ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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洋希「最近面白いアプリないなぁ」
曜「なんかあんまりぱっとしないよね」
洋希「イベント周回とかもめんどいしなぁ」
曜「てことはこの前のスクフェスのイベントは放ったらかし?」
洋希「とりあえずルビィちゃん3枚確保しておわったかなぁ...」
曜(さらっとルビィちゃんだけは回収してたぁぁ!!)


どうも皆さんこんにちは、ルビィちゃん大好きマーンのリオートマンです。やっぱりルビィちゃんのイベントだけはやりたくなっちゃうんすよね!それ以外はほとんどやらないんですけどね...。

それでは、本編へどうぞルビィ!!




第65話 想いよひとつになれ

曜「結局話せなかった...」

 

梨子ちゃんに貰ったシュシュを握りしめながら呟いた。

 

曜「本音っていっても私、なにを言えばいいんだろう...」

 

ベランダの手すりに顔を伏せながら、私なりに千歌ちゃんに想いを伝える方法を考えた。

 

 

〜〜〜

 

曜「千歌ちゃん!私と梨子ちゃん、どっちが大切なの?ハッキリして!」

 

〜〜〜

 

曜「いやいやちがうよねぇ...」

 

初手に出た考えが壁ドンって...少女漫画の影響受けすぎだよ私。

 

〜〜〜

 

曜「千歌ちゃん...私のことあんまり...好きじゃないよね!?」

 

〜〜〜

 

曜「これもちがーう!!」

 

なんかもうめんどくさい彼女みたいな感じだったよ今の!好きじゃないよねってなに!?なんで遠回しな聞き方してるのさ!

ならば...と次に考えたのは...

 

〜〜〜

 

曜「私、渡辺曜は!千歌ちゃんのことが!全速前進〜ヨーソロー!!」

 

〜〜〜

 

曜「もおぉ〜...訳わかんなくなってきた...」

 

なぜうちっちーの着ぐるみを着た私!てか全速前進ヨーソローが隠語みたいになってるよこれ!

 

ひとしきり考えてみたけど、全く思いつかない。しかも私には、まだ想いを伝えなきゃいけない人物がもう1人いる。

 

曜「なら...先に洋希の方から考えてみよう...」

 

〜〜〜

 

曜「ふふ...ダメだよ洋希...私たちはもう、2人で1人なんだよ?どこにも逃がさないよ...」

 

〜〜〜

 

曜「なんでヤンデレ化してるの私はぁぁ!!」

 

この前のドラマのせいだろう。もっとこうロマンチックなものにしたほうが...。

 

〜〜〜

 

曜「私の人生の半分あげるから...洋希の人生の半分ちょうだい!!」

 

〜〜〜

 

曜「どこの錬金術師だーーー!!」

 

今のは...あれだ。先週友達にかりたマンガのせいだ...。あのシーン好きすぎてほんともう...って違う違う!あのセリフいうのどっちかって言うと洋希が言うべきだよね!?私じゃないよね?

 

自分の妄想があまりにも酷すぎて、腕に顔を踞せざるを得ない。千歌ちゃんに関しても、洋希に関しても、如何せん伝え方が決まらない。なにをどう伝えるか、こんなにも悩まさせるなんて...。

どうにも進まない状況の中、私のスマホが、ポケットのなかで音を鳴らした。すぐさま取り出し相手を確認した。

 

「桜内 梨子」

 

意外な人物からの着信に、一瞬戸惑う。どうしよう...出るべきなのか...。正直なところ、出たいという気持ちがほとんどない。しかし、梨子ちゃんになにかあったのかもしれないという不安な気持ちもあり、渋々通話を始めた。

 

曜「もしもし?」

梨子[もしもし、ごめんね曜ちゃん、夜遅くにかけちゃって]

曜「ううん平気平気、なにかあったの?」

 

さも平然に、梨子ちゃんに要件を尋ねた。

こんな時間にかけてくるからには、結構大事なことなのかな?

 

梨子[うん、曜ちゃんが私のポジションで歌うことになったって聞いたから...ごめんね、私のわがままで...]

曜「ううん、全然」

梨子[私のことは気にしないで、2人でやりやすい形にしてね]

曜「でも...もう...」

 

いいんだと口走りそうになるのをなんとか止めた。

言葉の続かない私対し、梨子ちゃんは話を続けた。

 

梨子[無理に合わせちゃダメよ?曜ちゃんには、曜ちゃんらしい動きがあるんだし]

曜「そうかな...」

 

ほんとにそう思ってるの?私らしい動きだなんて...

