俺の好きな神プロのキャラが活躍する小説を書きたかっただけ。   作:いでんし

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待 た せ た な(待ってた人がいないとかそんなことは知らない)

何万課金したかはわからないけど、最近ようやく火エリゴスちゃんを仲間にできました。
ツンツンしやがって…まったくかわいいなぁ(バカ)


継承者

 ヘルモーズの案内で到着したのは、貴族レベルの高貴な者のみが泊まれる特別な宿だった。

 ラミエルの立場を考えると、このような場所に泊まるのも難しくは無いのだろう。

 

「ここが、今の私達の拠点だ」

 

 宿に入ると、綺麗な礼服を着こなす男達が、ヘルモーズに向かって礼をする。

 最上階まで続く階段を登り、案内された部屋の前で、ドアをノックする。

 

「どちら様ですの?」

「ヘルモーズだ!ラミエルを無事に連れてきたぞ!」

「本当ですの⁉︎すぐに皆さんを呼びますわ」

 

 やがて部屋の鍵が開く。

 中には、頭につけた薔薇の花飾りと、胸元の赤いリボンが特徴的な金髪ロングの女がいた。

 中々のナイスバディだ。

 太ももには謎の紋様が浮かび上がっており、薄く発光している。

 

「目立った外傷も無しと…なんとかなったようですわね。ところで、そちらの方々は?」

「あぁ、ラミエルの救出に協力してくれた、カゲツ達だ」

「あぁ、なるほど…。わたくしはカシオペア。この世で一番美しい英霊ですわ」

「なっ…英霊⁉︎」

 

 カシオペアは「この世で一番美しい」という部分を妙に強調して言ったが、問題はそこでは無い。

 彼女は自身を英霊と言った。

 英霊はデバイスを持つ継承者しか召喚できない存在のはず。つまり、

 

「継承者ってこと?あなたたちのマスターも…」

「まぁそうなるな。立ち話もなんだ、入ってくれ」

 

 部屋に入るカゲツ達だったが、また驚かされることになる。

 部屋にはよく分からない台座があり、そこに槍が突き刺さっていたからだ。

 この台座、とても元から備えられていたものではないだろう。

 よく見ると、カシオペアの脚にあるものと酷似した紋様が、槍からも伸びていた。

 カシオペアの武器なのだろうが、何をするつもりなのだろうか。

 

「さて、皆さんを連れて来なさい」

 

 カシオペアが命令すると、突然空間に穴が開いた。

 それだけでも十分驚くのだが、更に、奥から謎の巨大な手が伸びてきて、穴を強引に広げたのだ。

 やがて、中から3人ほどの人影が現れた。

 一人はラミエルのライブでギターを鳴らしていた少女で、左目が茶髪で隠れている。カシオペア以上の巨乳…いや、ここまでくるともはや爆乳の域で、中々目のやり場に困る。

 一人は頭に角を生やした金髪褐色の女で、背中には五つの小さな太鼓がついた輪を背負っている。その太鼓からはとてつもない雷のエネルギーが溢れており、実力者である事を伺わせる。

 最後はカゲツより数歳年下に見える小柄な少年だ。神「姫」というだけあって、女性の姿をしているはずなので、彼は神姫ではないだろう。

 

「順番にキュクロプス、雷光、そして、私達のマスターであるコガネだ」

 

 ヘルモーズはそれぞれ三人を紹介したが、カゲツにとってはカシオペアの能力があまりにも不思議で、内容が頭に入ってこない。

 

「……エリゴス」

「ビリーザキットだよー!」

「ソルだよ!よろしく!」

 

「なんでお前ら馴染んでるの…?」

「まぁ、神姫達にとっては、こんな能力を持っているのは当たり前のようなものなので…」

 

 コガネというらしい少年が、カゲツに近寄ってくる。

 

「コガネって言ったか。あなたも継承者なのか?」

「まぁ、そうですね。僕もデバイスを持っています。さ、カシオペアを戻さないと」

「戻す?」

「あれ?知らないんですか?まぁ、実際に見てもらった方が早いか」

 

 コガネはシャツの中からペンダントを取り出す。どうやらそのペンダントがデバイスのようだ。

 デバイスをカシオペアにかざすと、カシオペアの身体は光の粒子となり、デバイスに吸い込まれていった。

 またまた驚かされるカゲツ。

 

