ラブライブ!サンシャイン!! 〜希望の光〜   作:リオート

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花丸「今回はおらたちの回ずら!」
ルビィ「そうだね!ところで花丸ちゃん!」
花丸「なんずら?」
ルビィ「ここっていつも作者さんが出てくるところだと思ったんだけど...」
花丸「ルビィちゃん」
ルビィ「?」
花丸「大人の事情ってものがあるずら」
ルビィ「そ、そうなんだね...」
花丸「だからここはマルたちが盛り上げるずら!」
ルビィ「うん!わかった!」
花丸「それでは...」
花丸、ルビィ「本編どうぞ!」


第3章 スクールアイドル部正式認定!
第27話 一輪の花と赤き宝石の出会い


小さい頃から隅っこであそぶ目立たない子だった。運動も苦手だったし、学芸会の時は木の役で。

だから段々1人で遊ぶようになっていった。本を読むのが大好きになっていった。図書室はいつしか、マルの居場所となり、そこで読む本のなかで、いつも空想をふくらませていた。

読み終わった時ちょっぴり寂しかったけど、それでも、本があれば大丈夫だとおもった。あの日、あの子と出会う間では...。

 

キーンコーンカーンコーン

 

昼休みの終わりのチャイムがなった。マルの図書室での読書タイムは終了。これから午後の授業がはじまる。別に授業は嫌いじゃない。でも、もっと本を読んでいたい、そんな思いがどこかにあるはず。授業をすっぽかしてでも本を読みあさりたい。そんな気持ちもどこかに...。

 

ガサゴソ...

 

花丸「ん?」

 

窓側の本棚のほうから物音が聞こえた。てっきりもうマルしかいないと思ってたのに。

気になって後ろを向くと、そこには女の子が1人。赤い髪のツインテールの女の子が、なにやら雑誌らしきものをみている。あれは...アイドル雑誌?

そのまま見続けていると、雑誌を凝視してた女の子はようやくこちらに気づいたかと思うと、「うわぁ!」といって恥ずかしそうに雑誌で顔を隠した。ただみてただけなんだけどなぁ...。ちょっと声をかけてみようかな。

 

花丸「ねぇ、あなた。もしかしてアイドルが好きなの?」

 

完全にマルの予想だけど、アイドル雑誌みてて「好きじゃないです!」なんてまさかいうわけないよね。

 

???「え、あ、うん。アイドル...好き...です...」

 

雑誌で口元を隠しながら彼女はいった。

やっぱり!マルの予想は大当たりずら!

 

???「そういうあなたは、いつも図書室にいます...よね?」

花丸「えっ?」

 

突然の彼女からの質問に戸惑ってしまう。

 

花丸「ど、どうしてそうおもうず...おもうの?」

???「ルビィが図書室に来る時、いつもその席に座って本をよんでるから...」

 

確かに、この学校に来てからマルはこの席がいつのまにか定位置になっていたずら。でも関わりの無い人のことをそこまで認識するものなのかな?よくわからないずら。

 

???「本...好きなんですよね?」

花丸「うん!大好きずら!あなたは本は好き?」

???「うん。いつも読むのはこういうアイドル雑誌だけど、物語系の本もよく読むんだ」

花丸「じゃあ今度オススメの本、教えて上げるずら!」

???「あ...ありがとう...」

 

そういう彼女の顔は少し微笑んでいた。

それにしても、この子すごく可愛いなぁ。小動物みたいな愛くるしさがあって、ぎゅっと抱きしめたくなるずら......で、でもさすがにいきなり抱きついたら変な人に思われるよね...