 

梨子[千歌ちゃん絶対そう思ってる]

曜「そんなこと...ないよ...」

梨子[えっ?]

曜「千歌ちゃんのそばには、梨子ちゃんが1番あってると思う。だって千歌ちゃん、梨子ちゃんといると嬉しそうだし、梨子ちゃんのために、頑張るって...言ってるし...」

 

言ってしまった。梨子ちゃん本人にいってはならないこととは分かってるはずなのに。

 

梨子「...そんな風に思ってたんだ...」

 

梨子ちゃんのトーンが少し変わった気がした。私に対して、どんな感情を抱いているかが良くわかる。きっと...呆れてるんだろうなぁ...。

私のつけるメガネのレンズに、涙がこぼれ落ちる。気づかぬうちに流れた涙を払うために、顔を擦る。そして数秒の沈黙の後、スマホから声が聞こえてきた。

 

梨子[千歌ちゃん、前話してたんだよ]

曜「えっ?」

梨子「曜ちゃんの誘い、いっつも断ってばかりでずっとそれが気になっているって。だから、スクールアイドルは絶対一緒にやるんだって。絶対曜ちゃんとやり遂げるんだって!」

曜「ほ...ほんとに...?」

 

千歌ちゃんが、私のことをそんな風に思っていてくれてたなんて...。

 

梨子「あとね曜ちゃん、洋希くんも前にこんなこといってたの。「曜ってなんでもできるから、俺の手助けなんていらないんじゃないかって。でも、絶対思い悩んだりすることはあるだろうから、そんなときは俺がしっかり支えてやらないとな」って」

 

洋希まで...私のことを...。

 

私は今まで、2人は梨子ちゃんのことしか見てないと思っていた。でも、違った。千歌ちゃんも、洋希も、ちゃんと私をみてくれてるだって、私を思ってくれてたんだって。

 

梨子「私の口から言えるのはこれだけ、曜ちゃん、ライブ頑張ってね」

 

スマホから声が途絶える。梨子ちゃんが最後に伝えてくれた2人の言葉、信じていいのだろうか。ほんとに2人は私のことを...

 

千歌「曜ちゃん!!」

 

私の思考を遮るかのような声が、耳に届いた。玄関に視線を落とすが誰もいない。気のせいか...と思って部屋に戻ろうとした。

 

千歌「曜ちゃん!!」

 

再び聞こえた千歌ちゃんの声。今度は幻聴なんかじゃないと確信づき、声がした方を振り向いた。そこには確かに、千歌ちゃんの姿が見えた。その隣には、洋希もいる。いったいこれは...。

 

曜「二人とも!どうして...」

千歌「練習しようと思って!」

曜「練習?」

千歌「うん!」

洋希「アホだよなぁ、こんな時間に練習なんてよ...」

 

練習...いったいなんの練習をするんだろう...。困惑する私に、千歌ちゃんがさらに叫ぶ。

 

千歌「考えたんだけど!やっぱり曜ちゃん!自分のステップでダンスした方がいい!」

洋希「梨子のダンスにあわせるんじゃなくて、1から作り出すんだ!千歌とお前の...」

千歌「私と曜ちゃんの!2人のダンスを!」

曜「!...」

 

瞬間、私のなかに熱いなにかが湧き上がってきた。そのせいか、再び私の目に涙が浮かんだ。夢じゃないよね...?もしかして、梨子ちゃんの通話の後に、そのまま寝ちゃったんじゃないのでは...。...確かめよう、千歌ちゃんと洋希がほんとにいるかを。

私は部屋に戻り、扉をあけ階段を駆け下りる。曲がり角でコケそうになるのを堪え、玄関へとたどり着く。もし、開けた先に誰もいなかったらどうしようと思った私は、後ろ向きのまま外に出た。横目で確認すると、少し後ろに千歌ちゃんと洋希がいる。そのまま1歩1歩すすみ、近づく。そしてある程度の距離で腕をのばし、千歌ちゃんの体に触れる。練習着が、酷く濡れているのがわかった。

 

曜「汗びっしょり...どうしたの?」

千歌「バス終わってたし、美渡姉たちも忙しいって言うし...」

洋希「だから俺は明日でいいって言ったのに...馬鹿みたいに自転車かっ飛ばすから、無駄に汗かいちまったじゃねぇか」

千歌「だって!一刻も早く曜ちゃんと新しいフォーメーションやりたかったんだもん!!洋希くんだって、「曜が心配だぁ!」って嘆いてたくせに!」

洋希「嘆いてねぇから!」

 

