ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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洋希「梨子、ポプテピピック出演おめでとう」
梨子「あのね、正確にはあれ私じゃないから」
洋希「あれ見て思ったんだけど、梨子はちょっと複雑な恋愛のほうが好きなのか?」
梨子「まって、あれ別に私の好みで作ったわけじゃないから勘違いしないでね?」
洋希「まあ、だとしてもこの浦の星じゃ男子に胸きゅんなんて展開ないだろうしな」
梨子「えっ?」
洋希「ん?どうした?」
梨子「いや...」
梨子(自分が唯一の男子ってこと、忘れてはないよね?)


どうも皆さん、ポプテピピック5話で杉田さんと中村さんが出てきて大喜びしたリオートです。
出てほしいと思った組み合わせだったのでほんと嬉しかったです!とくに中村さんの「わぁ〜」とミッ○ーのモノマネが最高でした。まだ見てない方はぜひ見てください!あ、あと梨子役の逢田さんも出演しているので、そちらもご確認を!
それでは、クソアニメを聞きながらでもいいので、本編どうぞ!


第44話 Saint Snow

少しして俺は千歌たちのいる控え室までたどり着いた。中からは他校のスクールアイドルたちの声がよく聞こえる。なので千歌たちが今どうなっているかは定かではない。この大人数のスクールアイドルの中、緊張に押しつぶされているのではないだろうか。そんな不安が俺の脳裏をよぎった。特にルビィとかはもともと人前に出るのが苦手だからより一層心配だ。

大丈夫だろうか...みんな...。

 

スタッフ「Aqoursの皆さ〜ん!お願いしま〜す!」

 

扉を少し開けてスタッフさんが千歌たちを呼び出した。果たして千歌たちはどんな顔で出てくるだろうか。緊張で強ばったりしていたら、それはそれで面白いかもしれないが、そんなことにはなって欲しくない。

そんな思いでいると、ようやく衣装に身を包んだ千歌たちが出てきた。みんなの面持ちは...うん、大丈夫そうだ。みんないい意味で俺の気持ちを裏切ってくれたようだ。

 

千歌「あっ!ひろくん!」

 

俺を見るやいなや、千歌は俺の方に駆け寄ってきた。どうやら千歌自身も緊張がある程度ほぐれているようだ。

 

洋希「どうだ千歌?緊張してるか?」

千歌「ううん、大丈夫!」

洋希「ならよかった、お前らが緊張でガチガチになってないか心配だったんだぞ?」

ヨハネ「くくくっ...心配無用よリトルデーモン。なんせこの堕天使ヨハネがいるのですもの!!」

洋希「あ、お前はなんとなく大丈夫そうだなって思ったから、心配してないわ」

善子「ひどい!!少しは心配してよ!!」

洋希「どっちだよ...」

スタッフ「あの...そろそろいいかなぁ?あなたたちの時間、なくなっちゃうよ?」

洋、善「アッハイ」

 

 

ステージ横に案内された俺たちは、自分たちの順番が来るまで待機となった。すでに観客席には大勢の人たちがおしよせている。俺たちの初ライブよりも遥かに多い。これが東京の力か...。

 

ルビィ「すごい人です...」

善子「だ、だ大丈夫よ!!」

花丸「緊張してるよ、善子ちゃん。マルみたいにもっとどんと構えておかないと!」

善子「そういうアンタも緊張してるでしょ!!ずらが抜けてるわよ!」

花丸「ずら!?」

 

ルビィたちにとってはこれが初めての人前でのライブ。かなり動揺しているようだが、先程の様子からみてライブでドジるようなことはしないだろう。

初めてのライブを前にわちゃわちゃしているルビィたちをみて、千歌たちは少し微笑んでいた。千歌たちはすでに大勢の前で踊ったことがあるので、ある程度慣れているのだろう。といっても1回だけなんだけどな...。

 

洋希「観客なんて気にすんな、自分たちの精一杯のライブをやれば、大丈夫だ...」

???「ほんとに大丈夫なんですか?」

 

