ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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洋希「天王寺さん、マンスリーランキング1位おめでとうございます!」
天王寺「ありがとうごさいます!...ってここどこですか?」
洋希「それにしても...なんで紙で顔を隠してるんですか?」
天王寺「ええっと...顔を見られるのが好きじゃないんです...」
洋希「でもそれってあれですよね?実はめちゃくちゃかわいいってパターンじゃないですか?」
天王寺「ほ、ほんとに可愛くなんてないですよ!」
洋希「じゃあちょっとだけ見せてくださいよ!」
天王寺「じゃあ...ちょっとだけですよ...」ペラッ
洋希「...」
天王寺「や、やっぱりかわいくないですよね...ってなんで倒れてるんですか!?しかも血まで吐いて!」
洋希「なんだよ...結構可愛いじゃねぇか...へへっ...」
曜「あ、大丈夫です。血をはいて倒れたってことはそれほど可愛かったって意味です」
天王寺「へ、へぇ...」
天王寺(って!なんで血吐いて倒れてる人の前でこんなに冷静なの!?この人怖い!...)


どうも皆さんこんにちは、リオートですです。
虹ヶ咲学園の子達でまだ何人か、性格やなんかを把握できてない子がいるんですよねぇ...。えっ、じゃあなんでわざわざ出したかって?...ネタがこれしか浮かばなかったんですです。天王寺ちゃんの素顔はかわいいって、わかってる。だから俺は止まらない。
というわけで、本編へ止まるんじゃねぇぞ...。


第47話 0からみつけた希望

洋希「ん......あれ?...」

 

知紗姉と話をしたあと、どうやら俺はすぐに眠りについてしまっていたようだ。それに気がついたのは起きて数分してから。最初は少し居眠りした程度かなと思っていたが、時計をみると少し早い朝を迎えていた。それでようやく今の状況を把握したというわけだ。ゲームで寝落ちはたまにあるが、何もしないで寝落ちするは初めだ。それほど疲れていたのだろうか。まあいろいろあったし無理もないか...。

俺はベットから起き上がり、ベランダに出た。外の天気はどんよりとした曇り空。さっきまでの俺の心みたいだ。外の景色を見ながら、俺は眠る前の知紗姉との会話を振り返った。

 

洋希「俺はまだ...あいつの希望になれてない...」

 

そう、俺はあの時心に誓っていた。あいつの希望になると。あいつの夢を手伝うと。しかし俺はそれを忘れていた。知紗姉に言われなかったらやめるという決断をしていたかもしれない。スクールアイドルから逃げて、あいつらを裏切っていたかもしれない。知紗姉には、感謝しないとな。いつもはだらしないけど、ほんとにこういう時は頼りになる姉だよ...。普段からああなら苦労しないんだけどなぁ...。

俺は1度深呼吸をしたあとで、顔をパンパンと叩いた。自分なりの気持ち入れ方だ。もう少したったら千歌のところにいって話をする。そしてこれからのAqoursについてはなそう...と思っていた時、ふと海岸の方をみると千歌が立っていた。

 

洋希「あいつ...何してるんだ?」

 

海をみつめて気持ちを落ち着かせているのだろうか?やはり千歌も今回のことに関して悩んでいるのだろう。リーダーとして、スクールアイドルとして。そうだ、ちょうど千歌と話をしたいと思ってたし、あいつのところに行くか。

そう思い、外に出ようと部屋の方を振り向いた時だった。バシャーンと大きな音がした。何事かと思い振り返ると、先程までいたはずの千歌の姿が消えていた。今の音の正体は...千歌が海に飛び込んだ音...。それに気づいたとき、俺の中で嫌な予感がした。今の感じだと服を着たまま飛び込んだ。あいつまさか...。

最悪のストーリーを頭の中で描いた俺は急いで家を出て、海岸の方へむかった。が、やはり千歌の姿はどこにもなかった。

 

洋希「千歌...千歌ぁぁぁぁぁ!!」

 

最悪の結果に耐えきれず、自殺の道をえらんでしまったのではないと思い、俺は声が枯れそうになるぐらい必死に叫んだ。俺はここにいる、お前は1人じゃない。そう伝えるために。

 

洋希「千歌ぁぁぁぁ!!...ハァ...ハァ...」

 

返事はない。もうあいつは深い海のそこに沈んでしまったのか。俺があいつの本当の気持ちを割り出せなかったから...。俺があんなことで悩まなければ、千歌に少しでも早く気づくことができればあいつを止められたかもしれないのに...。俺は...馬鹿だ...バカヒロだ...。

溢れてくる涙を必死にこらえ、いっそ俺も飛び込んで千歌をさがせば助けられるのでは...。しかしこの暗さでは海の中だって...。諦めかけたその時だった。

 

 

バシャーン!!

