洋希「どうした千歌?」
千歌「あのね、もっとライブを派手にしたいんだよね。だからそのためにはどうすればいいかなぁって」
洋希「例えば、ライブ中にデュエルするとどうよ!」
千歌「それ本気でいってるの?」
洋希「Ladies and gentlemen!とかいっとけば何とかなるっしょ」
千歌「それ煽りにしか聞こえない...」
ユート「ラブライブで...みんなに笑顔を...」
洋希「こんなかんじにネタぶっ込んで...」
千歌「それもはやライブじゃなくて演劇だよそれ!」
桜坂「演劇ときいてやってきました!」
千歌「えっとあなたは...?」
桜坂「私は桜坂しずくといいます。よろしくお願いします」
千歌「よ、よろしくね...」
ユート「笑顔を...」
千歌「この人しつこい!!」
どうも皆さんこんにちは、魔界劇団デッキ作成中のリオートです。ワイルドホープが高騰して手がつけづらくなってしまったのだ...。なぜワイルドホープを再録しなかったコンマいいぃ!!!
まあ遊戯王の話はさておいて、
本編へデュエルスタンバイ!
洋希「ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト、ワンツー」
ここでまたもや背中がごっつんこ。相変わらずここの部分だけがどうにも上手くいかない。練習終わりに、1、2年組でコンビニへやってきた。ルビィたちは中でアイスを頬張っている中、俺たちは外で練習を続けている。
洋希「今のところ、千歌が少し早かったぞ」
千歌「うう...そっかぁ...どうしても梨子ちゃんと練習してた歩幅で動いちゃうんだよね...」
洋希「じゃあそれも踏まえて、もう1回やってみろ」
千歌「うん!」
曜「うん...」
そうしてルビィたちが2人の練習を影から見守る中、曜が千歌に声をかけ、ある提案をした。
曜「千歌ちゃん、もう一度梨子ちゃんと練習してた通りにやってみて」
千歌「えっ、でも...」
曜「いいから、いくよ!」
千歌の了承を得る前に、曜は最初の立ち位置に戻り、遅れて千歌も元の位置に戻った。
曜は一体なにをするきだ?
思考を巡らせる俺の前で、千歌たちが再び踊る。曜が自らリズムをとって先程のようにステップを刻む。曜と千歌が1歩近づき、背中を合わせる。いつもならここでぶつかり合っているのだが、そうはならず、バッチリとした背中合わせを決めてみせた。
善子「おお!天界的合致!!」
千歌「曜ちゃん!!」
曜「これなら大丈夫でしょ?」
千歌「あ、うん...さすが曜ちゃん、すごいね...」
これには千歌も驚かざるを得なかった。なにしろ今の曜の動きは梨子がやっていたものそのものだがら。千歌の動きに合わせ、梨子の動きをそのままやってのけたのだ。さすがは幼馴染、略してさすおなといったところだな...といつもなら思えた。しかし今踊りのできに、俺は素直に喜べなかった。だって今のは...。
プルルル、プルルル
突如着信音が鳴り響く。千歌はそれが自分のだと分かるとすぐにスマホをとるためカバンの方へ向かう。
千歌「もしもし梨子ちゃん!どうしたの?」
かけてきたのは東京へ行った梨子からだった。そういえば東京のスタジオについたら連絡してくれって言っといたな。それを守って電話をかけてきたのか、そしたら今頃あいつも梨子と一緒に...。
千歌「うん!大丈夫だよ!ちゃんと東京についた?」
テンションの高い千歌の声が飛ぶ。まだ別れてから数時間しかたっていないが、千歌も相当寂しがっているだろうし、梨子自身も心細いだろう。
千歌「そっか...スタジオは結構広い感じ?」
千歌が尋ねると、スマホから漏れて梨子の声が聞こえた。
梨子[うん、なんか...1人じゃもったいないぐらいで...あ、でも、今は1人じゃないんだ]
千歌「え?どいうこと?」
梨子[それは後で話すから、他のみんなはいる?]
千歌「あ、いるよ!ちょっと待ってね!」
千歌はスマホを近くにいる花丸に向けた。突然スマホを向けられたので、驚いて体をビクッとさせた。そして恐る恐る声を吐いた。
花丸「えっと...もすもす?」
洋希「ブフォwww」
花丸の予想外の第一声に、おもわず吹き出してしまった。なんだもすもすって...いくらスマホ慣れてなくてもそりゃねぇってww
善子「そんなに面白かった?」
洋希「くくくwwいやww今日1番だわww」
1人で腹筋が崩壊しそうになってるのを尻目に会話は続く。
梨子[もしもし、花丸ちゃん?]
