ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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洋希「果南先輩!誕生日おめでとうございます!」
果南「ありがとう洋希!」
洋希「じゃあ、果南先輩には俺からプレゼントを...」
果南「プレゼント!?...って、洋希なにも持ってないじゃん」
洋希「もってますよ...ちゃんと...」ギュッ
果南「えっ...///」
洋希「俺からの...ハグです...///」
果南「ひ、洋希...///」
鞠莉「oh!!洋希ったらダイタンデース!!」
ダイヤ「私にはしてくれなかったのに...」
千、曜、梨、ル、花、善(羨ましい...)


どうも皆さんこんにちは。ラウンドワンにいって久々に体を動かしたら筋肉痛になったリオートです。みなさんも定期的に運動しましょうね!
そして今回は果南ちゃんの誕生日が近かったので1日早く投稿しました!
Happy Birthday!!果南ちゃん!
私の小説ではまだ出番が少ないので早く出してあげたいです!!
それでは、本編どうぞ!





第45話 少女たちよ、これが絶望だ

「0」、俺たちの得票数の場所には、その数字のみしか書かれていなかった。あ、あれれ?お、おかしいな、1が一個足りてないんじゃないかな?それとも2がぬけてるのかな?印刷ミスなんてひどいなもう!...マジで言ってんのか?ほんとに0なのか?そ、そんなわけ...。

 

千歌「ちょっと貸して!」

 

少し押し気味にいいながら、まだ得票数を言っていないのに、千歌は俺から紙を奪い取った。いつもなら「勝手にとるなバカ千歌!!」という場面なのだが、その考えは紙に真剣な眼差しを向ける千歌をみてやめた。恐らく千歌も、そこに書かれている現実に、絶望しているのだろう。そんな千歌にバカ千歌なんていう勇気は、俺にはなかった。

 

千歌「0...」

 

千歌の言葉に、みんなも目を丸くして驚いた。それは誰もこの結果を予想していなかったという証拠だ。それはもちろん、俺も含めてだ。

 

ルビィ「そんな...」

梨子「誰も...私たちに入れてくれなかったってこと...?」

洋希「まあ...そういうことだな...」

 

どうして?千歌たちは特に目立ったミスをした訳では無い。練習通りにしっかりできていた。なのに何故、こんな結果になってしまったのか。皆目見当がつかない。言葉をかけようにも、それらしい言葉が浮かんでこなかった。そんな中、千歌は未だこの現実を受け止めきれないのか、紙を凝視しながらフラフラとし始めた。

 

曜「千歌ちゃん...」

 

声をかけるが、千歌は全くの無反応。無視をしている訳ではないのはわかっている。とにもかくにも、この結果に頭の理解が追いついていないようだ。

そんな最悪なムードが漂っている中、

 

聖良「お疲れ様でした」

 

声をかけてきたのはSaint Snowの聖良さんだった。隣には妹もいる。彼女たちは俺たちと違い、凛とした立ち振る舞いから、落ち込んでいる様子はないようだ。それもそうだろう。彼女たちは9位、それに得票数もなかなかの数を得ている。俺たちとじゃ天と地の差がある。そんな彼女たちがいったい何故俺たちに声をかけたのか。たまたま居合わせたから?だとしても、もし俺が逆の立場ならは声をかけないだろう。なら目的はいったい...。

 

聖良「素敵な歌で、とてもいいパフォーマンスだったと思います」

 

答えは意外にもあっさりしたものだった。単純に、落ち込んでいた俺たちを励ましてくれたようだ。ライブ前は挑発をしてきたので印象は悪かったが、どうやら悪い人達ではないようだ。その時、少なからず俺の中には多少の喜びが生まれた。ちゃんと俺たちを評価してくれる人もいるんだと。

俺は聖良さんにお礼を言おうとした。しかし、彼女の話はまだ終わってはいなかった。そこからが、問題だったのだ。

 

聖良「ただ、もしμ'sのように、ラブライブを目指しているのだとしたら...諦めた方がいいかもしれません」

 

その瞬間、俺は崖から突き落とされたかのような気分を味わった。最初に励ましの言葉を入れたかと思えば、「諦めた方がいい」。上げて落とすとはまさにこのことだろう。そのせいか、先程までの喜びは、完全に消え去ってしまった。

 

聖良「では」

 

そういって聖良さんはこの場を去ろうとした。

でも俺は納得がいかない。このまま言われっぱなしで、終わりたくない。Aqoursを貶されたままで、終われない!...。

 

洋希「待ってください!」

 

俺の叫びに、聖良は反応し立ち止まった。言ってやる...俺の思ってること...全部ぶちまいてやる!

