ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

61 / 77
洋希「くらえ!ファイアトルネード!」
善子「甘いわ!ゴットハンド!」
洋希「ぬわ!?止められた!」
梨子「二人ともなにやってるの?」
洋希「イナズマイレブンっていうゲームやってるんだ」
梨子「どんなゲームなの?」
ヨハネ「簡単にいえば、超次元サッカーね」
梨子「超次元...?」
洋希「必殺技のあるサッカーって感じかな。どうだ、梨子もやってみないか?」
梨子「じゃあちょっとだけ...」

〜数分後〜

梨子「いっけぇ!!デスブレイク!!」
善子「フェンスオブ...ぐあああ!!」
梨子「やったぁ!!決めたよ洋希くん!」
洋希「お、おう...」
洋希(めっちゃ楽しそう...)


どうも皆さんこんにちは、てっぺんしか見えないリオートです。イナズマイレブンは無印から見ているので、アレスの天秤は新鮮味があって面白いです。イナズマイレブン見たことないって言うひとは、円堂時代だけでも見てほしいです。ちなみに好きな必殺技は、ワイバーンブリザードです。

それでは、本編キックオフです!


第61話 似たもの同士

こうして1人になるのは何ヶ月ぶりだろうか。

 

電車にゆられる私の頭にふと浮かんだ。見たところ乗客はほかにいない。聞こえるのはガタンゴトンという列車の走る音のみ。昔の私なら今のこの状態を最高と言わざるをえなかっただろう。静かな空間に自分1人。だけど今の私は、それを虚しく感じている。いつも目の前や隣でワイワイ騒ぐ千歌ちゃん達がいないのが、ここまで心細いとはこの電車に乗るまでは気づきもしなかった。

 

「どうしたの梨子ちゃん?」「大丈夫か梨子?」

 

一言、そう囁いてほしい。この不安と寂しさに満たされそうな心を、綺麗に流してほしい。でももうそんなわがままは言ってられない。2人が...みんなが...私を信じて、私のことを想って送り出してくれたんだ。その期待を、裏切るわけにはいかない。

 

梨子「待っててね...みんな...」

 

青く澄んだ海にそう呟いた梨子を乗せた電車は、そのスピードを緩めることなく、目的地へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイワイガヤガャ ハラショー ニコニコニー ダレカタスケテー

 

 

 

 

相変わらずの賑わい。こんな騒がしい場所の近くに、以前まで自分が住んでいたことが信じられない。前回来た時はこんな気持ちにはならなかったのだが、今回はそんな新たな感情が芽生えてきた。それほどまでに私が内浦に順応してしまったのだろう。

東京についてそうそう、私は自分の中での印象の移り変わりに少しばかり驚いた。もう私の中では...あそこが居場所なんだと...思っているんだろう。

ハッとして、私は頭を左右に振る。今はそんなことを考えてる時じゃない。目の前にあることをやらねば。

 

 

 

 

駅を離れ、私が今向かっているのは、予約をしてある音楽スタジオ。コンクールに備え、練習できる場所、宿泊できる場所を考えたら、そこがベストだった。東京にまだ桜内家があればよかったが、とっくのとうにないのは、私でも理解している。

強い日差しを鬱陶しく感じながら進んでいると、ある店の看板に目が止まった。見てみたい、そんな感情がしまいこんでいた心の奥から這い上がってきた。千歌ちゃんたちに見られるのが嫌なので、前回来た時は1、2冊しか買えなかった。しかし今は1人、ならばなにを躊躇う必要がある桜内梨子!

行くしかない!そう決意した私は、その店に吸い込まれるように入っていった。

 

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

 

梨子「やったわ...」

 

買った本が入ったビニール袋を手にぶら下げて、しばし満足感に浸る。お目当てのものが買えたのがこんなにも嬉しく感じるのはいつ以来だろうか。

いったいどんな内容だろう...ちょっとだけ見てみようかな。

そう思い袋から数センチずつ本を取り出していた時だった。

 

 

???「ねぇねぇ!」

梨子「ひゃい!!?」

 

突然声をかけられたので、思わず持っていた袋を話してしまい落下、中に入っていたものがバサバサッと音を立てて地面に広がった。

 

