インフィニット・ストラトス 〜マネージャーですが何か?〜   作:通りすがる傭兵

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「......確かに速い、けどさぁ」
『何?』
「......マッハ20は要らねえよ?!」
『いやー、ウチの中学の教師に負けたくなくて、って開発主任が』
「その教師人間かよ?!織斑先生より人間やめてるとか反則」
『多分人間じゃない?』
「多分て......ちなみに何中学?」
(椚ヶ......まあ、嘘ですが。単に、ロマンを追い求めただけです)
「こいつ、直接脳内に......!」



多分嘘です。月は欠けてもいないのでヌルヌル教師はこの世界線には存在しません......ホントダヨ?

あと、展開は大体知っていると思うので端折ります。
知らない?......ごめんなさい、原作なり他作品で確認をお願いします。



あと短めです。


第26話

「それでは、よい空の旅をー!」

『できる訳ないでしょうがああああああああああ!うわあああああああああああああ!』

 

成政が蔵王の変態ブースターでかっ飛びングし始めたのと同じ頃、

 

 

「一夏、しっかりしろ、一夏ぁ!」

「......っ、ぁ」

 

箒は満身創痍の一夏を抱え、件の軍用IS『銀の福音』から逃げ回っていた。

何故絶対防御があるはずのISの防御すら貫通す程の攻撃を受け、一夏が大怪我をすることとなったのか。

 

(浮かれていた......私の、せいだ。私が、未熟なばかりに!)

 

慣れない専用機、初めての実戦、浮ついた心構え、あり得なかったはずの偶然。

そして、自身を顧みなかった一夏。

その積み重ねが、一夏の重傷という今の結果を生み出してしまったのだ。

だが、決して箒だけのせいでは無い。

箒の専用機受領と示し合わせたような軍用機の暴走、海域にいるはずのなかった密漁船。

その責任を全て押し付けるのは、酷というものだろう。だが、箒にはそれを考えるだけの余裕もない。

 

「ぐっ、ああああああ!」

 

360度から襲いかかってくる光弾を避けられず、腕に抱える一夏に衝撃が行かぬよう体を丸めて自身を盾にする。

剣道とは比べものにならないほどの衝撃が箒を遅い、喉の奥から鉄臭い何かがせり上がってくる。

それを無理やり飲み込み、前を見据える。

視界の端に映るすエネルギー値はレッドゾーンに突入している。

いつ落ちてもおかしくは、ない。

 

福音の側からしても、死に体の紅椿を追撃するのはおかしくはない。最大脅威である白式は排除したものの、自身のデータベースに存在しない高性能IS。ましてや、自身に追いすがる機動力と高い攻撃力を誇る機体を放って置くはずもなく、自身の操縦者を守るために機械の翼を羽ばたかせる。

 

「このままでは......」

『箒、セシリアとラウラが到着する。もう少し、もう少しでいい、耐えてくれ!』

『箒ちゃん、頑張って!』

「......ははっ、無理を言ってくれる。くっ!」

 

無線の奥では千冬が声を荒げ、姉である束が回線に無理やり割り込んで悲痛な励ましを送ってくる。

思わず弱音が出てしまうのも、無理はない。

 

(いっその事、私を道連れに......。いや、一夏を巻き込むわけにもいかない。

それに、まだ、死ぬわけにはゆかんのだ!)

 

「まだ、私にはやる事があるのだ!おおおおおおああああああああっ!」

 

自身を奮い立たせるよう、大声を張り上げて気合を入れなおす。

試合以上に神経を研ぎ澄ませ、機体全てに気を配れ、生存のためにできることを全てしろ。

 

「あああああああああっ!」

 

刀はエネルギー切れで出すこともできない。

であれば己の体を使え。

相手の行動を読み切れ。

今までの戦闘を思い出せば不可能ではない。

 

光の弾幕をバレルロールでくぐり抜け、直撃する弾は腕で防ぐ。それでも受け損なった弾は一夏に届かないよう体を張ってでも受ける。

頰をかすめて飛んだレーザーがリボンを焼き切り、髪の毛がばさりと広がる。

砕けた装甲の破片が目元をかすめ、視界の右半分が赤く染まる。

それでも、まだ先は遠い。

視界の端に出していたレーダーがISの反応を捉えたが、箒はそれも見えていない。

 

ただ、前に、愚直にまっすぐ、紅椿は飛び続ける。

 

水平線の奥に黒点が見えた。

拡大すると、ブルーティアーズの背にレーゲンが相乗りしている。

セシリアとラウラの悲痛な表情を捉えた。

 

もう少し、もう少しだ。

そんな一縷の望みにすがるように箒は左手を伸ばした。

 

『紅椿、活動限界です。申し訳ありません主よ』

「届け、届けぇぇぇぇぇ!」

 

エネルギーが底をついた。

紅椿の装甲が赤い光を放ち、四肢の先から粒子になって消えていく。

それでもなお、守るように箒の周りに纏わり付き、箒と一夏を包み込む。

もうすぐ、もうすぐで2人に手が届く。

それを嘲笑うかのように前に福音が回り込んできて、その翼が輝く。

容赦などAIに求めるものでもないらしい。

それでも、箒は手を伸ばす。

 

「諦め、られるかぁぁぁぁあああああああ!」

「邪魔だどけこのポンコツ!」

 

