ひねくれボッチは仮想現実で本物を求める   作:エンジェリック

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どうも、エンジェリックです。第九話の投稿となります。ハチの捜索が始まります。キーパーソンはもちろんあの人です。


ひねくれボッチは探される

二人の少女と二人の男性があるレストランの個室にいた。外のお祭り騒ぎとは対象的に、こちらの空気は暗かった。

 

 

 

 

 

 

キリトside

 

 

「・・・なぁキリト。その話はマジなのか。」

 

 

クラインさんが腕を組んだまま聞いてくる。話を聞いている間、クラインさんはずっと難しい顔をしていた。

 

 

「・・・・・・はい。」

 

「なんであいつはそこまでしたんだ?こういっちゃあなんだがあいつには関係ない話だろう。」

 

「わかりません。多分聞いても教えてくれないと思います。ハチさんは。」

 

 

少し考えた後、アスナさんが口を開く。

 

 

「俺は俺のために動いた・・・・・・あいつが迷宮で倒れた私を入口まで運んだときに言った言葉です。多分今回もそう言うと思います。」

 

「そりゃあ攻略組の問題が解決すればやりやすくなるだろうけどよ。それで自分がピンチになっちまったら意味ねぇだろうに・・・・・・。」

 

「・・・これ以上はアイツに聞かなきゃ分かんねぇだろうな。実際、ビギナーとベータテスターの確執は無くなったんだ。狙ってやったんだとしたら大した奴だよ。」

 

 

クラインさんも一応納得してくれたみたいで、組んでいた腕を解く。

 

 

「まぁ事情は把握したぜ。それでキリト。緊急事態ってのはそれのことか?」

 

「はっ!そうでした!大変なんです!ハチさんは今、犯罪者なんですよ!!」

 

「キリトちゃん落ち着いて。アイツも流石にそこまでおちてはいないはずよ。」

 

「アスナさん、否定しきれてないっすよ。」

 

 

でも確かにハチさんって目のせいで誤解されること多そうだなぁ・・・・・ってそれどころじゃなくて!

 

 

「え、えっとですね。ハチさんは私を攻撃したじゃないですか。それでそのときにシステム的に犯罪者って認識されたんです。」

 

「おお、あのーオレンジプレイヤーって奴だろ。でもカーソルがオレンジになった以外、そこまで変わってなかったと思うぜ。」

 

「確かに見た目はカーソル以外そんなに変わらないんですが、オレンジプレイヤーは町に入れないんです。」

 

「「「えっ」」」

 

 

三人とも驚いている。みんな知らなかったんだ。

 

 

「つーことは何か?アイツはこれから先、ずっと町に入れないってことか?」

 

「いえ、贖罪クエストというクエストをこなせばカーソルは戻ります。でも・・・そのクエストは第三層まで攻略しないと出ないんです。」

 

「おいおい、第一層攻略に一ヶ月かかったんだ。第三層まで攻略するのはまだ結構かかるぞ。」

 

「はい。ハチさんがオレンジプレイヤーについて知っているかは分かりませんが、どちらにせよ今ハチさんはとても危険な状態なんです。なので・・・・・・。」

 

「俺たち二人にも捜索を手伝って欲しい。ってことだな?」

 

 

クラインさんが続きを代弁してくれる。

 

 

「はい・・・・・・・お願い出来ないでしょうか・・・。」

 

「私からもお願いします。」

 

 

アスナさんも頼んでくれる。

 

 

「まぁそっちにかかりきり、ってのは難しいですができる限りのお手伝いはさせてもらいます。今の話を聞いた以上アイツと話もしてみたいですし。」

 

「俺も攻略の合間とかなら出来るぜ。」

 

「ありがとうございます。」

 

 

よかった。これで少しは発見の見込みが高くなる。

 

 

「それで今後の方針なんですけど。」

 

「まずは情報だな。」

 

 

情報・・・。情報ってなるとやっぱり。

 

 

「アルゴですね。」

 

「アルゴ?」

 

「あれ?アスナさんはアルゴのこと知らないんですか?攻略組の間では有名な情報屋ですよ。」

 

 

アルゴも前に話したみたいなことを言っていたような。アスナさん忘れてるのかな?

