今回も1人目線なシーンが多めです。
それではどうぞ。
現在俺は森を走っている。御札でドーピングした為、物凄い速度で走っている。人間が出せる最高速度は時速64㎞らしい。乗り物で言うと大きな道路を少し飛ばす自動車くらいの速度だそうだ。俺はそれとだいたい同じくらいの速度わ出している。因みにあのポーズで有名なウから始まる陸上選手は時速45㎞らしい。
まだ力が有り余っているが本気を出せば音速を超えることが出来る、だがその際ソニックブームが発生して、周りの森が吹き飛ぶからそこは配慮している。
少し走ると洞窟の前まできた。洞窟の中は暗くて何も見えない。とりあえず魔法を。
「フラッシュ」
光系の魔法。相手の命中率をさげたり、喉を掻き毟ったりしないが、自分の姿を眩ませる事が出来る。他にも暗い所を明るくしたりすることも出来る。因みに明かりとして使うには、魔力を持続的に送ることが必要らしい。
フラッシュのお陰で暗い洞窟は明るくなった。中は繭みたく、糸でぐるぐるまきにされている物が沢山散らばっていた。そこにあった繭っぽい物を指でつついてみてもその繭からは反応が無かった。どうやら死んでいるようだ。とりあえず生存確認のため、叫んでみる。
「俺はここに助けに来た者だ!。生きている人はいないか!、いたら少しでもいいから動いてくれ!」
そのあとすぐに御札で、魔力MAXを解除し、視力MAXを付けた。
いろいろ見える。何人かがもぞもぞと動いているのが分かる。動いている繭に近づき、ボックスからネプチューンで買ったナイフを取りだす、やっぱり買っといて良かった。繭を切ると、中からタイムズビジョンで見た猫耳の女性が出てきた。
「大丈夫か?、怪我とかはないか?」
「は、はい...大丈夫だと思います...ニャ...」
良かった、意識はあるようだ。攫われた時間がだいたい明け方で、今は朝だから、大体4時間くらいここにいた。体力も減ってるし、軽くしか食べてないと見た。とりあえずヒールをかけて、ボックスからパンをとり出し、渡した。
「ほら、食べろ。お腹空いているだろ。大丈夫、毒とかは入っていない」
「あ...ありがとうございますニャ...」
女性はパンをもきゅもきゅと食べ、泣きながら嬉しそうに尻尾を振った。少し元気になったようだ。
「俺は他の生存者を探してくる。待ってるか?」
そう聞くと女性は、パンを頬張りながらフルフルと首を横に振った。
「分かった、付いてきて」
そして、俺は動いている繭を片っ端からナイスで切り、ヒールをかけ、パンを渡した。やはり、中には切っている間に死んでしまった者もいる。そのときは皆で手を合わせ、追悼をした。
もうこれで終わりなようだ。他にいるかと聞いても、それらしい動きをする繭は何処にも無かった。これで生存者は全員のようだ。俺は安全を確認し、慎重に洞窟から出ようとした。道中、長っぽい猫耳女性に誰に攫われたのか聞いた見た。
「誰に攫われたんだ?」
「凄く大きな蜘蛛のような魔物ですニャ...。想像するだけでも恐ろしいですニャ...」
蜘蛛か、とりあえずそいつも倒そう。そうした方が安全だしね。
出口近くまで来たとき、俺は生存者達をひとかたまりにして、シールドをかけた。これは生存者達もびっくりしたようだ。
「何をする気なのですかニャ!?」
長っぽい猫耳女性が内側からドンドンと叩いている。
「心配するな。これからその魔物ってのを倒すから、安全の為だ。気にするな。壁はあるけど、空気は交換されていくから息苦しくなったりはしないよ」
「そうじゃないんですニャ!。1人は危険ですニャ!」
「大丈夫大丈夫。俺、結構強いから」
「ですから!、そういう問題じゃ
「しっ!。なにか来る」
森の奥から巨大な蜘蛛が這って歩いてきた。イメージ的には、某怪物狩人の蜘蛛のようなモンスターだ。けど多分あいつみたく、背中に棘は生えてない。某青狸の道具を使って、大きくした感じ。まだ攻撃してくる様子は無いのでサーチ。
キングタランチュラ レベル68
攻撃 56
魔力 0
防御 39
体力 235
気力 0
属性耐性 毒攻撃に強い
攻撃属性 毒
その他特殊な能力 糸
装備 なし
致死量の毒を持ってる。そこに気をつければ退治可能。
なんでこんなのがここにいるんだ?絶対こいつ出てくる場所間違ってるでしょ。餌を求めてここに迷い込んだと見る。どちらにせよ毒に気をつければいいだけ。余裕だな。
御札で、視力MAXを解除、そして瞬発力をMAXにする。力任せに飛び出し、そのまま一気に相手の懐に入り込む。そして器術。
「一点突き」
腹辺りに思いっきりサーベルを突き刺す。キングタランチュラはいきなりの攻撃にびっくりしてキィキィと声を上げて怒っている。そして腕をこっちにのばして、俺を掴もうとした。させねぇよ。サーベルを引き抜き、また違う器術をつかう
「一刀両断切」
気力で刃を長くさせ、一つの方向に振り下ろす。キングタランチュラは血飛沫をあげながら二つに切れた。まだだ。その亡骸さえも無くしてやる。
「異空転」
空間系最高魔法の一つ。その膨大な魔力の消費。更に魔力が足りないと、使用者の命を吸い取る。その使いづらさから、使える人は片手の人数で足りる。
唱えると、対象物がパッと消える。対象物は異空間に転送され、そこで粒子レベルまで分解されるらしい。
俺はキングタランチュラを倒した後、シールドを解除した。長っぽい猫耳女性がシールドが解けるや否や、こっちに走ってきた。
「大丈夫でしたかニャ!?お怪我は御座いませんかニャ!?」
「平気ですよ、ご覧の通り無傷です」
「良かったですニャー...。あと今更なのですが私達のことを助けて頂きありがとうございますニャ」
深々と頭を下げて御礼をしてきた。
「気にしなくていいですよ。それよりも早く集落へ戻りましょう。皆さんが待ってますよ」
「わっ...分かりましたニャ...///」
長っぽい猫耳女性が顔を赤くしているが気にせず、周りに注意して集落へと戻って行った。
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