ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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花丸「だれずら!マルののっぽパンを食べたのは!」
善子「なによ...私じゃないわよ?」
花丸「嘘ずら...善子ちゃんがたべたずら...」
善子「だから私じゃ...」
洋希「待った!!」
花丸「ずら!?」
洋希「花丸、証拠もなしに疑うのはよくないぜ」
花丸「じゃあ洋希先輩は、犯人がわるずら?」
洋希「簡単さ、その時のアリバイやなんかを探りだせば、おのずと答えは見えてくる。第一スクールアイドル部の部室なんて俺たち以外に入るやつなんてそうそういないからな」
花丸「な、なるほど...」
洋希「じゃあ早速聞き込み開始だ花ま...」
善子「異議あり」
洋希「なんだ善子!邪魔をするんじゃない!」
善子「あんた...その口の周りのパンカスみたいのはなによ」
洋希「こ、これは...その...」
ずら太郎「間抜けは...みつかったみてーだな...ズラープラチナ!!ズラズラズラズラズラズラズラァ!!」
洋希「ぐはぁ!!」




どうも皆さんこんにちは、弁護士のリオートです。今更ながら大逆転裁判をやりはじめました。兄貴が1と2を買ってきてくれたので、クリアした1を貸してもらいました。感想は後日言おうかなと思います。

それでは本編、開廷いたします!


第58話 船乗りカレーはパパの味

《洋希視点》

 

合宿二日目、Aqoursのみんなと朝飯を食い終えた後、朝練をする前に千歌を呼び出した。理由はもちろん、昨日のことだ。

 

千歌「話って?」

洋希「実は...梨子のことなんだけど...」

千歌「それって、ピアノコンクールの話だよね?」

 

俺が話を切り出すと、千歌は俺の続きの言葉を自分で繋いだ。

 

洋希「知ってたのか...」

千歌「昨日志満姉から聞いたんだ」

洋希「そうだったのか...なら話が早い」

 

最初から話す必要がないと判断した俺は、考えていた前略部分をカットし、話を続けた。

 

洋希「千歌は、ピアノコンクールとラブライブの日が被ってるのは知ってるか?」

千歌「うん、私も昨日調べた。梨子ちゃんが悩んでたの理由がこれなんだってすぐわかった」

 

いつもとは違うトーンの低い真面目な声に違和感を覚えつつも、千歌も俺と同じことをしていたことに少しばかり感心した。

 

洋希「それで昨日の夜、梨子と話したんだ」

千歌「同じ部屋だもんね」

洋希「...まあそれは置いておくとしてだな、梨子はこう言ってた、「コンクールには出ない、ラブライブに出る」って」

 

梨子がラブライブに出ると分かれば千歌も安心するだろうと思った。しかし千歌は喜びの感情を見せるよりも、視線を遠くに向け、「そっか...」と呟いた。予想とは裏腹の反応に、俺はん?となりながら尋ねた。

 

洋希「嬉しくないのか?」

梨子「そりゃあラブライブに一緒に出てくれるのは嬉しいよ!でも...ほんとにそれでいいのかなって...」

 

自分の椅子に座る千歌は膝の上で手をぐっと握りしめた。どうやら、千歌の考えてることは、俺と変わらないようだ。

 

洋希「やっぱりそう思うよな」

千歌「うん、だって梨子ちゃんのピアノ、ほんとにすごいもん。だからコンクールにも出てほしい」

洋希「でもそしたら、ラブライブには出られないぜ」

千歌「そうなんだよね...ああもうどうすればいいんだろう!!」

 

梨子がラブライブに出ればピアノコンクールには出場できない、かと言ってピアノコンクールに出ればラブライブには参加できない。梨子はラブライブに出ると言ったが、やはり俺自身、受け入れ難い部分もある。だかここまで手詰まりだとどう手を出せばいいか分からない。

 

洋希「とりあえず、今はこれぐらいにしておこう。また後で話し合おう」

千歌「うん、そうだね。なんとか解決作を見つけないとね!」

洋希「ま、お前には期待しないけどね」

千歌「言ったな!見てなよ!ひろくんより絶対いい方法考えてやるんだから!!」

 

 

 

 

 

 

 

話し合い、並びに朝練を終えたAqoursは昨日同様に海の家の手伝いを始めた。千歌たちの必死の...またはシュールな宣伝、それに果南先輩のグラマラス効果によって、ダイヤさんの望んだドバドバよりは少し足りないがお客さんが入ってきた。なので昨日は少々暇だったウエイトレス役に仕事が舞い込んできた。

 

