ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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前回の最後で主人公の家を「松月」の隣にすると言いましたが、変更して十千万の隣にすることにしました。なのでこの物語には、安田屋旅館の隣(梨子ちゃんの家の反対側)のホテルが存在しません。そこは犠牲となったのだ...(作者の勝手で)
これからこう言った微調整があるかも知れませんが暖かい目見ていたらければ嬉しいです。では本編どうぞ。



第8話 ピギィとずら

洋希「ん......ここは...」

 

目が覚めると俺は見覚えのない場所にいた。ただ目の前には天井が見えるだけだ。何故こんなところにいるのだろう。記憶を探りだす。そうだ、確か女の子の悲鳴で気絶したんだ。だからここに運び込まれたのか。恐らくここは保険室だろう。

 

???「もしかして...起きてますか...?」

洋希「ん?」

???「ピギィ!」

 

そういって女の子は後ろに下がり、カーテンの後ろに隠れてしまった。どんだけ引かれればいいんだ俺は。さすがにちょっと怖がりすぎじゃないか?もしかして...

 

洋希「君、もしかして人見知り激しい?」

 

体をベットから起こした、俺がそう聞くと

 

???「は、はい...」

 

そうか...まあそれならしかたないか。

 

洋希「そう言えば、あの時ぶつかったの君だよね?あのあと大丈夫だった?」

???「ル...ルビィは大丈夫です...」

 

赤髪のツインテールが印象的だったのですぐにあの時の子だと分かった。どうやらこの子はルビィと言うらしい。

 

洋希「にしても驚いたよ、あんな大声出されると思わなかったから」

ルビィ「ごめんなさい...ルビィ、男の人に慣れてなくて...」

 

ということは極度の人見知りにプラスして男性恐怖症か?結構大変なんなだ...。

 

洋希「ううん、君は悪くないよ、男の人に慣れてないのにいきなり触れられたらビックリするもんね」

ルビィ「い、いえ!あれはルビィが...」

 

おっと、このままだとらちがあかない。

俺は手の平を前にだし、「待って」のポーズをする。

 

洋希「このままだと、2人ともごめんなさいし続けちゃうから、2人とも悪いで終わりにしない?ルビィちゃん」

 

こうでもしないと終わらなそうだしね...。

 

ルビィ「そ、そうですね...。じゃあ2人とも悪いってことで...あれ?」

洋希「どうしたの?」

ルビィ「ルビィ、いつあなたに自己紹介したかなぁ?と思って...さっき「ルビィちゃん」って言いましたよね?」

 

あっと、とっさに言ってしまったようだ。全然気づかなかった...。

 

洋希「さっきルビィちゃんが自分のこと「ルビィ」って呼んでたからそれが名前かなと思って、つい呼んじゃった。嫌だった?」

ルビィ「べ、別に嫌ではないです...。ただ初めて会ったのに名前が分かるなんて、エスパーさんか何かかなと思っちゃって...」

 

エスパーさんか...。もしほんとにそうなら多分ここにはいないだろうね。いまごろテレビに出てるだろうね。

 

洋希「そっか、じゃあせっかくだし、俺の名前も教えとこうかな、俺は赤羽洋希、最近ここら辺に引っ越して来たんだ、よろしくね」

ルビィ「よ、よろしくお願いします...じゃあ...ルビィも...」

 

さっきまでカーテンの裏に隠れていたルビィちゃんがピョンと俺の前に出てきた。ほんとに動きが小動物みたいだ。

 

ルビィ「く...黒澤ルビィです...、え...えっと...春から浦の星女学院に入ります!よろしくお願いしましゅ...」

洋希「よろしく」

 

最後の方噛んじゃってたけどまあ気にしなくていいか。それより...

 

洋希「黒澤ってことはもしかして..あの黒澤さんの妹さん?」

ルビィ「そ、そうです...」

 

なるほど、ダイヤにルビィか。2人の両親は鉱石が好きだったのかな?ダイヤとルビィなんて他にこれから一生会わないだろうな。

 

洋希「そう言えば、黒澤さんは?」

ルビィ「お姉ちゃんなら、先に帰っちゃいました、お母さんからの呼び出しで...」

洋希「まじか」

 

今思えば色々聞きたいことあったんだけどな。まあそれはまた後日聞くことにして、

 

洋希「そういや、ルビィちゃんはなんで浦女にきたの?」

ルビィ「お姉ちゃんにお母さんが呼んでるって伝えに来るためです、お姉ちゃん、家にケータイ忘れていっちゃって...」

 

そりゃ大変、わざわざあの坂を登ってきたのか、ご苦労さん。

 

