題名は未定   作:俺だよ俺

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書いてた当時、各話の題名考えてなかったのでサブタイトルはめったに付けません。あしからず・・・


02

クロノ・ブレイク・キャノンの第2次発射により黒き月が破壊され、正統トランスバール皇国軍は滅んだ。

 

クーデター終結後はシヴァ皇子もとい皇女が皇位に就きトランスバール皇国の再建が始まった。しかし、エオニア派は完全に滅んだわけでなく、残党が戦後も暗躍したり、決起したりした。エオニア戦役からヴァル・ファスク戦役、ABSOLUTEへシフトが成功して他世界繋がるクロノゲートが無数に発見された頃まで、そう言った残党軍との戦闘が何度か繰り返された。代表的な物はレゾム・メア・ゾム率いる真・正統トランスバール皇国軍の決起が代表的であるが、それ以外にも辺境貴族連合の反乱、スプマンテ紛争と続き、最後に新生正統トランスバール皇国の襲来へと続くのである。

 

それ以外にも海賊化したエオニア派の有人艦や自立行動を続ける無人艦など雑多なものを含めるときりがない。これら残党やその協力者による紛争を総じてエオニア残党戦役と呼ぶ。エンジェル隊のもう一つの戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

エオニア戦役終結より半月、残党軍内において最も高い階級にあったエスプモーソ・スプマンテ中将の提供した安全宙域カマラポイント、ここ残党軍の多くが集結していた。

黒き月崩壊後、ある程度の数の無人艦の指揮権を取り返すことが出来たこともありここに集まった残党軍の数は200近くいた。

 

スプマンテ中将の乗艦のツインザーフ級双胴戦艦の1室で会議が開かれた。有力な将校達の間で今後の方針が話し合われ、残党軍としての方針を協議したのであった。

 

「私の呼びかけに、集まったのは200程度の艦か。人間の数は上位下位隔てなく数えても僅かに20人程度・・・。どこかにもっと大勢集まってくれるものと思ったのだが・・・。」

 

この会議では主に3人の人物が中心になって話し合いを行っていた。1人はこの会議の主催であるエスプモーソ・スプマンテ中将で彼は残党軍内全体の兵士において5割を掌握し、そのすべてが職業軍人たちで構成されており、残党軍内では最も精強であるとされた。

 

「他の者達は承知のうえでどこかに隠れ潜んでいるか、単に通信を聞いていなかったのででしょう。スプマンテ閣下、とりあえずここにいる面々で話し合いを始めましょう。」

 

 

2人目はレゾム・メア・ゾム大佐であり彼は最終決戦に合流するために援軍を率いていたが到着前に終戦。単純な保有艦数であれば彼は最大勢力でもあった。

 

「さっそくですが、我々の選択肢はトランスバール皇国勢力圏より脱出し力を蓄える脱出。トランスバール皇国勢力圏にとどまり戦闘を継続する抗戦の2つです。まず先に私の意見を申し上げさせていただきますとここは脱出を選択するのが最適と判断します。」

 

3人目は脱出すべきと宣言したルル・ガーデン准将で最終決戦時は黒き月内におり脱出時に黒き月のデータを持ち出しており技術的には最も優位にあった。

 

「ほぉ?かつては共にエンジェル隊を攻撃したガーデン准将とは思えない弱腰お言葉ですな。」

 

「あら?ただイタズラに戦力をぶつけるだけぶつけて結局失敗してしまった貴方じゃあ今の状況が理解できないのかしら?猪だってもう少しマシですわ。」

 

「な、なんじゃと~!?エンジェル隊追撃は貴様だって失敗したくせに何という言い草じゃ!!これだけの戦力があるなら今一度再戦して、疲弊した皇国を潰せばよいのだ!!」

 

「無能、無能極まりないわ。私達敗残軍が戦って勝てるほど今の皇国軍は弱小じゃないわ。」

 

「き、貴様・・・」

 

会議が始まってすぐにルルとレゾムの口論が始まる。エンジェル隊を追撃していた頃からこの二人の折り合いは悪い。あっという間に険悪な空気になり足並みの不揃いが露呈した。残党軍の人間たちはレゾムの様な意地になっての抗戦か、ルルの様な後ろ向きな脱出を選択した。

二人の口論が激しさを増したためスプマンテ中将が一時休憩を挟むように提言し二人は矛を収めた。

 

休憩中のスプマンテ中将は下士官からコーヒーを受け取りそれを飲みながら、艦橋の指揮所で外を眺めていた。

 

