いつも頑張るお前の傍に。いつも支えてくれる君と一緒に。 作:小鴉丸
今言うことじゃないと思いますけど、この作品は甘いのを書きたいという願望だけで出来ています!
〜つぐみside〜
「ふ~、さっぱりした〜」
お風呂からあがって髪を乾かして自分の部屋へと向かった。
自分の部屋の前に来てふと思い出した事があった。
「(そ、そういえば総士くんが居るんだった……)」
部屋に入る前にその事を意識してしまう。
昔はそうでもなかった……と思う。確かお兄ちゃんと言っていた気もする。
「(う、うん! 頑張れ私!)」
グッと両手を握りしめて気合を入れる。
「総士くん? 入るよ?」
自分の部屋なのに緊張してしまう。
心臓がドキドキとするなか扉を開ける。
「…………」
部屋の中は電気がオレンジ色にしており、その総士くんは既に布団に入って寝息を立てていた。
「(寝てる……疲れてたんだ……)」
一人で任せてたから仕方ないだろう。
「…………」
好きな男の子が自分の部屋で寝てる。周りには誰もいなく、やりたい事があるなら今だ。
「(少しだけ、少しだけならいいよね?)」
私は足音がしないようにして総士くんに近づく。そして――。
「お、お邪魔します」
総士くんが入ってる布団に私も入った。
布団の中はとても暖かくて、とても落ち着いた。今は総士くんの背中を見ている形になる。
「総士くん……」
別の匂いがしてドキドキする中、口を開く。
こうでもしないと出来ないから、いつかはちゃんと思いを伝えたいけど今はまだ出来ない。だから練習、これは練習と自分に言い聞かせて。
「私は、総士くんの事が好き。いつも支えてくれて、昔から気遣ってくれる……そんな総士くんにいつの間にか惹かれていたんだよ?」
当の本人には届いていない声だけど続ける。
「Afterglowのみんなと居る時でも総士くんの事を考えちゃうくらい好き、家のお手伝いをして二人でいる時だと余計に考えちゃう。総士くんの好きなところはいっぱいあるよ」
全て本当の事だ。自分の性格からして嘘をつくなんて下手だから、尚更こんな時は正直に全部言えるんだろう。
「まず笑顔が好き、草薙先輩と話してる時に見せる何気ない笑顔が好き。行こう、って言って私の手を引っ張る時の暖かい手が好き。いつも優しい総士くんが好き。そしていつも支えてくれる――」
とそこまで言った時だった。
「う、……ぅん」
ごろん、と総士くんの体が反対を向いた。
「!? (か、顔がこんなに……!)」
目と鼻の先、総士くんの顔がある。そして右手が私に被さっている。鼓動が早くなるのが分かると同時に、私はとても癒されていた。
今ならよく眠れそう……。だってこんな幸せな事はないから……。
「おやすみ、総士くん」
でもちゃんと自分のベッドで寝ないといけないから目を閉じるだけで、少し時間が経ったらベッドに行く。
総士くんは私の事をどう思ってるのか分からないから、私はただの幼馴染みだから。
今はこの夢のような時間を味わっておきたい。私は目をつぶり、この感覚をゆっくりと感じていた。
~総士side~
「すぅ……すぅ……」
「(どういう事だ……)」
ふと目を覚ました俺。最初に思った事は寝れたんだな、という事。そして次は何でつぐが俺の布団で寝てるんだ、という事だ。
風呂から上がった後なのだろうか髪からはシャンプーの匂いがする。可愛らしい寝息を立てていてその姿に胸が締め付けられる。
「何で居るんだよ。いや、お前の部屋だけどさ……」
髪を触り、言う。
俺とつぐの顔が近くてそれにドキドキとしてしまう。
「よっ――と」
変な事にならないうちにつぐを抱えてベッドに運ぶ。
「ぅ、――総士、くん……」
その最中つぐが言葉を漏らす。
ベッドに寝かせ、俺はつぐに覆い被さり声を掛ける。
「お前、何を考えてんだよ。男の布団に入るなんて……余計に意識するだろ」
目をつぶって寝息を立てているつぐは反応をしない。だけど俺は言い続けた。
「お前は俺の事どう思ってんだ。それが知りたい」
返事は返ってこない。そんなのは分かりきっている。
「ただの幼馴染みと思ってるのか、昔と同じように兄と思ってるのか。……それとも、――」
そこで言い止める。
体を離し寝てるつぐを見て思う。俺が気持ちを伝えるために動いたら
実のところそれが怖くて何もしないというのもある。
「でも――」
この思いは変わらない、変われない。
「俺はお前の事が一人の女として好きだ。いつか絶対に伝える。お前がどう思っていても、俺は――」
お前の事が好きだから。
以上、二人のすれ違いの回でした。
俺君(俺と君を繋ぐ音の略)も頑張りますのでよろしくです!
それはそうと今日からうさぎイベですね! 僕は低速の中頑張りますよ! 皆さんも頑張りましょうね!
感想は気軽に下さいね〜。
今回も読んでくださりありがとです!