ロクでなし講師と魔眼保持者   作:斎藤

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仕事忙しいせいで書く時間が少ない。
だから内容雑だし少ないです。ごめんなさい。


非日常6

「《求めるは殲虹>>>・光燐》」

 

店の外のローブの男とラヴァルが同時に魔術を発動させた。

店に来ている客、店員はラヴァルの声で伏せてくれたため被害は少ない。しかしそれでも魔術同士がぶつかった余波で机は破壊されている。

 

「ラヴァル君!これは!?」

 

「俺の敵だよ。ルミアは……複数人いたら人質に取られそうだし一緒に来てくれ」

 

ローブの男は魔術を防がれたことで次の魔術の準備に入った。その魔術を使わせるわけにはいかない。そう思えばラヴァルは動いた。

 

「《魔を断つ光よ》」

 

オリジナル魔術で、敵に魔術を放たれる前に魔術を消す。敵はその現象に驚いたのか手が少し止まった。その隙にルミアの手を引っ張り、店外へ出る。

 

「やはり、その魔術行使はラグナだな」

 

ラヴァルにとって聞き覚えのある声が、昔の名前を言い当てる。声を聞いても誰かは分からないが、自分と何かしらで関係があった存在であることが分かった。

 

「今はラヴァルって名前だよ。お前はわざわざ俺を殺しに来たのか?」

 

「そうだ。王国を裏切った逃亡者を殺すのが俺達の任務だ」

 

「『俺達の』ということは1人ではないんだな」

 

「さあ、それはどうかわからない。だが俺は魔術の腕だけなら王国でも五指に入る。はたしてお前に勝てるかな?」

 

「へぇ、魔術だけならねぇ。あのさ、俺は一応王国最強の魔術士って言われてたんだけど、そこんとこどう思うわけ?」

 

呆れたように言ってやればローブの男は自信ありげに答える。

 

「それはお前が近接戦もできたから与えられた称号だろう。魔術戦では遅れを取らん」

 

「そう解釈してるわけね。じゃあもう1つ、そこの店の修繕費払える金今持ってる?」

 

「払わないのだから関係ない《求めるは殲虹>>>・光燐》」

 

ローブの男が魔法陣を描き魔術を放とうとする。だが、その魔法陣は途中で機能を失い消失した。

 

「何!?」

 

「あのさ、敵相手に会話なんて時間稼ぎさせるなよ。そういう会話に応じる戦い方は二流三流だぞ」

 

会話の途中で、以前解析したグレンの固有魔術である《愚者の世界》を発動させた。これにより、ここからは近接戦闘に移行させる。そうすれば楽勝だと、少なくともラヴァルはそう思っていた。

 

「確か、『魔術戦なら』俺に勝てるんだよな?それなら俺は近接戦闘に持っていくだけだ」

 

「お前はそれでも魔術士か!」

 

「うっせえ三下。お前ごときが俺を殺せるわけないだろバーカ」

 

馬鹿にするような言葉を吐き、顔面を殴ろうとする。だがラヴァルの拳はローブの男を捉えることはなかった。その拳はローブの男とラヴァルの間を裂くように地面に刺された大剣に防がれた。接近戦ができる敵が出て来たことで速攻で《愚者の世界》を解除する。だがそれは悪手であった。

 

「ち、小隊で来てるのか…」

 

いつの間にかラヴァルと一緒に連れて来たルミアは5人に囲まれていた。2人は剣を携え、残り2人は魔法陣を描き、待機していた。残りの1人は先程からのローブの男。

 

「時間稼ぎはお前達の方がしたかったというわけね」

 

舌打ちをしてどうするか考える。考えていれば剣士の2人が剣を振ってくる。縦に、横にと2人の熟練されたコンビネーションから反撃の隙は生まれてこない。それだけではなく、最悪なのは後方支援ができる存在が3人もいるところだ。

 

だがラヴァルはその程度で諦めるような人間ではない。2人の剣の腹を思い切り殴りつけて体勢を崩させる。そうして生まれる隙を補うように後方から魔術が放たれる。だがそれに反応せず《複写眼》を発動させて宙に指を踊らせる。

 

「《求めるは殲虹の転真>>>・光狗燐》」

 