ルビィ「あ、あと一つお姉ちゃんから伝言で、4月1日の始業式には来てくれって...」

洋希「わかった、4月1日ね」

 

そういって俺はベットから起き上がり、自分の荷物をまとめる。

 

ルビィ「あの...赤羽さんもこの辺に住んでるんですか?」

洋希「ん?ああ、そうだよ、十千万って知ってる?あそこの隣なんだ」

ルビィ「そ、そんなんですか!ルビィの家もそっちのほうにあるんですよ」

洋希「へぇ、じゃあ俺たち意外と近所なんだね、よかったら今度遊びにおいでよ」

ルビィ「え、あ、はい...」

 

やべ、調子に乗ってうちおいでとか言っちゃったよ。みなさんはあって間もない女の子に家においでとか言っちゃいけませんよ。下手したら警察のお世話になりますよ。

 

洋希「ルビィちゃんはもう帰るの?」

ルビィ「はい、もう用事はすんだので」

洋希「じゃあ一緒に帰らない?途中までだけど」

 

でも、ルビィちゃん男性恐怖症だから断られるかなぁ。断られたら1人寂しいしく帰りますか...。悲しくなんてないんだぞ!

 

ルビィ「じゃあ、途中まで...お願いします...」

 

あれ、意外とすんなりOKしてくれたぞ。まあだからと言って調子に乗って近づき過ぎないようにしよう。またあんな大声出されたら、今度は鼓膜が破れちまう。

 

 

俺とルビィちゃんは荷物をもって浦の星をあとにする。ルビィちゃんは俺から数cm離れて歩いている。男性恐怖症だから仕方ないね。これから治ってくれたらお兄ちゃん嬉しいな。校門を出て、ちょっと前に登った坂を下る。坂を下り終わって、海沿いを歩く。

 

洋希「ここってさ、いいところだよね」

ルビィ「え?そうですか?」

洋希「海が綺麗で、空気も綺麗、何よりこのうるさ過ぎない感じが俺的には最高だね」

 

ここは、車は通るがそんなに通行量も多くなくて、変にうるさくないのがほんとにいい。東京住まいの俺が言うのもなんだが、人がごった返している場所よりはこういった場所の方が好きだ。

 

ルビィ「ルビィ、そんなこという人初めてです」

洋希「そうなの?」

ルビィ「はい、ここに観光に来る人って、よく「水族館以外面白いものがないから、つまんない」ってよくいってるのを聞くんです」

 

たしかに観光目的できたならちょっと物足りないとは感じちゃうかもね。

 

ルビィ「だから、今赤羽さんの言葉聞いて嬉しくなっちゃいました♪」

 

さっきまでの沈んだ声とは一転して、とても可愛らしい声に切り替わった。ああ、可愛いな。

そんな話をしていると、弁天島近くの十字路についた。

 

???「あれ?ルビィちゃん?こんなところで何してるずら?」

 

突然だれかが声をかけてきた。振り向くと明るいブラウン系の髪の毛の女の子が立っていた。

 

ルビィ「花丸ちゃんこそ!こんなところで何してるの?」

???「おらはちょっとお散歩してたずら、そしたらルビィちゃんがだれかと歩いてるのが見えたから...」

 

すると女の子は俺のほうをじーっと見てくる。あ、これは自己紹介したほうがいいかな。

 

ルビィ「この人は赤羽洋希さん、昨日ここら辺に引っ越してきたんだって」

洋希「よろしくね」

ルビィ「で、こっちは国木田花丸ちゃん、ルビィの一番の親友なんです!」

花丸「花丸です、ルビィちゃんは中学校1年生のときに出会って、それからずっと仲良くしてるずら...あ、です...」

 

親友か、俺には瑠美ぐらいしかそう呼べる奴はいなかったかな。2人を見てると微笑ましいな。なんか考えがオッサンみたいになっちった...。

 

で、花丸ちゃんと話してるとちらほら、「おら」とか「ずら」って言う単語が出てくるんだが。

 

洋希「なぁ、さっきからちょくちょくいってる「おら」とか「ずら」ってどっかの方便か?」

花丸「は、はい...昔からいってるからクセで...やっぱり変でした?」

洋希「いや、別に、変ではないと思うよ」

花丸「えっ?」

洋希「人の話し方なんて他人がとやかく言うもんじゃないと思うし、てかそれ俺的には可愛いと思うよ?」

花丸「か、かわいい...」

 

だんだん花丸の顔が赤くなって来てルビィの隣まできてコソコソ話を始めた。

 