聞き慣れた誰かの声が聞こえた気がした。

そこで、箒の意識は途切れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『じゃ、あとは任せるよ』

『しかし、師匠!』

『君らは箒ちゃんと一夏を抱えてちゃあまともに戦闘なんてできない。たとえどっちかが抱えて逃げて、もう1人が立ち向かっても勝てっこない』

『それでも、時間稼ぎ程度であればわたくしにも、貴方がやる必要は!』

『君達は誰1人欠けちゃいけない。みんなコイツを倒すのに必要なんだ。後は言わなくてもわかるよね。僕は捨て駒で十分だ。

......あと止まらないし』

『ですが、それではまるで......』

『平気平気、ちゃんと帰ってくるって。

これでも逃げ足だけは早い方だからね』

『......すまない、師匠。必ず、必ず助けに戻る!それまで、頑張ってくれ!』

『ラウラさん?!』

『あはは、弟子にそう言われたら頑張らざるを得ないなぁ。はい行った行った』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう、それでいい。それでいいんだ」

 

成政は水平線に消えていくレーゲンとティアーズの背から目線を外し、泡立つ海面に視線を落とす。

あれだけの衝突であればSEは0になっていそうなものだが、世の中上手くいかないらしい。

飛び蹴りをしなかったせいだろうか、それとも必殺技名を叫ばないからなのか、と現実逃避まじりにそう愚痴る。

一瞬海中で光を放ったかと思うと、衝突時の傷が嘘のように消え、新しく翼を生やし、装いまで新たとなった絶望が生まれた。

 

だからと言って成政のやる事は変わらない。

ブレード『葵』を鞘から抜きはなち、左手にはライフル『虎徹』を。

 

「じゃ、データ、バッチリ取らせてもらおうかな。これも、マネージャーの仕事だしね。

ああ、こんな時にこの言葉って言うんだっけか。

 

 

 

 

 

 

別に、あれを倒してしまっても構わんのだろう?」

『何を言っているんだ石狩!早くそこか』

 

怒鳴る千冬を無視して、成政は無線を遮断した。試合に横槍を入れられても面白くないし、自分の戦い方は卑怯でカッコ悪い、人にはあまり見せるものでもないし、何より成政自身が恥ずかしい。

静かになった世界に聞こえてくるのは、海風の吹く音、自身の心臓の音、そして唸りを上げて、主の命令を待つ打鉄の鼓動。

相手も準備は万端らしい。

 

「さあて、やろうか、銀の福音。

ウチの一夏と箒をボコった罪は重いよ?」

 

成政は、虎徹の引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『打鉄、活動限界です。全機能を停止します』

「......まあ、うまく、やれた、か......な?

ありがと、うちがね。

ごめ、ん、ほう......き、ちゃ......」

 




小休止の間幕です。

作「やっはろー、作者のスピノキングです。
話もひと段落ついたところで今回はちょっと息抜き兼反省会、というものをやってみようと思います。というわけで主人公'sの皆さんに来てもらいました。ハイ拍手ー!」
一夏・成政、士郎
「「「よろしくお願いします!」」」
作「じゃあ軽く自己紹介とか、あらすじをサクッと説明しちゃおうかな。士郎くんよろしく」
士「それは......いらなくないか?」
作「というと?」
マヒロ「こんな駄作読んでくれる人なんて......もが」
成「士郎続けて!この空間がネタまみれになる前に!」
士「あ、ああ。

女性だけが動かせるはずのISを動かしてしまった原作主人公織斑一夏。そしてもう1人、動かすことのできた男子こと本作主人公が、石狩成政、だな。
男子2人以外は女子の学校で繰り広げられるハイスピードバトルラブコメ、が原作の謳い文句だったか?
現在は駆け足気味だが臨海学校編になる訳だ。
ここで成政がヤバイ雰囲気になってる訳なんだが......」
作「それはおいおい、ね。
そうそう原作の3、4巻をやっと買えたんだよね。近くに本屋にはないし、あっても11巻だけだったし、遠出ついでに買って来ました」
一「で、作者、これからどうするんだ?
書くときも悩みながらだったんだし、更新ペースを守ろうとして適当な話になってたんだろ。納得言ってるのか?」
成「わーお、辛口だねぇ。それは読者の皆様が一番よくわかっている事だろうけ、ど!」グキ
マ「あふぅ......」パタリ
作「臨海学校編、作中だと24〜26話の3話ですね。書き直します」
一・成・士
「「「やっぱりな」」」
作「まあこれでも物書きの端くれなのでプライドだってあるんですよ。正直自分で書いてて『あれも足りないこれも足りない』とまあ頭を抱えながら執筆してましたし。
夏休み中にがっつり書き直します!
それまで更新も止まりますが!末長く『マネージャーですが何か?』をよろしくお願いします!」











マ「で!ここからは作品についての質問コーナー!」
士「まだ来てないけどね」
マ「まあそうだけどさぁ......」
リヨ成
「まあ質問来たら割り込み編集するからね、うけけけけ」
一・士・作
「「「......ん?」」」
リヨ成
「とりあえず作者は僕に強力な専用機とかかっこいい単一機能を付けるべきじゃないかな!」
葵カマエ

ギャースワイワイガヤガヤチュドーン


マヒロ
「えー、こんな馬鹿どもですが、これからもよろしくお願いします!
ていうかなんで俺が纏め役なのさ?!」

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