千歌「ありがとうって言いたいけど私ではないんだよね...しかもまだ2日目あるから...」
洋希「主は見に行けなかったらしいが1日目すごかったらしいぞ」
千歌「杏ちゃんがバク転決めたみたいだね」
洋希「くっ...見たかった...」
千歌「次は行ってきなよ、ライブ」
リオート「はい...」
どうも皆さんこんにちは、リオートです。Aqoursの皆さん、そして3rdライブに行った方々、1日目お疲れ様です。これから2日目が始まると思いますが体調崩さないように楽しんでください!僕はおうちで皆様の喜びの声
を楽しみに待っています。ライブの合間にでも私の小説でも見ていってください。
それでは、本編スタート!!
千歌「なんで…こうなるの!」
日差しが照りつける青空の下で、俺たちは練習…とはいかず、ダイヤさんの申し出で学校のプール掃除を行っている。
ダイヤ「文句言ってないでしっかり磨くのですわ!」
そんなことをいうダイヤさん自身は、プールサイドでブラシを構えるだけで俺たちの様子を見るだけだ。ダイヤさん、あなたも働くべきでは...?
ルビィ「で...でも!足元がヌルヌルして...」
花丸「ずらっ!?」
ルビィ「ピギィィ!?」
プールの真ん中で足をプルプルさせていたルビィと花丸は、花丸氏がバランスを崩したことにより、2人仲良く倒れてしまった。
洋希「これが特訓なんですか?なんかただ仕事を押し付けられてる気も...」
鞠莉「あながち間違ってないわ。ダイヤがプール掃除の手配をわすれていただけよ」
やはりそうであったか。もしかしたら、「滑りやすい床でもしっかり立てる体幹を身につけるためですわ!」とかかと思ったのだが、結局は仕事なんですね...。
ダイヤ「忘れていたのは鞠莉さんでしょぉ!?」
鞠莉「いったよ〜夏休みに入ったら、プール掃除なんとかしろって」
ダイヤ「だからなんとかしてるじゃないですか!」
鞠莉「へぇー、なんとかねぇ」
洋希「ちょっと二人とも...」
このままだと変ないざこざが起きそうなので止めようと試みたが、ダイヤさんは睨み、鞠莉さんは笑みを浮かべ、向かい合ったままだった。
善子「生徒会長と理事長があんなんで大丈夫?」
果南「私もそう思う...」
リン「私も!!(緊急同調)」
ユーゴ「リーーーン!!」
凛「ん?呼んだかにゃ?」
花陽「凛ちゃん!勝手に他校の校舎に入っちゃダメだよ!」
黒咲「瑠璃!?なぜ瑠璃がここに!?逃げたのか!?自力で脱出を!?」
ユート(無言の腹パン)
黒咲「ぐはぁ!...」
ユート「彼女は...瑠璃ではない...」
ユーリ「君たち...邪魔だよ!」
後ろが騒がしいのはさておいて、善子の意見には同意する。ダイヤさんに関しては、以前の威厳はどこえやらと感じだ。まあ逆にそれがなくなったおかげで前よりは丸くなってはいるが、ポンコツさも滲み出てきているのが現状だ。
千歌「まあでも、みんなで約束したもんね!生徒会長の仕事は手伝うって」
珍しく千歌が苦笑いしながら言った。
曜「そうだよ!ちゃんと磨かなきゃ!ヨーソロー!!」
千歌「うんうん...ん!?」
まともなことをいう曜に頷く千歌だったが、曜の姿を見た途端反応が変わった。なぜならみんながジャージ姿の中、曜は1人、船乗りの制服をみにまとっているからである。
曜「デッキブラシといえば甲板磨き...となれば、これです!」
洋希「まさか...このためだけにわざわざ着替えてきたのか...?」
曜「どう!似合ってるでありますか?洋希船長!」
いつ俺が船長になったかわからんが、曜の船員姿はなかなか決まっている。たしかお父さんが船長をしてるとか言ってたな。その娘だから似合うのだろう。