洋希「はい、ヨキソバ2つですね、少々お待ちくださ...」

 

注文を取り終えようとした時、受付近くからガシャーンとガラスの割れる音が響いた。振り向くとルビィと花丸が運ぼうとしていたシャイ煮やヨキソバを盛大にばらまいてしまっている。

 

洋希「大丈夫か二人とも?」

ルビィ「だ...大丈夫です...」

花丸「頭が冷たいずら...」

 

頭にシャイ煮をのせるルビィとお冷をのせた花丸の手を取り体を起こす。

 

洋希「頑張ってるのは分かるけど...無理はすんなよ?」

ルビィ「わかりました...ごめんなさい...」

花丸「ごめんなさいずら...」

 

失敗したことに随分落ち込んでしまったようだ。なので俺はまず、2人の頭にのった食べ物たちを払い、その後で手をポンと置いた。水を被って冷たくなった花丸の頭と、シャイ煮で少しベタついたルビィの頭を、優しく撫でた。

 

洋希「こっちは俺がなんとかするから、二人は注文取ってきてくれるか?」

ルビィ「はい!ルビィ、がんばルビィします!」

花丸「マルも誠心誠意働くずら!」

 

どうにか元気になった2人は早速俺から受け取った注文表をもってお客さんの元へ向かっていった。うん、あの二人はシャキッとしてるほうが似合ってるぜ。ていう可愛い。おっと、今のを口にだしたら危うく近くの曜さんに聞かれちまうところだったぜ。

そんなことを考えていると、後ろから「あの...」と声をかけられた。その主はお客さんだった。

 

洋希「はい!なんでしょう!」

女性客「結構前に頼んだヨキソバが、まだ来てないんですけど...」

洋希「...すぐにお持ち致します!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

長きに渡る激闘を終え、やっと休憩の時間を設けることができた。ルビィたちのサポートにまわってなかなか疲れてしまった。特に堕天使の涙を数十個食べてるお客さんを見たら、こっちまで辛さが伝わってきた気がした。

鞠莉さんに借りたデッキベッドに寝そべっていると、宣伝担当の3人が揃ってどこかへ行こうとしていた。

 

洋希「おーい、3人ともどこにいくんだー?」

千歌「あ、ひろくん!今ね、梨子ちゃんの家でダンスの相談するんだ!」

洋希「へぇー俺もいっていいかな?」

果南「いいよ、洋希の意見も聞いときたいしね」

 

千歌の言った通りに、梨子の家にやってきた。玄関に入ると梨子のお母さんが掃除の真っ最中だったが、俺たちに気づくと掃除機を止めて、俺たちを出迎えてくれた。

 

梨子母「みんないらっしゃい!」

千歌「こんにちは!」

梨子母「あら千歌ちゃん、いつも梨子と仲良くしてくれてありがとね!」

千歌「どういたしまして!えへへ!」

 

千歌に話しかけ、今度は真ん中に立つ果南先輩に目を向けた。

 

梨子母「えっとあなたは...」

果南「あ、3年の松浦果南です」

梨子母「果南ちゃんね、よろしくね」

果南「よろしくお願いします!」

 

互いに頭を軽く下げた後、最後に俺のほうを顔が動いた。

 

梨子母「洋希くんは...よくうちに来るからなんて言えばいいかしらね」

洋希「たしかに...そうですね...」

果南「そんなに来てるの?」

洋希「作曲の手伝いしてるもんで...」

果南「あー、大変だね」

洋希「なんでそんな他人事なんすか...」

 

全く労りの気持ちがこもっていない果南先輩の言葉にガックリと肩を落とす中、梨子のお母さんは少しニヤニヤし始めた。

 

梨子母「それにしても二人きりになる時の梨子はすごいわよ!「洋希くんが来る時は部屋に入らないでね!」って言ってくるのよ!」

梨子「ちょと!お母さん!」

洋希「そんなこといってるんですか?」

梨子母「ええ、邪魔されたくないんでしょうね。洋希くんとの2人きりの時間を...」

梨子「わぁぁぁぁ!!///もう上行こ!!///時間無くなっちゃう!!///」

 

顔が日焼けのせいか赤くなった梨子は、俺たちの背中をグイグイ押して2階の部屋へと案内した。

梨子...そんなに作曲作りに対する熱意があったのか!どっかのみかん頭とは大違いだ!お父さん嬉しいよ...。

 

ダンスの相談、の前に千歌が話したいことがあるということなので先にそっちから始める。千歌が取り出したのは1冊のノート、千歌の作詞ノートである。

 

