洋希「ああ、これはブルーライトカットのメガネなんですよ。度は入ってません」
果南「それってどういう効果があるの?」
洋希「テレビとか、ゲーム機とか、パソコンとか、液晶画面から出るブルーライトが、肩こりとかの原因になるんですけど、それを防いでくれるんですよ」
果南「う、うんなるほど...そういうことね...」
洋希「果南先輩は、メガネよりもシュノーケリングつけてた方がいいかもしれせんね...」
果南「洋希、私、上 級 生 だ よ ?」
洋希「じょ、冗談に決まってるじゃないですか〜!やだなぁもぉ〜!」
果南「だよね!わたしも今度は伊達メガネ買ってみようかなん?」
洋希「い、いいと思いますよ!」
洋希(果南先輩の怒る基準が...イマイチわからない...)
どうもみなさんこんにちは!リオートです!最近になってパソコン作業が多くなってきたのでブルーライトカットのメガネを購入しました。実際効果があるのかは、わからないですが、目が楽になったような気がします。
もしパソコン作業が多い人、はたまたゲームを沢山やる人は持っておいて損はないかと思います。
商品紹介はさておき、本編へ行きましょう!
今回はついに最終回!(第1シーズンの)
洋希とAqoursは、「あれ」をしっかりこなすことができるのか...そもそも「あれ」とは一体...。
胸の鼓動が収まり、再び会場内を徘徊していた俺は、ようやく千歌、曜、梨子を見つけた。ステージの入口あたりで固まって話しているようだ。時間的には、もうそろそろ
曜「あ、遅いよ洋希!私たちとっくに準備おわったよ!」
千歌「そうだよ!ちゃんと連絡したのに!」
洋希「へ?まじ?」
すぐさまポケットから携帯端末を取り出し確認した。千歌の言う通り、画面には数十分前に連絡があったと通知が表示されている。
くそ、なんでこう言う時だけはきっちり連絡してるんだこいつは。
洋希「ほ、ほんとだ...」
千歌「でしょ!今日はちゃんと送ったんだからね!」
曜「今日「は」、なんだね...」
いつもなら、「ごめん!忘れてた!」とかなるはずなのに、今回に限っては俺がその立場になってしまっているではないか。で、でもまあまだ1回目だしな...。
数秒言葉に詰まった後、端末をポケットにしまいわざと咳払いをしていった。
洋希「ま、まあそれはさておいてだな...お前ら、緊張はしてないか?」
千歌「あ、話し逸らした」
洋希「う、うるせぇ!で、どうなんだよ!」
千歌「私は全然!むしろワクワクしてるよ!」
曜「私も楽しみだよ!ヨーソロー!」
千歌は両手を胸の前で構え、曜はいつもの敬礼を向けてきた。最初のライブの時から、様々なライブをこなして、随分慣れてきたという所だろう。
洋希「梨子は?」
そしてもう1人、口を閉じたままの梨子に俺は尋ねた。やはり梨子はまだ緊張しているのだろうと思っている。ピアノのコンクールに出ていたりしているので、人前に出ること自体に問題はないと思うが、ピアノのときとは別の緊張があると考えている。
梨子は少し笑みをこぼしながら答えた。
梨子「私は緊張というよりは...ビックリしてるかな...」
洋希「ビックリ?」
梨子の言葉の意味が分からず、俺はそのまま聞き返した。梨子はなにに驚いているのだろう。
梨子「うん、内浦に引っ越してきた時には、こんな未来がくるなんて思ってもみなかったから...」
梨子がおどいている理由は、自分が今ここにいること、ピアノしかやってこなかったのに、スクールアイドルとしてステージに立とうとしてること、それが梨子が自分自身に驚いていることだろう。
曜「それは、千歌ちゃんがいたからだね」
澄んだ青色の瞳を、自分の幼馴染に向ける。梨子がスクールアイドルをやることになったのは、もともと千歌が作曲できる人がほしいといって梨子を誘い始めたからだ。それだけじゃない。俺がスクールアイドルのマネージャーを始めたのも千歌が頼んできたのが発端だ。曜だって、千歌がスクールアイドルを必死に始めようとする姿に感化されて始めたようなもの。
