インフィニット・ストラトス 〜マネージャーですが何か?〜   作:通りすがる傭兵

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まず始めに。
マネージャーは、補佐役だ。せいぜいが脇役止まり。
どうあがいても、主人公になどなれやしないのだ。
そして、






いつだって都合の良い奇跡を起こすのは、主人公だ。


第27話

 

「やるわよ、箒」

「......はっ、何をだ」

「敵討ちよ」

「......私抜きで、やってくれないか。

戦力が足りないと言うのならば、紅椿も持っていってくれてかまわない。

 

 

 

私はもう、ISには乗らない......」

 

伏せる一夏の傍で座り込む箒と、それを見下ろす鈴。

「......悔しくないの」

「悔しい、何がだ。何もなかっただろう」

 

気炎をあげる鈴に対して、淡々とした口調で応対する箒。

 

「何も、なかった?あ、あんたねぇ!」

 

襟元を掴んで部屋から引きずりだし、外に叩きつける。もちろんISあってのことだが、今の鈴ならばなしでも出来たはずだろう、そう説得させるだけの怒りが、彼女にはあった。

 

「一夏はまだ目を覚まさないし、成政は生きてるかすらわからない。

それの原因になったのはあんたでしょ!

それを、何もなかった、ですって、ふざけんじゃないわよ、ざっけんじゃないわよ!」

「......」

 

無言のままの箒に詰め寄り、襟元を掴んで倒れた箒を無理やり立たせる。

 

「あんたねえ、何考えてんの!」

 

そう叫んで、箒を殴りつける。

されるがままに吹き飛ばされ、ピクリとも動かない箒。

 

「なんとか言いなさいよ!」

「......帰って、くれないか?

もう、私は戦わない」

「っ......失望したわ。あんたがそんなやつだって思わなかった。

あんた抜きで、私達は敵討ちするから」

 

鈴は肩を落として去っていった。

 

「待ってるから」

 

振り返って、鈴は叫ぶ。

 

「あんたのこと待ってるから!

私のライバルは、こんな事で折れるはずはないって信じてるから、それに!

あいつの事、諦めてるんじゃないでしょ!」

 

 

 

 

 

「いかんな。可愛い女子が傷をつけられるなど。

お主も、そうは思わんか、篠ノ之箒」

「......誰」

 

 

座り込んだままの箒が頭上から聞こえてきた声の主を探すよう、のろのろと空を仰ぐと、声の主はすぐに見つかった。

 

「ふはは、ははは、はーはっはっっは!」

 

木の上、その細枝の上に立つ謎の人影。

頭まで覆う全身長袖で若干ゆったりとした、今時のものではなく古典的な服装。

夕暮れをバックに立ち、苦無を構えるそのシルエットはまさしく、

 

「忍、者?」

「とおう!」

 

その忍者は腕を組んだまま空中で前転をして、

 

「ぎゃふん!」

「......」

 

首から落ちた。

何も言わず、ただ目の前で起こる寸劇を虚ろな目で、笑うこともなく見つめる箒。

 

「ぐう、頭痛い......」

「......」

 

自分の無様さに居たたまれなくなったのか、気を紛らわせるように服の汚れを払い、一度咳払いしてから、何事もなかったと言い張るように佇まいを正し、

 

「では気を取り直して、自己紹介を。

耕太・ハルフォーフ。旧姓石狩耕太。

今話題の2人目の男子、の兄といえばわかるだろう?」

 

キメ顔で耕太はそう言った。

 

「で、あいつがくたばったと聞いたから馬鹿にしにきたんだけど」

 

無神経にも、その男はそう告げる。

他にも何か言っているようだが、箒の耳にはそれ以外は何も耳に入らない。

「なんと言った」

 

踏み込み、一閃。

右腕にISを展開し、雨月を首元に寸止めして、もう一度箒は問う。

 

「いま、なんと言った」

 

箒の様子がおかしいことに気付かず、耕太は素直に答える。

 