???「だ、大丈夫?」

梨子「だ、大丈夫です!問題はない...」

???「ああ!!大変!いま拾うね!」

 

後ろにいた人は素早い動きで散らばった本に手をかける。その姿に、私はさらに驚いた。目の前にいる女性...女の子を私は知っているのだ。花丸ちゃんのようにすらっとした髪質で、果南ちゃんより少しばかり明るい青色の髪の毛のショートヘアー。曜ちゃんのようなアグレッシブな表情の彼女...洋希くんの幼馴染...高野瑠美ちゃんだ。

なぜ彼女がここに?と考える間もなく、瑠美ちゃんはまとめた本を袋に詰めて。私に突き出してきた。

 

瑠美「ほんとにごめんね!まさかそこまで驚くとは思わなくて...」

梨子「あ、うん...大丈夫だよ...」

 

恐る恐る袋を受け取る。

見られてしまった。私がなにを持っていたかを、そこから導きだすであろう私の趣味。これが赤の他人なら問題はなかった。しかし、彼女とは面識あり、しかも洋希くんの幼馴染であるのだ。メンバーチョイス的には...1番最悪かもしれない...。

私が買った本は...いわゆる恋愛系だ。男子と女子の関係を描いたもの。とはいってもよくある少女漫画みたいのは好きではない。私が好き好んでいるのは、表向きにはでないものの類だ。真面目なものから、過激なものまで、世間一般的なラブコメなんてのは物足りないのだ。さっき入った裏の店のようなところで買うものの方が、面白いと断言できる。

さて、なぜ私がそれをほかの人に見られたくないか。単純に恥ずかしいからである。恋愛に飢えているのでは?と思われたくないからだ。特に...洋希くんなんてもっての外だ。それは彼のことが...

 

瑠美「梨子ちゃんってさ...こういう本すきなんだね...」

 

私の思考を遮るようにして、瑠美ちゃんが口を開いた。ああ、変な人だと思われたんだろうなぁ...。

 

瑠美「私と同じで...」

 

その一言だけ、私は理解するのに時間がかかった。私と...同じ?

 

梨子「そ、それって...」

瑠美「実は...私もたまにそういうのみるんだ...」

 

しかし、まさか初めてこんな趣味が会う人に出会えるとは思わなかった。今まで隠していた趣味を、分かち合える人が、身近にいたとは...。

 

瑠美「たしかに普通の少女漫画も悪くは無いけどさぁ...ちょっと子供っぽいよね。だから私も、梨子ちゃんがもってるような、過激で刺激的な本、買っちゃうんだよねぇ〜」

梨子「そこまで過激なやつは買ってないわよ!」

瑠美「でも何冊があったよね!エッチなやつ」

 

にししと笑う顔が、どこか彼女の幼馴染を想像させた。幼馴染だから似てるのかな?と自分でも訳の分からない考えを作りだした。

 

瑠美「そういえば、梨子ちゃんはこんな所で何してるの?」

 

瑠美ちゃんの切り替えが思ったより早く、いきなり真面目な質問が飛んできた。

 

梨子「あ、えっとね。私、ピアノのコンクールに出るの。そのために東京に戻ってきたんだ」

瑠美「コンクールねぇ...うんうん...。あれ?でもさ...ラブライブもあるよね?それはどうするの?」

 

今のセリフから察するに、洋希くんからライブのことは聞いてるみたいみたいだけど、私のことについてはノータッチみたい。

 

梨子「ライブには...出ないんだ...」

瑠美「えぇ!!大丈夫なのそれ!?」

梨子「大丈夫だとは思うよ...だって千歌ちゃんと洋希くんたちに後押ししてもらって来たから...」

瑠美「どうだろうねぇ...今頃、「あぁそうだった!!梨子がいねぇから8人でやるしかねぇじゃん!どうしよう」なんて嘆いてるかもしれないよ、ひろくんが...」

梨子「...そうなってないことを願うわ...」

 

 

 

一方その頃、練習を始めるために部室を出ようとした洋希は、突如おこったくしゃみに疑問を感じたが、それがなぜおこったかは分からなかった。

 

 

 

梨子「1つ思ったんだけど」

瑠美「なに?」

梨子「瑠美ちゃんはどうしてここに?」

瑠美「あ、それは...」

 

ここにいる理由を尋ねているだけなのに何故か回答に詰っている。なにか私みたいに言えないことでもあるのか。それとも単純に道に迷ったとかでも...

