ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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今回でプロローグは終わりです。
次からラブライブ!のキャラが出てきます。

では、どぞ。


第3話 「さよなら」じゃなくて「いってきます」

洋希「静岡...?」

 

まて、なんでそんな地名がいきなり出てくる。

 

洋希「静岡に誰かいるの?」

 

俺は父さんに聞いた。

 

父「知沙がいる」

 

知沙...俺の姉の名前だ。今は家を出て働いているとは聞いていたが、静岡で働いているとは知らなかった。あぁと納得する俺に父さんがさらに言葉をかける。

 

父「だから知沙のところで世話になってくれ、連絡はしてある」

 

1人暮らしの娘のところに1人暮らしになりかけてる息子を行かせるか...。確かにそれなら俺は1人になることはないし、あくまで世話になるのは身内であるから父さんたちも余計な心配せずにすむ。こういう父さんの行動の早さは見習わなければいけないところだ。

うんうんの頷いた俺は、改めて父さんに言われたことを整理した。そこで俺は1つの疑問を抱いた。

 

洋希「てことはら俺引っ越すってことだよね?」

父「...そうだ」

洋希「じゃあ学校も...」

父「もちろん転校するしかないな。さすがに知沙の家からここまでというのは無理があるからな」

 

転校。その一言が俺の脳を駆け巡った。つまり、俺はあの学校、クラスの仲間たちにもお別れをしないといけない。そして、そのクラスの仲間たちの中にはもちろん...

 

洋希「それって...瑠美の家の人とかにはもういってあるの?」

父「ああ、長い間仲良くしていただいて、迷惑もかけていただろうしな。今回のことはちゃんと伝えたよ」

洋希「それって、もう瑠美には伝わってるかな...」

父「どうだろうな...」

 

話す内に、どんどんと父さんの表情が暗くなっているのが分かる。声に張りがなくなっているのも気持ちの現れだろう。

 

父「すまんな洋希、もっと早く伝えられたらよかったんだが...」

 

沈んだ声のまま父さんはいった。

色々言いたいことはある。でもそれをいったら我儘になるのは高校生になった俺にはわかる。唇をぐっと噛み締めた。

 

洋希「し、仕方ないよ。仕事なんだもん。そういうことはあるよね」

 

溢れ出そうな気持ちを抑え、俺は元気よく言った。

 

洋希「引っ越すのわかったからさ、ごはん食べてもいい?もう腹減っちゃってさ」

父「そうだな、父さんもまだ食べてないんだ」

洋希「じゃあ、一緒に食べようよ」

 

そういって俺と父さんは椅子に腰掛け、母さんの作った料理を食べた。けどなぜか、その日の料理の味を、俺はほとんど覚えていなかった。

 

 

 

風呂をすませ、ベットに寝っ転がった俺は、改めて今回のことを頭の中で復唱した。

転校...それが何よりもつらいところだ。今の学校にも中学からの同級生もいる。それに悩みや相談事をしっかり聞いてくれる先生もいる。現状、今の学校生活は楽しいものだ。そして俺がもっとも気にしていることは...

 

洋希「瑠美とも...お別れか...」

 

多分2人が暗かったのは俺のことを思ってくれていたからだろう。今まで家族同然のように接してきた友達と別れる息子の気持ちを。出発は5日後の土曜日、父さんたちの海外への飛行機と同じ日だ。それを見送ったあとで俺も静岡へ旅立つ。

 

洋希「あいつどんな顔するかな...今日のこといったら...」

 

もやもやする気持ちを残したまま、俺は眠った。

 

 

 

 

 

朝、いつも通りに家をでた。家の前にはもちろんあいつがいる。

 

瑠美「おはよ!」

洋希「お、おはよう...」

 

元気に手を上げて挨拶する瑠美とは真逆で、俺は幽霊みたいな声で挨拶した。

 

瑠美「どうしたの?元気なさそうだけど」

洋希「あ、ああちょっとな」

瑠美「あ!もしかして夜遅くまでゲームしてたでしょ!」

洋希「あ、あぁ、そんなところだ...」

瑠美「ふ〜ん...」

 