洋希「お、ついに完成したのか?」

千歌「出だしだけしかかけてないんだけど...テーマだけは決まったんだ」

洋希「へぇ、ちなみにどんなテーマだ?」

千歌「テーマはね...「大切なもの」...」

梨子「大切な...もの?」

千歌「そうだよ、はいこれ」

 

ピンクノートを作曲担当の梨子に手渡した。受けるとやいなやすぐさま中身を確認した。お目当てのページを見つけると、目を走らせた。

 

梨子「大切なもの...」

 

テーマを小さく呟き復唱した梨子は、そのまま顔を上げて机に目を落とした。その視線の先を、梨子のベッドにすわる俺と千歌はおった。そこには何枚か重ねられた譜面の紙があった。タイトルもしっかり記入されていた。「海に還るもの」と。

 

千歌「ねぇひろくん、あの曲って...」

洋希「ああ、恐らくだな...」

 

梨子の事情を知る俺達にはわかる。あの何層にもなった譜面がもたらす意味を。あれがなにに使われるのかも、分からないわけがなかった。やっぱり...梨子の中にはまだ...。

 

果南「洋希、千歌、話聞いてる?」

 

完全に譜面に気を取られてた俺たちは、果南の声に反応は出来たが、なにを話し始めたかは、記憶にはインストールしなかったようだ。

 

洋希「えっ!ああうん!聞いてましたよ!なあ千歌!」

千歌「ええ!!あ、当たり前じゃんひろくん!みかんが美味しい季節だなって...」

果南「そんな話を1ミリもしてないんだけど」

洋希、千歌「ごめんなさい聞いてませんでした」

 

座りながら千歌と共に頭を下げた。

 

洋希「てかもっとマシなのなかったのかよ、なんだみかんの美味しい季節って」

千歌「だって夏のみかんて最っ高に美味しいじゃん!」

洋希「それは否定しないが...あ、ちなみにお前には難しい知識的なことを言うと、みかんの旬は早くても10月だってらしいぞ」

千歌「へぇ...って!私には難しいって言葉いらないよね!変に付けくわけなくていいから!」

洋希「アホのお前には、のほうがよかったか?」

千歌「短ければいいってことじゃないの!」

果南「はいはい、2人でイチャイチャしないの、梨子ちゃんも困ってるみたいだし。ね、梨子ちゃん?」

 

ぼーっとしている梨子に果南先輩が話をふるが、数秒遅れて反応した。

 

梨子「えっ!?はい!アワビって美味しいですよね!」

果南「うん、ダメだこりゃ。誰一人まともに耳が活動してる人がいないや」

 

話が色々脱線しながらも、なんとかダンスの相談を終えることができた。果南先輩曰く、「鞠莉やダイヤより洋希たちの扱いが難しい」と注意気味に言われてしまった。やっぱ...まとめ役って大切なんやな...。

 

 

 

 

 

 

《曜視点》

 

 

お昼の海の家の手伝いを終えて、本日の仕事は終了。ヨキソバは昨日に続いて沢山注文が来たから曜ちゃん大感激です!そんなことを考えてる中、憤怒の表情を浮かべるダイヤさんの前に、善子ちゃんと鞠莉ちゃんが正座させられている姿を目の当たりにしてしまった。

 

ダイヤ「今日も売上、伸びませんでしたわね」

鞠莉、善子「も、もうしわけないです(デース)...」

ダイヤ「どうするのですの!明日で挽回できますの!?」

 

昨日に引き続いたのは私のヨキソバだけじゃなく2人のメニュー、シャイ煮と堕天使の涙の売れなさも入ってたみたい。売れない理由は、シャイ煮は単純に高い、堕天使の涙はタバスコを大量に含んだ口の中絶対殺すマンだからだ。普通の料理作ればいいのに...

 

ダイヤ「曜さん!なにかいい案はありませんの!?」

曜「私!?そ、そうだなぁ...あ!」

 

そこで私はあることを閃いた。単体で売れないのなら、混ぜてしまえばいいのではと。

早速行動に移すべく、私はキッチンをあさりお目当てのものを探した。冷蔵庫の奥の方に、目的の物を探し当てた。取り出したのは...カレールーだ。

 

曜「では、調理開始しますか!」

 

数十分のクッキングをコンプリートして、出来上がった物を、白いご飯の乗った皿に盛り付けていく。

 

???「白いご飯...ジュルリ...」

???「かよちん!凛たちの出番はまだ先にゃ!」

 

聞き覚えのない声が聞こえたが、関係ないかと無視しつつ、Aqours全員分を用意した。

 