 

またもや大きな音がし、水しぶきがあがった。イルカが飛び跳ねたのかと思ったが、そこには...Aqoursのリーダー、高海千歌の姿があった。出てきた千歌は俺を見るやいなや平然とした顔で俺に話しかけてきた。

 

千歌「ひろくん、さっきから私のこと呼んでたけど、どうしたの?」

洋希「...お前こそ...何をしてるんだ?...」

千歌「私は...なにか見えないかな〜って」

洋希「え?」

千歌「ほら、前に梨子ちゃんが海の音を探して潜ってたでしょ?だから私もなにか見えないかなって」

 

完全に...完全に俺の勘違いだったようだ。こいつの頭には、自殺なんて文字は存在していなかったようですよ。そう、俺は思い込みで、涙をながし、必死になって千歌の名前を叫んでいたのだ...。ほんとに...

 

洋希「何やってんだ俺ぇぇぇぇぇぇ!!!」

千歌「うわぁ!?どうしたのひろくん!?」

洋希「ハァハァ...いや...ハァ...なんでもない...」

千歌「あ...そう...」

 

思わずとこぞの団長みたいに叫んでしまった。まあなにはともあれ、千歌が無事ならそれでいい。

 

洋希「それで千歌、海の中に潜って、なにか見つけられたか?」

千歌「なんにも...見えなかった、でもね、だから思った。続けなきゃって」

 

なにも見えず、落ち込んでいるかと思いきや、むしろ千歌の顔は、気合いに満ち溢れていた。それと、千歌の言葉の意味はいったい...。

 

千歌「私、まだなにも見えてないんだって、先にあるものがなんなのかって。このまま続けても、0なのか、それとも1になるのか...10になるのか...ここでやめたら、全部分からないままだって...」

洋希「千歌...」

 

千歌は右手で水をすくい上げ、その手を握りしめた。そうだ、俺もここでやめるといっていたら、この先Aqoursがどうなっていくか、それを近くで見るとこはできなくなっていた。あいつらが...スクールアイドルとしてどう成長していくかも...分からなかっただろう。

 

千歌「だから私は続けるよ!スクールアイドル!」

 

それを聞いて、俺は安心した。千歌がもしやめるなんていいだしたらAqoursは間違いなく解散の1歩をたどるだろう。千歌につられて、曜や梨子たちも。そしたら俺の存在意義がなくなってしまう。俺がここにいる意味まで...。

 

千歌「だってまだ0だもん!0だもん...0なんだよ...あれだけみんなで練習して、みんなで歌を作って、衣装も作ってPVも作って、頑張って頑張って、みんなにいい歌聞いてほしいって...。スクールアイドルとして輝きたいって...」

 

そういって千歌は自分の頭に拳をぶつけた。突然のことに俺は驚いて声がでなかった。

 

千歌「なのに0だったんだよ!?悔しいじゃん!!」

 

そしてもう一度、頭に拳をぶつける。

こんなに叫ぶ千歌は、初めてみた。こんなに苦しそうに叫ぶ千歌を...。

 

千歌「差がすごいあるとか!!昔とは違うとかそんなのどうでもいい!!悔しい...やっぱり私は...悔しいんだよ...」

 

だんだんとひ弱になる千歌の声。その中で見つけた、千歌の本当の気持ちを。やっぱり千歌も悔しかったんだ。叫びたくなるぐらい。それをずっと...押さえ込んでいたんだって。

俺は海に足を踏み入れて、千歌の後ろに立った。千歌の頬に、涙が流れているがわかった。そんな泣いている千歌をそっと抱きしめた。

 

千歌「ひろ...くん...?」

洋希「やっと聞けた...お前の本当の気持ち」

千歌「えっ...?」

洋希「お前、自分がリーダーだからって思って、みんなの前では笑顔振りまいてたんだろ?」

千歌「そうだよ...だって私が泣いたりしたら...みんなも落ち込んじゃうでしょ...リーダーの私が...」

洋希「そんなの関係ねぇよ。悔しいなら悔しいって言えばいい、泣きないなら泣けばいい。だれもそれに文句は言わねぇよ。曜も梨子も、ルビィや花丸、善子だって、それに俺も。」

千歌「でも...それじゃあ...みんなせっかくスクールアイドルやってくれてるのに...」

洋希「馬鹿だなお前は...みんなお前のためにやってるんじゃねぇんだよ。みんなそれぞれ気持ちをもって、スクールアイドルやってんだよ。それに千歌...」

 