ここで否定すると、「じゃあ逆になにやってたの?」と聞かれるのは目に見えてる。だからあえて話を広げないようにした。話していたらいつかボロが出てしまう。そう思ったからだ。

ちなみに、昨日のことは秘密にするつもりだ。学校の友達にも、そして瑠美にも。先生には隠しすことはできないだろうからそこはしょうがない。

 

瑠美「さ、行こう!ひろ君!」

洋希「ああ」

 

今日もうきうきしている瑠美を見ていると、俺は胸が痛くなってきた。でももう決めたことだ、すまんな、瑠美。

 

その日の授業もなんら変わりなくこなした。

 

先生「では今日はこれで終わりだ」

 

帰りのHR。先生のはなしが終わり、今日の学校での1日が、俺のこの学校過ごす1日の最後だ。

あとは挨拶して終わり、と思っていた......が

 

先生「私からは、だ」

 

いまありげな言い方に、みんなが困惑する。だか俺はその言いかたを聞いた俺は、嫌な予感を察した。

 

先生「赤羽、なにかみんなに言うことがあるんじゃないか?」

 

帰り支度のすんだみんなの目が一斉に俺に

向けられる。俺は予期せぬ出来事に体が硬直してしまった。

この人、俺の口から言わせるつもりか...

 

洋希「べ...別になにも...」

先生「このまま終わっていいのか?せっかく1年過ごした仲間たちに、何も言わずに去るのか?まったく、薄情なやつだなお前は」

 

去るってなんだ?赤羽くんどっかいっちゃうの?と、周りがさらにざわめいた。先生の言葉に俺は息を飲んだ。そうみんなに会うのはこれが最後、明日からは俺はこの学校にいない。なぜなら出発は土曜日だが次の日の水、木、金曜日は準備期間となっており学校には行かないからだ。テストも近いのでみんなに変な心配はかけたくないと考え、俺は次の月曜日に先生からいって欲しいと頼んだのに...この先生は...

だか俺は言わないと決心した。これを曲げるつもりはない。

俺は荷物をもってドアに手をかけた。

 

先生「近くにいた仲間が突然いなくなるのは、つらいものだぞ、赤羽」

 

先生の言葉に、俺の手が止まる。

 

先生「伝えられていなくなるのも悲しい。でもそれ以上に、本人からなにも言われないままいなくなるほうが、こいつらは悲しむと思うぞ」

 

俺はハッとした。言わない方がこいつらのため、そう思っていた俺の心に、まるで自分にもそういうことがあったかのような先生の話が突き刺さった。

俺はドアから手を離し、早歩きで教卓の方へきた。

顔をあげるとみんな黙って俺の方を見つめていた。なにが起きているか分からないこの状況化で。俺は小さく息を吐いた。

 

洋希「俺は...今日をもって、この四葉ノ高校を去ります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は大変だったみんな石像みたいに固まったと思ったら突然立ち上がるやつはいるし叫ぶやつはいるしで、もうなにがなんだか分かんなくなっちったよ。仲良かったやつは「あっちでも頑張れよ!」なんて声をかけてくれたな。普通に嬉しかった。先生は「向こうで後悔しないように生きろよ」っていわれた。みんなそれぞれ声をかけてくれて、正直言っといてよかったと思えた。だけども問題はこっちだ。

 

瑠美との2人での下校、恐らくこれが最後の2人での下校となるだろう。なんて言えばいい。わからない。言葉が出てこない。なにか、なにかことばを...

 

瑠美「静岡か〜いいな〜」

 

瑠美はまるで俺が静岡に旅行するみたいな言い方で話してきた。瑠美さん話し聞いてたのかな。

 

洋希「瑠美、俺...」

瑠美「私も悲しいよ、ひろ君と離れちゃうのは...」

 

瑠美はいまにも泣きそうな声で言ってきた。

 

瑠美「でもね、それはしょうがないこと、いくら私が言ってもどうしようもできない...」

洋希「瑠美...」

瑠美「だからね、決めた、ひろ君が旅立つまで絶対泣かない!」

 

強い。瑠美は強い。改めてそう思えた。

 