 

???「そういえば...名前はなんていうんですか?」

花丸「えっ...ああ!まだいってなかったね。オラ...じゃなくて、私は1年生の国木田花丸。あなたは?」

ルビィ「ルビィ、黒澤ルビィっていいます!お...同じ1年生です!」

 

ルビィ。見た目同様、名前まで可愛らしいずら。

 

花丸「同じ学年なら、そんなに畏まらなくてもいいずら」

ルビィ「そ...そう?じゃあよろしくね。国木田さん...」

花丸「花丸でいいずら♪」

ルビィ「え!あ、じゃあ、花丸...ちゃん...?」

花丸「うん!よろしくねルビィちゃん!」

 

そう、この女の子。黒澤ルビィちゃんが、マルの人生の道を、新たな道へと導く立役者となるのは、まだこの時は知る由もなかった...ずら...。

 

 

 

 

 

 

Aqoursの初ライブから数日...

 

 

 

 

脚立に座り込んだ千歌は「スクールアイドル部」の立て札をドアの上部分に取り付ける。場所は体育館の使われていない空き部屋だ。

 

千歌「これでよし!」

梨子「それにしても、まさかほんとに承認されるなんてね!」

曜「部員たりないのにね」

千歌「理事長がいいって言うんだからいいんじゃないの?」

曜「いいって言うか...」

洋希「あの人ノリノリで判子押してた気がするが...」

 

ほんの数分まえの出来事だが、小原先輩に部活承認の紙を渡したところ、二つ返事でOKされた。そして、俺が言った通り、ノリノリで判子押した、と言うわけさ。めでたしめでたし。

 

梨子「でも、どうして理事長は私達の肩を持ってくれるのかしら?」

千歌「スクールアイドルが好きなんじゃない?」

 

脚立から飛び降りた千歌はそう言った。

 

梨子「そういうわけじゃないと思うけど...」

 

口元に手をあてて考え込む梨子。

確かに理由は気になるっちゃ気になるが、今は答えが出そうにない。

 

洋希「ま、認められたことは認められたんだし、そういうのはまた今度、考えればいいだろ?」

梨子「そ、そうだね。今考えても仕方ないよね...」

千歌「さ、とにかく入ろうよ!」

 

鍵穴に鍵をいれ、ロックを解除する。

ここがいまから俺たちの部室になるのか...。なんかテンション上がってきた!

 

 

と思っていたのは部室に入るまでだった。

 

曜「き、きたないね...」

千歌「まさか私もこんなに汚いとは思わなかったよ」

梨子「片付けるの大変だね...」

洋希「千歌の部屋より...も汚いな...」

千歌「なんで私の部屋と比べるの!私比較的綺麗な方でしょ!」

洋希「綺麗な部屋にポテチの食べかけを置くヤツがよくそんなこといえるな」

千歌「あ...あれは...その...」

洋希「ま、それはいいとして、とりあえず片付けしますか」

梨子、曜(いじっといてその後始末、ひどくない?)

洋希「ん?んーーー?」

 

俺は部室に既に置いてあったホワイトボードに目をつけた。

 

洋希「なんか...かいてあるな...」

梨子「歌詞かなんかかな?」

千歌「なんてかいてあるの!?」

洋希「わかんね、字がかすれてて全然みえない...」

曜「ところどころはみえるけど...意味ないよね...」

 

ホワイトボードの文字に疑問を抱きつつも、片付け作業を始める。とりあえず、いらないものからドンドンだしていきゃしょう。

 

梨子「この本て、図書室のやつだよね?」

洋希「ん?...ああ、そうかもな、ナンバーが書いてあるし」

千歌「じゃあ届けないとね」

曜「誰がいく?」

洋希「まあまあ数あるけど、俺がチャチャっと返してくるわ」

梨子「じゃあ、お願いするね」

洋希「りょーかいっす」

 

そういって俺は事前に用意したビニールテープで何段かに重ねた本を結ぶ。その途中で俺は窓のほうから人の気配を感じた。

 

洋希「誰かいるな...」

千歌「えっ?どこに?」

 

俺はそーっと窓から顔をだしてみる、そこに人影はなかったが左右を見た時、ちょうど角を曲がる人影が見えた。あの髪は...あの子しかいないよね...。

 

千歌「だれかいたの?」

洋希「いや、誰もいなかった。俺の勘違いみたい」

千歌「なーんだ、じゃあ早く本返してきてね」

洋希「はいはい、わーってますよ」

 

そういって俺は束ねた本を両手にもち、図書室へ向かう。

あ、意外とこれ重い。腕ちぎれちゃよぉ!これぇ!