3人の魔術士から放たれる魔術は《複写眼》により《光燐》であることが分かった。なればそれを打ち消す魔術を出すだけである。

ラヴァルが宙に描いた魔法陣から《光燐》によく似た光線が7つ放たれ、3人の魔術士の放つ《光燐》とぶつかり相殺した。その余波で少しだけ距離を取ることができた。この少しをラヴァルは待っていた。

 

「《我・契約文を捧げ・大地に眠る悪意の精獣を宿す》《我・秘めたる力を・解放せん》《我・時の頸木より・解放されたし》」

 

3種類の身体強化魔術を使い、ルミアを抱えて逃げ出した。

逃げるラヴァルに向かって背後から容赦なく《光燐》を放ってくるが、全てを同じ魔術で相殺する。

身体強化をしているにも関わらず剣士2人はついて来ている。だが、それもここまでだった。ラヴァルは逃げながら足止めの魔術を通った道に仕掛る。剣士の2人がその上を通った時、魔術が発動し闇に飲まれた。

だが、剣を振り魔術を斬ることで回避された。それでも一瞬の視界の遮りがあることで差をつけることはできた。

ラヴァルはルミアを抱えながら逃避気味に先日同じようなことをしたなと、親衛隊から逃げた時のことを考えていた。だが今の状況はあの時と比べることも馬鹿らしいくらいに危険であった。

手練れの剣士が2人にそれなりの魔術士が3人。ラヴァルが優れた魔術士であってもこれを相手するのは辛かった。

それもそのはず、ラヴァルは知らないがこの小隊は幾多もの戦争を生き残った先鋭中の先鋭だった。それらを相手にここまで立ち回ることができることは、敵からすれば異常である。

 

「ルミア、今回は俺が巻き込んだ形だな。ごめん」

 

一旦路地裏に入り、素早く地面に魔法陣を描きながら言う。謝られたがルミアは巻き込まれたことに対して何とも思っていなかった。ルミアはラヴァルが前の国から逃げ出したと聞いた時から、いつかこういうことがあるのではないかと思っていた。そして、その時の覚悟もしていた。そのため幾分か冷静であった。

 

「私はラヴァル君を信じるよ」

 

真剣な眼差しで言う。ラヴァルは自分なんて信頼する価値ないだろと思ったが言えば怒られてそれに時間が取られるため、何も言わず今はこの魔法陣の完成を急いだ。

 

「もう、鬼ごっこは終わりか?」

 

ローブの男がようやく狩れると思い、顔をニヤケさせる。それにつられてその仲間の4人も顔がニヤける。

 

「鬼ごっこか……。お前達からすればそうなんだろうな。正直見くびっていたよ。お前達は強い。ーーーだから『魔術』ではなく、『魔法』を見せてやるよ」

 

瞬間、魔法陣が《複写眼》と同じ朱の色に輝きだした。何かされる前に殺そうと剣士達は斬りに接近。魔術士3人は《光燐》を放つ。

 

「ルミア、俺を信じてくれてありがとう。《我は世の法則を捻じ曲げし者・我は神に叛逆せし者・其は万象を揺るがす・我を使い顕現せよ》」

 

ラヴァルが詠唱を終われば輝きが増し、視界が遮られる。その間に《光燐》が地面に当たる音が聞こえる。

ルミアはラヴァルが無事かどうか心配で目を開けて確認する。

 

だが、先程までラヴァルのいた場所にラヴァルは立っていなかった。

 

代わりに帝国宮廷魔導士団特務分室の制服を着た青年が立っていた。その青年は眼が特徴的だった。その眼は『七色に明滅し、涙の紋様が浮かんだ瞳』を持っていた。特徴的なのはそれだけじゃない。

ルミアは青年の全体の姿を見て、特に顔を見て驚愕に口を開く。

 

 

 

 

「ラヴァル……君?」

 

 

 

 

ルミアがそう言うくらいに、ラヴァルと青年は似過ぎていた。

 

 

 

 




いったいラヴァルは何の魔法を使ったんだ!?

詠唱はいいの思いつかなかったんだ友達に投げました。何の魔法かはわかる人の方が多いでしょう。




間違って別作品投稿しちゃいました。申し訳ございません。
こちらは来週あたりに投稿します

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