つまり千歌を除く3人が今ここにいるのは、高海千歌という存在がいたからだ。
千歌「それだけじゃないよ」
抑えた声でそう言い放った。
千歌「ラブライブがあったから、μ'sがいたから、スクールアイドルがいたから、曜ちゃんと梨子ちゃん、ひろくんがいたから!」
ステージの扉に寄りかかり、そのまま話をつづける。
千歌「これからも、色んなことがあるの思う。嬉しいことばかりじゃなくて、辛くて、大変なことだっていっぱいあると思う。でも私、それを楽しみたい!!」
千歌は寄せていた背中をはなし、走り出した。俺たちから少し離れたところで止まり、振り返って腕を大きく広げた。
千歌「全部を楽しんで、みんなと進んでいきたい!それがきっと...輝くってことだと思う!!」
言い終わると同時に、千歌らしい元気な笑顔をみせた。それにつられ、俺達も口許が緩んだ。
初めてあった時、千歌の第一印象は、アホっぽいだったかな。なんか(悪い意味で)頭1つぬけてそうな感じだった。それはAqoursが結成してからもそうだった。寝坊はしそうになるし、居眠りはするし、リーダーとしての風格はこれっぽっちもなかった。けど、今感じるのは千歌の成長。言葉を一つ一つにしっかりとした重さがある。
洋希「千歌」
俺はゆっくりと千歌に歩み寄り、目の前に立った。
洋希「俺、あの時諦めなくてよかったなって思ってる。今、ここでこうしてお前らと一緒に居られるのが、嬉しくてたまらない!」
千歌「ひろくん!...」
洋希「だから、これからもお前らの「希望」でいさせてくれ!そして、一緒にもっと輝こうぜ!」
千歌「...うん!」
俺の言葉に、千歌は満面の笑みを返してくれた。
鞠莉「お取り込み中のところ失礼するデース!」
通路の角から、鞠莉さんがひょっこり顔をだす。それに続いてダイヤさんや善子たちもぞろぞろと姿を現す。
千歌「みんな!」
果南「ライブ前にイチャイチャとはねぇ、千歌もすみにおけないねぇ」
千歌「うぇ!?ち、違うよ!そういうことじゃ...」
果南先輩がからかうと、千歌は顔を赤らめて否定する。
あとから来た人からみたら、俺が千歌に詰め寄ってるように見えたのかな?
花丸「もしかして洋希先輩、「このライブが終わったら話があるんだ...」みたいなことを...」
ルビィ「あ、ルビィそれ漫画で読んだことあるよ!」
洋希「そんな典型的な告白はするつもりねぇよ!てか立場的に逆だろ!」
相変わらずの花丸の勝手な妄想を真っ向から否定する。
それよりも花丸の妄想にルビィがついていってしまっているだと!?このままだとほんとにまともなやつがいなくなるぞこのグループ!
ヨハネ「くっくっく、このヨハネはそんなテンプレでも構わないわよ?」
洋希「ん?...ごめん、どゆこと?」
善子「ぐぅ!なんか無視されるよりきついかも...」
謎のダメージをくらった善子はその場に倒れ込んだ。
ライブ前に何やってんだこいつは...。
ダイヤ「みなさん、準備はよろしいですか?ライブではありませんが、ライブと同じぐらい気合いを入れて臨みますわよ!」
1人真面目なダイヤさんの呼びかけに自由奔放だったみんながしっかり頷く。こういう時はちゃんとしてるのな...。
そして集まって中央に手を伸ばし、指をL字にして繋げる。無論俺も混じって同じことをする。
洋希「今回はリーダーのお前がやれよ?」
千歌「もちろん!」
大きく息を吸い込み、俺達の始まりの第一声を、千歌が発する。
千歌「今、全力で輝こう!0から1へ!!Aqours!!」
「「「「「サンシャイーーーーーン!!!」」」」」
既に会場内は超満員。かつてないほどの観客の数に、洋希たち一同は驚きを隠せないままステージの中央に立った。入場と同時に湧き上がっていた声援も、俺たちが定位置に立つと、ピタリやんだ。そして千歌か1歩前に出た。
千歌「みなさんこんにちは!スクールアイドルAqoursの高海千歌です!今日は皆さんに伝えたいことがあります!それは...私たちの学校!町のことです!」
数日前...