 

 

 

その頃図書室では...

 

 

あ、あぶなかった...。見つかるところだったよ...。べつにバレたら大変ってわけじゃないんだけど、なんか反射的に逃げちゃった...。ルビィってこと、バレてないよ...ね?

 

私はスクールアイドル部の部室から逃げてきて、図書室に戻ってきた。花丸ちゃんに教えてあげないと。

勢いよくドアを開けて花丸ちゃんの前に立つ。

あんまり勢いよく入ったから、花丸ちゃんビックリしてたよ。

 

ルビィ「やっぱり部室できてた!スクールアイドル部承認されたんだよ!」

花丸「よかったねぇ」

 

そういって花丸ちゃんは笑顔を返してきた。

 

ルビィ「うん!ああ、またライブ見られるんだぁ...」

 

この前のライブほんとにすごかったなぁ...。もしかしたらあれが最後かなって思ってたからすっごく嬉しい。

 

花丸「ほんとに好きだね、スクールアイドル」

ルビィ「うん!だって!歌いながら踊る姿とか!ライブ前の宣伝とかでも!どれをとってもスクールアイドルはいいところしかないよ!」

花丸「そうだねぇ、先輩たちすごかったもんねぇ」

ルビィ「始めたばったかりであのクオリティ、先輩たちは絶対もっと人気でるよね!」

花丸「そうに違いないずら!」

洋希「そりゃあよかった...是非それを...あいつらに...いってくれ...ハァハァ」

ルビィ「えっ!?」

 

そこにはなぜかクタクタにくたびれた洋希先輩がいた。な、なんでさっきまで部室にいたのに...。

なにやら腕をプラプラとふっているが、あれはなんの動きだろうか?

 

ルビィ「ひ、洋希先輩!どうしてここに?」

洋希「部室にあった本を届けにきたんだ...そしたら思ったより重くてな...腕がもっていかれるかと思ったぜ...」

 

先輩の横には何段にも積み重なった本がドンと置かれていた。あれは...どうみても重いって気付くきが...。

 

洋希「ていうかさ、そんなに好きならルビィちゃんもスクールアイドル部に入らない?」

ルビィ「えっ!?ル...ルビィが...ですか?」

洋希「そう!ルビィちゃん可愛いし、何よりスクールアイドルを愛してるんだろ?その思いがあれば絶対いいスクールアイドルになれるよ!」

ルビィ「ルビィは...その...」

 

突然の先輩の誘いに戸惑う。

確かに今まではライブを見るだけで満足していた。だけどここ最近、ライブを見るだけじゃ物足りないと感じてきた。それと同時にでる思い...

 

「もし私があそこにたっていたら」

 

そんな身も蓋もない妄想を考えてしまうようになった。自分もあのステージにたって踊りたい、歌いたい。その思いはある。しかしそれを行動に移せないのだ...。自分がそういうのに向いていないと分かっているから...。そしてなにより...

 

洋希「ああ、ごめんごめん。なんか無理やりやらせようとしてる感じになっちまったな」

ルビィ「いえ...そんなことは...」

洋希「そんだけ好きなら1度は自分がステージに上がってみたい、なんて思ってるんじゃないかとな」

ルビィ「...」

花丸「洋希先輩、ルビィちゃんにもルビィちゃんの事情があるずら、だから...」

 

花丸ちゃんが優しくフォローしてくれる。なんでだろう、「やります!」って一言言えればいいのに...。

 

洋希「...そうだな、俺からはもう勧誘はしない。でも入部はいつでも受け付けてるから、気が向いたら、いつでもきてね」

ルビィ「はい...」

 

情けない...。こんな自分が...情けない...。

 

曜「こら洋希!」

洋希「いでぇ!!」

 