「成政が死んだと聞いたので馬鹿にしにきたんだよ」

「黙れぇぇぇぇぇ!」

 

箒は刀を力任せに振りかぶる。

ISの腕力が引き出される神速の袈裟斬りは人間ごときには見ることすらできない。

 

ただの人間であるならば、だが。

 

「全く、主人は言葉が足りぬのだ。

こんななりでも拙者の主人、守らねばならぬ。やれやれ、難儀よのう」

肉を割く鈍い音でなく、鈴のような甲高い音がこの場に響き渡る。

 

「なっ?!」

「太刀筋に迷いがある。それで人を斬るのはいささか野暮というものではないでござろうか」

 

雨月が折れた。いや、刃物ですっぱりと斬られたようにバラバラに斬り刻まれた、の方が正しいだろう。

今の箒の心のありようを示すように、バラバラに砕け散る。

 

そして、いるはずのない人影が目の前に立っていた。

 

「拙者とて農民ではあるが、刀を持つ以上侍の端くれ。そのような心構えで人を斬るのは、見逃せぬ」

 

藍色の着流しに、腰まで伸びる長髪を首元で束ねている。

その佇まいはまるで自然そのもの。ともすればすぐにでも景色に溶け込んでしまいそうなほどに透明だ。

 

一番目立つのは、その手に下げられた長過ぎるまでの日本刀だが、その白刃の輝きすらその佇まいを邪魔することはなく、そこにあるのが自然だと言っているようだった。

しゃらん、と刀を振るうその侍はやれやれと首を振り、

 

「まあ、最後まで話してやってはくれぬか、主人よ。それをせねば誤解も解けぬだろう」

「あ、そうだっけ?じゃあ言葉を省略せずにきっちりと言い直せばいいの?」

「左様にござる」

「お前そんなござるござる言ってたっけ」

「気のせいでござる」

「......」

 

ジト目で侍を睨みつける耕太。そして冷や汗をかいて目を逸らす侍。

普段ならば笑うような光景だったが、箒はその余裕もなく、さらに刀をへし折られたショックもあって頭が真っ白になっていた。

しかし、

 

「じゃあ、気を取り直して。

 

成政が死んだと聞いたのでそんな馬鹿なことを言うお前らを馬鹿にしにきたんだよ」

「えっ......」

「一回死ぬのはウチの一家の恒例行事だし。

あれくらいで死なないよ、俺の弟は」

「そ、それは本当か?!」

「......まあ、確証は持てないけど、多分、きっと生きてる」

 

微妙にいいよどむ耕太だが、藁にもすがる思いで箒は摑みかかる勢いで続きを求める。

 

「本当か?生きているのか!」

「海の上で迷子だろ?近くに無人島はあるからどうにかして生きてるだろ。

1ヶ月サバイバル生活できるくらい男の嗜みだ」

「生きているのか、生きているんだな!」

「まあ彼奴ならば生きているだろう」

 

口を挟んだのは手持ち無沙汰だった侍。

2人が振り向くと、からからと笑って続けた。

 

「彼奴ならば生きている。

確証はないが、拙者の直感は、彼奴は生きている、そう言っている」

 

ふわふわとした言葉。

1ミリも確証はなく、証拠も根拠もあやふやなもの。それでも、箒にとっては、天の救いそのものだった。

 

「よかった、いきているのだな、よかった......じゃあ、助けに行かないと......」

 

ふらふらとしながらだが、立ち上がる。

力の入らない足で地を踏みしめ、悲しみを断ち切るよう涙を拭う。

 

「ちゃーんと目の前の敵に集中してね。

救助作業はそれから、だよ」

「はい!」

 

反撃の狼煙が、今上がる。

「待っていろ、先輩。助けに行くからな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、もしもし?シローくん?

