ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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洋希「ルビィ!梨子!誕生日おめでとう!」
ルビィ「ありがとうございます!」
梨子「ありがとう!...でも今日は私の誕生日でもルビィちゃんの誕生日でもないわよ?」
洋希「大人の事情で一人ずつ祝えないんだ...許してくれ...」
梨子「め、メタイわね...」
ルビィ「ルビィは構いませんよ。洋希先輩が祝ってくれるだけでもルビィは満足です」
洋希「ルビィ...ほんとにおめぇさんはええ子やなぁ!!」(ル。-∀-)ヾ(洋´∀`*)ナデナデ
ルビィ「えへへ♪」
梨子「わ、私だって洋希くんに祝ってもらえて凄くうれしいよ!!」
洋希「梨子もいいやつだっぺ!!」
(梨。-∀-)ヾ(洋´∀`*)ナデナデ
梨子「...♪」
千歌、花丸(あのナデナデがプレゼントになってる気がする...)



どうも皆さんこんにちは、リオートです。前回のことりちゃんに続き、今回はルビィちゃんと梨子ちゃんが誕生日です!二人ともおめでとおぉおぉおおぉ!!
実はことりちゃんと同様に二人とも私の推しですので(欲張り)誕生日が近いのは嬉しいようで悲しいです。えっ?なんで悲しいかって?それはですね...ことりちゃんに石を消費してしまったので2人の誕生日ガチャが引けなかったんですよね...トホホ...。


それでは、本編どうぞ!


第76話 繋がる心と蝕む心

ライブのため、控え室でルビィたちは準備を整える。といっても、今はまだ軽く顔にお化粧や髪をセットするぐらいで、まだ衣装には着替えない。なぜならルビィたちは、ライブ前にやらなければいけないことがあるからだ。それが終わればライブ、あのステージの真ん中で、ルビィたちが踊る...

 

ルビィ「実はまだ、信じられないんだ」

花丸「おらもずら」

 

なにが信じられないか、ルビィは口に出さなかったけど、花丸ちゃんはその意図を汲み取って返事をしてくれた。やっぱり凄いなぁ花丸ちゃん。

 

ルビィ「今、こうしてここにいられることが...」

花丸「夢みたいずら」

 

自分が憧れたラブライブ、その舞台に今からルビィが立つんだって、頭では分かってる。でも、心が追いつかない。今まで通り、ちゃんと歌って踊れるかな。変なミスしたりしないかな。ライブが近づくにつれて、その不安がどんどん膨れ上がってくる。隣に座る花丸ちゃんの表情も、ルビィと同じで不安そうだ。

 

善子「なに今更いってるの!今こそがリアル、リアルこそ正義!」

 

ルビィたちと反対側でセッティングをしながら、少し弱気になるってる自分たちに善子ちゃんが声をかけてきた。

善子ちゃんはいつも通りで緊張とかしてないのかな。だとしたら善子ちゃんも凄いなぁ。

善子ちゃんの言葉に、ルビィたちは何を言えばいいか思いつかなかった。すると今度は善子ちゃんの口から思わぬ言葉が飛んできた。

 

善子「ありがとう...」

ルビィ、花丸「「えっ...?」」

 

善子ちゃんの謎の一言に、ルビィたちは思わず振り向こうとした。するとさらに予期せぬことが続いた。善子ちゃんがルビィと花丸ちゃんに抱きついてきた。

 

善子「さあ、あとはスクールアイドルとして、ステージで堕天するだけ!!」

 

震えながら発するその言葉に、ルビィはハッとした。善子ちゃんは、後ろ向きになってるルビィたちを励ましてくれてるんだ。普段は漆黒とか悪魔とかよく分からないことばかり言うけど、ちゃんとルビィたちのことを考えてるんだ。ルビィ、嬉しいなぁ。

 

ルビィ「うん!」

花丸「黄昏の理解者ずら」

 

善子ちゃんは抱擁を解き、いつもの様にホーズを決めようとする。

 

善子「行くわよ!堕天使ヨハネとリトルデーモン!!ラブライブに〜降臨!!」

 

いつもの堕天使ポーズを決めた善子ちゃんの目から、涙が散った。善子ちゃんも、ここに来れたことが嬉しんだよね。

 

洋希「お、やる気満々だな善子!」

善子「善子じゃなくてヨハネ!って!いつの間に来てたのリトルデーモン!」

 

いつの間にか、ルビィたちの目の前には洋希先輩が立っていた。1度ルビィたちと別れて外に言ってたはずなのに、どうしてここに?