千歌「アピールタイム?」
洋希「そう、ライブの前に1グループづつ自分たちのアピールができる時間が今回だけ特別に追加されたんだ」
突然発表された特別ルールに、千歌たちは頭を悩ます。
梨子「時間はどれぐらいあるの?」
洋希「5分以内だ、それ以上過ぎそうになったら強制的に次のグループに回される」
微妙に長い時間に、全員さらに頭を抱える。のっぽパンを頬張る花丸がもぐもぐしながらしゃべった。
花丸「5分もアピールしなきゃいけないずらか...」
洋希「ちょっと多く感じるよな、だから俺はそれを他のことに利用したいと思ってる」
曜「ほかのこと?」
立ち上がった洋希は、机をバンッ!と叩いた。そしてこの特別ルールが開示された日から考えていたことを口にした。
洋希「この学校のアピールをするんだ」
果南「それって...浦の星を?」
洋希は最初はこのアピールタイムをちゃんとしたAqoursの紹介にしようと考えていた。しかし今、Aqoursのことを改めて紹介するよりは、浦の星ことを話すべきではないかと考えを変えた。それは入学希望者が0人だとわかった日からだ。
洋希「浦の星がどんな所か、紹介するのはその時しかないと思います」
ダイヤ「ですがそれではルール違反なのではないですか?」
洋希「大丈夫です。規約にはこう書いてあります。「グループに関係のある発表以外は禁止」って。つまりAqoursと関係のある浦の星のことは話しても問題はありません」
ダイヤ「ですが...」
ダイヤは1人不安な表情を浮かべた。ラブライブで設けられた時間なのだから、グループについてのことを話さなくてはいけないと生徒会長らしく慎重に判断した。
鞠莉「いいじゃない!私はヒロキの意見に賛成よ!」
ダイヤ「鞠莉さん!」
心配するダイヤに対して、鞠莉はいつものノリノリの様子で、洋希の提案に同意の意を示した。
鞠莉「だって今更「私たちはこんなグループデース!」なんて5分間talkしたところで、お客さんからしたら面白みもないでしょ?」
ルビィ「ルビィも、来てくれる人たちに浦の星のことを知って欲しいです...」
ダイヤ「ルビィ...」
鞠莉やルビィに限らず、梨子や曜も同意の頷きをする。
ダイヤはうーんと考え込んだ。そして決意した答えを言った。
ダイヤ「分かりましたわ、その線でいきましょう」
洋希「ダイヤさん!」
ダイヤ「ただし、やるからにはちゃんとしたものをやりましょう。中途半端なのはぶっぶーですわよ?」
洋希「もちろんです!」
洋希は大きくうなづいた。全員の了承を得た洋希は、そのまま練習の開始を宣言しようとしたが、善子が小さく手を挙げて発言した。
善子「1ついいかしら?」
洋希「なんだ善子?」
善子「それは私たちだけなの?リトルデーモンは出れないの?」
洋希「ああ、それに関してなんだが...俺も一緒に出るぜ」
まさかの洋希の参加に、一同は目を丸くする。千歌はいち早く反応した。
千歌「ほんとに!?」
洋希「ああ、このアピールタイムに限っては、部活内のメンバーならでても大丈夫なんだってさ」
洋希がAqoursと共に人前に出るのは、これが初めてといっていいだろう。普段はステージ横にいたり、裏方に回っているので、今回一緒に出来ることに、千歌たちは歓喜の声を上げた。
洋希「だから全員で、伝えよう。浦の星がどれだけ素晴らしい所かを、来てくれた人みんなに!」
おー!と全員で唱和。
俺たちを応援してくれている浦の星のみんなのためにも、ライブだけじゃなくこのアピールタイムもしっかりやらないとな...と洋希はその想いを胸に込めた。
ルビィ「洋希先輩が一緒なら心強いです!」
花丸「万が一マル達がセリフ忘れても洋希先輩が覚えててくれるずら!」
洋希「できればちゃんと自分で覚えてくれ...」
花丸の冗談と、洋希の返答にドッと笑いが起こる。いつも以上に楽しい雰囲気になったAqoursは、そのままライブの練習とともに、アピールタイムの練習もその日から始めた。そして...