 

 

「情報屋?」

 

 

あれ?情報屋自体を知らない?私の疑問をクラインさんが代弁してくれる。

 

 

「アスナさん?もしかして情報屋ってのはご存じないですか。」

 

「はい。今初めて耳にしました。」

 

「・・・・・・なぁキリト。お前のパーティーメンバーって相当危なっかしいな。」

 

「あはは・・・・・・。」

 

 

実力は二人とも確かなんだけどなぁ。

 

 

「とりあえず今はアルゴですね。彼女の情報力だったら・・・・・・あっ。」

 

 

大事なことを忘れてた。

 

 

「どうしたの、キリトちゃん?」

 

「アスナさん。ハチさんの隠蔽スキルってかなり高かったと思うんです。」

 

「・・・そういえばそうね。」

 

「高いっつってもしっかり注意を向ければ看破出来るんだろ?確かに少しキツイがそこまで問題にはならねんじゃねぇか。」

 

 

甘いですクラインさん。ハチさんの隠蔽スキルはそんなもんじゃありません。

 

 

「・・・・・・ハチさんの隠蔽は目の前にいても・・・ぶつかるまで気づきません。」

 

「「・・・・・・。」」

 

 

絶句する二人。この第二層の広大なフィールドで一人のプレイヤーを手探りで探さなきゃいけない。ハチさんの捜索は相当な難易度になりそうです。

 

 

「・・・・・・・・・とりあえず鼠を探そうぜ。」

 

「・・・はい。」

 

 

早速アルゴにメールを送ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・アルゴの様子がおかしいです。

 

 

メールを送った後、いま少し忙しいといった内容のメールが返ってきました。そこまでは不思議なところはないんです。でもしばらくしてアルゴから一段落したというメールをもらって会ってみたんですが・・・・・・。

 

 

「ヤァ、キーちゃん。オイラを呼んだってことは何か聞きたいことがあるノカ?なんでも教えるゾ。なんならタダだっていいナ。にゃハハハ!冗談ダヨ♪」

 

 

彼女とはベータテスト時代からの付き合いですが、こんなアルゴは今まで見たことがないです。何度か会ってるみたいですがクラインさんとエギルさんも唖然としています。

 

私の身長はあまり高くなくてフードの下の顔も結構見えるんですが、口元がずっと緩んでます。

 

本当に何があったんだろう。

 

 

「ねぇ・・・アルゴ。何かいい事でもあったの?」

 

「ナッ?!いや、その情報は1万コルだナー。」

 

 

いつもの決まり文句なんですが動揺が隠しきれてません。あと高いです。

 

まぁ人には誰しも隠し事はあるので、あまり詮索しないようにします。今はとりあえずハチさんのことです。

 

 

「アルゴ、ハチさんの事について何か情報を買いたいんだけど・・・。」

 

「ヴッ!!」

 

 

前言撤回です。この隠し事は意地でも暴きます。まさかこんな早くに手がかりが掴めるなんて。

 

方向転換しかけたアルゴの肩を掴む。AIGに極振りのアルゴでは多分振り解けないと思う。こういう時によく思うんです。STRに振っててよかったなぁって。

 

 

「もしかして、何か知ってるの?」

 

「イヤ、ハー坊の情報は入ってないゾ?」

 

「なんで疑問形なの。」

 

 

知らない時はハッキリと言うアルゴが動揺し過ぎてます。ポーカーフェイスとか得意そうですが。

 

 

「ホントに?」

 

「アッ、アア。なんにも知らないゾ。」

 

「嘘だったらもう情報買ってあげないし、売ってあげないよ?」

 

「・・・・・・しょうがないナ。何を知りたいンダ?」

 

 

やっぱり知ってるんだ。隠すことないのに。

 

 

「今ハチさんは何処にいるの?」

 

「その情報は千コルだナ。」

 

「買うよ。」

 

 

微妙な出費だけど、この際しょうがないです。

 

 

「ハー坊は全体マップ上の東の端にある高い岩山の頂上近くにいるよ。」

 

「東の端の岩山・・・・・・。どうしてそんなところに。」

 

 

いくらハチさんでもそこまで移動するかな?いや、しそうですね。でもなぁ・・・・・・。

 