「閣下、まもなく会議が再開されます。会議室にお戻りください。」

 

側近のガラシュ・レーリュッケン少佐が呼びに環境に入って来た。ガラシュ少佐の呼びかけには応じずにスプマンテ中将は外の様子を見続けていた。ガラシュ少佐も視線を動かしスプマンテ中将に外の様子をうかがう。

ルルの艦隊が離れていくのが見える。

 

「ガーデン准将の艦ですな。」

 

「彼女は黒き月の技術を多く持っているゆえ、こちらに引き入れたかったが頑なでな。結局、頭を縦に振ることはついになかった。」

 

「我々とは志が違うのでしょう。閣下の崇高な理想はあのような女狐には分かりはしないのでしょう。しかし閣下、ルル・ガーデンはまだしもレゾム・メア・ゾムの様な志無き輩や海賊傭兵上がりを引き入れようとされるのは・・・」

 

「そうではない、お前は真の皇国を興す為、エオニア太子に従った。その心こそ大儀・・・。大儀を生まんとするものが、小事にこだわってはならん。エオニア陛下の大志を継ぐためにも、我が艦隊戦力の充実が不可欠だ。レゾムの様な輩も含めて私が導く。」

 

「閣下・・・!!」

 

 

会議が再開されるとルル・ガーデンや海賊首領の様な者達の姿はすでに無くなっていた。彼らはスプマンテ中将の呼びかけには応じず独自に動くようであった。

そして、残った者達と協議を重ねトランスバール皇国勢力圏で連携して戦闘を継続することを決定したのであった。

 

「うむ、では各々今回の協議で示された方針に従って行動するように・・・。レゾム大佐、辺境部にはエオニア陛下が追放された際に身を寄せ戦力を整えたとされる秘匿工廠が存在するらしい、これを手に入れられれば我々の艦隊の強化にもつながる。ゆえに無人艦の扱いに長けている貴官にはこれの探索を行ってもらいたい。」

 

「お任せくだされ、スプマンテ閣下。必ずやエオニア陛下の残された遺産を見つけてまいりましょう。」

 

 

 

 

 

 

カマラポイントでの会合より3・4カ月ほど経過したルル・ガーデンを中心とする脱出派は一時脱出予定を遅らせてレゾムと合流して辺境保秘匿工廠の探索に協力した。その甲斐あって秘匿工廠を発見することが出来た。

秘匿工廠では管理人のネフューリアの指揮の下、兵力の再建が行われていた。

それを確認したルル達脱出派はそのままトランスバール皇国勢力圏を脱出して行った新たな安住の地を探しに旅立った。

 

しかし

 

 

 

 

「准将!!周囲の無人艦のクロノストリングエンジンが暴走ぉおお!!このままでは爆発します!!」

 

オペレーターの悲鳴交じりの報告が聞こえる。

 

「ネフューリア、あの女やってくれたわね。ヴィシュヌ姫殿下を最優先に避難させなさい!!」

 

ルルは何とかしようと指示を出すが・・・

 

「だ、ダメだ!!巻き込まれるぅうううう!!た、助けてくれぇええ!!」

冷静さを失い喚き散らしているオペレーター。

 

「ガーデン准将・・・!!」

 

副官のシュール・リーの呼び声を最後に真っ白な眩しすぎる光に飲み込まれた。

 

 

 

徐々に光が晴れてしょぼつく目を瞬かせて周りを見る。

周囲の無人艦は全て消えてなくなっていた。少ない有人艦からは損傷無しもしくは警備の報告が上がってきている。

周囲の状況を確認すると先ほどと天体の位置情報が違っている。

 

「これは・・・いったい?」

 

 

「前方より艦影!!通信が来ていますがどうしますか?」

「映しなさい。」

ルル達が状況を把握する前にレーダー所属不明の艦影が多数映り通信画面が開く。

 

 

『こちらは銀河帝国軍シュパーラ星系駐屯艦隊第3警備隊隊長ラガバルド大尉だ。そちらの艦の所属と目的を名乗られたし。』

 

 




書いてた当初はギャラクシーエンジェルと銀河英雄伝説のクロスオーバーとなっていたんですが、書いてた時期にハマってたアニメや漫画の影響をもろに受けてしまっているのが分かりますね~。

スプマンテ艦隊はぶっちゃけ劣化デラーズフリートです。一応銀河帝国とは接触しますけど、この脱線の影響でしばらく銀英伝とギャラクシーエンジェルの絡みはないんです。銀英伝クロスを期待している皆さんごめんなさい。

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