突然の割り込みに、俺は驚き、声のした方を向いた。声の主は、後ろから近づいてくる人だった。俺はその人物に見覚えがあった。そう、昨日神社で会った二人組だったのだ。

 

???「どうも、昨日ぶりですね」

千歌「スクールアイドル...だったんですね...」

???「あれ?いってませんでしたっけ?」

 

驚くほど白々しい。俺たちがスクールアイドルってことを知っていたからあえて自分たちがスクールアイドルってことを伏せていたんだ。でも...隠す必要はあったのだろうか。

 

聖良「私は鹿角聖良、この子が鹿角理亜」

 

どうやらサイドテールの方が聖良、ツインテールの方が理亜という名前らしい。その名前で俺は思い出した。この二人組のことを。グループ名は...確か...

 

洋希「Saint Snow...」

聖良「あら、もしかして私たちのこと知っていらっしゃるんですか?」

洋希「前に動画を見たのを思い出したんだ...」

聖良「嬉しいかぎりです、自分たちもそこまで有名になってるんだなと思うと」

 

ほんとにただ嬉しいのか、それとも俺たちを煽っているのか、いまの話からはとてもいい印象は持てなかった。なにか裏がありそうな感じだったからだ。

 

洋希「さっきのセリフ、どういう意味ですか?」

聖良「ん?ああ、ほんとに大丈夫かってやつですよね、そのままの意味です。そんな心構えで大丈夫なのかって」

 

その言葉にムカッとした。なんだかAqoursを馬鹿にされているような気がして。

 

洋希「お気遣いどうも、でもこいつらはやってくれます」

 

俺は少し強めの口調で言い返した。

 

聖良「そうですか、あ、そろそろ出番なので、この辺で」

千歌「1番目なんですね...」

聖良「前座ですよ前座、あんまり期待しないでくださいね」

 

そういって聖良さんたちはステージに向かっていった。いったいどんなライブをするのかと思ったが、楽しみという感情は生まれなかった。先程の会話で、自分のなかで変にライバル心が強くなったからだ。

 

そして、Saint Snowのライブが始まった。

曲名は「SELF CONTROL!!」。俺たちと違い、少しロックな感じが混じった曲だった。そして驚いたのは二人の息の合った踊り。姉妹というのもあるのだろうが、とても動きが整っており、磨きあげられているのがよくわかった。Aqoursの可愛らしい踊りとは打って変わって、Saint Snowはかっこいいという印象が強い踊りだった。俺はそのライブに見入ってしまった。

そして俺は思った、「Aqoursはこれには勝てない...」と。それが頭に浮かんだ瞬間、俺は頭を横に素早く降った。なんということだ、人様のライブをみて、自分のグループが勝てないと思ってしまったのだ。マネージャーとして、同じグループの仲間として、俺はいまの考えに憤りを感じた。

 

そして、Saint Snowのライブは終わった。終わったと同時に観客席から大きな拍手が沸き起こった。それほどSaint Snowのライブが良かったことを表している。

ライブを終えたSaint Snowが戻ってきた。聖良さんは俺の横を通り過ぎる時に呟いた。

 

聖良「どうでした?私たちのライブは」

洋希「...すごかったです」

聖良「そうですか、ありがとうございます」

 

そういって二人は立ち去っていった。特にやりきって嬉しそうな様子も見せず、やりきるのは当たり前のようだった。そこにAqoursとかれらの差を感じた。そして、悔しさも同時に感じた。少しでもミスしたらそれを指摘してやろうとでも考えていたのだが、ちょっとのミスも彼女たちの踊りからは見つけることができなかった。だから、ただすごいとしか言いようがなかった。

千歌「すごかったね...」

 

隣にいる千歌が呟いた。恐らく千歌もいまのライブに見入っていたに違いない。千歌はどんな思いでいまのライブを見ていただろうか。まさか俺みたいに「勝てない」なんてことは思ってないだろうな?そんなことになったらもうおしまいだ。