千歌「Aqoursが生まれたのは、海が広がり、太陽が輝く内浦と言う町です」
ぴょんぴょんとステージを跳ね、止まって体を回転させたりと自由に動く。
千歌「小さくて人もいないけど、海には沢山の魚がいて!いっぱいみかんが取れて!暖かな人で溢れる町...その町にある小さな学校。今ここにいるのが、全校生徒!今は人が少なくなってきて、女子高から共学になりました!」
むつたちのいる方へと千歌は手を伸ばした。自分たちが出るとは思っていなかったむつたちは少々驚いていた。
千歌「そこで私達は、スクールアイドルを始めました。けど、私達はスクールアイドルについてほとんどわからない。そんな時、スクールアイドル聖地!東京から転校してきたのが...ひろくん!」
千歌に当たっていたスポットライトが消え、腰に手を当て、すっと立つ洋希に光が当たる。
洋希「スクールアイドルのマネージャー?いいぜ!やってやるよ!」
千歌「私のお願いを聞き、マネージャーになってくれたひろくん、そして曜ちゃんを含め、スクールアイドルを本格的にスタートしました!」
今度は手をぎゅっと握りしめた曜に光が移る。
曜「アキバでみたμ'sのようになりたい、同じように輝きたい...でも...」
曜、千歌「作曲!?」
2人の間の暗闇から、ダイヤが光のある方へゆっくり歩き出す。
ダイヤ「そう、作曲が出来なければ、ラブライブには...出られませんわ!!」
曜、千歌「ハードルたか!!」
曜「そんな時、作曲のできる少女、梨子ちゃんが転校してきたのです!」
千歌「奇跡だよ!」
曜と千歌が手を伸ばす先で、梨子は光が当たるのと同時に、頭を下げた。
梨子「ごめんなさい!」
千歌、曜「ガーン!」
梨子の唐突な謝罪、そして千歌と曜の左右対称の謎ポーズに観客席から笑いがおこった。
千歌「東京から来た梨子ちゃんは、最初は、スクールアイドルに興味がなかった。東京で辛いことがあったから...」
千歌、曜「けど...」
梨子「私!スクールアイドルやってみたい!でも、本気でやってる人に、申し訳ないよね...」
胸に握りしめた手をあて、俯く。その後ろから、洋希がポンと肩に手をのせた。
洋希「最初からちゃんと出来るやつなんていねぇよ。お前の人生は、お前が決めるんだ!」
梨子「うん!」
曜「洋希の後押しで、梨子ちゃんの想いは固まった。そして...」
曜が振り向く先には花丸がいた。
花丸「おら、運動苦手だし、おらとかずらとか言っちゃうし...スクールアイドルなんて、できないずら...」
洋希「出来るか出来ないかで悩んで手を付けないで後悔する。そんなの勿体ないぜ?だったらやって後悔しようぜ!やらない後悔よりやる後悔だ!」
花丸の横に移動した洋希は、前に言い放ったセリフを投げかける。洋希の顔をみた花丸は、笑みを浮かべた。
そしてその横を、ルビィが通り過ぎた。
ルビィ「ルビィ、スクールアイドル好きだけど、人見知りだから...」
天を見上げるルビィ。
花丸「ルビィちゃん!自分の気持ちを大切にするずら!」
洋希「そうだぜ!勇気を持って、1歩踏み出してみようぜ!」
ルビィ「2人とも...うん!」
ヨハネ「堕天使ヨハネ!降臨!」
次に、観客席の入口に移動していた善子に光があたり、少しだけ拍手がなった。
善子「でも、高校生にもなって...堕天使なんておかしいわよね...」
洋希「おかしくなんかねぇよ!!」
離れた場所いる善子に向けて、洋希が声を上げる。
洋希「お前が堕天使をすきならそれでいいじゃねえか!自分の好きなものに、嘘はつくな!!」
ヨハネ「ならば、あなたに問うは!私の羽を広げられる場所は、どこ?!」