抱くのをやめて、千歌を振り向かせた。やはり千歌の目から、いままで見たことないぐらい、あふれんばかりの涙が流れている。

 

洋希「確かにお前はリーダーだ。Aqoursのリーダー、高海千歌だ。でもな、それ以前に、お前は1人の女の子なんだ」

千歌「女の...子?」

洋希「そう、だから男の俺をもっと頼ってくれ。困ったことがあったらいつでも俺に相談しろ、愚痴でもなんでも、何時間だって聞いてやる。苦しくなったら俺を呼べ、いつでも助けに入ってやる。俺は...お前の「希望」になりたいから!」

千歌「希望...?」

洋希「そうだ。お前の...いや、Aqoursのために、もっとマネージャーとして支えれるようになりたい。男として、お前たちを守れるようになりたい」

千歌「ひろくん...」

 

俺の名前を小さく呟いた千歌は、ゆっくりと俺に近づき、俺を抱きしめてきた。

 

洋希「ち...千歌...?」

千歌「私...頑張る...もっと...輝く...」

 

俺の胸に顔をうずめて千歌はいった。まだ泣いているのだろうか、胸の辺りが湿ってきた。そんな千歌を俺は再び抱きしめた。

 

洋希「ああ、俺も全力でサポートする」

千歌「うん...」

曜「おおーい!!」

 

海岸の方から曜の声が聞こえた。みるとそこには曜だけじゃなく、梨子、ルビィ、花丸、善子たちも揃っていた。千歌が俺から離れると、曜たちも海に入り、千歌を囲むように集まって来た。途中善子だけ深いところにあたり、体の半分ぐらいが水に浸かった。こんな状況でも悪運発生させるのですねあなた。

みんなが集まってところで再び話を続けた。

 

洋希「こんなに仲間がいるんだ、楽しいことも嬉しいことも、苦しくしいことも辛いことも、みんなで分かちあおう。それで...みんなで一緒に進もう!ラブライブ優勝を目指して!!輝こうぜ!!」

 

俺の言葉を聞いて、千歌は周りを見渡す、メンバー1人1人の顔を一心にみつめて。

 

曜「千歌ちゃん、私は幼馴染だよ?だから私のことを頼ってよ!」

梨子「そうだよ千歌ちゃん、悩んでる千歌ちゃんより、元気いっぱいな千歌ちゃんの方が、私は好きだよ」

ルビィ「ルビィももっと頑張って、スクールアイドルとして輝きたいです!」

花丸「まるももっともっと練習するずら!」

善子「クックック...あなたにはこんなにもリトルデーモンがいるのよ?それに越したことは...ないでしょ?」

千歌「みんな...うっ...」

 

千歌は泣き叫んだ。いままで溜め込んだ苦しさ、悲しさ。メンバーに気をつかって吐き出せなかった感情を。

今、一心不乱に出している。それをみて、みんなも少し涙を浮かべて見つめている。

 

洋希「今から0を100とかにするのは厳しいかもしれない。でも0を1にすることは...できるかもしれない。見てみたい、お前たちAqoursが、それをする日を。マネージャーという立場から、見てみたい。だから...俺もマネージャーを続ける、それができるように...お前たちを...支え続ける!」

 

もう迷わない。俺はこいつらが止まらない限り、俺も止まらない。もし止まりそうになったら、俺が喝をいれてでも進ませる。でも厳しくなり過ぎるのもだめだ。甘くしすぎるのもだめだ。知紗姉にいわれた、「飴と鞭」、それを使い分けて、千歌たちAqoursを優勝させる。こいつらの...「希望」に!

 

千歌「ありがとう...ひろくん...」

 

涙はまだ残っていたが、千歌に笑顔がもどった。いつもの、千歌の笑顔が...。

するといままで雲がかかっていた空が開けて、光が差し込んできた。

俺たちの新たなスタートを示す...希望の光が...。

 

 

 

 

〜〜〜

 

 

 

千歌「これで〜よし!」

 

千歌は部室のホワイトボードに紙を貼り付けた。

 

洋希「じゃあ今日はランニングな。少し多めにやるけど、最後までへばんなよ?」

善子「リトルデーモン...いや、洋希先輩?最近練習がきつい厳しくなってる気がするんですけど...」

洋希「いやならやめてもいいんだぜ?ヨハネ様?」

ヨハネ「なっ!!...クックック、まあこのヨハネにかかれば、そんなこと造作もないことよ...」

 