 

「っ!その場所ってアルゴの紹介なの?」

 

「その情報は、ッテ!キーちゃん!力入ってるゾ!怖イ!怖いゾ!!」

 

 

あれ?いつのまに。うーん。今はとりあえず会いに行こう。

 

 

「・・・まぁいっか。ありがとう。アルゴ。」

 

「・・・役に立ててよかったヨ。」

 

「皆さん。ハチさんの居場所が・・・どうしたんですか?」

 

 

みんな何故か表情が固いです。何かあったんでしょうか。

 

 

「とっ、とりあえず居場所がわかったなら行きましょうか。エギルさんとクラインさんはどうします?」

 

「うえっ!?いっ、いやぁーこの後仲間達とちょっとあってですね、行けないんですよ。エギルはどうよ。」

 

「おっ、俺はちょっとこの町の雑貨屋でも見ようと思っててな。わりぃけど行けねんだ。」

 

「そうですか。」

 

 

残念ですけど無理強いは出来ませんし。行くのは私とアスナさんだけみたいですね。

 

 

「それじゃあアスナさん。準備をしてから出発しましょう。」

 

「えっ、ええ。そうしましょう。」

 

 

待っててくださいねハチさん。言いたいことが沢山あるんですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナside

 

 

キリトちゃん自覚はしてないのかしら?

 

私は感じた。

 

アルゴさんっていう情報屋の人と話してる時。途中まではいつも通りだったけど、アルゴさんがキリトちゃんの言葉に動揺してから雰囲気が変わった。

 

後ろ姿だけでもすごい負のオーラのようなものを発し始めた。

 

アルゴさんもそれからずっとタジタジだったし、エギルさんとクラインさんも後ずさってた。私も少し怖かったし。

 

話が終わったらいつも通りのキリトちゃんに戻ってたけど・・・何だったんだろう。

 

 

「アスナさん。アイテムの補充は大丈夫ですか?装備の耐久値とかも確認しておいた方がいいですよ。」

 

「ええ。さっき確認したけど大丈夫そうだったわ。他にも何か準備したほうがいいかしら?」

 

「えーっとですね。あっ!何か食料を持って行きましょう。ハチさん何も食べてないかも知れませんし。」

 

「そっ、そうね。」

 

「他にも第三層攻略までそこで野宿するかも知れませんし、寝袋とかも必要ですかね?あっ!安心してください。私、STR高いので少しくらい重くなっても大丈夫です。でも料理スキルがないと食事のときに少し苦しいですね。戦闘スキルはあまり削りたくありませんし、周辺でレベリングしたほうがいいですかね?そうと決まればもう少しアイテムを揃えてきますね!!」

 

「キッ、キリトちゃん?」

 

 

キリトちゃんが暴走してる。さっき野宿とか聞こえた気がするんだけど、まさかそこを拠点にするつもりなのかしら。

 

「キリトちゃん、そろそろ出発しない?日が暮れちゃうわよ。」

 

「そうですね。それでは通るフィールドのモンスターについて説明しますね。」

 

「お願いするわ。」

 

 

とりあえず、今は無事目的地につけるように頑張ろう。

こんなに苦労させるんだから、アイツには絶対何か奢らせてやるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハチside

 

 

「うおっ!!」

 

 

なんだ?今の気は。殺気とは違う。だがとてつもないプレッシャーだ。

 

いや、分かってる。俺だって成長してるんだ。こんな気を感じた後は決まって厄介な事になる。岩はまだ割れてないが一時的にこの場を離れよう。そうしよう。

 

装備の点検、アイテムの確認をして、いざ!

 

 

「ん?」

 

 

これは・・・メールか?

 

なんだろう。メールって聞くと古傷が痛むなぁ。くだらないメールの内容に一喜一憂した中学時代。どうしてあそこで俺は暴走してしまったんだろう。・・・・・・目から水が・・・。

 

そんなことより内容は・・・・・・。

 

 

 

動くなヨ?