 

洋希「ちょっと前から来てたんだけどな、なんかやりとりしてたから、静かに見守ってたんだよ」

 

腰に手を当てながら、タイミングが悪かったと思わせるような口ぶりでいった。洋希先輩って、やっぱり存在感を消す能力を持ってたりするのかな?もしかして、それでここにも入ってきてたりして...。

 

ルビィ「洋希先輩、入ってもいいって言われたんですか?」

洋希「ああ、ドアの前見張りの人に中を確認してもらって、特別に入れてもらったんだ」

花丸「てっきり忍び込んだのかと思ったずら...」

洋希「ライブ前に問題なんかおこすわけないだろ...」

 

ルビィ、ちょっと洋希先輩を疑ってしまった...。うゆ...。

 

善子「それで、私たちに何か用?」

洋希「緊張してるんじゃないかなって思って見に来たんだけど、大丈夫そうみたいだな!」

 

ニコッと笑顔を見せる。ルビィだけかもしれないけど、洋希先輩をみてると、何だかすごく安心する。Aqoursに入ってから、洋希先輩がいてくれるだけで、心強く感じる。お姉ちゃんやAqoursのみんなといる時と違った安心感。洋希先輩には、みんなを励ます、鼓舞する力があるんだと思う。常に前向きに考えて、ルビィたちのために色んなことをしてくれる、きっとこれからも...

 

洋希「もう、俺が変に言葉をかける必要もないか...」

ルビィ「えっ...」

 

洋希先輩の顔が一瞬曇ったのをルビィは見逃さなかった。そしてその時発した言葉、呟く程度だったが、耳を通って脳内にしっかり記憶された。今のは...

 

洋希「じゃ、俺は会場内にいるから、時間までには準備終わらせとけよ?」

花丸「了解ずら!」

ヨハネ「承知!」

 

再び笑顔になった洋希先輩は、そのまま控え室をあとにしていった。去りゆく背中からは、先程までの影は感じなかった。もしかして、ルビィの聞き間違えだったのかな。うん、そうだ、そうに違いない。

洋希先輩の呟きを自分の勘違いだと言い聞かせようとしたとき、花丸ちゃんが口を開いた。

 

花丸「ルビィちゃん」

ルビィ「ん?」

花丸「さっきの言葉、どういう意味なのかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ誰もいない会場は、まるで海の中のように静かだ。けど今からここに沢山の人が押し寄せ、たちまち荒波がおこり、この静寂はかき消されてしまう。そしてその荒波の真ん中に、これから私たちAqoursは立つんだ。

正直、予備予選を突破して、この舞台に立つことに未だに実感が湧かない。あの日、スクールアイドルから離れた私が、こうしてまた始めて、憧れのラブライブに出られるなんて。

 

果南「高校生3年になってから、こんなことになるなんてね」

ダイヤ「まったくですわ。誰かさがしつこいおかげですわね」

 

独り言のつもりでいった言葉に、後ろからやってきたダイヤが私と同じように、手すりに腕をのせ答えた。誰かさんねぇ...

 

果南「だね、感謝してる...鞠莉」

 

そういって隣に入ってきた誰かさん...鞠莉も手すりに腕をのせた。私が...私とダイヤがここいにるのは、鞠莉のおかげ。鞠莉がずっと私たちともう一度スクールアイドルをやりたいと思ってくれていたから、私達はこうして再スタートをきれた。もし、鞠莉がスクールアイドルを捨ててしまったら、私達は二度とスクールアイドルとは向き合わなかっただろう。

 

鞠莉「感謝するのは私だよ。果南とダイヤがいてくれたからスクールアイドルになって、ずっと待っててくれたから...諦めずにこられたの」

 

目に涙を溜めながら話す鞠莉をみて、私の胸の奥がグッと熱くなった。途端に目から雫がこぼれ落ちる。やっぱり鞠莉は、私の親友だよ...。

隣にいるダイヤの目にも、雫がポツリと浮かんでいた。

私は、2人の腰に手を回しそっと体を寄せた。

 

果南「あの時置いてきたものを、もう一度取り戻そう!」

ダイヤ「もちろんですわ!」

 

そう強く答えるダイヤの手が震えるのに気がついた。いつも威風堂々としてるダイヤも、嬉しくてたまらないんだろうね。

私は2人の体をさらに寄せる。もう絶対離さない。私たちはずっと一緒なんだから。

3人で、改めてお互いの気持ちを確かめあっていた時だった。不意に後ろから聞こえた足音に、私達は同時に振り返った。そこに居たのは、私たちAqoursのマネージャーの洋希だった。