洋希「それは...ここだ!このステージだ!スクールアイドルになって、その翼を存分に羽ばたかせろ!!」
善子「洋希!!」
善子は階段駆け下り、少し足場がひろいところで大ジャンプ。観客が唖然と見守る中、高校生とは思えない跳躍力で腕を広げる洋希に飛び込んだ。洋希もしっかりキャッチし、向かい合った2人はお互いにニコッと笑った。
千歌「こうして、7人になった私たちは、歌を歌いました。町のみんなと一緒に」
梨子「そんな時、私達は東京のイベントに出ることになった!」
花丸「未来ずらァ〜!」
ルビィ「人がいっぱい!」
ヨハネ「ここが魔都、東京!」
曜「ここで歌うんだね!」
洋希「ここでいい結果を残せれば、俺達はもっと有名になれる!」
曜「がんばろう!」
千歌「でも、結果は...」
千歌「最下位」
光が全て暗転し、ステージは真っ暗。それでも洋希たちは終わらない。
千歌「私たちを応援してくれた人は、0」
梨子「0」
曜「0」
善子「0」
ルビィ「0」
花丸「0」
千歌「0...」
千歌は膝をガックリと落とす。その横に、洋希が歯を食いしばりながら立った。
洋希「千歌たちは、少しでも上手くなろうと、毎日毎日必死に努力した!でも、スクールアイドルは、そんなに甘くはなかった」
洋希が語っている間に、千歌は体育座りでうずくまった。その傍に曜が近づく。
曜「やめる?」
曜の呟きに、千歌の体がピクっと動く。さらに曜は千歌の耳元で、囁いた。
曜「やめる?」
千歌「...悔しい、やっぱり私、悔しいんだよ!0だったんだよ!?悔しいじゃん!」
千歌は声を上げ立ち上がった。
梨子「その時、私たちの目標が出来ました」
曜「0から1へ」
花丸「0のままで、終わりたくない」
善子「とにかく前に進もう」
ルビィ「目の前の0を1にしよう!」
洋希「俺たちみんなで!」
千歌の横に、曜達が1列にならんだ。
千歌「そう、心に決めて」
梨子「そんな時、新たな仲間が現れたの!」
ダイヤ「生徒会長の黒澤ダイヤですわ!」
果南「スクールアイドルやるんだってね」
鞠莉「Hello!everybody!」
ダイヤ、果南、鞠莉の順でスポットライトが当てられる。
洋希「以前、スクールアイドルやっていた3人は、再び結束し、俺たちは、10人になりました!」
千歌「こうして、ラブライブに出た私達。結果は見事突破!でも...」
ルビィ「入学希望者は0」
善子「忌まわしき0が」
花丸「また私たちに突きつけられたのです!」
千歌「どうして0なのぉー!」
頭を抱えながら、会場にめいいっぱい響く声で千歌は叫んだ。そして背中を合わせになった3年生。
果南「私たちは考えました」
鞠莉「どうしたら前にすすめるか」
ダイヤ「どうしたら、0を1にできるのか」
千歌「そして、決めました」
曜「私達は」
梨子「この町と」
花丸「この学校と」
ルビィ「この仲間と一緒に」
ヨハネ「私たちだけの道を歩こうと」
果南「起きること全てを受け止めて」
ダイヤ「すべてを楽しもうと!」
鞠莉「それが...輝くことだから!」
洋希と千歌の横を、梨子たちが歩いて、後ろにならんだ。
千歌「輝くって、楽しむこと」
洋希「あの日、俺たちに刻み込まれた、0という名の絶望。それを希望の1に変え、10、100にしていって、いつか!大きな希望に変える!」
洋希が腕を上げ、続いて千歌たちも拳を突き上げる。
数秒掲げた手を下げ、千歌たちは揃ってお辞儀をした。
千歌たちの、アピールタイムは、ライブ同様の拍手喝采と共に幕を閉じた。
千歌「さあ、今度はライブだよ!」
洋希「みんな、準備はいいか!!」
全員が頷くのを確認し、千歌に合図を送る。千歌は息を整え、そして...
