事ね。あいにくだけど、そんな幻想は私には必要ないの。ふふふ、おしゃべりはここまでにしましょう。ここからは楽しい楽しい殺戮の時間よ。・・・・・・レゾム閣下、エルシオールを発見いたしました。至急、こちらに軍勢を。』

 

『なんと!?でかしたぞ、ネフューリア!今すぐそちらに向かう!』

レゾムはそう応答して通信を切り軍勢を動かし始める。

 

『さあ、こちらの手を打ったわ。あなたたちは、どう出るのかしら?』

 

「敵本隊、こちらに急速接近!」

「タクト、まずいぞ!」

「大丈夫。そろそろ来るはずだから。」

 

「あ!レーダーに新たな反応多数確認!急速に接近中!この識別信号は・・・・・・・・・・・・紋章機です!!」

 

「各紋章機から通信が入りました!」

 

増援部隊に組み込まれていた残りのエンジェル隊から通信が入る。

 

『ハァ~イ!お待たせ~!タクト、ひさしぶり!本当に司令官に戻ったんだ!』

「ランファ!みんな!」

 

『ミルフィー!アンタ、なんで紋章機に乗ってんの!?』

「また乗れるようになったの!」

 

『再会のごあいさつも、よろしいのですが・・・・・。あまりノンビリできる雰囲気ではありませんわね。』

『・・・・・今は、敵を撃退するのが先決です・・・・・。』

「ミントにヴァニラもひさしぶり~」

「遅かったじゃないかい。あんたたち待ちわびたよ。」

 

エンジェル隊の隊員同士で再会を喜んでいる中、仲間外れ感を少し感じたタクト。

 

「来てくれて心強いよ。さっそくひと仕事、頼む。敵に勝ったら、その後でゆっくりと再会を祝おう!」

 

『言われるまでもないわ。軽くかたづけてやるわよ!』

『水くさいですわ。さぁ、私たちの力を見せて差し上げましょう。』

『・・・・・問題ありません。それが、私たちの任務です。』

 

「そういえば、ちとせが加入してからは、初めてのエンジェル隊そろい踏みだな。」

「はい、先輩たちの足手まといにならないように精一杯がんばります。」

「リラックス、リラックス。肩に力が入ってちゃ、実力は出せないよ。」

 

『変わってないわねぇ、タクトも。』

『よろしいんじゃありませんか?そのほうが、エンジェル隊らしいですし。』

『・・・私たちらしいです。』

 

「そういうこと。」

 

『なるほど、別動隊による挟撃作戦とはね。』

 

「あれだけわざとらしい通信を送ったら、当然気づくやつが出てくるさ。例えば、君の様に頭が切れる人がね。なら、こっちは裏の裏の裏をかくまで。造作もない事さ。」

 

『ふふふっ・・・・・!あなたは本当に愉快な人間ね。タクト・マイヤーズ。あなたに敬意を表して、本気で遊んであげましょう。』

 

タクト達とネフューリアの会話が途切れる瞬間、通信に割り込む声が・・・。

 

『俺たちのチームの軍師殿はお断りだそうだ!!とっとと失せな病人顔のねーちゃん!!』

 

ネフューリアの艦隊が攻撃を受ける。

 

「ラーク遅いじゃないか。」

 

『あのねーちゃんが、勝手にエンジェル隊だけだと勘違いしてくれたからな!!フォーメーション2を使わせてもらったぜ!!』

 

「フォーメーション2・・・・時間差攻撃か!!」

『そうだ!久しぶりだな!!レスター、タクト!!募る話もあるだろうが、まずはあいつらをどうにかしてからだ!!』

 

「そうだね。ラーク、それにみんな!!やるぞ!!」

 

「「「「「「了解!!!」」」」」」

 

『っく、まだ増援がいたの!?だけど、こちらも合流すれば五分、いいわまとめて相手になりましょう!』

 

「攻撃準備!ふたつの艦隊を、それぞれ迎え撃つ。」

「よし、こっちの紋章機も全機発進だ!」

『戦闘機部隊全機発進!!全艦一斉射撃!!』

 

 

 

 

 

ラークの増援艦隊が一斉射撃をレゾムの主力艦隊へ放ち、ゼム級戦闘母艦からシルス型高速戦闘機が次々と発艦して行く。

 

「正規軍の意地を見せてやれ!」

「エンジェル隊だけにいいかっこさせるかよ!」

「エオニアの残党にあの時と違うところを見せてやるぞ!」

 

正規軍の士気も旺盛でレゾムの艦隊に襲い掛かる。

 

「よ~し、バーンとやっちゃいます!」

「あら、正規軍のみなさんもやる気じゅうぶんですわね。」

「・・・・私たちも負けてられません。」

「いっくわよ~!!」

「よし、エンジェル隊もハデにやって、いいところ見せようか!」

「私も皆さん方に負けないように頑張ります!」

 

もちろん、エンジェル隊の士気も旺盛だ。

 

 

「ミサイル全弾命中!とどめは任せる!」

「あいよ、任された!いくよ!ストライクバースト!!」

 

戦闘機部隊が敵の戦艦にミサイルを打ち込んで、そのとどめにフォルテのハッピートリガーの必殺技が決まる。

 

「撃て!敵を引き付けろ!」

「その隙、逃しません!」

 

正規軍の艦が敵艦と一進一退の打ち合いをして引き付けて、その背後からちとせのシャープシューターが狙い打った。

 

ヴァニラのハーベスターと味方の戦闘機部隊が敵の駆逐艦を同時射撃で沈め、味方艦隊の中に潜りこんだ敵戦闘機部隊をミントのトリックマスターのフライヤーが撃ち落とし、ランファのカンフーファイターが投げた敵を正規軍が撃ち落とす。押された敵軍をダメ出しの一撃にとミルフィーのハイパーキャノンでとどめを刺した。

 

「敵艦隊、2時方向に退却していきます!皇国軍の勝利です!」

 

この戦い、エオニア動乱の時からエンジェル隊任せの雰囲気が強かった空気を完全に払しょくさせ、エンジェル隊と正規軍の部隊が本当の意味で足並みをそろえることが出来ていた。まさに皇国軍無双であった。

 

 




レギュラーもしくは準レギュ級のオリキャラが出てきましたが、残念なことにキャラが偶にぶれます。キャラの書き分けが出来てないです。本当にオリキャラでSS書いてる人たちってすごいですね。ちなみにオリキャラのフルネームはラーク・メンソール(タバコ)です。

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