洋希「ああ、似合ってるよ。可愛らしい船員がいて船長は満足だ」
曜「えへへ〜...ってうわぁ!!」
喜んでいるもつかの間、曜は足を滑らせてそのまま尻もちをつく。ああ、せっかくの衣装が。
洋希「大丈夫か?」
曜「大丈夫大丈夫...でも、できれば手を貸していただけると...」
洋希「しょうがないなぁ」
俺は曜に近づき手を伸ばす。その手を借り、曜が立ち上がる。
曜「ありがと...ってうわぁ!!」
洋希「なっ!...」
上手く立ち上がったかと思いきや、またもや曜は足を滑らせてた。手を掴んでいた俺もその力に飲まれ、曜の方に倒れ込む。ギリギリで曜の頭の後ろに手を持っていくことができ、後頭部を強打しないように成功した。もしこれで怪我なんてされたらたまったもんじゃない。
あ、ちなみに下敷きになった手がすごい痛いのは内緒ね。
洋希「ふう...危ない危ない...」
曜「ひ...洋希...///」
洋希「ん?」
目を開けると、顔が赤くなった曜が俺の名前を呼んだ。
随分顔が近いなぁ...と思った瞬間気がついた。曜の澄んだ青色の目、つるりとした肌がわずか数センチ先にある。そして俺は多分周りから見たら曜を押し倒しているように見えているのでは...。
このままではまずいと思い、曜をゆっくり起こしながら、地面に座る。
洋希「えっとその...痛いところはないか?」
曜「だ、大丈夫...洋希が支えてくれたから...///」
洋希「そ、そうか...」
上手く会話が続かず、頬を指でかく。なんでこうも変なシチュエーションになってしまうのだろうか...。
花丸「穢れているずら...」
洋希「はい?」
ゴゴゴ...という効果音が似合いそうな雰囲気で花丸が近づいてくる。
花丸「そうやってすぐには女の子を堕とそうとする下心、まるは見逃さないずら」
洋希「あのぉ花丸さん?一体何を...」
身に覚えのないことをいう花丸に尋ねるが、俺の言葉に聞く耳を持たず、花丸は持っているデッキブラシを空に掲げる。
花丸「ケガレは全部!まるが祓うずらぁぁぁぁ!!」
叫びながら掲げたブラシを俺にめがけて振りかぶる。それにギリギリ反応し、左に避けた。床に叩きつけられたブラシから水しぶきが飛ぶ。
洋希「あぶな!!なにすんだよ花丸!」
花丸「大人しくするずら...今楽にしてやる...」
殺す気まんまんのセリフが花丸の口から放たれる。というか最後語尾が抜けていた気がするのだが...。
花丸「まるがその心を祓ってあげるずら...」
洋希「心が綺麗になるまえに、俺の体がズタボロになりそうなんだけど?」
花丸「そんなのは気にしないずら」
洋希「気にしてぇ!!」
花丸「急急如律令!」
俺の言葉を無視し、どっかの漫画で聞いたことあるよなセリフをいいながら、再度ブラシを振り回す。
洋希「うわぁ!!ほんとに祓うきだよこの人!!」
さすがに危機感を感じた俺は立ち上がり、プールから出ようとする。
果南「よぉし!花丸ちゃんに加勢しようかなん?」
鞠莉「あら!楽しそうね!私も混ぜて!」
ルビィ「ル、ルビィもいきます!」
3年生二人と、花丸の親友が、俺の行く手を阻む。
洋希「これ以上混ざんなくていいからぁ!!」
4対1の追いかけっこが始まった。俺が先に祓われるか、四人の体力が尽きるかの勝負だ。
千歌「なんか大変なことになったね」
曜「そう...だね...///」
千歌「曜ちゃん...さっきのまだ気になってるの?」
曜「だって!///洋希の顔があんな近くに...///」
千歌「あはは...」
結局、俺たちの戦いは、ダイヤさんの一喝で終了。その後7人まとめて説教を受けたのだった。