うんうん、厄介事。ちょーっと弟の好きな人がピンチになりそうだってアサシンが。

......で、どうしろって?簡単だよ。

そこの食っちゃ寝してる騎士王とOLさんと正義の味方をここまでよこしてくれる?ペガサス使えば5分かからないでしょ。

いけるって、よかった。え、飯おごれ、と。

......虫料理でもつくろうか、いらない?

まあ冗談だけどね、ちゃんとおごるよ、じゃ、よろしく」

 

どこかに電話をかける耕太の視界の隅で、6条の閃光が飛び立っていく。

それを一瞥したのち、ポツリと呟いた。

 

「ま、なんとかなるさ。なんせ、あいつがマネージメントしてたんだしな」

 

 

 

 

 

「俺がいても、成政の前情報があっても、最初からセカンドシフトしていても原作と変わらず、かぁ。

これは想定外、だったけ、ど」

 

装甲は焼け付いて剥がれ落ち、顔を覆うアーマーは脱落して何処かに消えた。

最後の抵抗とばかりにギリギリと首を絞め上げる福音を睨みつけるが、どうにもなるわけでもない。

ただ、それでも最後まで諦めない。

それが、主人公、マヒロが目指すスーパーヒーローのあり方なのだから。

白翼が輝き、一斉発射のカウントダウンが始まる。受ければ死ぬかもしれないことぐらいマヒロは理解しているし、他の皆が間に合わないことも知っている。

「......ああ、2回目の人生も短かったなぁ」

 

体は酸素を求め喘ぐが、それも許されず、さらに喉を締め上げられる。

チカチカと視界が点滅し、ガンガンと頭は痛みを訴えてくる。

それでも、マヒロは目を閉じることはない。

最期まで相手を睨みつける。

 

そして、光が目の前を覆い尽くして、

 

「マヒロォォォォ!」

 

白刃が、煌めき、福音を弾き飛ばす。

そこにいたのは、

 

「ごめんみんな、待たせたな!」

 

我らがヒーロー、織斑 一夏。

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、ここから先は原作通りだった、とでも言っておこう。

一夏が復活して、みんなで協力して福音を叩き落とした。中に人がいたなんて聞いてなかったけど、千冬さんなりの心遣い的なものだったのだろう。

問題なく箒が絢爛舞踏を発動していたんだけど、一切一夏に回すことなく自前でギュンギュンエネルギー回してた、一夏に恋してないから方向性が変わるのかな?

原作だと一夏の力になりたいから、エネルギー譲渡能力になった。

じゃあ、一夏に特別な感情を持たない今の箒なら......ああなる、のかな。

イレギュラーが1人いるだけで変わることもあるけど、どうにも何かの強制力が働いてるみたいにイベントだけはキッチリと起きる。多分、これが小説の世界だからだろうね。神様なんているかもしれないけど、そんな都合のいい神なんているわけでもなし、ははは。

 

ここからはアニメでも描かれなかった二学期以降の話、ここからは何が起きるか俺にはわからない。登場人物通りに楽しむことになりそう、だけど。

 

...

......

.........

ないないないないないない!

まさか、ないわー。俺元々男だし、ないない。

でも一応これでも男ですし?!恋心くらい理解は出来てるけど......ないない、マジナイワー。

 

 

 

 

けど、さ。

あいつは、生きているのだろうか。

この一件で、この世界は遊びじゃないとやっと理解できた。

みんな一夏が戻ってきて嬉しいだろうに、何故か気落ちしている。クラスの皆も不思議がってるし、隠し通せるかはわからないな。

 

俺が止めていれば、あいつが俺たちの目の前から消えることはなかったのだろうか。

......絶対に、あいつがいなくなった責任は、俺にある。

その責任は、これからずっと背負わなきゃならない事だ。

 

 

 

「捜索打ち切りとは、どういう事です千冬さん、納得がいきません!」

 

臨海学校から暫く、夏休み前で学園全体が少しだけ浮つき始めた頃、職員室に怒鳴り声が通る。

 