ヨハネって呼ばれただけで何故そこまで気合いが入るんだ...。 まあそれでちゃんとやってくれるなら、いいに越したことはない。

 

洋希「そうこなくちゃな、じゃあ今日は、1番早かったやつに、200円以内でなんか奢ってやるよ」

曜「200円なんだ...」

花丸「なんかケチ臭いずら」

洋希「奢るだけでもありがたいと思ってほしいんだけどなぁ...」

千歌「プリン!?プリン買ってくれるの!?高級プリン!?」

洋希「いや高級プリンとはいってないんだが...」

千歌「よーし!!私が一番だーー!!」

曜「ま、待ってよ千歌ちゃん!!」

 

プリン欲しさに飛び出していった千歌を追って、曜たちも部室を出ていった。てかだれもプリン買うなんて言ってないからな?ここまできても話の理解能力上がらないの?なんで?

どうでもいい疑問はさておき、俺は千歌が貼った紙を見つめた。俺たちの初イベントの結果、俺たちの0の紙。本来ならクシャクシャにしてゴミ箱いきなところだが、あえてこれを貼ることで、1種の気合いいれにしているのだ。

 

洋希「あいつらなら...やってるくれるはずだ...」

 

俺はそう呟いた。今、絶望の淵から這い上がり、新たな1歩を踏み出したあいつらなら、必ず輝ける。μ'sのように...。

 

ルビィ「洋希先輩!!行きましょう!」

 

ルビィがわざわざ戻って俺を呼びに来てくれたみたいだ。ほんとにいい妹さんですねダイヤさん。お兄ちゃん感激します。

部室の外にでると、ルビィだけじゃなく、千歌たちも待ってくれていたようだ。

 

洋希「あれ?みんな先に行ったんじゃないのか?」

花丸「ルビィちゃん1人を戻らせるわけにもいかないずら」

洋希「別になにもしないから...」

曜「浦の星のエキサイティング男子っていわれるぐらいだし...」

洋希「ほんと誰だよ!あんな変なあだ名考えたの!」

曜「それは...」

梨、ル、花、善「...」

洋希「ん?」

 

黙り込んだみんなが見つめる先にいたのは千歌だった。そして何故か千歌は抜き足差し足忍び足でこの場を離れようとしていた。

 

洋希「千歌、お前だったのか...」

千歌「えっ!だ、だってほら、なんかひろくんにもかっこいい異名を付けようと思って...」

洋希「千歌...」

千歌「は、はい...」

洋希「今日もグリグリ、いっとくか?」

千歌「そ、それだけはご勘弁をーー!」

洋希「まてぇーーい!高海千歌ぁ!!逃げんじゃねぇ!!」

 

逃げる千歌を全速力で追いかけた。

 

梨子「やっぱり二人とも、ああいうほうが似合ってるわね、ふふっ」

花丸「まさにエキサイティングずら」

善子「これからランニングだってのに...よくあんな走れるわね...」

ルビィ「善子ちゃんは走れなすぎな気が...」

善子「走るの得意じゃないのよ!!」

曜「あっはは!色々あったけど、Aqours再スタートだね!」

 

 

 

 

0という結果から、1度は心が折れたAqoursだったが、千歌が自分の気持ちを吐き出したこと、洋希が自分のやることを再確認したこと、梨子や曜たちが、スクールアイドルを続けることを決心したこと。それが重なり、Aqoursは新たな目標を掲げて、スタートを切り出した。

ラブライブ優勝はもちろんだが、その前にある目標を作った。それは...

 

 

 

 

 

この0を...1に変えること!!

 

 

 

 

 




曜「ねぇ洋希」
洋希「なんだ?」
曜「千歌ちゃんの抱き心地はどうだった?」
洋希「それ答えによっちゃ俺の評価下がるからノーコメントでいい?」
曜「なるほど、抱きやすくいい匂いがして興奮を抑えるのが精一杯で、もう少しで襲いそうだったと...」
洋希「意地でも答えさせる気なんだな...」
曜「それで?どうだったの?」
洋希「まあ、女の子を抱くってあんな感じなんだなぁって...」
曜「千歌ちゃんが初めてと...」
洋希「もう少し書き方どうにかならない?てかなにに書いてるんだ?」
曜「ああこれ?これはね...洋希のエキサイティング集っていうので...」
洋希「今すぐそれを渡しなさい」


なんとか週一投稿に間に合いましたね。(間にあってない)
実は昨日まで全然書いていなかったので急ピッチで書き上げました。なので少し雑になっているかも知れませんがご了承ください。雑にやってあとで苦労するの自分なんですけどね...。

次回もお楽しみに!!ヾ(・ω・`)



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