善子「私なにもしてないわよ!!」
色々あって、結構な時間がかかったものの、なんとかプール掃除が終わった。
ルビィ「綺麗になったね!」
花丸「ピッカピカずら!」
ダイヤ「ほらみなさい!やってやれない事はございませんわ!」
自慢げにいうダイヤさんだが、彼女自身は掃除中の半分以上は、上で見ているだけだった。途中で追求したが、「私は監視が役目ですので!」といわれあしらわれてしまった。人を使うのが上手いこった...。
果南「そうだ!ここでみんなでダンス練習しない?」
いきなりの提案だが、ここなら広さもあるし、着替えの時間も必要ないから最適ともいえる。
鞠莉「oh!funny!!面白そう!」
ダイヤ「滑って怪我しないでよ?」
鞠莉「ちゃんと掃除したんだし平気よ」
鞠莉さんは賛成、その隣のダイヤさんもそのつもりみたいだ。ほかのみんなもうんうんと頷く。
果南「どうかな洋希?」
洋希「ええ、いいと思いますよ!」
果南「よし、じゃあ始めようか!」
それぞれの立ち位置へと移動し、全員がスタートのポーズをとる。前列四人と後列の三人が手を前で交差させ、千歌と梨子がサイドでスっと立つのが最初の形だ。
とにかく一通りやってみよう...と思ったのだが、千歌が横を向くと、なにかに気がついた。
千歌「あれ?」
千歌の視線の先には誰もいない。誰も...あっ...。
洋希「梨子がいないことすっかり忘れてた...」
果南「そっか...梨子ちゃんいないんだもんね...」
ダイヤ「そうなると、今の形は見栄えが宜しくないですわね」
今の形だと、千歌が1人サイドにいることになる。本来なら梨子と千歌で、両サイドにたつのだが、その陣形ができないのだ。
花丸「変えるずら?」
果南「それとも...梨子ちゃんの位置に誰かが代わりに入るか...」
鞠莉「それなら、いい代役がいるじゃない!」
そう言って鞠莉さんは、俺の方へと近づき、目を煌めかせながら俺の手を取った。そしてみんなの視線が一気に俺に向けられた。
洋希「えっ...まさか...」
鞠莉「YES!ヒロキ!一緒に踊りましょう!」
洋希「いやいや鞠莉さん、さすがに冗談が過ぎますよ」
鞠莉「あら?私は結構本気でいったつもりよ?」
この人の奇想天外な発想には重々驚かされる。マネージャーの俺を踊らせるなんて飛び抜けた考え、俺の頭にはこれっぽっちも浮かばなかったぞ。これが理事長の力なのか...多分関係ないと思うけど...。
果南「結構いい案だと思うけどなぁ」
洋希「あのですね果南先輩、俺はラブライブには出場できないんですよ」
果南「なんで?」
洋希「それは...」
別にAqoursと一緒に踊るのが嫌とかではない。単純に出られらない理由が他にあるからだ。それを説明しようとした時、千歌が遮るように言葉を発した。
千歌「ひろくんとライブかぁ...なんか面白そう!」
洋希「お前...話し聞いてたか?俺はラブライブには...」
千歌「わかってるよ!でもさ、いつかやってみたいよね!ひろくんとのライブ!」
千歌の言葉が言い終わるのと同時に、俺の心臓が一瞬ドクンと唸った。この前のライブの時に感じたものと同じきがした。いつもなら皮肉を交えてと受け流す所を、変に間に受けてしまっていた。
洋希「そうだな...その時が来たらな...」
俺が千歌たちとともにステージに立つ日がいつか来るのだろうか?その時の俺は、どんな気持ちでいるのだろうか。
空想を浮かべていると、ルビィが果南先輩の後ろから体を出して尋ねてきた。
ルビィ「洋希先輩、どうしてラブライブに出られないんですか?」
