やはり適度に書いちゃダメだな。一気に書かないとおかしくなる。
しかも長いし・・・
結局、天が起きないまま試合は進んだ。俺が投げると相手は集中を乱し打てない。俺たちは
「ストライーク!バッターアウト!」
そんな現状維持のまま俺が打つ番が来た。
「「キター!!」」
「圭さん!!頑張れー!!」
「「「頑張れー」」」
いつの間にか野次馬が集まってきた。現代の情報網恐るべし。しかもその中に知ってる顔が混じってる。
「兄さんがんばれー」
唯がちゃっかり埼王ベイブレードのベンチに居た。
「・・・」
「緊張してますか?」
村雨さんが話しかけてきた。しかもやや笑いながらという事は確信犯である。たぶんこの野次馬や唯を呼んだのもこの子だろう。観客を見方に付ける・・・恐ろしい子だ。
「「かっ飛ばせー!圭さん!」」
「・・・」
本当にごめんなさい。
「ゴクリ・・・」
恥ずかしながら緊張している。ぶっちゃけ俺が打てないとほぼ負けが確定する。最低出塁、最高ホームランと言った状態だ。
「・・・」
後ろからプレッシャーを与えてくる悪魔の命令は残り2つ。二つ目はこの場面・・・
「ツーストライーク!」
「「け、圭さ~ん!頑張れー!」」
悪魔村雨の命令で俺は二球目を見送る。しかしあの子滅茶苦茶うまいな。ど真ん中に投げれてるのに打てる気がしない。しかし本当にいいのだろうか?このままもう一度真ん中に投げられたらゲームオーバーだ。
「・・・」
(おや?)
向こうは何故か表情が優れない。何故だろう?正直俺は棒立ちでまるでカカシなんだが・・・
「ッ!」
「・・・ボール!」
ボール・・・だと?悪魔の言う通り見送ったら何故かボールになったぞ。どういう事だ?よくわからんが指示通りにするか。
「ボール!」
「・・・ッ!?」
(どうして!?どうしてストライクゾーンに入らないの!?)
響はストライクゾーンのど真ん中に入れている
(
彼女はバットを振った結果見えるであろう素肌が見たいのだ。本能が理性を超える!!
「ボール!!」
(どうして!?どうして!!)
彼女の誤算は三つ。一つは響が圭の投手の時にバッターに上がれなかった事により、フラストレーションが溜まっていた事。
二つ目はこの暑さだ。この暑さで理性が弱り、本能が活動的になった。
三つ目は審判の判断だ。審判は圭の後ろに立っている為、中々いい角度から見えるのだ。
二人の
「はぁ・・・ボール。フォアボール」
「クッ・・・」
審判は残念そうな声は出すし、彼女は苦虫を噛んだ様な顔をするし・・・罪悪感が凄い。
一塁へ向かいながら本当にこんな勝ち方は正しいのか?こんな事が俺のやりたかったスポーツ?だったのだろうか?わからん。一つだけ言える事は・・・唯を買収しているあの悪魔には俺は逆らわないという事だな。
計画通りに事が運び、圭さんが一塁に出た。これで最低限。後はそこで寝ている
「唯さん」
「ん」
任せろ。と言わんばかり雰囲気を纏い、唯さんは横たわる天に近づき耳元で何かを呟いた。少しすると天がうなされ、次第に顔色を悪くする。何を言ってるのかすごく気になる。
「ミャァ・・・」
(ミャァ?)
なんだか不思議な声を出しつつ、体調悪そうに天はゆっくりと起き上がった。
「お、遂に復活か」
「「天復活!天!復活!」」
「「「チッ!」」」
北海道デストロイの皆さんは大いに舌打ちをしますがその気持ちはわかります。実際、この集まりは
「ぉ?おぉ・・・?」
寝ぼけていて状況がよくわかってなさそうです。しかしそれでも私達のリーダー。
「私に任せろぉぉぉぉぉ!!!」
「「「よっしゃぁぁぁ!!任せたぞぉぉぉ!!」」」
彼女には何故か人を引き付ける何かを持っている。カリスマと言われる事はあるだろうが私はこう思う。
「よっしゃあぁぁぁ!!」
「「「行けぇぇぇぇぇ!!!」」」
みんなあのアホを見て楽しみたいのだと。
天が復活したのはいいんだが・・・次、天のだっけ?天の代わりに俺が入ったのだから天の手番は・・・野暮と言うものかこれが男女の違いなのだろうか?
一塁から見えるバッターボックスに立つ天の姿は中々様になっていた。あれから話し合い無しで天が復活した。不思議なのは相手のチームが文句を言わなかった事だ。と言うより、もっと不思議な事はどうして村雨さんは俺にバイト代を出してまで勝ちたいのだろう?わからない事は多いが今は試合に集中しよう。
「さてと・・・さっきは打てなかったけど今回は打たないとな」
「打たせると思う?」
「いや。でも打つぜ?」
ほどほどの緊張感で二人は見つめ合う。昔ピッチャーとキャッチャーの事は夫婦と言うと聞いたことがあるが二人を見てるとピッチャーとバッターの方が通じ合ってる気がする。
「・・・」
「・・・・・・・」
ジリジリと太陽が背中を焼き、風が吹き雑草の青臭い匂いが鼻にくすぐる。
ゴクッ・・・
誰かが唾を飲み込む音がする。ほどほどの緊張感張り詰めていく。二人共
「・・・ッ」
「ラッシャァァァ!!」
一塁にいる俺まで聞こえてきそうな程のフルスイングだ。アイツあんなに力強かったけ?
「ストラーーイク!!」
「いけーー!!かっ飛ばせー!!」
「よっしゃぁぁぁ!!響~!その調子!!」
俺の時とはまったく違う声援を聞くと急に冷静になる。俺は恥ずかしい。バイト代に釣られ、プライドを金に変えた男では貰えない声援を受けている天に嫉妬している。
カキン!!!!
「!?」
「ファーール!!」
危ない、危ない。考え事をしていて試合に集中出来ていなかった。しかし、ファールだったが明らかにホームランの距離だ。たぶん次一球でこの試合が決まるだろう。理由は完全にパワータイプの天が、バットを振らないという選択を取るとは思えない。
「「チッッ・・・!!」」
二人が同時に舌打ちした。アレ?どうして
「・・・」
「・・・・・・」
天はバットを揺らしあの子は珠をグローブに抱え、お互いに威圧し合う。
「・・・ッ!」
「う・・・らぁぁぁ!!!」
はい。一応野球はコレで終わりです。元々決着は書くつもりは無かったです。なのでこれで書きたい事は書けたんだが・・・
長い!もっとパッと書けてサッと読める作品を書きたい。