ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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鞠莉「ついにぷちぐるが配信したわね!」
洋希「俺はもちろんリリース初日から始めましたよ!」
鞠莉「さすがね洋希!」
洋希「まあ当然ですよ!!」
鞠莉「それで、洋希は誰をメインで使ってるの?」
洋希「最初はことりさんを使ってましたけど、いまはイベントのために千歌を使ってます」
鞠莉「ということは、千歌っちをぷにぷにしてるってことね?」
洋希「まあ...そうですけど」
鞠莉「そこから派生して、現実の千歌っちをぷにぷにしちゃだめよ?」
洋希「しませんから!!」
鞠莉(いつかやりそう...)



どうも皆さんこんにちはー!リオートです!
ぷちぐるやっていますが、前にやっていたツムツムと仕様が違うのでまだなれないです。もっとスコア伸ばしたいなぁ...と思って課金してスノハレほのかちゃん交換しました。はい、普通に強かったです。
それでは、本編どうぞ!
ちなみにIDは518786831なのでよかったらフォローしてください。


第56話 救え!海の家

千歌「やっほー!」

曜「まーぶしー!!」

 

喜びに満ち溢れた声をだしながら、千歌と曜が海へと駆け出していく。そして千歌、曜ともに上に来ていたシャツを脱ぎ捨て、太陽で煌めく青い海に勢いよく飛び込んでいった。しばし沈んで浮かんできた千歌に、鞠莉さんがビーチボールをぶつけた。顔面に当てられた千歌はそのまま後ろに倒れ、バシャーンと音を立てて再度沈んだ。大丈夫かと思ったが、千歌はすぐに起き上がり、犯人の鞠莉さんを睨む。

視点をかえて、今度は沖のほうで波乗りする果南先輩。さすがダイビングショップの娘!と思ったが、ダイビングとサーフィンって関係あるのかな?と考えた。まあそのへんは今度本人に聞いておこう。

さらに目をやったのは浮き輪でぷかぷか浮かぶルビィ。とても気持ち良さそうだ。しかしそのルビィを狙う、獰猛なるヒレが...ではなく、付近でにししと笑う曜が海に姿を消した。ああ、やる気だな曜と思ったまさにその時、優雅な海を楽しむルビィが突然暴れだし、海に落ちた。そして潜っていた曜とともに出てきた。二人とも笑顔だった。

 

千歌「おーい!梨子ちゃーん!ひろくーん!!」

 

東京組2人に千歌が手を振りながら呼びかけてきた。一緒に泳ごう!と言うのだろうと判断して、すぐ行く!と返した。無論海が嫌いなわけじゃない、むしろ今すぐにでも泳ぎたいぐらいだ。じゃあなぜ泳がないのか?それはですね...。

 

洋希「結局、練習の時間取れませんでしたね、ダイヤさん?」

ダイヤ「ま、まあしかなたいですわ...みなさん遅れてしまったのですからね...」

 

痛いところをつかれたであろうダイヤさんは俺から視線を逸らした。

 

花丸「まると洋希先輩はちゃんといたずら」

ダイヤ「い、いいじゃありませんの花丸さん。洋希さんと一緒に寝れたのですから...」

花丸「それとこれとは話が別ずら」

 

いつにも増して厳しい花丸に、ダイヤさんは言い返す言葉がないのか、花丸にさえも顔を逸らした。

 

ダイヤ「お、お二人には申し訳ないとして...本題の海の家というのは...」

洋希「あれですけど?」

 

俺はダイヤさんの求める「海の家」を指さした。すぐ目の前にあるのだが、ダイヤさんは辺りをキョロキョロしながら肝心のお店はどこですの!?と言い始めた。ダイヤさんがこの行動をとるのにはきちんとわけがある。

俺たちが手伝う海の家、それがあまりにも、良くいえば年季が入っている、悪くいえば古臭いからである。少なくとも、お客さんが好き好んで入ってくれるようなしろものでない。だからダイヤさんは、見えるはずのものが見えないのだろう。

 

花丸「現実をみるずら」

 

この場に1番ふさわしい言葉を花丸がぶつけた。まあダイヤさんが現実逃避したくなるのも無理はない。

共感を持つ理由は、隣の海の家にある。こちらと違い、オープンな作りになっていて、それでいて飾り付けも華やか、出てくるメニューも夏にぴったりのものがたくさん。そのせいかお客さんもたんまり。こちらとでは天と地の差がすでに開いている。