「何がどうなろうと、石狩の捜索は打ち切る、そう決まった。それと織斑先生、だ。」

「......っ、私1人でも探します。夏休み全部を使えば、手がかかりくらいは見つけられる。

姉さんにも手伝ってもらえれば」

「篠ノ之!」

腕を組んで座ったままだが、その迫力は箒を押しとどめるには十分なものだった。

「......捜索は、表向きには打ち切りだ。

しかし、それはあくまで表向きの話であって、裏では続くだろう。

裏社会の人間が、な」

「うら、しゃかい?」

「私と束の関係者の一夏とは違って、石狩には後ろ盾もなく、目だった実力もない。

DNAも一欠片でも取り合いになる男子操縦者、その片割れが行方不明ともなれば、殺してでもデータを得ようとする国があってもおかしくない。......死ぬぞ、篠ノ之」

「それでも、私は行きます。先輩は必ず生きています。そして、私は助けると言いました。

意地でも助けに」

「やめてくれ篠ノ之。やめろ......」

 

スチール製の机が凹み、周りがざわざわと騒がしくなる。

それでも、千冬の声は箒の耳に届く。

それが、消え入りそうな、ブリュンヒルデにはあるまじき情けない声でも。

 

「......私は、教え子を2人も失いたくない。

死地に教え子を送るようなことはもうしたくない。

これ以上......これ以上、私を、悲しませないでくれ」

 

ぽたり、ぽたりと透明な雫が、千冬のスカートを濡らす。それが何故かを理解できない箒でもない。

 

「......失礼、しました」

 

頭を下げてから、箒は職員室を去った。

 

 

 

 

 

いつも通りの放課後、夕暮れが照らす1年1組の教室に、いつものように集まった専用機持ち達。人数は同じだが、あいつが足りない。

 

「箒、どうだった?」

 

ふるふると力なく首を振った。それを見て項垂れる一同。

無言の空間が教室を支配する、耐えられなくなったのかこの空気を和まそうと鈴が口を開こうとするが、言葉が思い浮かはず、結局口を閉じてしまう。

 

「......箒、これ」

 

その時、一夏がカバンから1冊のノートを取り出した。

 

「なんだ、これは」

「車椅子に入ってたノート。

成政は捨てろって言ったけど、これだけは見せておきたいんだ」

 

日記と、自分の名前だけが書かれた大学ノート。皆が覗き込む中、1枚1枚、ページをゆっくりめくる。

『4月○日。

箒とばったりあって本当にびびった。

中学ではうまく言っていたらしい、いつもと変わらない様子で、本当に安心した』

 

『4月X日。

たて巻きロールに喧嘩を売られたので買うことになった。

箒は織斑の剣を見たいと剣道場に行ったが、相変わらず、箒の剣は綺麗だった。

織斑は真っ直ぐな剣、根はいい奴なのだろう。

恐らく箒の初恋相手だろうし、冷やかし半分にのんびり見守ることにした』

 

『4月@日

いやー、負けた負けた。完敗だよ。

それにしても、変な事を試合中に口走った気がするが、さっぱり覚えていない。

病室に箒がきてくれた時は、素直に嬉しかった。りんごの切り方上達していたし、美味しかった。

でも、長モノを振り回すのはやめてほしい、心臓に悪いよ』

 

『4月[]日

たて巻きロールことセシリアちゃんがデレた。

何が起きたのかさっぱり理解できないけど、箒のライバルができた。

とても辛い、頑張って応援しなければ。

それにしても射撃が上手い人だった、きっといいアドバイスを貰えるに違いない』

 

『5月◇日

箒に叩かれた。とても痛い。

頭の傷が痛むので早く寝ることにした。

箒のことだから絶対に気に病んでいるだろうし、明日は頑張ろう』

 

『5月*日

やっぱりこの手に限る。

暫くは顔周りが痛くなりそうだけど、これでいつも通りに戻ってくれるのなら安いものだ。

にしても女子に力負けしたのは少し悲しい』

 