 

洋希「なんでそんな簡単に、諦めろなんて言うんですか?」

聖良「あなたちの結果をみて言ったまでです」

洋希「確かに結果はさんざんだったかもしれないです。でも!こいつらは毎日死にものぐるいで練習にはげんできた!スクールアイドルとして輝くために!ラブライブを目指して必死に!それでここまでやってきた!それで踊りきった!そんなこいつらの努力や想いを、あなたの一言で、終わらそうとしないでください!!」

 

息継ぎぜす言い放ったせいか、言い終わったあと、少し息苦しかった。でも、言いたいことは言えた。怒り、というよりは意地というほうがあっているかもしれない。ただ、千歌たちがまぐれでここまで来たとは思って欲しくない。ちゃんと努力してここまで来たことを彼女たちに理解してほしいだけだった。

 

千歌「ひろ君...」

 

いきなりAqoursを熱弁した俺に千歌たちがどう思ったかはわからない。でも千歌たちにも理解してほしい、自分たちがやったことは無駄じゃないってことを。

 

聖良「努力して踊りきったなら結果はどうでもいい。そういいたいんですか?」

洋希「どうでもいいまでとはいいません。ただ、結果にだけにとらわれてたら、大事なものを見落としてしまうと思ってるだけです」

聖良「大事なもの?」

洋希「経験です。ここでやりきったという経験が、今後に生きる、そう思ってます」

 

先程タワーの中で千歌たちにいったこととほぼ同じ。ここでのライブは、絶対今後に生きると考えている。

 

聖良「...甘いですね」

洋希「甘い?」

聖良「経験をしたところで、それを結果として出せなければ意味が無い。どんなにいい経験を培ったところで、いまのあなたたちじゃそれを生かせない」

 

あくまでも聖良さんは、自分の曲げるつもりはないらしい。

 

聖良「それに、また次も同じ結果になったとき、あなたはそれを経験といえますか?」

洋希「!...それは...」

 

もし、また同じようなイベントがあり、Aqoursの得票数が0になったとき、俺は同じように彼女たちを励ませるか。「大丈夫、これも経験だ」といえるだろうか。多分...いえないだろう。

答えに詰まる俺をみて聖良さんは続けた。

 

聖良「結局あなたは、「初めてだから」という考えになっていませんか?初めてだから上にいけなくてもしょうがない。だからあなたは優しく、「経験」といってまとめたんじゃないですか?彼女たちを無理に励ますために」

 

大正解、といっても過言ではないぐらい、彼女の考えは的を射抜いていた。そう、俺はSaint Snowのライブを見た時思った。「Aqoursはこれには勝てない」と。しかし俺はそれを直接千歌たちにはいっていない。言えば千歌たちは相当落ち込むはず。そんなものは見たくないという俺の優しさという名の甘さが、彼女たちにとっては逆に不利益だということを聖良さんはいいたいのだろう。

 

聖良「マネージャーのあなたがそんな考えを持っていたら、Aqoursは上にはいけない。甘い考えをもつ人の支えがあったらむしろ迷惑です。だから...」

 

 

 

 

 

 

 

 

聖良「洋希さん、あなたはAqoursのマネージャーを、やめるべきだと思います」

 

そのセリフを最後に、聖良さんは去っていった。俺は聖良さんの言葉に、ただ立ち尽くすことしかできなかった。なにも、いい返せる言葉がなかった。それだけ聖良さんが正論を述べてたからだ。俺の甘さが、Aqoursを、ダメにしていると...。

残った理亜は去る前に、俺たちに一際厳しい眼差しを向けてきた。その目には、涙が浮かんでいた。

 

理亜「バカにしないで!ラブライブは...遊びじゃない!!」

 

俺たちに対する不満だろうか。はたはまた自分たちの意志を示したのか。理亜はそういって姉の聖良さんと共に、最下位のグループのもとを去っていった。

ものの数分の出来事の中で、俺たちの心は酷いぐらいに荒んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りの電車は、行きのようなウキウキ気分ではなかった。みんなそれぞれ、今回のライブ、そしSaint Snowの言葉に対してかんがえているのだろう。いつもの俺ならここで意気揚々となにか励ましの言葉をかけただろう。しかし、今は聖良さんの言葉が頭に引っかかり、とても言える状態ではなかった。俺の...甘さ...。