 

ダイヤ「ダメですわ...」

 

いまからあのお客さんをこっちにもってくるとなると、それなりのメニューもなくちゃいけないし、あとは宣伝もしなきゃいけないしで、勝ち目がありそうにないと、半ば諦めかけた。しかし、そんなことは微塵も思っていない人物が1人いた。

 

鞠莉「都会の軍門に下るのデース」

 

聞きなれない言葉を発した鞠莉さんにみんなの視線が集まる。ちなみに軍門に下るっていのは、試合に負けるや、降参する、という意味合いをもつそうです。

 

鞠莉「私たちはラブライブ決勝を目指しているんでしょう?あんなチャラチャラした店に負けるわけにはいかないわ!!」

 

拳をかかげ、気合いの入った声で、堂々宣言した鞠莉さん。

この中で1番チャラチャラしてそうなあなたがそれ言うか?と言うツッコミをしたくなったが、腹の中にしまいこんでおく。

 

ダイヤ「鞠莉さん...あなたの言う通りですわ!!」

 

鞠莉さんの気合いに感化されたのか、ダイヤさんの声にも熱がこもっていた。その様子に千歌たちは、ああ...となにか察したような声を漏らした。

そしてその予想通り、ダイヤさんによる海の家繁盛計画がスタートした。

それぞれ分担をするということで、まずは千歌と梨子。

2人は4つの側面に大きく海の家と書かれた四角い箱を身につけた。

 

千、梨「なに...?」

ダイヤ「それでお客を呼び込むのですわ、聞けば去年も売上で隣に負けたそうでわありませんか、今年は私たちが救世主となるのですわ!!」

 

いつの間にか海の家の屋根に登ったダイヤさんは、聞こえが悪いが見下すように千歌たちに言い放った。救世主ってなんだよといいたくなったが、普段俺も希望だのなんだのいってるから同じだな、と認めたくはないが喉まででかかった言葉を抑えた。

 

善子「どうしてあんなに熱くなってるの...?」

ルビィ「ちょっと昔いろいろあって...」

洋希「なにがあったのさ...」

ルビィ「それは...企業秘密ということで...」

 

ダイヤさんの過去に一体何があってああなったのか、全く持って検討がつかない。まあ大した理由じゃないんだろうな多分...。

そんな過去に何かがあったダイヤさんが、果南さん!といって屋根から飛び降り、果南先輩の前までやってきた。まて、結構高さあったのになぜそんな楽に着地したし。

 

ダイヤ「さあ!果南さんはこのチラシを!」

 

そういって千歌たちの箱と同じ絵柄の紙を果南先輩に手渡した。

 

ダイヤ「商売もスクールアイドルも大切なのは宣伝!」

果南「はぁ...」

ダイヤ「あなたのそのグラァマラスな水着すがたでお客を引き寄せるのですわ!そのへんの男どもなら余裕で食いついてきますわ!そう思いますわよね洋希さん!」

洋希「へっ?」

 

突如として振られた質問に、どう答えればいいか分からず、対象である果南先輩をまじまじと見るようになってしまった。たしかに果南先輩みたいな人が宣伝してれば、同年代の高校生だけじゃなく、おっさんでもよってくるだろう。てか果南先輩に限らず、Aqoursが宣伝してれば客くるんじゃない?みんな可愛いし。

 

果南「ちょ...ちょっと洋希...なんかいってよ...///」

 

なにやら恥ずかしそうに果南先輩が、言葉を求めてきた。とりあえず...花丸のときみたいにはしないようにと...。

 

洋希「えっと...ダイヤさんの言う通りスタイルもいいし、水着姿もよく似合ってますし、なにより可愛いし、果南先輩が宣伝してくれれば、お客さんはいっぱい入ってくれると思いますよ?」

果南「そ、そんなに言わなくていいよ!もう!」

 

チラシをぎゅと握りしめて、顔をぷいっと背けてしまった。ああやべぇ、また言う言葉ミスったのかなぁ...。

 

果南「可愛い...えへへ...///」

ダイヤ「果南さん...あなたのそんな顔、初めて見た気がしますわ」

 