曜「出来ました!船乗りカレーwithシャイ煮と...」

ヨハネ「愉快な堕天使の涙たち...」

梨子「そこ...善子ちゃんが言うんだね...」

 

ダンスの会議をしていた千歌ちゃんたちも帰ってきていた。

 

曜「じゃあまず梨子ちゃんから召し上がれ!」

梨子「私!?」

ルビィ「大丈夫です梨子さん、お水の準備は万端です!」

 

ルビィちゃんは親指を立てて、梨子ちゃんへと向ける。それに対し梨子ちゃんは、そういうことじゃないみたいな顔をする。

 

梨子「わ、わかったは...い、いただきます...」

 

そうして皿を持ち上げ、スプーンでカレーを恐る恐る口に運んだ。果たして...どんな反応をするのか...。

 

梨子「お...美味しい...すごいよ曜ちゃん!」

 

梨子ちゃんは満足そうな表情をこちらに向けてくれた。よかったぁ...変な味になってなくて...

すると先ほどまで壁に手をついてガックリしていた鞠莉ちゃんが、梨子ちゃんの言葉に反応して、すぐさま机に向かってきてカレーを1口食べた。

 

鞠莉「ん〜!delicious!!」

 

シャイ煮の生みの親も、満悦の表情を隠せないでいた。まさかここまで高評価とは、驚いたなぁ。

 

曜「パパの船乗りカレーは、何にでもあうんだ!」

花丸「おかわりずら!」

善子「はや!」

ダイヤ「ふっふっふ...これなら明日は完売ですわ...」

ルビィ「お、お姉ちゃん...?」

 

最近になってよく見かけるダイヤさんの悪い顔、あれがダイヤさんの本来の姿なのだとしたら、学校でのダイヤさんは別人といっても過言ではないと思う。洋希なら躊躇いなく共感してくれるだろう。

みんなが様々な反応を示す中、洋希と千歌ちゃんは、机から少し離れたところで、少し暗い表情を浮かべていた。元気がなさそうなので、ちょっかい出してこようかな!

 

曜「お二人さん!そんな浮かない表情してどしたの!」

 

私の声でやっと意識を戻した2人は、焦り気味に返答してきた。

 

千歌「えっ!...ああうん、なんでもないよ」

洋希「ちょっと考え事してただけなんだ...それだけ...」

 

なにもない、といいながら2人は同時に同じ方向を見つめだした。その視線の先にいたのは...梨子ちゃんだった。

 

曜「えっ...」

 

それがわかった瞬間、自分の中に黒いモヤが出来ていくのに気がついた。胸の奥から、言葉にならない感情が浮かび上がってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫉妬という感情を知ったのは、それが初めてだった。

 

 

 

 




ダイヤ「曜さんは料理がお上手ですのね」
曜「料理できると色々便利だよ!」
鞠莉「そうね、なんたってヒロキからお褒めの言葉も貰えるもんね!」
曜「それは...まあそうだけど...///」
ヨハネ「料理ができると、洋希が嫁に向かい入れてくれるそうよ...」
ダイヤ「ほんとですの!?」
梨子「いいことを聞いたわ...」
花丸「まる、いまから料理の本をありったけ買ってくるずら」
ルビィ「曜さん!ルビィにも料理教えてください!」
果南「せっかくだから私も教えてもらおうかなん?」
曜「よし、じゃあ曜ちゃんのお料理教室、スタート!!」
花、善、ル、果、鞠、果、ダ、梨「おお!!」




千歌「ねぇひろくん、さっきのって本気でいったの?」
洋希「んなわけないだろ、いつもの捏造だ」
千歌「だよねぇ...」


今回は5000字と少ないです。前回8000かけた!とか調子に乗ったらこれですよ。忙しいのもあるんですが、それを言い訳にして、日曜12時投稿を破ったらもうそっから破ってもよくね?と自分に甘くなってしまうので、短くても、内容が多少薄くても、とにかく時間に上げるようにしてます。文字数少ない時は、ああ忙しかったんだろうなと考えていただければと思います。
なので日曜日はせっかくの休みですが、12時になったらチラッとでもいいので私の小説の最新話が上がってるのを確認していただければなぁと思います。なにもいわずに途中で投げ出すのはしたりは絶対しません。ほんとに忙しくなったら活動報告に記載するので安心してください。なにがなんでも始まったこの物語は完結させます。
自分の小説に対してご感想いただければ、返答はします!(面白い返答ができるかは別として)
長くなりましたが、これからもよろしくお願いします!

次回もお楽しみにヾ(・ω・`)

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