 

千歌「Saint Snowさんたちはあんなこと言ってたけど、私は...よかったと思うけどな、今回のライブ」

 

1番最初に口を開いたのはリーダーの千歌だった。みんなとは違って、まだ千歌は少し晴れやかな表情をしていた。こんな雰囲気で、そんなことが言えるなんて...ほんとにすげぇな、千歌は...。

 

千歌「ライブだって精一杯やった。努力して東京にまで呼ばれた。それだけでもすごい事だと思うよ!」

 

なぜ千歌はここまで自分を保つことができるのだろう。ほんとなら悔しさやなんかでこんな前向きなセリフを吐けるはずがない。なのにどうして...。

 

千歌「曜ちゃんも!梨子ちゃんも!花丸ちゃんも!ルビィちゃんも!善子ちゃんも!み〜んな頑張ってたし!それに...」

 

みんなの方を向いていた千歌が、俺の方に目を向けてきた。

 

千歌「ひろ君だって、ここまで来るのにいっぱいサポートしてくれたし!だから、ひろ君がやめる必要なんてないよ!聖良さんの言葉は、気にしなくていいよ!」

 

千歌は落ち込む俺を全力で励ましてくれているのだろう。純粋に。だけど、その千歌の優しさが、いまの俺の心にはズキズキと痛みを与える。気にしなくていいと言われても気にせずにはいられない。それほどいまの俺は、自分でも分からないぐらい思い悩んでいるんだ。

 

曜「千歌ちゃん...」

千歌「ん?」

曜「千歌ちゃんは...悔しくないの?」

 

その言葉にみんなハッとした。恐らくここにいる誰もが思っていたが、口には出せなかったこと。それを今、幼馴染である曜が先陣切って言い放ったのだ。これにはさすがの千歌も、先程まで保っていた笑顔が少し引きつった。

 

千歌「そ、そりゃあちょっとは...。でも満足だよ!みんなとあそこに立てて...。私は...嬉しかった!...」

曜「そっか...」

 

ここまで聞いても、千歌の口からは「悔しい」という言葉はでてこなかった。悔しいなら悔しいと言えばいいのに、なにがこいつをそこまで押さえ込んでいるのか。今の俺には理解できなかった。

海を照らす夕日は、俺たちの心までは、照らしてはくれなかった。

 

 

 

 

ネガティブムードの電車を終え、やっとの思いで沼津駅に到着した。みんな故郷に帰ってきた喜びで少しは気分が晴れている様子だった。

 

ルビィ「ふぇ〜、やっと戻ってきた〜」

花丸「やっとずらっていえるずら〜」

善子「ずっといってたじゃない!!」

花丸「ずらぁ〜!!」

 

そんなやり取りをみる千歌たちも、少しばかりにこやかな表情を浮かべていた。千歌たちも帰ってきた喜びがあるようだ。

 

???「「お〜い!!」」

 

大きめの呼びかけがする方を振り向くと、そこにいたのはむつたち浦の星の生徒たちだった。どうやら俺たちの帰りを待っていてくれたようだ。ああ、なんていい奴らなんだよ全く...。

俺たちが気づくたのを察して、むつたちが駆け寄ってきた。

 

いつき「どうだった、東京は?」

千歌「うん、すごかったよ。なんかステージもキラキラしてて...」

 

問いかけにいつも通り答える千歌。先程まであんなんだったのは感じ取らせないためだろう。

 

よしみ「みんな大丈夫だった?初めての東京で」

曜「その辺は問題なかったよ!」

 

曜もいつも通り元気に答える。そんな姿を見る度に、胸がズキズキと痛みだす。

 

むつ「赤羽くんは?大丈夫だった?」

 

どうやら俺の心配までしてくれていたようだ。こいつら...どこまで聖人貫くつもりだよ...。

 

洋希「ああ、俺もともと東京出身だったしな、その辺の心配は...」

むつ「あ、そうじゃなくて。夜に旅館で千歌たちを襲わなかったかってこと、ちゃんと理性を保てていたかって...」

洋希「どんな心配してんだよ!!」

 

心配ってそういう心配!?俺の安否じゃなくて、俺が野獣にならないか心配してたの!?...はぁ、なんか、そんな心配させてたんだなって思うと、変に罪悪感が湧いてきた...。

 

むつ「だって浦の星のエキサイティング男子って呼ばれてるぐらいだし...」

洋希「誰だよ!そんな変なあだ名付けたやつ!!」

 

「影の支援者X」だの「エキサイティング男子」だの、人にあだ名つけまっくって楽しいか!!そのせいでこっちは変な誤解されまくってんだよ!いい加減にしてくれ!......っていう俺の叫びは誰にも届かないんだろうな...トホホ...。

 

むつ「それで?襲ったの?」

洋希「襲ってねぇから!!なぁ?梨子?」

 

ここは安定枠の梨子に尋ねた。あんとき話をしていたのは梨子だし、証人にしてはぴったりだ。よし、これでやっとこの話は終わ...