 

洋希「ああ、でもお前たちだって負けてないぞ。やり切ってこい」

千歌「...うん!」

 

「負けてないぞ」、ほんとに俺はそう思っているだろうか?心どこかではまだあいつらの方が上だ、なんて思っているかもしれない。だとしたら、俺は...こいつらに嘘をついていことになる。嘘でこいつらを励ましていることになる。そう思った時、とてつもない罪悪感にみまわれた。

 

そして千歌たちの番になり、ライブが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌たちのライブは、見てて気持ちがよかった。先程までのイライラや不安が、嘘のように吹き飛んでいってしまったからだ。やっぱり俺はAqoursが好きなんだと、改めて感じ取れた。

そしてライブを終えた俺たちは東京タワーにて東京を一望しているところだ。

 

梨子「この町、1300万人もの人が住んでいるのよ...」

曜「そうなんだ...」

洋希「近くに住んでいたけど...そんなの全くしらないな...」

 

正直想像もつかない。東京はほかの県に比べたら小さい部類にはいるだろう。そんな中に1300万人。まったく東京は大したもんだよ...。数ヶ月前まで住んでた俺が言えることじゃないんだけどな、俺もその1300万人に入ってたわけだし...。

 

梨子「っていわれても、想像できないけどね...」

曜「やっぱり違うのかな、そういう所で暮らしてると...」

洋希「どうだろうな...」

 

ものの見方、感じ方、それら全て、住んでいるところで変わってくる。俺だってそうだ。今までこの海が近くにないところに住んでいたときは、海に対して何の感情も抱かなかった。しかし内浦にきてその考えは変わった。毎朝ベランダから見える海。それがあんなにも美しいものだなんて、東京にいたら気づくこともなかっただろう。そういった点で、ものの見方、感じ方は変わるのだろう。だからスクールアイドルも、東京でやるのと俺たちみたいに地方がやるのとじゃレベルが違う。そういうことだろう。

 

花丸「どこまでいってもビルずら...」

ルビィ「あれが富士山かな?」

花丸「ずら」

 

ルビィ、花丸は持ってきた双眼鏡で東京の町並みを見下ろしているようだ。でも、そこに喜びの感情はなさそうだった。ルビィたちもライブのことが気になっているのだろう。それは隣にいる梨子や曜もそう。そして善子も...と思ったのだが。

 

ヨハネ「ふっふっふ...」

 

ん?とみんなが不思議そうにしている後ろで、善子は案の定、いつものローブを身にまとい、堕天使になっていたのだ。そして子供がそれをみて「なにあれ〜?」といっている。もうなんか、これが見慣れてしまった自分が怖くなった。ああ、もう好きにやってくれや...。

 

ヨハネ「最終呪詛プロジェクト、ルシファーを解放!魔力2000万のリトルデーモン、召喚!!...かっこいい...」

 

その魔力2000万のリトルデーモンがどこに出たかはわからんが、どうやら相当御満悦のようだな。善子は先程のライブ、気にしてないのだろうか、それとも気にしているが俺たちに気を使っていつも通りに振舞っているだけだろうか。うーん、わからんなこの子は。

 

ルビィ「善子ちゃんは元気だねぇ」

善子「善子じゃなくて!ヨ、ハ、ネ!!」

花丸「ライブ終わってまで堕天使はちょっと...」

善子「いいじゃない別に!!」

 

ライブ...かぁ...。果たして俺たちはどれくらいの順位だったのだろうか。入賞は出来なかったけど、それなりの順位には行けただろうか。残念ながらその結果を知ることはできない。なんせ入賞したグループしか発表されなかったからだ。逆に考えれば、へんに最下位とかを晒されるよりはマシか。

そんなことを考えてる時、ようやく千歌が帰ってきた。その手には箱があり、6つのアイスが刺さっていた。

 

千歌「おまたせ〜!うわ!なにこれすっごい〜!!キラキラしてる!」

 