2人は私のことを見捨てたりしてなかった。梨子ちゃんのことだけじゃない。私のことも...。私の勝手な思い込みで、2人に、梨子ちゃんや鞠莉ちゃんに迷惑をかけてしまった。

 

曜「私...馬鹿だ...バカ曜だ...」

千歌「バカ曜?...ってうわぁ!!」

洋希「!?」

 

私は振り向いてすぐに、千歌ちゃんと洋希に飛びついた。予想もしてなかっただろう2人は、思いっきり尻もちをついた。しかし私は抱きしめた2人を離さなかった。

 

千歌「汚れるよぉ?」

曜「いいの!」

洋希「風邪ひくぞ?」

曜「いいの!」

千歌「恥ずかしいよ!」

曜「いいの!」

洋希「俺の下僕になっても?」

曜「いい...いや良くない!!」

千歌「なんで泣いてるの曜ちゃん?」

曜「いいのぉ!!」

千歌「あははっ!」

 

千歌ちゃんの笑い声が静かな夜に響く。2人が確かにここにいる。それだけで、私は喜びに満ち溢れる。

千歌ちゃん、洋希、大好きだよ...。

 

その後、洋希監修のもと、私と千歌ちゃんは新しいフォーメーションを頑張って合わせた。そして、私と千歌ちゃんの2人のダンスが完成し、ライブ当日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《洋希視点》

 

 

洋希「いよいよだな!」

 

ライブ開始まで残り僅か、梨子が送ってくれたシュシュの色をモチーフに作った衣装を身にまとった千歌たちは、それぞれ気合いのはいった顔をしている。曜も、この前までのことが嘘かのように笑顔だ。吹っ切れてくれたみたいで一安心だ。

なんて考えてる俺の横で、花丸がニヤニヤしながら俺の姿をジロジロ見回す。

 

花丸「それにしても、先輩よく似合ってるずら!」

洋希「いちいち触れなくていいから...」

ルビィ「洋希先輩!すごくかっこいいです!!」

洋希「ルビィまで...」

ヨハネ「いいじゃないリトルデーモン。我が眷属にふさわしい格好になってるわ」

洋希「アリガトウゴザイマース」

善子「私だけ反応適当!!」

 

花丸たちがこういってくるのにはわけがある。それは俺が来ている服のせいだ。いつもは浦の星の制服なのたが、今回にかぎり、Aqoursとお揃いの衣装を身につけているのだ。ただしスカートやフリフリした所は、ちゃんとズボンにしたりして、男が着ても違和感がないようにしてある。しかし、俺は着慣れない服で落ち着かない。毎回こんな感じの衣装を着て踊ってる千歌たちを改めてすげぇと思った。

 

曜「いいねいいねぇ!徹夜で作ったかいあったもんだよ!」

洋希「まさかこんなに早く仕上げてくるとは思わなかったぜ...」

 

曜との約束で、俺の分の衣装が出たら着ることになっていた。そんな数日で完成できないだろうと高を括っていた俺はそれを軽く了承してしまった。結果、曜はものの数日で完成させ、衣装を着用せざるを得なくなった。

やっぱすげぇよ...ヨウは...。

 

果南「もうこのまま私たちと一緒に踊っちゃおうよ」

洋希「予備予選敗退しますけど大丈夫ですか?」

鞠莉「NO problemデー...」

ダイヤ「ダメに決まってますわ!!」

 

さらっとOKを出そうとした鞠莉さんをダイヤさんがすぐさま却下する。当たり前だ、俺が乱入して失格なんてなったら退学もんだぞまじで。

ライブ目前なのにわちゃわちゃする中で、千歌は1人、ステージの天井を見つめている。

 

洋希「どうした?緊張してきたか?」

千歌「ううん、梨子ちゃんも今頃、コンクール始まってるかな?」

洋希「ああ、そういや時間的には、始まる頃だろうな」

千歌「できるよね、梨子ちゃんなら」

洋希「ああ、できるさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《梨子視点》

 

梨子「そろそろね...」

 

控え室で待っていた私は、ついにその時を迎えた。千歌ちゃんたちもライブが始まる頃だろう。

 

瑠美「梨子ちゃん!頑張ってね!」

梨子「瑠美ちゃん、ここまで色々ありがとうね」

 

一緒に待ってくれていた瑠美ちゃんにお礼をする。コンクールまでの数日、私のそばでピアノを見てくれた彼女には、今のでは感謝しきれないぐらいだ。これが終わったら、どうにかしてこの借りを返したい。