 

果南「洋希?」

 

涙を拭いながら、ボーッとしながら歩いてくる洋希に私は声をかけた。その声でやっと私たちの存在に気づいた洋希は顔を上げ、立ち止まった。

 

果南「洋希、なんか元気なさそうだけど大丈夫?」

 

いつもと雰囲気の違う彼に、私は尋ねた。もしかして、日頃の疲れが今出ちゃってるとか、洋希は毎日のような私タチ、9人のサポートをしてくれてるし。具合悪いとかだったら尚更大変だ。

 

洋希「だ、大丈夫ですよ!ちょっと考え事してただけです!それより果南先輩たちはどうしてここに?それも3人で」

 

ハツラツと答える洋希は、普段の洋希と何ら変わりはなかった。さっきのテンション低くなってそうなのは、気のせいだったのかなん?

 

ダイヤ「ステージの下見ですわ、自分たちが踊るところぐらいは、どんなものか見ておきたくて」

 

洋希の問いにダイヤが答えた。それもあるけど、私たちにとってもっと大事なことをしたのは言わないつもりみたい。まあ洋希にいっても仕方ないもんね。

 

鞠莉「ちょうどいいわ!ヒロキに言いたいことがあったの!」

洋希「言いたいこと?」

 

そういって鞠莉はスタスタと洋希の方へとよって行った。あ、また抱きついたりするんだろうなぁと予測を立てて見守る。しかし珍しく洋希の目の前で鞠莉はその足を止めた。

 

鞠莉「洋希...ここまで連れてきてくれて...ありがとう」

 

鞠莉の予想外の言葉に、洋希は困惑した表情を浮かべた。

 

鞠莉「あなたがAqoursを支えてくれたから、Aqoursを作り直してくれたから、私はこうしてここに戻ってきて、果南とダイヤを呼び戻すことが出来た。そして、また2人とスクールアイドルを始められた!だから...本当にありがとう...洋希」

 

自らの胸をグッとつかみながら、鞠莉は感謝の言葉を洋希に伝えた。そうだ、洋希は男1人でありながらも、千歌たちを支え、浦の星にスクールアイドルを復活させた。無論洋希だけではないのは分かってる。千歌や曜、梨子ちゃんにルビィちゃん、花丸ちゃんに善子ちゃん、みんなが諦めずにスクールアイドルを続けてくれたから、私達もそれに心動かされた。

 

果南「洋希、私もすっごく感謝してる」

洋希「果南先輩...」

 

洋希は、私がスクールアイドルを拒んでいた時、何度も相談に乗ってくれた。鞠莉とどう接すればいいか、鞠莉の気持ちに気づかせてくれた。洋希がいなかったら、私は鞠莉と、今の関係に慣れていなかったかもしれない。ずっとすれ違いながら...1年をすごしたかもしれない。

 

ダイヤ「洋希さん、わたくしからもお礼を言わせてもらいますわ」

洋希「ダイヤさん...」

ダイヤ「鞠莉さんと果南さんを引き合わせてくれたこと、そしてわたくしを、浦の星を信じてくれて、ありがとうございます」

 

私に続いて、ダイヤも洋希への想いを語った。洋希とダイヤの関係がどんなものかは分からないけど、恐らく洋希の行動に、ダイヤもなにか感じるものがあったのだろう。あのお堅いダイヤまで動かしちゃうなんて、さすが洋希、略してさすひろだね。

連続でお礼を述べられた洋希は、少し視線を床に落としながら、ほのかに笑みを浮かべ、フッと笑った。

恐らくまた嫌味っぽく言ってくるに違いない。そう思った私は、目をつぶって洋希の言葉を待った。そして口を開いた洋希から、予想しなかったセリフが私の耳に飛び込んできた。

 

洋希「俺は...そんな感謝されるような立場じゃないですよ」

 

弱く、覇気のない言葉が、静かなステージに微かに響いた。

 

洋希「俺はただ、3人が紡いだ糸が離れてしまったのを、少しだけ...手繰り寄せただけみたいなものです...」

 

暗く沈んだ表情になりながら、洋希はボツボツと呟いた。やっぱり洋希...なんかおかしい。

そんな洋希をみかねた鞠莉は、恒例行事のように腰に手を回して抱きついた。もう鞠莉のハグに対しては特に思うことはなにもない。鞠莉にとってはコミュニケーションの1つみたいなものだから。

抱きつかれた洋希は、相変わらず慌てた表情を浮かべている。

 