驚くほどにわかりやすい千歌の演技、しかし俺はそれを口にだそうとは思わなかった。いつもならまだしも、なんせ千歌だってほんとはこんな気分でいられるはずもないのに、それを押し殺してみんなに笑顔を振りまいているのだ。こういう芯の強さが、千歌のいいところだ。

 

曜「千歌ちゃん...」

 

どうやら曜は千歌の気持ちを察しているようだ。千歌が我慢していることを。さすが幼馴染。略して...うん、今日はいいかな。

 

千歌はみんなにアイスを配った。そして俺にもくれるのかとおもったが、俺はスルーされしまった。

あれぇ...僕の分は買ってないんですか?千歌さん...。

 

千歌「全力で頑張ったんだよ?それに、私ね、今日のライブ、今までで1番良かったと思うよ!!声も出てたし、ミスもほとんどなかったし!!」

梨子「でも...」

 

こんなことをいっているが、千歌的には、ほんとは入賞して結果を出し、次のライブへの起点にしたかっただろう。それは他のメンバーも同様。もちろん俺も少なからずそう思っている。このライブで俺たちの知名度アップができたらますますラブライブへの道が近くなってくる。しかし、だからといってこのライブの結果だけで今後を考えて欲しくない。

 

洋希「まあ確かに、俺からみてても今回のライブは良かったと思うぞ。あんな強者ぞろいの場所で怖じ気づくことなく最後までやりきったんだ、大したもんだよ」

曜「でも結果は...」

洋希「結果なんてのはそう簡単に出るもんじゃねぇよ、俺たちはまだスクールアイドルを初めて日は浅い。それよりも今日のライブで1番大切なのは、経験さ」

 

経験、という言葉に少しばかりみんな疑問を抱いてるようだった。結果を気にしていた千歌たちだから、この言葉は予想外だったのかもしれない。

 

ルビィ「経験...ですか?」

洋希「そう、結果うんぬんより、こういった舞台で今後やることになるんだぞっていう経験を今出来たんだぜ?内浦にいっぱなしだったらこんなこと味わえなかったろ?だから今日はこの経験を大切にしてほしい。「私たちは東京で踊りきったんだぞ!」っていうのを今後のライブに生かせば絶対これからもいいライブができると思うんだ!」

 

少し偉そうにも聞こえるかもしれないが、俺の本心はこうだ。たとえ結果が悪くたって、納得いかないものだったとしても、ここでやったという経験、それは必ずこの先のライブでも生きてくるはず。だから千歌たちにはその気持ちを忘れないで欲しい。こいつらは今後絶対伸びる。近くで見てきた俺がいうんだから間違いない。

 

梨子「経験か...そうだね」

 

千歌の言葉に批判的になっていただろう梨子もこれには納得してくれたようだ。その反応を見た時、間違がったことは言ってないなと確信できた。

 

花丸「なるほど、つまりはいろんな本を読むのと同じで、ライブもいろいろなライブをこなさなきゃいけないって事ずらか!」

洋希「そ、そうだな...その通りだぞ花丸...」

 

わざわざ双眼鏡を使って俺を見る必要はあるかはさだかではないが、花丸自身も自分なりの解釈で紐解いたらしい。

しかし、納得した梨子たちと違い、いまだ浮かない顔をしている曜が話しかけてきた。

 

曜「でもさ洋希、私、Saint Snowのライブを見た時思ったんだ。これがトップレベルのスクールアイドルなんだって、この位できなきゃダメなんだって...なのに...彼女たちは入賞すらしてなかった...あの人たちのレベルでも無理なんだって」

ルビィ「それはルビィも...」

花丸「ま、まるも...」

 

確かに彼女たちのライブは目を見張るものだった。今でもハッキリ覚えてる、あのとき感じた胸の高揚。彼女たちのライブは、俺の心を燃え上がらせるような熱いライブだった。しかし、そんなライブをしてでも入賞はできないのだ。それはいまのスクールアイドルの世界の厳しさを表しているようだった。