扉に手をかけ、もう一度瑠美ちゃんの方をみる。

 

梨子「じゃあ...行ってきます!」

 

 

 

 

 

 

《洋希視点》

 

 

千歌「さあ行こう!ラブライブに向けて!私たちの第1歩に向けて!今、全力で輝こう!」

 

みんなの重なった手に力が入る。俺を含めて、9つのシュシュがそれぞれに色を発している。恐らく梨子の手にもついてるだろう。

 

千歌「Aqours!!」

 

 

全員「サンシャイン!!!」

 

掛け声とともに腕を振り上げる。掲げた手のなかに、ピンクのシュシュを付けた梨子の手も見えた気がした。ここにいなくても、梨子はAqoursの一員、一緒に闘ってるんだ。

 

 

 

そしてついに、ライブが始まった。

 

千歌「想いよひとつになれ〜♪」

 

千歌のソロから始まり、続いてあいだに、ピアノを引いているかのようなモーションを混ぜる。

ゆっくりとした入りから、一気にアップテンポへと変化する。千歌と曜のダブルセンターが、いい具合に噛み合う。2人のだけではない。ルビィや鞠莉さんたちも、それぞれ2人組で動いている。今回は8人であるのを逆手に取り、あえてそういったのを多くしたのだ。

そして中盤、いままで何度もぶつけ合い、失敗していた背中合わせ。練習の成果もあり、難なくクリアした。

終盤になり、激しくなる動きでも、千歌たちは笑顔を絶やすことなく踊り続けた。

そんな彼女たちの姿をみている俺に、再び訪れた胸の痛み。感覚的には前より強い。謎の痛みを感じているあいだに、ライブは終わった。そして痛みも消えた。

曲が終わると同時に、千歌たちは右腕をあげ、拳を突き上げた。東京にいる梨子に、「私たちはやった、やり遂げたよ!」という意味をこめたものだ。無論俺も黒いシュシュがついた右腕を虚空へ突き上げる。

 

洋希「梨子、こっちは完璧だぜ」

 

 

 

 

 

 

 

《梨子視点》

 

 

長く続いた演奏が終わり、私は鍵盤から手を離す。席を立ち、すこし前にでて、お客さんへ向けて頭を下げる。すると、観客席の方から拍手が鳴り響いた。いつ以来だろう、自分の演奏でこんな拍手喝采がおこっのは...。

絶えることなく拍手を送ってくれる人達のなかで、1人が立ち上がった。それは内浦からはるばるやって来てくれた私の母だった。手を鳴らしながら、流れそうになる涙を必死にふいていた。私がピアノを引けなくなって1番心配してくれていたお母さん。今、その母へ向けて、最高の演奏を返せた気がした。そして何より...

 

梨子「千歌ちゃん...洋希くん...みんな...私...やったよ...」

 

私は右腕を上げた。上げた理由は定かではないが、遠くからみんなの気持ちが伝わってくる。千歌ちゃんたちが、私のシュシュをつけた腕を掲げているのを。

 

 

 

Aqoursはライブを、梨子はコンクールを、想いが交錯し、複雑になりながらも、互いを信じて、それぞれ目的を果たしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

《曜視点》

 

 

洋希「おわったな」

曜「おわったね」

 

ライブ終了後、私と洋希は控え室近くのフリースペースで一息ついていた。

 

洋希「どうだった曜?今回のライブは?」

曜「うん、すっごく楽しかったよ!」

洋希「そりゃよかった」

 

満面の笑みで答えた私は、ペットボトルのお茶をぐびぐびっと飲みほし、言いたかった言葉を口にする。

 

曜「あのさ洋希...」

洋希「ん?どうした?」

曜「今回さ、色々迷惑かけてごめんね...」

 

私のことで、千歌ちゃんや洋希、梨子ちゃんには多大な迷惑をかけたと思う。

 

洋希「気にすんなって、最終的には最高の演技ができたんだしさ」

曜「でも...」

 

こういう時は絶対にいじり倒してこないのが洋希のいい所だと思う。その優しさが、私の心を少し楽にしてくれる。

 

洋希「あのな曜、人間だれしも色々な感情を抱くんだ。辛いでも悲しいでも悔しいでも、それが更には複雑になって嫉妬だとか、負の感情を持つのはしょうがねぇんだ」

曜「...」

 

嫉妬...