果南先輩がなにか呟いたのには気がついたが、中身までは聞こえなかった。今度は曜に言いつけてやろうとか言ってないよねまさか...。てかどんな顔してるんだよ。

 

善子「ああいうのをさらっと言うのはよくないわよね...ほんとたらしだわ」

ルビィ「ルビィももっとグラマラスな体にしないと...」

 

なんか後ろからもブツブツと文句を言われてる気がするが、そんなに悪いこといったかなぁ。

 

 

 

ダイヤ「そして鞠莉さん、曜さん、善子さん」

善子「ヨハネ!」

ダイヤ「あなたたちには調理を担当してもらいますわ」

 

所変わって海の家の中。料理を出す店としてはかかせない役職に、曜たちが抜擢された。彼女たちが料理をできるか定かではないが、オムライスしかまともに作れない俺よりはマシだろう。

 

ダイヤ「都会の方々に負けない料理で、お客のハートを鷲掴みにするのですわ!」

 

シュッと音を鳴らし、腕を振りかざすダイヤさん。

 

曜「面白そうだね!」

ヨハネ「堕天使の腕の見せどころね...」

鞠莉「お客さんのハートを鷲掴みにするのもいいけど、私は...」

 

そういって鞠莉さんは俺の方に視線を合わせてきた。ん?俺の顔になにかついてるのかなん?

 

鞠莉「洋希のハートをEagleCatchしないとね♡」

洋希「えっ...」

 

言葉の終わりにウィンクを飛ばす鞠莉さん。

イーグルキャッチって...直訳すぎでしょ...。ていうか俺のハート鷲掴みにしてもここの救世主になれない気がするんだけど...。

 

鞠莉「というわけで、料理ができたら1番最初に来てね♡」

洋希「はぁ...」

曜「ああ!鞠莉ちゃんずるい!!洋希、私の料理もちゃんと食べてよね!」

善子「そうよリトルデーモン!私だって飛びっきり美味しいの作るんだから!」

鞠莉「じゃあ、誰が1番洋希に気に入ってもらえるか勝負ね!」

曜、善「望むところ!」

 

果てさて、なんだか趣旨が変わってきてる気がするが、まあやる気になってくれてるならよしこするか...間違えた良しとするかだ。

 

 

そして残りのルビィ、花丸、ダイヤさんは接客担当になった。とりあえずこれで全員仕事についたな......ん?まてよ。

 

洋希「ダイヤさん、俺はなにをすれば?」

ダイヤ「ああ、あなたは全部ですわ」

洋希「へ?全部?」

 

涼しい顔でなかなかきついことをいってきたので、変な声がでてしまった。全部って...全部なの?

 

ダイヤ「安心してください、全部といっても皆さんのサポートに回ってくれれば問題ないですわ」

洋希「ああ、なるほど」

 

手のひらに拳をポンと当てて、俺は頷いた。そういうことなら俺にぴったりの役職ですな。

 

ダイヤ「さあ!これで準備万端!客がドバドバと!」

 

入ってる、とでも言いたかったのだろうが、残念ながらこちらに向かう人は0。みんな隣のほうに足を運んでしまう。

 

ダイヤ「なんでこないのですの!!」

 

客がこない苛立ちを、箱をかぶる千歌と梨子にぶつける。するとどこからともなく、こんにちはーと声が聞こえた。ダイヤさんはその声にいち早く対応をした。その声の主と言うのは...。

 

むつ「ここが千歌たちの手伝ってる海の家?」

 

浦の星女学院の名トリオを含めた生徒何人かが、揃ってやってきてくれた。

 

千歌「みんなに連絡したらすぐ来てくれたよ!」

 

知り合いを来させて売上を伸ばす、千歌にしてはなかなかいい案を出したなと、心のなかで関心した。

その手があったかと、ダイヤさんは先ほどまでの営業スマイルを引き攣らせ、目に影がうつった。

 

果南「最初からこうすればよかったんだよ、ほーんとダイヤはおばかさん」

鞠莉「ほーんとダイヤは、お ば さ ん♪」

ダイヤ「1文字ぬけてますわぁ!!」

 

お客さんの問題は何とかなったので、とにかくみんなそれぞれ与えられた職を真っ当している。俺もサポートに回ろうとしているが、正直事足りているようなので、ほんとに微々たる手伝いしかしていない。

これ俺いるのかぁ?