 

梨子「...洋希くんは、あの熱い夜を忘れちゃったの...?」

むつ、いつき、よしみ「熱い...夜!?」

洋希「まてぇーーい!!なぜ話をややこしくしようとするーーーー!!」

 

一言、「うん」と言えば済むのに、なぜ話を広げようとする!?君とはそこまで関係が進んだおぼえないんだけど!?

 

梨子「みんなが寝静まった後、2人で...」

むつ、いつき、よしみ「2人で...?(ゴクリ」

洋希「話しをしたただけだから!!いい加減にしろ梨子!!」

梨子「ふふっ、ごめんね☆」

 

そんな可愛いくいったって許さないけど...これ以上怒る気力すらねぇわ...。ただでさえ疲れてるのに、帰ってきてまでツッコミ疲れさせるのやめてくれないかなぁ...。

 

洋希「とにかく!俺はなにもしてない!マネージャーとしてしっかり千歌たちを...」

むつ「それで、ライブのほうはどうだった?」

 

なんだろう...。最近になって俺の周りの奴らが突然スルースキルにスキルポイント全振りしてくるんだけどなんなの?俺の話聞くのそんなにいや?...もう...泣いてもいい?...

 

千歌「うん!特にミスとかもなかったし!いままでで1番いいライブができたと思うよ!!」

 

確かに、1番いいライブというのは否定しない。ただ...結果は...。

 

よしみ「な〜んだ、心配して損した〜」

むつ「じゃあさ!このままいけば、ラブライブも決勝もいけちゃうってこと!?」

千歌「えっ...」

 

むつの言葉と同時に、俺の頭には0の文字、そして聖良さんや理亜の言葉が浮かんだ。「ラブライブは諦めた方いい」「ラブライブは遊びじゃない」、いやと言うほど俺の頭を駆け巡った。

 

よしみ「そうだよね!だって東京によばれるぐらいだもんね!」

むつ、いつき「「うんうん!!」」

千歌「あ〜そうだねぇ〜...だといいけど...」

 

別にむつたちも悪意があっていっているわけではない。結果を知らないだけなのだ。俺たちのあの悲惨な現実を。それを知っている俺達にはそんな彼女たちの期待や思いが、耳うるさくも感じてしまう。やめてくれ...それ以上は...

そう思っている時だった、

 

ダイヤ「おかえりなさい」

 

優しく透き通った声が聞こえた。振り向くとダイヤさんが俺たちの帰りを心待ちにしていたかのように立っていた。

 

ルビィ「お姉ちゃん...」

 

1日ぶりの姉との再開。本来なら喜ぶところなのだろうが状況が状況。ルビィはダイヤさんを見るやいなや、涙を浮かべ、飛びついた。わんわんと泣き叫ぶルビィをダイヤさんは優しく撫でていた。

 

ダイヤ「よく頑張りましたわ...」

 

まるでダイヤさんは、俺たちになにがあったかを悟っているようにも見えた。むつたちも状況を理解したのか、先程までのワイワイムードを抑えて、ただ黙って今にも泣き崩れそうなルビィちゃんを見つめていた。

その時、彼女たちはこう思っただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aqoursは、結果を残せなかったんだ...と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




瑠美「また私なの...?」
リオート「一応まだシリアスだから...」
瑠美「とかいっておきながら途中ふざけたよね?」
リオート「梨子ちゃんとの熱い夜のとこ?」
瑠美「それ以外にないでしょ...」
リオート「こんど番外編で書こうかな...」
瑠美「嘘!?」
リオート「嘘、だって僕えっちぃのとか書けないし」
瑠美「変態のくせに...」
リオート「出番減らそっかなぁ...」
瑠美「ごめんなさい!!許して!!」

次回もお楽しみに!ヾ(・ω・`)

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