 

Fromアルゴ

 

 

 

・・・・・・いや、怖ええよ。アルゴさん?それ悪者のセリフですからね、分かってます?あと気づくの早すぎやしませんかね?俺まだ下りてすらいねぇぞ。

 

だがこれで退路は絶たれてしまった。ならば・・・。

 

 

「隠れるか。」

 

 

規格外と言われた隠蔽スキル。ここで使わずいつ使うのだ。ステルスヒッキーの真髄を今こそ発揮する。

 

これで問題解決。もう何も怖くない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていた時期が俺にもありました。これ想像以上に心臓に悪い。

 

近づいてくるプレッシャー。逃げ出したいのに動けないジレンマ。

 

ああ、死刑宣告を受けた人の気持ちがわかった気がする。・・・・・・知りたくなかった。そんな気持ち。

 

 

「っ!来たな。」

 

 

索敵に二人のプレイヤーが引っかかる。わざわざこんな所まで来るってことはエクストラスキル狙いなんだろうか。もしかしてさっきの忍者二人か?

 

ん?・・・・・・あれは・・・キリトとアスナか?なんでこんな所まで。

 

あの二人に今見つかるのは避けたい。ってか絶対恨まれてる。

 

というよりなんで俺がここにいるって分かったんだ?・・・・・・アルゴしかいねぇな。あいつは俺の《絶対許さないリスト》に追加しておこう。

 

まぁぶつからない限り俺の隠蔽がバレることはない。この広場の端、岩の前までわざわざ来るなんてことはないだろう。

 

 

「岩山の頂上ってここよね。こんな所があるなんて。」

 

「そうですね。私もベータテスト時代には知りませんでした。なんでこんな所があるんでしょう?」

 

「よく分からないわね。まぁとりあえずアイツを探しましょう。どうせまた隠れてるんでしょうし。」

 

「はい。アスナさんはここら辺で誰も通さないようにしてください。」

 

「わかったわ。」

 

 

やっぱり俺を探しに来たのか。いや、分かってたけどね?何でしょうね、あの時の借りを返しにきた。とか言われちゃうのかな?

 

とりあえずここにいればバレるなんてことは―。

 

 

「ひぇっ。」

 

 

っべー。声でかけたわ。ってか出たわ。

 

キリトさん?顔が怖いです。なんていうか表情はいつも通りなんですけどなんというか怖いです。あと恐いです。

 

・・・・・・ん?あれ、こっち来てない?なんで、バレてないよね?こっちガン見してるんだけど。

 

えっ!ちょっと待って!止まって!止まってください!

お願いしますか―。

 

 

「そこです!!」

 

「ひゃあ!!」

 

 

顔の横ギリギリをかするキリトの正拳突き。その拳は俺の背後の岩に亀裂をいれるほどの威力だった。・・・いや死んじゃうんだけど。

 

もちろん至近距離で声なんか出しちゃったもんだから当然キリトにもバレたわけで・・・・・・。

 

 

「見つけましたよ・・・・・・ハチさん。」

 

 

俺が見たキリトの顔は、いつぞやのアスナを彷彿とさせるイイ笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

俺の隠蔽がバレる時は厄災の前触れである。ソースは俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恥ずかしい!!

 

忘れてた!俺の顔には今、落書きがされてたんだった。めっちゃアスナに笑われた。キリトも必死に堪えてたけど最後に吹き出してた。死にたい!!

 

だがこれはチャンスだ。二人が笑っている間に俺の隠蔽で!!

 

 

「ダメですよ?」

 

 

はい無理でしたー。だからキリトさん?なんで俺の考えてることが分かるの?

 

 

「ハチさん。どうしてあんな事をしたんですか?」

 

「いや、ほら。攻略組のあの問題はどうにかしないといけなかったし・・・。」

 

「私達に相談せずですか?」

 

「あの、ボス倒したあとディアベルのパーティーの奴がめっちゃ睨んでたからいけると思って咄嗟に・・・・・・。」

 

「なんで私にピック投げたんですか?」

 

「・・・あれくらいしないとお前は止まらないと思ったし・・・・・・。」

 

「私、傷つきました。」

 

「うぐっ!」

 

「怖かったです。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「泣いちゃいました。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「本当に・・・・・・怖かったんですからね。」

 

「・・・悪かった。」

 

「許しません。」

 

 

・・・・・・やっぱりか。許してもらえるわけが無いよな。わかってた、うん。土下座でも靴舐めでもするが命は惜しい。なんとかしなければ。

 

 

「なので!私とフレンド登録してください!!」

 

「はっ?」

 

 

フレンド登録?そんなのでいいのか?ボスのソロ攻略とか多額の賠償金とかじゃなくて?