『5月△日

試合中になんか来た。

逃げようとあたりを見回せば箒がいなかったので、急いで探したら案の定変な所にいた。

全く、自分の命をなんだと思っているのやら......もっと周りの人のことを考えるべきだろうに』

『6月&日

明日からタッグトーナメントが始まる。

箒ちゃんが組んでくれなかったのがショックだったけど、ラウラとはうまく行っている気がする。きっと勝てるだろう。

第1試合、誰と当たるか非常に楽しみだ』

 

『6月£日

ラウラがアホな事を考えているので殴った。

そしたら足が動かなくなった。

別に後悔はしてないが、車椅子生活は少し不便になりそうだ』

 

『6月#日

初めて生身で空を飛んだ。

明日は絶対にマヒロに四方固めを極めてやる』

 

『7月%日

明日から臨海学校だ、とても気が重い。

とりあえず、箒の水着姿を褒めたらきっと可愛い仕草をしてくれるに違いないので、それでよしとしよう。

実に楽しみだ』

 

『7月=日

箒ちゃんが見られなかった、訴えてやる。

一夏に見られるのも恥ずかしいので、長々と書くのはやめにする』

 

毎日毎日律儀につけられていたノートは、ここで終わっている。

簡素だが、楽しげな学園生活を、彼なりに記したこのノート、続きが書かれることは、もうない。

肩を震わせ、もうたくさんだとノートを閉じる箒。

不意に、ラウラが箒の手からノートをひったくったかと思うと裏表紙をめくりだし、何故か頭を抑えてよろけ出す。

 

「こ、これは......」

「何が書いてあるのだ」

 

ノートを取り返した箒が、そう問いながら裏表紙をめくる。

 

「世俗に疎い私でも、それくらいは理解できる。

 

 

 

......恋文の、下書きだ」

 

でたらめに書き、消して、書いて、消す。

普通のも、熱意にあふれたものも、古典的なものも、おかしいものも、あった。

 

風が、はらりとページをめくる。

そこには綺麗な字で、文章が綴られていた。

 

『まあ、他人行儀なのもあれだし、長引かせるとこっちが恥ずかしいし。

僕は、篠ノ之 箒、君が好きだ。

どこが好き、と言われるとおっぱいが最初に浮かぶけど、君が全部好きだ。

 

練習を頑張る姿も、

休み時間に話す時の顔も、

時々見せるむすっとした顔も、

竹刀を振り回して怒る姿も、

試合に必死に取り組む姿も、

他にもあるけど、とにかく君が好きだ。

 

初恋の一夏がまだ好きなのは分かってるけど、ぼくは、君が好きだ』

 

お世辞にも、整った文章とは言えない。

失礼なことも書いてある。

感動するような言葉回しなんてどこにもない。

だけど、

どうして、

 

「......ぅ、あ......」

 

ぽたり、ぽたり、と涙が紙面を濡らす。

意識せず手に力が入り、ぐしゃりとノートを潰す。

「......りたく、なかった」

 

下半身の力が抜け、箒は思わず、その場に座り込んだ。

 

「......こんなもの、知りたく、なかった」

 

拭っても拭っても、とめどなく涙が溢れてくる。しまいには両手で顔を抑えるが、その隙間から、こぼれ落ちていく。

 

「......ああ、わかってはいた、でも知りたくはなかった。

先輩は生きてる、生きてるけど......

もう、会えるかもわからない。

それを、よりにもよって、今、こんな形でっ!

 

私は、先輩が好きで、

先輩は、私が好きだった。

こんなの、あんまりだろう......

知らなければ、よかった、こんなもの!」

 

声を大にして泣き叫ぶ。

知らなければよかった。

知らなければ、幸せになれたのに。

余計なものを、背負いこむ必要など、なかったのに。

 

 

少女の慟哭を一夏達は見ることしかできなかった。

7月は終わる。

学園は、夏休みに入ろうとしていた。

 




多分これが現在の限界です。

文書力が足りない......ください。




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