千歌「1!」
曜「2!」
梨子「3!」
花丸「4!」
ルビィ「5!」
善子「6!」
ダイヤ「7!」
果南「8!」
鞠莉「9!」
洋希「10!」
自分の番号を言い終え、息を大きく吸い込む。そして腹の奥底から声をはりあげた。
洋希「0から1へ!Aqoursー!」
「「「「サンシャイーン!!」」」」
「光に〜なろう〜♪未来を照らしたい〜♪輝きは〜心から〜♪溢れだすよ〜♪」
今回、俺たちが作り上げた曲は、「MIRAI TICKET」。
白をベースとした衣装を身にまとい、振り付けは可愛く、そして見ている人たちも思わず踊り出したくなるようなものに仕上げたつもりだ。途中に曜お得意のヨーソローも交えるなど、Aqoursらしい曲になっている。
今回も、振り付け、位置など、円形のステージ用に工夫を凝らしたので、難しめではあるが千歌たちは、今のところミスなくこなしている。
そして、そろそろ終盤に入りかける場所、踊りを一旦ストップし、千歌がソロで歌うところで、千歌は何を思ったか、俺、浦の星の生徒、保護者のいる方のステージギリギリまでやってきた。
千歌「みんなー!一緒に!輝こう!」
本来、ステージの周り行くことはルール上禁止されている。
しかし、千歌の声に感化されたむつたちや千歌のお母さんたちは、そんなことお構い無しに、ステージ下へと行き、サイリウムをめいいっぱい振り上げ続けた。
その姿をみて、俺はまた目頭が熱くなってきた。こぼれ落ちる涙を必死に抑えながら、サイリウムを振る。
もしかしたら、このままだとルール違反になるかもしれない。でも、今の俺にはそんなことを気にする余裕はなかった。ただただ、目の前のライブに夢中になっていた。
トクン
俺の胸が優しい鼓動を鳴らすが、俺はそれに気づかなかった。いつものように、胸が締め付けられるような感じにはならなかったからだ。
そして曲は終わり、千歌たち、そしてむつたちの動きも止まった。みんな汗だくになりながらも、その顔には笑顔が浮かんでいた。
俺の頬を流れた涙は、そのまま床に落ち、音もなく散っていった。
希望って...なんだろう。希望になるって...どういうことだろう。俺は昔から、「希望になる!」と口癖みたいに言ってきた。誰かの希望になって、その人を笑顔にしたい。俺の希望になってくれた、あの人のように。今、俺は希望になれているだろうか?千歌たちの希望に、Aqoursの希望に、浦の星の希望に、内浦、沼津の人達の希望に。それは俺自身が答えを出すことはできないと思う。けど、いつかそれは形になって、俺に答えを教えてくれるはずだ。それを見るまで、俺は千歌たちと一緒に輝きつづける。
俺が、本当の「希望」になるまで!
ラブライブ!サンシャイン!!〜希望の光〜
第8章 サンシャイン!!
〜Fin〜
みなさま、ここまで読んでいただきありがとうございます!
約1年と4ヶ月、ようやくアニメ1期までが終了いたしました。一応第1シーズン終了ということで、ついに折り返し地点。次回からはノンストップで2期へ突入します!セカンドシーズンでの洋希のさらなる活躍、イチャイチャを楽しみにしていてください!
と、盛り上がるようにいったのですがここでお知らせです。
投稿間隔を、いままでは週一投稿にしていたのですが...。以下の3つの理由から、投稿ペースを2週間に1回、または3週間に1回に変更致します。
俺が投稿ペースを変えるのには3つの理由がある!
1つ!
俺の学校が始まって忙しくなること!
2つ!
小説を書く時間が取れず、無理に週一にしてクオリティの低いものを出すのが個人的に嫌だから!(過去にもそう思う時があったので)
3つ!
俺に気分的余裕を持たせたいから!
以上の自分勝手な理由で、投稿ペースを今後落とします。
「リオートさんの小説が週に1回の楽しみなんだぁぁぁ!!」とか思ってくれてる人には大変申し訳ない限りです。ですが前に言った通り失踪だけは、絶対しません。ここまで見続けてくれてる読者を裏切ることだけはしません!なのでこれからもラブライブ!サンシャイン!!〜希望の光〜をどうかよろしくお願いします!
それでは、次回もお楽しみに!ヾ(・ω・`)