なにか言葉をかけようかと考えてたとき、こういうときほとんど口を開かない善子が話し出した。

 

善子「な、なにいってるのよ!あれはたまたまでしょ!天界が放った魔力によって...」

ルビィ「なにがたまたまなのぉ?」

花丸「なにが魔力ずらぁ?」

 

二人とも双眼鏡を善子に向けて意地悪っぽく聞いた。

 

善子「い、いやぁそれは...」

花丸「慰めるの下手すぎずら」

善子「なによ!!人が気を利かせてあげたのに!!」

 

善子なりに俺たちを慰めてくれたのか。単語の選出が間違えすぎてなにいってんてんだ?ってなったけど、それはそれで善子らしいな。善子もやっぱり気にはしていたんだな。善子は善い子だね。

善子が沈みかかった空気を変えてくれたので、それに便乗して話をした。

 

洋希「でもまあ、俺たちだっていつかはあのレベルに到達できるはずだ」

曜「できるのかな...」

洋希「できるさ」

曜「確証は?」

洋希「それは今後のお前達の努力しだいだ」

梨子「私たちの次第...」

洋希「その分練習ももっとハードになるけどな♪」

 

ハードという言葉を聞いた瞬間、みんなの顔が強ばった。今までもまあまあキツめの練習をしてきたのに、これ以上厳しくするのかという気持ちが渦巻いているのだろう。

大丈夫大丈夫、死なない程度に設定してやるから...なんてアホみたいな考えはないよ。

 

洋希「というわけでだ、もう少し東京見て回ったら、内浦に帰るぞ。そして明日からまた練習を...」

 

やるぞ!と言おうとした時、俺のスマホが振動し始めた。それに気づき、俺はスマホを手に取り耳をかざした。みんなも気になったのか、じっと俺のほうを見つめてきた。そんなのは気にせず、一言「はい、赤羽です」といった。かけてきたのは...俺にインタビューしてきた、あのスタッフさんからだった。

 

 

 

その人の呼び出しで再び俺たちはイベント会場に足を運んだ。理由は渡したい物があるからだそうだ。なんだろう、落とし物かなにかか?でもそんなこと言ってるやつ俺らの中にはいなかったし...ハッ!もしや特別賞が貰えたりして!!

そんな期待をしながら歩いていると、周りをキョロキョロしているスタッフさんを見つけた。そしてようやく俺たちをみつけると、「こっちこっち!」といってきた。

 

スタッフ「いやぁごめんなさいねぇ呼び戻しちゃってぇ」

 

正直少しでも遠かったらいくのはやめようと思っていたが、案外近くだったのでもう一度来ることにした。これでくっっそくだらないことだったらぶっ飛ばしもんだけど、この人に限ってそんなことはありえないだろう...ありえないよな?

 

スタッフ「これ、渡し忘れてたからっておもって」

 

そういって渡してきたのは中に雑誌が1つの入るぐらいの封筒だった。いったいこれは...

 

ルビィ「なんだろう」

善子「もしかして...ギャラ!」

花丸「いやしいずら」

 

そんないやしい堕天使はほっておいて、まだスタッフさんの話があるようだから耳を傾ける。

 

スタッフ「今回、お客さんの投票で入賞してグループ決めたでしょ、その集結結果」

洋希「わざわざありがとうございます...」

 

俺はゆっくりとその封筒を受け取った。重さはさほどない。恐らく紙が何枚か入っているのだろう。残念だったな善子、ギャラではないぞ。

 

スタッフ「正直、どうしようかなぁ〜って迷ったけど、出場してもらったグループにはちゃんと渡すようにしてるから」

洋希「は、はぁ...」

スタッフ「じゃあ!」

 

そういってスタッフさんは去っていった。なんだろう...いまの意味有りげなセリフは。なんか、嫌な予感がする。男の勘ってやつだろうけど。なんとなくな。

スタッフさんが去ってすぐに、封筒をもつ俺に、みんなが集まってきた。

 