 

洋希「じゃあそうなったらどうするか、答えは簡単だ。相談すればいい。俺でもいいし、鞠莉さんやダイヤさんたちだって、頼れる仲間は沢山いるんだ」

 

頼れる仲間...私はずっと悩んでいた。千歌ちゃんと梨子ちゃん、梨子ちゃんと洋希のことで、それを少しでも早く鞠莉ちゃんや...ううん、鞠莉ちゃんだけじゃない。ダイヤさんや果南ちゃんもいたのに、私は相談しようともしなかった。改めて考えると、バカ曜だなぁ私...。

 

洋希「Aqoursのやつらってさ、なんか自分のなかで思い悩んじまうやつが多いと思うんだ。せっかく俺みたいなマネージャーいるんだし、もう少し頼ってほしいよなぁ〜」

 

洋希はもっている缶を上に投げてキャッチ、を繰り返す。

 

曜「洋希みたいなマネージャーがいるから、みんな自分で解決しようとするんじゃないかなぁ〜」

洋希「どういう意味だよ!」

曜「冗談冗談!頼りになるマネージャーだよ!洋希は!」

洋希「ほんとにそう思ってるのかねぇ...」

 

私の言葉に不信感を抱いている様子の洋希は、立ち上がって歩き出した。持っていた缶をゴミ箱へ投げ、僅か数センチの穴に缶吸い込まれていった。さらっと起こった出来事に、私はおおっ...と声が漏れた。ついで洋希の動向を尋ねた。

 

曜「どこいくの?」

洋希「千歌たちがあとどれぐらいか確認してくる」

曜「そ、そう...」

 

その時、私は思いついた。洋希に想いを伝えるチャンスはここではないかと。千歌ちゃんたちはまだ着替えているだろうからすぐにはこない。ならば、いくしかない!

 

曜「洋希!」

洋希「なんだ?」

 

控え室に向かう洋希を止める。さあ、行くぞ渡辺曜!止まるんじゃねぇぞ!!...

 

曜「私ね...私...洋希ことが...」

 

あともう少し、頑張れ渡辺曜!!あと一言!あと一言!言うだけなんだ!

だんだんと火照ってくる体を我慢しながら。あと2文字を絞り出そうとする。

 

曜「す...す...」

千歌「ひろくん〜!!」

 

千歌ちゃんの声が聞こえて、私は我に返った。控え室の方から千歌ちゃんが駆け足で洋希のほうへ近づいてきた。

絶好のチャンスを、まさか千歌ちゃんに阻まれるなんて...。

 

千歌「どうだった今日のライブは!」

洋希「ああ、文句なしだったぜ!ただ、次もこう上手くいくとは限らないからな?また次からの練習もしっかやるぞ」

千歌「もちろんだよ!あ、お金忘れたから控え室に戻るね!」

洋希「なにしにきたんだよ...」

 

千歌ちゃんが去っていくのを見送った洋希は、私の方に再び振り返った。

 

洋希「それで、曜、俺になんか言いたいことあったんじゃなかったっけ?」

曜「あ...えっと...なんでもない!!」

 

改めて言うのが恥ずかしくなった私は立ち上がり、ええ...と呆れる洋希の横をさっと走り去る。そして洋希のほうに顔むける。

 

曜「洋希!私、これからも頑張るから!応援してよね!!」

洋希「いきなりなんだよ。そんなの当たり前だろ?なんたって俺はお前らのマネージャーであって、お前達の「希望」でもあるんだからな!」

曜「そうだね!!あはは!!」

 

洋希は、私にとっての「希望」。初めて会ったあの時から、私は洋希のことが好きになってたのかもしれない。

今はまだ伝えられないけど...いつか絶対に伝える。私の本当の気持ちを...。

 

 

 

 

1度は友人関係で、苦しんだ曜だったが、頼れる仲間たちのおかげで、自分を取り戻すことができた。愛する人へ想いは伝えられなかったものの、笑顔で控え室へと戻っていったのだった。




鞠莉「曜もまだまだねぇ〜」(影から見てた)
果南「なんの話し?」
鞠莉「果南、相手に想いを伝えるにはどうすればいいと思う?」
果南「想いをか...あ、1ついい方法があるよ」
鞠莉「なになに?」
果南「ホワイトボードに書くとかはどうかなん?」
鞠莉「果南、その方法は二度とつかわないで欲しいわ」


これにてアニメ11話終了。思ったより洋希と曜が絡ませられなかったし、本編そのままが多かった気がするなぁ...。もっとガンバルビィしないと...。


それではまた次回!ヾ(・ω・`)


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