 

瑠美「なんか、こっちから梨子ちゃんの匂いがしたからついね...」

梨子「えっ...」

 

予想の斜め上の解答に、私は体のあちこちを嗅ぐ。でも自分じゃ自分の匂いなんてわからない。

 

瑠美「な〜んて、冗談だよ♪そんなことより!梨子ちゃんはこれからどうするの?」

 

またしても、にししと笑う。この子も誰かさんに似て、人をからかうのが好きなのだろうか。さしずめ、からかい上手の高野さんとでも言うべきか...。というか、完全に答えをはぐらかされた気がするのは、私の思い込みだろうか。

そんなことを考えつつも、私は瑠美ちゃんが最後にいった質問に対して答えた。

 

梨子「私はこれから音楽スタジオにいくの、コンクールの調整をしなきゃいけないから...」

瑠美「音楽スタジオかぁ...ねぇ、私も行っていい?」

梨子「構わないけど...」

瑠美「じゃあ決まりだね!荷物は私も持ってあげるから!」

 

そういって私のキャリーバッグを掴み、歩みだそうとする。

 

梨子「い、いいよそんな!それぐらいは自分で...」

瑠美「大丈夫!私、力だけは無駄にあるから!」

 

 

 

 

瑠美「おお!ここがスタジオですか!...」

 

中に入ってそうそう、瑠美ちゃんは部屋のあちこちを見渡す。部屋の広さは私1人に対しては、有り余るものだ。グランドピアノと椅子が何個か置いてあるだけで、ほかに目立った代物はない。だから瑠美ちゃんがここまで感動しているのにびっくりだ。

 

梨子「そんなに目新しい?」

瑠美「なんか...雰囲気あるなぁと思って」

 

いつの間にか椅子に座り、足をパタパタとさせている。雰囲気というものをどこから感じているのかは、残念ながら私には分からなかった。

 

瑠美「梨子ちゃんさ、さっき調整するっていってたよね?」

梨子「うん、本番も近いしね」

瑠美「なら、私にもピアノ聞かせて欲しいな!」

 

唐突な申し出に、「えっ」と声を漏らした。

 

瑠美「いやぁ、梨子ちゃんのピアノがどれぐらいすごいか聞いてみないなぁって思うんだけど...」

 

そういいながら、座ったままの状態で私にキラキラと輝く目を向けてきた。無論聞かれるのは嫌なわけじゃない。ただ、1人でひたすらこのスタジオで演奏し続けると思っていたので、まさか誰かに聞かせることになるとは思っていなかった。

私は瑠美ちゃんの願いを聞き入れ、ピアノのセッティングを行い、椅子に座って演奏の準備を完了した。

そして、観客1人のコンサートが始まった。

 

数分間の演奏を終え、鍵盤から手を離す。自分的に、悪くは無い演奏が出来たと思った。さて、お客さんはどんな顔をしてくれているだろう...。

お客さん...瑠美ちゃんほうへ顔を向けると、目をつぶり、口を半開きにしたたま顔を少し上に上げている。数秒たって、ようやく瑠美ちゃんが言葉を発した。

 

瑠美「はぁ〜こころが浄化された気分だよぉ〜♪女神が奏でてるみたいだったよぉ〜」

梨子「もう...大げさよ...」

 

といいつつも、自分のピアノを褒めてもらえるのがとても嬉しかった。

 

瑠美「あ、でも修正部分はいくつかあったから、そこは直さないとね」

梨子「えっ?」

 

てっきり、「ありがとう!今日は満足だよ!」といってそそくさと帰るんだと思っていただけあって、瑠美ちゃんの言葉にまたしても理解が遅れた。

 

瑠美「私、これでも昔はピアノやってたんだ」

梨子「そ...そうだったんだ...」

 

ここに来て、なんだか私と瑠美ちゃんって似ているところが多いなぁと思い始めた。恋愛もの大好きで、ピアノ経験がある。その2つだけでも彼女に親近感を感じる。

すると瑠美ちゃんは、サッと立ち上がり、腰に手を当てた。

 