 

 

 

 

 

《曜視点》

 

お客さんのはいる昼頃がすぎ、海の家ががらんとしてきた。まあ1日目だしこんなものかなと、自分の料理の売れた個数をみながら呟いた。

鞠莉ちゃん、善子ちゃんとともに始めた料理だったが、わたしのヨキソバはなかなかの好評だったようだ。というのは多分あとの2人がよく分からないものを作っているから私のが安牌ということで注文が多いのだろう。直接的に味の感想が聞きたいなぁと思った時だった。

 

洋希「やってるかい?」

 

行きつけのラーメン屋に来たかのように入ってきた洋希。

 

曜「洋希、仕事はもう終わったの?」

洋希「ああ、だいたいみんな切り上げちゃったようだし、せっかくだから約束通り3人の料理、食べたいなと思ってな」

曜「そういえばそんなこといってたね」

洋希「というわけで、ヨキソバ1つ、お願いするわ」

曜「ヨーソロー!少々お待ちください!」

 

すぐさまキッチンの方へ向かいヨキソバの準備をする。洋希に料理を食べてもらえる。なんだかそれだけで心が満たされるような感じがした。

数分の調理を終えて、できた品を洋希の元に運ぶ。

 

曜「お待ちどうさま!曜ちゃん特製ヨキソバだよ!」

 

私の作るヨキソバは、焼きそばの上に薄く焼いた卵を乗せるだけの簡単なものだ。昔お母さんがよく作ってくれたので、伝授してもらった。

 

洋希「おお!めっちゃうまそうだな!」

 

ヨキソバをみるなり、目を輝かせてながら箸を手に取り、焼きそばと卵を絡ませて口に運んだ。

美味しいって...言ってくれるかな...。

1口目をごくんと飲み込んだ洋希は、ちょっとしてからしゃべりだした。

 

洋希「曜...これ...」

 

テンションの低い声で話出したので、もしかして口に合わなかったのかな...と思ったが、すぐに洋希は満面の笑みをこちらに向けてきた。

 

洋希「めちゃめちゃ美味い!」

曜「えっ?」

 

予想に反した言動に、呆気を取られる私を気にすることなく箸を進める洋希。1口1口食べる度にん〜!と感動する姿をみて、もう私は満足だった。そして、大盛りにしたはずのヨキソバをあっという間に完食してしまった。

 

洋希「ごちそうさま!最高だったぜ!曜は将来いい嫁さんになるな!」

曜「お、お嫁さん!?///」

 

その言葉に私の妄想が一気に加速した。私と洋希が結婚して、新婚生活を送る光景を...。

 

曜「うわぁぁぁぁぁ!!///」

 

勝手な妄想で熱くなる顔ををブンブンと振り回し、恐らく赤くなっているだろう顔を洋希に見られまいと、体ごと背ける。

私のバカバカ!なにを想像してるんだ!!

 

ヨハネ「くっくっくっ、さあリトルデーモン、次は私の料理を召し上がりなさい」

 

振り返ると善子ちゃんが洋希に料理を振舞っていた。

 

洋希「えっと...これは一体...」

ヨハネ「堕天使の涙...さあ、冷めないうちに...」

 

たこ焼きの形をした黒い塊。あれの中身は一体なんだろう...。まともなものが入ってる気がしないけど...。

洋希は不安そうにしながらも、堕天使の涙を丸ごと頬張った。そして洋希は硬直してしまった...と思った瞬間、顔が先ほどの私のようにみるみる赤くなった。

 

洋希「かれぇぇぇぇ!!!」

 

叫んだ洋希は、すぐさまグラスに入った水を一気に飲み干す。

 

曜「よ、善子ちゃん!それの中身ってなんなの!?」

 

私が疑問をぶつけると、善子ちゃんはくっくっくと言いながら中身の説明した。

 

善子「タコの代わりに大量のタバスコを入れたのよ...」

曜「なんでそんなものいれてるの!!」

 

予想を超えた回答に、私は思わず叫んでしまった。これ...明日から売れるのかな...。

そんなやり取りをしているさなか、どういうことか洋希か再び堕天使の涙を口に運んだ。

 

曜「ひ、洋希!?」

 

私が静止するまえに、ひろきは2つ目を飲み込んでしまった。そしてまたさっきと同じ反応をして、水をがぶ飲み。

 