千歌「みる?」

洋希「まあせっかく貰ったんだしな...」

 

正直、この選択はミスだった。わざわざこんな場所で見なくても、帰ってからでも見ようと思えば見れた。なのに俺は、先程の嫌な勘を切り捨てて、すぐ見る判断をしてしまった。

特に封がされているわけでもないので、サッと中からお目当てのものを取り出した。中から出てきたのは紙が2枚。あれ、意外と少ないですな。取り出した紙の1枚目を見た。その時に初めて理解した。そこには上位入賞のグループだけでなく、出場したグループ全員が載っている。つまり、Aqoursの順位もここに掲載されているのだ。1位近くはイベントの時に発表があったので、そこはスルー。そんな中、Saint Snowの文字が見えた。順位はなんと9位。あれだけのライブですら9位、ほんとに厳しいなこの世界は。

 

花丸「Aqoursはどこずら?」

 

急かすように花丸がAqoursの順位を聞いてきた。1枚目を上から下までしっかり見たが、Aqoursの文字はなかった。仕方なくもう1枚の紙を上にする。Aqoursはどこだ...Aqoursは...。

 

あった。しかし順位は30位。今回のイベントの出場グループ数は30。ここまで言えば、どんなに馬鹿でもわかるよな?つまりだ...。

 

洋希「最下位...」

善子「ビリってことじゃない!!」

花丸「わざわざ言わなくていいずら!!」

 

予想外だった。もう少しいい順位だと思っていたぶん、この最下位という結果が重くのしかかってきた。嘘だ...なんで最下位なんだよ...。

紙を持つ手が震え始めた。納得できない。どうしてAqoursが最下位なんだ?観客は俺たちのライブだけ寝てたのか?と思ってしまうぐらいに、俺は理解に苦しんだ。

 

梨子「それで、得票数は?」

 

そうだ、まだ得票数がある。グループ名の隣端にはそのグループにいくら投票してくれたかも入っている。たとえ最下位でも29位と僅差かもしれない。そんな願いを込めて、俺は自分の手で隠れたAqoursの得票数を、ゆっくりと開示していった。そこに書かれていたのは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虚しくも、0という文字だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




瑠美「ねぇ、なんで私ここの出番多いの?」
リオート「本編がシリアスなところだから洋希たちだすと個人的によくないかなぁっておもって」
瑠美「だからってあまりみたいに使わないでよ!」
リオート「この前だしてやっただろ!!ありがたいと思え!!」
瑠美「ちょっとだけじゃない!」
リオート「2話もだしてやっただろ!!タダでさえテンポ悪いのを考慮してだしたんだぞ!」
瑠美「もっとだしてよ!!」
リオート「それは本編との噛み合いもあるので、厳しいです。」
瑠美「急に真面目に回答しないでよ...調子狂うよ...」
リオート「出す時はちゃんと洋希とあんなことやそんなことさせてやるから」
瑠美「ほんと!?」
洋希「おい、変なことさせたら殺すからな?」イライラ
リオート「oh...タダでさえ本編で胃がキリキリしてそうな状態でこっちきちゃったよ...」
洋希「わ か っ た な ?」
リオート「は、はいぃ...」
瑠美(あんなひろ君、初めてみたかも...)


アニメ7話終了と同時に8話突入!...ってこのテンポであと18話分?いったい何年かかるんですかねぇ...。せめて映画始まるまでには完結させて、映画ストーリーを作りたいですね。前にもこんなこといって結局2期始まっちゃいました〜なんてことあったような...。とにかく!見てくれる人、楽しみにしてくれている人のためにも!途中で投げ出したりはしませんよ!!それこそ踏んばルビィの気持ちでやったります!!あ、別に小説書くの辛くなったりはしてないんで、ただネタが浮かんでこないのがちょっとですね...。

そんなことより!次回もお楽しみにヾ(・ω・`)

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