瑠美「ひろ君」

洋希「なんだ?」

 

俺の名前を呼んだ瑠美から小指が差し出された。

 

瑠美「約束、お互い離れても夢に向かって頑張ろうって」

洋希「ああ、約束だ!」

 

瑠美の小指に俺の小指をギュッとまじ合わせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして旅立ちの日

洋希は両親の旅立ちを見送り東京を出発しようとしている。

 

洋希「俺もあと少しか」

 

俺が乗る電車まであと20分、その電車で俺は静岡までいく。俺が時計を見ていたら突然後ろから手が出てきて目の前がまっくらになった。

 

???「だ〜れだ?」

 

俺はこの声を知っている、聞きなれたこの声、毎日のように聞いたこの声は...

 

洋希「瑠美?」

 

自信はあったが念には念をと疑問形で投げかけた。

 

瑠美「やっぱりバレちゃったか」

 

後ろを向くと笑顔の瑠美がいた。何故ここにと思ったが

 

瑠美「これ、ひろ君にあげる」

 

そういって差し出したのは1本のミサンガ、赤と青が交じりあったきれいなものだった。

 

洋希「これを俺に渡すためにわざわざ?」

瑠美「あの時はまだ作ってなくて、ひろ君の準備期間に私も作ったの」

 

俺はそれを手に取った。よく出来てる。まるで職人が作ったような感じだ。

 

洋希「瑠美、俺の腕に結んでくれ」

瑠美「うん」

 

そういって瑠美にミサンガを渡す。俺の腕に結んでる途中1粒の水が垂れてきた。顔を上げると瑠美が泣いている。

 

瑠美「これが...っひろ君にできる最後のお節介だと思うと...」

 

結ぶのが終わり瑠美の手が離れる。

 

洋希「瑠美...」

瑠美「泣かないって...泣かないっていったのに...」

 

泣きならがら話す瑠美を見て、俺は何が出来るか、何を言えるか、考えた。これでさよなら...さよなら?違うさよならなんかじゃない!

 

洋希「瑠美!」

 

俺の声に瑠美がビクッとなって顔を上げる。

 

洋希「瑠美、俺はお前と「さよなら」なんてしない!俺は静岡に「行ってくる」!」

 

自分でも正直何言ってるのかわからない。瑠美の頭にもでっかいハテナマークが浮かんでるようにみえる。

 

洋希「簡単に言えば俺は静岡に「いってきます」ってことだ!だからお前はなんて言えばいい?」

 

瑠美はもしかしての様な顔をして俺に

 

瑠美「いって...らっしゃい...?」

洋希「そう!それだ!「いってきます」ってことは必ず帰ってくる!「さよなら」とは違う!」

 

瑠美はその言葉を聞いて、そう言うことかと理解した顔になった。

 

瑠美「そうだよね...「さよなら」じゃない...「いってらっしゃい」...」

洋希「そう、じゃあ改めて...」

 

俺は必ず帰ってくる、その時はもっとかっこよくなって瑠美をビックリさせてやる。だからその時まで...

 

洋希「瑠美!いってきます!」

瑠美「いってらっしゃい!ひろ君!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして出発の時間、あと五分で電車が来る。俺が改札を通ろうとした時、

 

瑠美「ひろ君!」

 

瑠美の声が聞こえて後ろを振り向く。すると瑠美は走ってきて俺の前で止まった。

 

洋希「どうした?」

 

と俺が聞くと瑠美は背伸びをして俺の耳元で何か言おうとしてる、しょうがないから少し膝を曲げて瑠美の顔の位置まで顔を下げた。まったく、くだらないこと言ったら許さないからな。

 

瑠美「私ね...」

 

さてどんな嫌味を最後に聞かされるか最後ぐらいは面白いみのあるものをだn...

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠美「ひろ君のこと、好き」

 

 

 

 

 

 




なんとかプロローグが終わりました...。
ラブライブの小説なのになぜかオリキャラと出来ちゃいましたね...。こ、こっからちゃんとラブライブ!キャラ出していくので!瑠美ちゃんがこれから出るかは未定です。見ていただきありがとうございます。感想やアドバイスお願いします。

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