瑠美「よし!今日は私が付きっきりで梨子ちゃんを見てあげようではないか!」

梨子「い、いいよそんな...。瑠美ちゃんだって、おうちに帰らなきゃ...」

 

時間はまだ昼過ぎだが、今から何度も演奏したらそれこそ時間は過ぎてしまう。たしかにピアノ経験のある人に、なんども聞いてもらい、修正してもらえばそれはとてもいいことだが、自分のこと対して、他人に時間を割いてもらうのはあまり好まない。だから彼女の好意は嬉しいが今日は帰ってもらうしか...。

 

瑠美「大丈夫、今日は遅くなるって連絡してあるから」

 

私の考えを見透かされた、というよりこういう状況になることをあらかじめ知っていたかのような準備の良さに、すこしばかり怪しさを感じた。

 

瑠美「さぁ!!コンクール優勝目指して頑張るぞー!」

梨子「お、おおー...」

 

大きく拳を突き上げる瑠美ちゃんに続いて、私もその半分ぐらいまで腕を上げた。なんかこの強引さも、私のよく知る人物にそっくりだ。

瑠美ちゃんが付きっきりで聞いてくれる中、私はなんども演奏を繰り返す。引いてる途中で何度か手を止めたりして、瑠美ちゃんが指摘した場所を直していく。

そうして数時間たち、最後まで引ききり、瑠美ちゃんの感想を聞く。

 

瑠美「うんうん、凄くよくなったよ!」

梨子「ほんと?」

瑠美「うん!このままいけば最高の演奏ができるよ!」

 

先程までは、ああだこうだと指摘の嵐が続いていたので、やっと高評価が貰えて一安心した。この状態なら、コンクールは問題ない。そう確信づいた時、私は千歌ちゃんや洋希くんのことが頭に浮かんだ。千歌たちは、ラブライブだ...。

 

梨子「あ、そうだった。千歌ちゃんたちに東京に着いたこと教えないと!」

 

東京についたら連絡してね!と言われいたのをすっかり忘れてしまっていたので、すぐさまスマホをバッグから取り出して、かけるべき相手に電話を鳴らす。

はたして8人になったAqoursが今どうしているだろうか。瑠美ちゃんが言った通り、私が抜けてあたふたしているか、それとも持ち前の対応力で、何とかしているか。8人でも問題なくやっていたら安心するが、それはそれで、おいてかれているような気分になる。

そんな混じり合う感情を抱いている時に、スマホの向こうから聞きなれた声が聞こえた。

 




瑠美「梨子ちゃん、Aqoursにいる時のひろくんって、どんな感じ?」
梨子「うーんと...マネージャーの仕事をしっかりやってて、厳しい時は厳しいけど、優しいときは優しくて、凄く頼りになるよ」
瑠美「ひろくんも成長してるなぁ...」
梨子「あと、女たらしがひどいかな」
瑠美「ああ、やっぱりか...」
梨子「やっぱりって?」
瑠美「こっちにいるときも、たらしの鱗片があったからさ...」
梨子「そ、そうなんだ...」
瑠美「平気で女の子に可愛いっていうし、ちょっと髪切ったりするのもすぐ気づくし、それでいて優しいし。でも仲良くなるとからかってくる習性があるんだけど...」
梨子「それを含めて?」
瑠美「好きです」
梨子「わたしもよ」
瑠美「渡さないからね?」ゴゴゴ...
梨子「望むところよ...」ゴゴゴ...


今回はなんと瑠美ちゃんと梨子ちゃんの二人のみの登場となりました。完全オリジナルなので文脈とかがガバガバなのはご了承ください。ただ、出番の少なくなる瑠美ちゃんを少しでも出してあげたいという主と勝手な思いで登場させました。というか後付設定しすぎた感はあります(ピアノやってただとか)。あとこの世界の梨子ちゃんは百合じゃなくて、純粋?(女×男)な恋愛好きです。元の梨子ちゃん(女×女)が好きな人には申し訳ないですが、こちらの梨子ちゃんはこの設定でいかせていただきます。
次は洋希たちに視点を戻してストーリーが進みますのでご安心を。

それでは皆さん

次回もお楽しみに!ヾ(・ω・`)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。