鞠莉「らしくないわねヒロキ!疲れてるみたいだから、鞠莉のハグで癒してあげるわ!」

洋希「ちょっと鞠莉さん!いきなり...」

 

嫌々ながらも、なかなか離さない鞠莉に悪戦苦闘する洋希の表情が、少しだけ和らいでいる。そして物の見事に洋希はいつもの優しい顔に戻った。

 

洋希「ほんと、鞠莉さんはマイペースですね」

鞠莉「最高の褒め言葉よ!」

 

鞠莉の返しに、洋希は笑みを浮かべた。そしてそのまま、私たちの方へも目を向けてきた。

 

洋希「鞠莉さん、ダイヤさん、果南先輩、最高のライブにしましょうね!」

鞠莉「YES!」

果南「もちろん!」

ダイヤ「半端なものを見せるつもりはありませんわ!」

 

私たち一人一人が答えると、洋希は鞠莉の腕をそっと解除し、背中を向け、満足そうに帰っていった。最後の洋希は洋希らしかったけど、それまではまるで別人みたいだった。なにか悩みでもあるのだろうか?

 

鞠莉「果南、ダイヤ」

 

洋希の様子に違和感をもった私と、ダイヤに鞠莉が出口の方を向きながら呼んできた。

 

鞠莉「今日のライブ、今までで1番良いものにしましょ。それであのテンションverydownのヒロキをheat upさせましょう!」

 

その言葉で、鞠莉も洋希がいつもと違うことに気がついたことを察した。恐らく隣で真剣な表情をするダイヤも、私や鞠莉と同じように気づいているはず。

鞠莉の言葉に、私とダイヤは無言で頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南先輩たちと別れた俺は千歌たち2年生組を見つけるために、会場内をグルグルしている。その途中で、少しだけ頭がクラっとなったので、壁に寄りかかった。

そしてそのまま、今までの自分の行動を振り返った。

最初に浮かんたのは、今日の俺はどこかおかしいということ。

 

ルビィたちのときは、既に自分たちで鼓舞し合って気持ちが入ってるのをみて、俺は変に言葉をかける必要はないと心の声がもれてしまった。結構小さかったからルビィたちには聞こえてないはず。それでも、無意識に出たあの言葉は、ちょっと前なら確実に出てこなかっただろう。

果南先輩のときだって、別にあんな謙虚になる必要はなかった。いつもみたいに嫌味っぽくいって、少しでもムードを和ませ、緊張をほぐすぐらいのことは出来たはずだ。なのに俺は逆に鞠莉さんにハグという名の励ましをくらってしまった。情けないどころじゃない、むしろ何やってんだぐらいの騒ぎだ。

以上のことか推測して、やはり俺の気持ちに、なんらかの変化がある。しかしそれがどう変化して、前とどう変わったかはハッキリしていない。

ただ1つだけ分かるのは、いい方向に向かってはいないだろうということ。このままいったら、Aqoursに迷惑をかけるだけだ。そうなれば、俺はAqoursにいられなくなるだろう、いられなくな...

 

ドックン...

 

洋希「うっ!...」

 

いつもより強い鼓動が鳴り、一瞬胸がくるしくなった。ハァハァと息遣いが荒くなってるに気づいたのは少ししてからだ。最近、俺の胸が不安定な気がする。ライブの時も途中、ドクンとうなったり、千歌たちの前でもおかしくなったりしたこともある。やっぱり1度病院に言った方がいいのかな?もしかしたらとんでもない病気にかかってるのかもしれない。

と思いながらも、小中と皆勤賞をとってきた俺がまさか病気はないだろうと、変な自信をもちながら、千歌たちを探すため、会場内を再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でももし、これが病気じゃないなら、俺はどうすればいいんだろうか?

 

 

 

 




同時刻、穂乃果家にて...


穂乃果「ことりちゃん!そろそろラブライブの予選始まるよ!」
ことり「そうだね!」
海未「今のスクールアイドルがどんな演技をするか、気になりますね」
穂乃果「ことりちゃんが見たいって言ってたグループは最初だっけ?」
ことり「うん!」
海未「でもどうしていきなりラブライブの予選をみたいと言い出したのですか?」
ことり「それは〜...内緒!」
穂乃果「ええ!!教えてよぉ〜」
ことり「ふふっ!みてれば分かるよ!」
ことり(あの子がマネージャーをしてるグループ...どんなライブするのか楽しみ♪...)




今回は半分ぐらい本編トレースで、ちょっとオリジナルを含ませたぐらいですかねぇ...。
なにやら洋希に不穏な影が...。




次回もお楽しみにヾ(・ω・`)




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