花丸「ルビィちゃん、いきなり可愛いなんて言われたらどうすればいいずら?」

ルビィ「素直に受けとっといた方がいいと思うよ?赤羽さんは嘘つくようような人じゃないと思うし」

花丸「そ、そうずらか...」

 

コソコソ話が終わったようで、花丸が

 

花丸「じゃあ赤羽さん!これからマルが赤羽さんと話す時、「おら」や「ずら」をいってもいいですか?」

洋希「ああ、構わないよ、その方が花丸ちゃんも楽でしょ?」

花丸「やったずら!」

 

花丸ちゃんが小さくガッツポーズする。

個性ってのは無理して消すもんじゃないしね。人それぞれでいいと思う。

 

ルビィ「花丸ちゃん、せっかくだからルビィの家に来ない?」

花丸「大丈夫?いきなり行っても?」

ルビィ「大丈夫だよ!一緒にスクールアイドルのDVD見ようよ!」

花丸「ルビィちゃんが言うなら大丈夫だね、じゃあお邪魔させてもらうずら」

ルビィ「赤羽さんは?」

洋希「えっ、俺?」

 

どうしよう、いきたいと言う気持ちもあるが、引っ越してきて早々年下の家にあがるのは、ちょっとなぁ...。

 

洋希「ごめんね、俺まだ引っ越して来たばかりでやらなきゃいけない事がたくさん残ってるんだ、だから今日は帰るね」

ルビィ「そ、そうですか...」

花丸「しょうがないずらルビィちゃん、また今度来てもらえばいいずら」

ルビィ「そ、そうだね...」

 

うう、そんな悲しい顔しないでくれ、俺にも俺なりの葛藤があったんだ。許してくれ...。

 

洋希「今度また呼んでよ、その時は絶対いくから」

ルビィ「はい!あ、じゃあ連絡先に教えてくれますか?そう言えば、お姉ちゃんに「赤羽さんの連絡先を聞いといて」って言われたので」

洋希「連絡先ね、いいよ」

花丸「じゃあマルにも教えてください!」

 

ワオ、ここにきて年下2人に連絡先を求められるとは、モテ期がきてるのか俺。あ、でもこれ連絡先だけ交換しといて後で全く交流が無くなるやつかも。前に一回だけあったんだよね...。

そんなこと思いながら、ルビィちゃんたちと連絡先を交換した。

 

洋希「これでいいかな?じゃあ俺は帰るね、2人とも気をつけてね、バイバイ」

ルビィ、花丸「さよならー(ずらー)」

 

そういって俺は家へ走って帰った。

 

 

《ルビィ視点》

 

いっちゃったなぁ。もう少し赤羽さんとお話したかったのに...。

 

花丸「ルビィちゃん♪」

ルビィ「ど、どうしたの?花丸ちゃん?」

花丸「さっきの、ダイヤさんに連絡先を聞いてきてって言われたの嘘ずらね?」

ルビィ「ふぇぇ!?なんで分かったの!?」

花丸「だってルビィちゃんそれを赤羽さんに言ってる時、顔が赤かったずらよ」

ルビィ「え、ええ!?ほんとに!?」

 

やっぱり花丸ちゃんにはバレちゃったか、そうでも言わないでいきなり連絡先交換してくださいなんていったら変に思われちゃつと思って...。

 

花丸「でも驚いたずら」

ルビィ「なにに?」

花丸「ルビィちゃんが初めて会った人とあんなにはなしてたから、しかも男の人と」

 

あ、そう言えば。最初は怖かったけど赤羽さんと話してるうちに、「この人は大丈夫だ」って心のどっかで思ってたからかもしれない。不思議な人だなぁ、赤羽さん。

 

花丸「でもマル嬉しいずら、ルビィちゃんが成長してるのを見ると!」

ルビィ「なんか花丸ちゃんお母さんみたい、そういう花丸ちゃんだって赤羽さんに可愛いって言われた時、顔真っ赤にしてたよ」

花丸「だ、だってあれはいきなりだったから...」

 

花丸ちゃんがあんなに顔を真っ赤にしてたのは初めてみたなぁ。なんか赤羽さんといれば、色んな事が知れる様な気がしてきた。

 

花丸「それより早くルビィちゃんの家に行こ!ほらほら!」

ルビィ「は、花丸ちゃん!そんなに引っ張らないでよ〜!」

 

今度あったらもっとおしゃべりしたいな。

 

 

 




花丸ちゃんの話し方を書くのが凄く大変...。あとこのルビィちゃんコミュ力高スギィ!。作者しっかりしてくれよ...。
なるべくキャラの性格やらなんやらは崩したくないので(崩すと後始末が大変だから)頑張ルビィ!したいと思います。

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