花丸「み、未来ずらぁ!!」
今度はスマホの中から聞こえた声に驚く。花丸の中では...世代がどこで止まっているのやら...。
善子「なに驚いてるのよ、さすがにスマホぐらい知って...」
梨子「あれ?善子ちゃん?」
善子が花丸に物申す前に、梨子が善子の存在に気づいた。すると善子は「くくく...」といいながら立ち上がった。
ヨハネ「このヨハネは堕天で忙しいの」
善子「別のリトルデーモンに変わります!」
通話が苦手なのか、善子はすぐさま後ろにいるルビィを自分の前に突き出した。
梨子[もしもし?]
少しドスの効いた梨子の声にびっくりきたルビィは、いつものピギィという叫びをした後、近くの木に姿を隠した。ルビィ、今のは善子に対してたぞ...。
千歌「もう!なんでみんなそんなに緊張してるの!梨子ちゃんだよ!」
花丸「電話だと緊張するずらぁ〜、東京からだし!」
千歌「...東京関係ある?」
洋希「たくお前ら...エールのひとつぐらい送ってやれよ」
千歌「じゃあひろくん、お手本見せてあげて」
そう言って千歌がスマホをこちらに向ける。いつ撮ったかわからない梨子の写真に声をかける。
洋希「もしもし梨子?そっちはどう...」
瑠美[もしもし〜!聞こえてる〜?]
洋希「...あ、かけ間違えたみたいなんで切りますね」
梨子よりもっと聞きなれた声が聞こえたので、電話を切ろうと試みた。しかしこちらがそうするのに気づいたのか焦った声が飛んできた。
瑠美[ちょっとちょっと!!なんで切ろうとするのさ]
洋希「いやだって知らない人がでたから...」
瑠美[いやいや!!わたしだよわたし!あなたの愛しい瑠美ちゃんですよ!]
洋希「えっと...最近流行りの「わたしわたし詐欺」ですか?うちそういうの受け付けてないんで...」
瑠美[何その詐欺!?てか愛しいに関してはもはやスルー!?]
なんだかいつもよりテンションたけぇなうちの幼馴染。そろそろ梨子と変わってほしいんだけど...。
洋希「とりあえず、梨子と変わってくれねぇかな」
瑠美[え〜いいんじゃん!もっとお話ししようよ〜!]
洋希「梨子に後でかけ直すって言っておいてくれ」
瑠美[わかったわかった!変わるからぁ!!]
ようやく瑠美から梨子に変わったようだ。さて...なにを話そうか...。
梨子[もしもし洋希くん?]
洋希「よう梨子、どうだ調子は?」
梨子[うん、バッチしだよ!今瑠美ちゃんにピアノ見てもらって、少しずつ課題点を直して言ってるところなんだ]
洋希「ほうほう、そちらもそちらで頑張ってらっしゃるのですな」
梨子[なんでそんなおじいちゃんみたいなの...]
仙人みたいに梨子の今の状況に頷く。
梨子[そういえば洋希くん、瑠美ちゃんがいることにあんまり驚いてなかったね]
洋希「あ〜まぁ、東京にいったら鉢合わせるんじゃないかなって思ってたからあんまり...」
梨子[そ、そうなんだ...]
瑠美がいることに対して、たしかに俺はあまり驚かなかった。別に幼馴染がいたことにいちいち大げさな反応をするのがめんどくさいとかではない。ただ、そいつがいることが "必然"だったからだ。
洋希「それより梨子、いまはどうだ?」
梨子[どうって?]