 

 

「そっ、そんなんでいいのか?」

 

「もっとキツイ方がいいですか?」

 

「めっそうもございません。」

 

 

なに?やっぱりさらに上があるの?見たくない。そんなものは未来永劫チラ見すらしたくない。

 

 

「あれ?そういえばハチさんでも一応フレンド登録は知ってるんですね。」

 

 

えっ、なにそれ。俺ってそんなに友達いなそうなの?いや確かにいないけどさ。でもそんな驚くことは無くない?

 

 

「ああ、少し前にアルゴとしたからな。」

 

「へぇーそうなんですか。ちなみに聞きますけどハチさんからフレンド申請したんですか?」

 

 

ん?なんか空気が変わったか?

 

 

「いや、あいつが無理矢理してきたんだ。」

 

「むぅ。ハチさんの初めては私が欲しかったです。」

 

「ぶふぉ!!」

 

「ハチさん?!」

 

 

なんつーこと言ってんだこの娘は!いくら何でもその言い回しはダメだろ。ほら見ろ!さっきまで空気だったアスナが顔真っ赤にしてんだろ。ってか赤面してる顔可愛いな。あの阿修羅のよう――。

 

 

「ねぇアナタ。何か失礼なこと考えてるでしょ。」

 

「めっしょうもごじゃいましぇん。」

 

 

だからキリトといい、アスナといい何でわかるんだよ。

 

 

「・・・まぁいいわ。それでキリトちゃん。これからどうするの?ソレの処分?」

 

 

ちょっと。ソレってなんだよ。処分ってなんだよ。俺人間だよ?モノ扱いはよくないと思います。ってか真っ先に出る選択肢がそれですか。

 

 

「えーっとですね。さっき戦った感じですとここら辺のモンスターにベータテスト時代との変更点は無かったので、ここでレベリングですかね。」

 

 

えっ、ちょっと待って。なに?ここに留まる気マンマンですか。マジで?圏外だよ?野宿だよ?それでいいのか女の子。

 

 

「キリトちゃん?もしかして数日の間ここに留まるの?流石に・・・・・・ね?」

 

 

ほら見ろ。四日連続で迷宮区でキャンプしたあの阿修羅さんでさえ―。

 

 

「やっぱり私もそうするわ。そこのソレとはしっかりと《お話》しないといけないみたいだから。」

 

 

やっぱりバレるのね、俺の思考は。いや一つ弁解させてくれ。さっきは素で間違えたんだよ。・・・余計悪いじゃねぇかよ。

 

 

「おい、さすがにそれは―。」

 

「ハチさんの異論、反論、抗議、質問は一切受け付けません。ダメです!」

 

「あっ、はい。」

 

 

俺に拒否権は無いのね。知ってたけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日間、俺達は行動を共にした。キリトも体術スキルが欲しかったようで俺と同じく、クエストを受けていた。

 

顔に落書きされたキリトは可愛かったです。

 

俺とキリトの岩はほぼ同時に割れた。キリトは気があいますね。と言っていた。少し違うと思うけど尊い。

 

アスナはずっとレベリングをしていた。それにアイテム、食料、装備の耐久値などが怪しくなってくるとキリトと町へ行って色々揃えてくれた。

 

岩が割れた後も数日レベリングをした。それにしても二人には借りが出来てしまった。いつか返さなければならないだろう。

 

でも毎日夜になると待ってるO☆HA☆NA☆SHIがホンットに勘弁して欲しい。一時間くらい絶対零度の目で睨まれながら説教くらうのが辛い。キリトは助けてくれないし、ドMに生まれなかった自分が恨めしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルゴとも一回《お話》しておかないとなー。」

 

 

キリトが瘴気を放ちながら何か言っていたが俺は知らない。知らないったら知らない。

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。次の第十話も頑張っていきたいと思います。

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