洋希「あのなルビィ、規約に反しちまうんだよ。メンバー登録には俺以外の9人だけしか記載してないから、俺が出るとその時点でアウトってわけ」
花丸「そんな規約があったずらか...」
洋希「そゆこと、だから俺は踊れないんで、別の代役を決めないと」
改めて代役を決めることになり、みんなうーんと考え込む。
ひとつ思ったことがある。もし規約がなかったら俺を参加させるつもりだったのだろうか?今の状況からみて、その可能性は十分にあったと思われる。今のうちに...ダンスの練習でもしておこうかな...。
みんながひとしきり代役を考える中、果南先輩がなにかに気が付き視線をある方向へと向けた。それに続いてルビィやダイヤさんたちもその方向へと目を向けた。みんなが見つめる先にいたのは...。
曜「わ...私!?」
果南「ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト、ワンツー...」
リズムに合わせ、千歌と曜が少しずつ近づくが、息が合わずに互いの背中がぶつかる。
千歌「あれぇ...」
曜「まただ...」
先程の代役決めで、梨子の代わりをすることになったのは曜だ。なので動きを覚えるために、1度場所を変えて屋上で改めて練習を始めた。
ダイヤ「これでもう10回目ですわね...」
果南「曜ちゃんなら合うと思ったんだけどなぁ」
幼馴染で、なおかつ初めから千歌と共にライブをこなしてきた曜なら、千歌との息が合うと果南先輩は思っていたらしいが、どうにも動きが合わないのが現状だ。
曜「私が悪いの、同じところで遅れちゃって...」
千歌「ああ違うよ!私が歩幅、曜ちゃんに合わせられなくて...」
果南「ま、体で覚えるしかないよ」
互いに謝罪しあった二人は、再び元の位置に戻って踊りを始める準備をする。二人をみていると、隣で台に腰掛ける鞠莉さんが、俺の袖を2、3回引っ張る。
洋希「どうかしました?」
鞠莉「ねぇ、なんかあの二人おかしくない?」
洋希「おかしい?動きがですか?」
鞠莉「そうじゃなくて...」
果南先輩の声に合わせ、踊る二人。2人が背中を合わせる所まではほぼ完璧と言ってもいいぐらいの動きをしている。が、肝心のところでやはりまた背中がぶつかり合ってしまう。
千歌「ああごめん...」
曜「ううん、私が早く出すぎて...ごめんね千歌ちゃん。えへへ...」
その時、俺は2人に違和感を感じた。数ヶ月前、千歌と曜と梨子で練習していた時より、なんだか曜の言葉に積極性が感じられない。
「千歌ちゃん、今のはもっとこうした方がいいよ」と前は結構ズカズカ言っていた曜だが、今は自分が悪いとしか言っていない。
洋希「鞠莉さん、さっき言ってたことって...」
鞠莉「あの二人、幼馴染にしてはなんだか気を使いすぎじゃない?」
洋希「ええ...たしかに...」
その後、1度も動きが合うことはなく、練習が終わってしまった。
善子「ずら丸、さっきのはなによ」
花丸「なんのことずら?」
善子「祓うだのなんだのっていってブラシふりまわしてたじゃない」
花丸「...まるそんなことしてたずら?」
ルビィ「もしかして...覚えてないの?」
花丸「まるの中に隠された力があるみたいずら」
ヨハネ「ふふふ、ずらまるも私と同じということかしら?」
花丸「今すぐその堕天使を祓ってもいいずら?」
ヨハネ「あなたごときにこの私が祓えるとでも...」
花丸「急急如律令!!」
善子「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
ルビィ(また本を武器に使ってる...)
次回もお楽しみに!ヾ(・ω・`)