洋希「不安はないか?」
梨子[...ないっていったら嘘になるかな]
先程の弾んだ声に変わり、少し弱々しくなった。
梨子[でも、もうここまで来たら精一杯やるよ。私の最高の演奏をしてくる]
洋希「ああ、俺らも最高のライブをやってやるぜ」
梨子[...頑張ってね]
洋希「梨子も...頑張れよ」
互いにエールをおくり、梨子が決心づいたことに一安心した俺は、千歌のスマホから遠のく。次に千歌はまだ梨子と話していない人物へスマホを向けた。
千歌「曜ちゃん!梨子ちゃんに話しておくこと、ない?」
ルビィが落としたビニール袋を取りながら、曜はスマホを見つめる。少し重苦しい表情で口を開こうとした時、千歌のスマホに、電池切れのサインが現れた。
千歌「ごめん電池切れそう...またって言わないでよ!まただけど...」
千歌はどこで使ってるか分からないが電池の切れの速さが異常だ。もう今週で2、3回はやっているような...。
千歌は「うん!」といって通話を終えた。
千歌「よかったぁ...喜んでるみたいで」
スマホを胸に押し当て、安堵の表情を浮かべる。心配してた分、梨子がちゃんと前を向いてることに一安心したのだろう。
洋希「梨子もやる気だしてる事だし、俺らも頑張らないとな!」
千歌「うん!」
洋希「じゃあさっきのところもう一度やってみるか、なあ曜...」
呼びかけた先の曜を見ると、未だ硬い表情を浮かべたままだった。
洋希「どうした曜?具合でも悪いのか?」
曜「えっ!ああうん、なんでもないよ!それよりもう1回やるんだよね!時間もないからパパっとやっちゃおう!」
洋希「そ、そうだな」
千歌「よぉし!」
切り替えの早さに呆気をとられ、曜の心情を聞くことは出来なかった。ココ最近曜の様子がおかしい気がする...。気のせいならそれでいいのだが、なにか悩んでたりするのだろうか...。
そんな不安をよそに、曜は笑顔で千歌との練習を時間ギリギリまでやり遂げたのだった。
《鞠莉視点》
練習が終わったあと、私たち三人は生徒会室へやってきたの。その理由はもちろん、ダイヤのお手伝いをすること。ん?私の仕事はないのかって?私は計画的にやってるからNo problemよ。まあ仕事があんまりないっての1つだけどね。
机に置かれたファイルの重なり具合をみて果南が口を開く。
果南「こんなに仕事溜めて〜、1人で抱え込んでたんでしょ?」
ダイヤ「違いますわ!これはただ...」
ダイヤはそっぽを向き果南の言うことを否定をする。昔から変わらないなぁダイヤは。
鞠莉「しかたないなぁ、これからは私と果南が手伝ってあげましょぉ...ん?」
しゃべりながら、ファイルの山に置かれた紙を抜き取ると、その中から1枚がひらりと床に落ちた。部活の申請書のようだけど、書かれてる名前は...ちかっちとヒロキと...曜?
ダイヤ「それはスクールアイドル部の申請書ですわ。以前千歌さんが持ってきた」
ダイヤの話を聞きながら、その紙を拾い上げる。そうして私は、思ったことを口に出した。
鞠莉「最初はちかっちとヒロキと曜の三人だったのね」
果南「以外?」
鞠莉「てっきりstartはちかっちとヒロキと梨子だとばかり思ってました」
ダイヤ「まあたしかにそう見えなくもないですわね。今の状況からすると」
窓に沿って歩いてきたダイヤが紙を見つめる。なぜか滲んでしまっている名前をみて、ダイヤは笑みを浮かべる。
果南「あの三人って、いい感じにバランスがとれてるんだよね」
鞠莉「ちかっちがボケて梨子がツッコミ、ヒロキは?」
ダイヤ「その2人をみて、笑ったり、たまに介入して話を紛らわせたりすることでしょうか」
果南「あの三人を見てるとさ、なんか私たちに似てるよね。鞠莉がボケてダイヤが突っ込む、私はそれをみて笑う。似てると思わない?」
鞠莉「どちらかというと、ダイヤもボケの方にも見えなくも...」
ダイヤ「わたくしがいつボケたのですの!」
ダイヤがプンスカ怒るのに、私と果南は笑った。それにつられてかダイヤもふふっと笑みをこぼす。この感じも、ちかっちたちと光景が似てる気がする。
...なるほど。あの子があんな感じなのは、そういうことだったのね。
あることに気がついた鞠莉は、ダイヤの残した仕事をいつもの3倍のスピードでやってのけ、問題の人物のところへ向かうのだった。
瑠美「ひろくん冷たいなぁ...」
梨子「もう少し喜んでくれてもいいのにね」
瑠美「私と話すのがそんなに恥ずかしのかな!?そうだよね!」
梨子「そ、そうね...そうかもね...」
瑠美「でも1つ気になったのは...」
梨子「なに?」
瑠美「梨子ちゃんとは随分話してるなぁって思ったのですよ」
梨子「そ、そうかな?」
瑠美「まさかとは思うけど...付き合ってたりしてないよね?」
梨子「つ、付き合ってないです!!///」
瑠美(これは他の人にも確認とらないと...)
次回もお楽しみに!ヾ(・ω・`)