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俺が言った言葉でリビングの雰囲気が変わった。
「「「「…………」」」」
誰も声を出さない。しかし俺は知っている。
こいつらはアイコンタクトで会話している。だからかお互いに顔が変わったり目が泳いだりしている。
「・・・・・チラ」
「・・・チラチラ」
「・・・(ブンブン)」
この間0,2秒。この特技を別の事に生かせばいいと思う。
「け、圭さんの勘違いじゃあ~」
まず雪が声を上げた。
ほう、まずは雪が否定することで俺が勘違いした可能性を上げてくるか。
そういえば昔、雪に貸した人参に人形はどうしたんだろう?覚えてたら聞いてみるか。
「そ、そうよ!前みたいにあんたの勘違いじゃあないの?」
咲、そう言うなら俺の目を見ろよ。若干声が震えているぞ?
それに前の件は証拠不十分にてうやむやになっただけだ。
「そうです。兄さんの勘違いです」
えらく饒舌に話すが唯、君は前科持ちだからね?前のこと俺は忘れれないぞ?
「そ、そ、そうだぜ!圭にいの勘違いだぜ!」
バンバン肩を叩くな。痛いだろうが。一番怪しいのは誰か?ぶっちゃけ全員怪しい。
しかし証拠が無い。定期的に無くなる俺の私物だが大体、証拠が無いのでいつもこうやって注意に留めている。
この世界で過ごしてわかった事は性欲ってすごいなって事だ。
「天、醤油取って」
「ほい、咲ねえ」
「天ちゃん、ソース取ってくれる?」
「はい、雪ねえ」
「天、塩取ってくれ」
「はいはい、圭にい」
「天、ウインナー貰う」
「はいよ、唯・・って!私のウインナー取るなよ!」
見れば唯が天のウインナーを取って口に頬張っていた。
「あ~私のウインナー・・・」
なぜこっちを見る?仕方ないな・・・あんまり虐めすぎてもかわいそうだしな。
「ほらよ」
俺はまだ食べて無かったウインナーを天の皿に入れてやる。それを見た天はうれしそうな顔を見せる。こいつの笑顔だけは100点満点に花丸をやれるな。
「いいの!?ありがとう!」
ガタ
「咲、座ってろ」
「ッチ」
「うめぇ~!圭にいのモゴモゴ」
「言わせねえよ」
天の口を塞ぐ。このアホはなんて事を言おうとするんだ。
「いいなぁ…」
「ぐぬぬぬぬ」
「しまった……」
「流石圭にいのウモゴモゴ」
「だから言わせないって」
ガタ
「咲……座ってろ」
「ッチ゛」
更に凶悪になった咲の舌打ちを聞きながら天の口を塞ぐ。
「…………チラ……」
視線を感じて唯の方を見れば、天のカフェオレにソースを混入していた。
「チラ……チラチラ」
これは俺から注意されれば罰で飲まされてうれしい。無視されたら天が飲むから面白い。どっちに転んでも唯の得にしかならない。普段は怒る雪はこっちを不機嫌そうに見ているだけだしな。
「チラチラチラチラ」
さて、どうするか……唯じゃないがどっちも有りだ。面白いを取るか偶のご褒美を上げるか……
「ほら、アホな事を言ってないでゆっくり飯を食え」
「モグモグ。は~い」
俺が手を放すと天は両手でカップを持ち、ソース入りのカフェオレを口にした。
「ウ?グッ!?え!?」
カッ!と眼を見開きカップを見た後、なぜか周囲をキョロキョロし始める。
余りの味に錯乱しているのだろう。わかる。
「どうしたの?」
「雪ねぇ~このカフェオレいつもと違う味がするんだけど……」
「あ、いつものメーカーのカフェオレ売り切れてたの。だからちょっと違うのかも……」
「そっか!ゴクゴク」
「「!?」」
予想外だ。そんなわけが無い。メーカーレベルの違いではない。ハッキリ言ってアレはもうカフェオレでは無い。
「天、恐ろしい奴だ……」
「?」
結局最後まで気付かず食事を終えてしまった。なんかどっと疲れる朝飯だったな。
ん~今更だが実写版デビルマンが見たい。借りるまでも無いんだが・・・