それではどうぞ。
「止めないか、4人とも」
カウンターの向こうから歴戦の戦士みたいな老人が出てきたンゴ。内心ビックリしたのは内緒ンゴ。って巫山戯てる場合じゃない。他3人の動きが止まったから、ギルドマスターと見た。
「まっ...マスター!」
男の1人がビックリして叫んだ。
「またお前らか。お前らのせいでどれだけの初心者の冒険者が登録を解約したのか分かっているのか」
「ちっ...違いますよマスター!。お...俺達はただそいつ等が立派な冒険者になる為に1番最初の試練を与えているだけなんですよ!。な?、お前ら?」
「は...はい!そうなんですよ!、魔物をかる前に、対人戦に勝てなくてどうするんですか!」
おーおー分かりやすい言い訳ですな。ご丁寧に冷や汗までかいて。
「そうか...試練という訳か。では何故初心者から金銭を奪うのだ?」
「えっ!...そっ...それは...ぐっ...!」
大の大人が論破されたからってぐぬぬをすんなよ。歳を弁えろ。
「何も反論出来ない様だな。今回は厳重注意で済ましておく。次同じ噂を聞いたら登録を剥奪だ。逃げるなら追放だ」
「はい....分かりました....くそっ!お前ら!行くぞ!」
「「あっ...ああ」」
3人はギルドから去っていった。ふぅースッとしたぜ。あの柱の男みたく、議員ばりの号泣はしてないけどスッキリした。
「レイト・カミジと言ったな。私はここのギルドマスターだ。話をしたいのだが時間はあるだろうか?」
「はい。大丈夫です」
俺はギルドマスターについて行った。連れてこられた先は木組みの社長室のような部屋だった。
「そこに座ってくれ」
俺は部屋のまんなかあたりにある、ソファーの様なものに座った。イメージ的には校長室で説教される時に座る席みたいな感じ。おっ、フカフカ。いい座り心地だね。
俺が座り心地を堪能してると、マスターが対面で座ってきた。
「私の名前はジョン・ウィルバーだ。マスターと呼んでほしい」
「レイト・カミジです。よろしく。マスター」
俺とマスターは握手をした。そして落ち着いたところでマスターが頭を下げた。
「先ほどの件だが、すまなかった。あの者らには私から言っておく」
「いえ、全然気にしなくていいんです。第1おれもやり返したので結局俺も加害者と同じ立ち位置です。この件も終わりにしても大丈夫です」
「了解した。この件は終わりだ。そして私が呼んだのはこれだけではないんだ。君は分かっているかな?」
言われなくても分かっているさ。
「俺が正式に推薦を貰ったか、ということですよね?」
「あぁその通りだ。疑ってすまない。ネプチューンに向けて手紙を送っている。待っている間、ここの者何人かで模擬戦をしてくれないだろうか?」
まぁ、推薦される程の力を持っているのかっていうのを試す感じかな。
「分かりました。やりましょう」
「分かった。対戦日は明後日で大丈夫だろうか?」
「分かりました。平気です。その間は、この国の観光をして、いいですか?」
「あぁ大丈夫だ。それくらいの配慮はして置かんとな」
俺は礼をして部屋から出て、ギルドのロビーへ行った。カウンターで、受付の人が話かけてきた。
「大丈夫でしたか?レイトさん」
「何も起こりませんでしたよ。ただ、明後日に、模擬戦をすることになりましたが」
「そうなんですか!。頑張ってくださいね!」
受付の人はとてもいい笑顔だった。可愛い。
「とりあえず明後日までこの国を観光しようかと思っている」
「観光だったら闘技場や商店街がオススメですよ?」
「ありがとうございます。では、行ってきます」
「気を付けてくださいねー!」
受付の人が手を振って見送ってくれた。嬉しい。
「さて、商店街に行く前に国の外で遊んでるか」
俺は入り口まで行った。さて、多分俺は冒険者登録をしていないから、外に出れない。多分魔法もブロックしてあると思う。脱出は不可能。けど逆に考えるんだ。柵を越えればいいさと。俺は柵沿いに門番に見つからない位置まで歩いた。だが、柵といってもかなりの高さがある。約2〜3mくらいある。壁をつかむ前に魔法が掛かっているか魔法で確認。
「マジックサーチ」
エネミーサーチと同じタイプの魔法。よく商人達が使う魔法らしい。唱えると対象のものに魔法が掛けられているか否か、そしてもしかかっていたらどんな魔法なのかが分かる魔法だ。そう、それだけしか使えない魔法なのだ。まるで銀杏の殻を割る器具みたいだ。ホームセンターとかでよく売ってるよ。
さて、魔法かかってるかな?。
─魔法がかかっています。緊急伝達系の魔法です。触れると魔法が発生します─
かかってたね。十中八九侵入された事を知らせる魔法だろう。そしたら次のプランだ。
まず、御札でジャンプ力と筋力とをMAXにする。そしたら後ろに下がり、助走をつけて、飛び上がる。
「うお!。こいつぁすげぇ」
一気に景色が変わり、振り向くと国全体が見えた。以外に広いね。そして地面が近づいている。足を伸ばし新体操選手みたく着地!。きまった!(๑• ̀ω•́๑)✧。
MAXをすべて解除。さてと、魔法の実験体として、魔物狩るか。どこかに魔物いないかなー。
「ウワァァァァァ!!!!!」
ん?何か声聞こえる。
「ワタシヲタベテモオイシクナイデスヨォォォ!!!」
何かヤバげやな。御札で最高速度と体の耐久力、足の筋力をMAXにして、声のある方向に走って行った。
5分も経たないうちに声の主まで辿り着いた。そこで見たのは、魔物に襲われる黄色っぽい髪色とアホ毛が目立つ女の子だった。
俺は走り出した。別にそういう意味はないからね?HENTAIとかじゃないからね?。
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