曜「な、なんで食べたの!?辛いんじゃかったの!?」

洋希「あのな曜...」

 

洋希は苦しそうにしながらも言葉を続けた。

 

洋希「出された料理は、例えどんなに辛くても...どんなに苦かったりしたとしても...その人が丹精こめて作ったものなら、俺は...完食する!それが俺の流儀だぁぁぁぁ!!」

 

その勢いのまま、洋希はのこる2つの涙も食べてしまった。

 

善子「リトルデーモン...」

 

自分の料理を完食してくれたことに感動しているのか、善子ちゃんは目に堕天使の涙を浮かべている。

多分こういうところが、洋希がモテる理由なんだろうと、自分なりに納得した。

 

信念を貫いた洋希は、次の鞠莉ちゃんのシャイ煮を食べる前に、力尽きてしまった。

 

 

 

 

《洋希視点》

 

夕方になり、海の家の今日の手伝いが終了した俺たちは、予定通り練習をスタートした。さすがに時間もないので、練習表のなかの1つに含まれていたランニング10kmをすることにした。といっても10kmがどのぐらいかわからないので、とりあえず1時間走ることになった。

そして1時間後...。

 

フッフッと呼吸をしながら快調に走る俺と、その隣には体力お化けといわれた果南先輩が並んで走っている。そろそろかと思い足を止めると、果南先輩も膝に手をつき止まった。

 

洋希「珍しいですね、果南先輩がそこまで疲れるなんて」

果南「まあお店のあとだからね。そういう洋希は、まだ余裕そうだね」

洋希「いや、これでも結構体力もってかれてますよ」

 

疲れながらも、互いにニコニコしながら会話が進む。そんな和やかな会話をする中で、1つ疑問を感じた。ほかの奴らはどうした?そう思い後ろを振り返った。

誰一人として、俺たちに続く者はいなかった。千歌やダイヤさんたちは限界のようで、砂浜に石ころのように転がっている。そんな中ひとりデッキチェアに寝そべる人鞠莉さんの姿が見えた。いつの間にあんなの用意したんだ...。

ランニングの次は体幹トレーニング。といっても初歩的なもの。右手をついたら左の膝をつけて、残りの手と足を一直線に伸ばす。もちろん反対も行う。

俺は体幹には自信があるので問題はないが、慣れていない千歌たちは、今にも崩れそうにフラフラしている。そして残りの10秒ほどになった時だった。

 

千歌「うわぁ!?」

善子「うっ!」

花丸「ずらぁ!?」

ルビィ「ピギィ!?」

洋希「うぉ!?」

 

バランスを崩した千歌が左に倒れ込み、善子、花丸、ルビィの順でドミノ倒しになり、最後は端にいた俺でフィニッシュ。

 

ルビィ「ご、ごめんない洋希先輩...」

洋希「大丈夫大丈夫、ルビィはちゃんと出来てたから気にすんな」

 

起き上がった俺はそういって謝罪をしてきたルビィの頭を撫でた。

 

ルビィ「...♪」

 

特に言葉は発しなかったが、それでも顔を見るだけで相当喜んでくれてるのはわかった。出会ったころにこんなことしたら、まずあの大咆哮が飛んできただろうな。それにしても...ああ^~疲れがいやされる〜

 

花丸「またやってるずら...」

善子「くっ...羨ましくなんてないんだから...」

千歌「いいなぁ!私も撫でて撫でて!」

曜「...」

ダイヤ「洋希さん!!練習中ですわよ!たしかにうちのルビィが可愛いのは分かりますが真面目にやっていただけますか!」

果南「中間あたりのはいらないと思うなぁ...」

鞠莉「そうよルビィ大好きおばさん!」

ダイヤ「だから1文字ぬけてますわぁ!!」

 

わちゃわちゃする中で、特に気になったのが2つ、無言でオーラを出している曜。やばいめちゃめちゃ睨んでるよあの子...。もうひとつは未だ体幹を続ける梨子は、ふふっと笑みをこぼした。最近悩んでる描写が多かった梨子の久々の笑顔に、なんだかホッとした。

 

 

 




瑠美「はぁ...今頃ひろくんは海で泳いだりしてるんだろうなぁ...わたしもひろくんと...泳ぎたかったなぁ...」



次回もお楽しみに!

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