突然声があがったかと思うと、洋希先輩に鉄槌(よくみたら本でした)が下されていた。

 

曜「またそうやって、ついには後輩にまで手を出すか!」

洋希「まったくもって誤解だぜ!ただ俺は健在な交流をしていたまでだ!」

曜「いいわけ無用!制裁じゃーー!」

洋希「まて!それまじで凶器になりうるから!痛いんだからそれ!」

 

洋希先輩と曜先輩がわちゃわちゃしてる。

仲、いいんだなぁ。

そんな呑気な気持ちでいるとルビィの横からとてつもないオーラが湧き出ているのに気がついた。その根源は...花丸ちゃんだった...。

 

花丸「先輩方!!」

曜、洋希「はい!?」

 

花丸ちゃんの声で先輩たちが静止した。

花丸ちゃん、今の声どこからだしたの?ルビィあんな声聞いたことないよぉ...。

 

花丸「ここはどこだかわかりますか?」

洋希「図書室です...」

花丸「では、図書室ではどうしなきゃいけないんでしたっけ?」

曜「し、静かにする...です...」

花丸「じゃあ今先輩たちはそれを守っていましたか?」

曜、洋希「ま...守ってませんでした...」

花丸「はぁ...今回は許しますけど、次やったら図書室出禁にしますね♪」

曜、洋希「は...はい...」

花丸「それと曜先輩」

曜「な...なんでしょうか...」

花丸「本は読む為にあります。決して人を叩くものじゃありません、そこのところはわかっていただけますか?」

曜「よ...よーそろー...」

 

凄いよ花丸ちゃん。本のことになるとここまで怒りをあらわにできるんだね!ルビィ、ちょっと怖かったけど、花丸ちゃんの新しい1面がみれて嬉しいな!

 

千歌「梨子ちゃん」

梨子「なに千歌ちゃん」

千歌「私には図書室って合わないかもしれない」

梨子「基本的にうるさいもんね、千歌ちゃん」

千歌「それは...否定できないなぁ...」

 

なんか千歌先輩たちまで呆気にとられちゃってるなぁ。

 

洋希「じゃ...じゃあこの本、多分図書室のだから、よろしく...ね?」

花丸「わかりました♪」

曜、洋希「し、失礼します」

千歌「あぁ!待ってよ2人ともー」

梨子「そ、それじゃあね、二人とも!」

花丸「さようなら」

ルビィ「さ...さよなら...」

 

洋希先輩たちが飛びだしていったのを追って千歌先輩たちも出ていった。はぁ、なんだかこの数分で凄い精神けずったなぁ。

 

花丸「ルビィちゃん」

ルビィ「な、なに?花丸ちゃん」

花丸「ホントはやりたいんだよね?スクールアイドル」

ルビィ「ルビィは...」

 

やりたい...でもやっぱり...。

 

花丸「やれない理由があるの?」

ルビィ「うん...」

 

やっぱり、ルビィには無理なのかな?

 

 

 

 

 




洋希「花丸先輩マジぱねぇす...」
曜「まさかあんなに怒られるとは...」
洋希「元をいえば曜が俺にちょっかい出さなきゃ...」
曜「私のせいにするの!?そうやって私を裏切るんだね!」
洋希「なんだよ裏切るって!俺はただ本を返しにいってただけでな...それでぶっ叩いてきたんだろ!」
曜「だって全然帰ってこないんだもん!心配だったんだよ!」
洋希「お気遣いありがとう!でも俺はそこまで子供じゃありません〜」
曜「なによ!」
洋希「なんださ!」
曜、洋希「ぎぃ〜〜」
梨子「千歌ちゃん」
千歌「なに梨子ちゃん?」
梨子「あのまま、キスまでいくのかな...」
千歌「な、なにいってるの?...梨子ちゃん...」
曜、洋希「次回もお楽しみに!」
千歌「あの2人絶対仲いいよね?ねぇ?」
梨子「ふぅ...安心安心...」
千歌「もう...ダレカタスケテー!」

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