「英霊は本来、戦闘の時だけに召喚する存在。別にずっと召喚していてもなんの問題も無いんですけどね。ビリーザキットも英霊でしょう?」

「…あぁ、そうだ」

 

 てっきり、異世界へと行く為の扉を開いたり、英霊を操るだけの機械だと思っていたのだが。

 このデバイス、なかなか奥が深いと知るカゲツであった。

 

 

×××

 

 

「僕たちは、ラミエルの頼みで、ライブをしながら各地を周っているんです」

「ライブか」

 

 コガネに勧められた茶をすすりながら、カゲツは話を聞いている。

 エリゴスやヘルモーズ達は祭りに戻ったが、ソルと雷光はラミエルの様子を見る為に残っていた。

 

「俺はああいうものに疎いんだが…いつもあんな感じなのか?」

「そうですね。この世界に戻ってきたのも10回目くらいでしょうか」

「結構な数を回ってるんだな…」

「カゲツさんはどうしてこの世界に?」

「かつて魔法科学文明を滅ぼした厄災・ラグナロク。よくわからんが、俺はそいつを止める役割、継承者になったらしい」

「なるほど、あなたが…」

「知ってるのか?」

「えぇ。一部では言われていました。まもなくどこかの世界で継承者が現れると…」

 

「ソル、難しい話よくわかんないよ…」

「まぁ、あれに私達が突っ込むのは野暮だろう」

 

 ソルと雷光は、あくまでも傍観するらしい。

 構わずコガネは続ける。

 

「メガフロンティアは、全ての異世界と異世界を行き来するための中継点です。そこで産まれ育ったあなたが継承者に選ばれたのも、何かの運命なのかもしれませんね」

「そういうものなのか?」

 

「んっ……あれ?ここは…」

 

 ラミエルが目を覚ましたようだ。

 

「ラミエル!意識が戻ったか!」

「気分はどうだい?ラミエル」

「えっ?あぁ、うん、私は大丈夫…痛っ」

 

 ラミエルが顔をしかめる。

 まだ、身体にダメージが残っているようだ。

 

「動かないで!ソルが治してあげる。ぴかぴか、ぴかーん!」

 

 回復魔法を発動するソル。

 暖かい光がラミエルを包む。

 

「…ありがとう。ちょっと気分が楽になったわ」

「そう?良かったー!」

 

 ラミエルも回復したようで、一件落着である。

 

「ところで、この茶はなかなか旨いな。何の茶葉を使ってるんだ?」

「この世界の特産品です。僕もかなりの異世界を渡って来ましたが、これほどまでの茶葉はこの世界でしか見たことがありません」

「へぇ…俺も欲しいな。どこに売ってるんだ?」

「この街の南側の店なので、反対ですね…ですが、今日は祭りの日なので、出張サービスをしてるかもしれません」

「せっかくだから、買いに行こうかな?ラミエルの調子も良いみたいだし」

「良ければ、僕が案内しましょうか?カゲツさんはまだこの世界に慣れてないようですし」

「おお、そいつはありがたいな。頼むよ。ソル、ラミエルを診てやってくれ」

 

 マントを羽織り、外出の準備をするカゲツ。

 コガネも鞄を持って、いつでも出発できる状態が整った。

 しかし、カゲツはドアの前で足を止めてしまう。

 

「…どうしたんですか?」

「いや…大したことじゃない」

 

「だけど、まずは部屋の外にいる奴の対処が先だなって思ってさ」

 

 直後、ホテルの廊下からドタドタと足音が響く。

 それだけではなく、ドン、ドンと銃声まで聞こえるではないか。

 しかも、この部屋の前で。

 10秒、いや、5秒経つうちに、足音が止んだ。

 コガネが慌てて廊下に飛び出す。

 廊下には4人の女。

 杖を持った女はビリーに銃口を突きつけられて壁に寄りかかっており、角笛を持った女はエリゴスにのしかかられて身動きが取れないでいた。

 コガネは戦慄する。

 全く気配を感じ取れなかった。

 いつから尾行されてたのか、全くわからなかった。

 

「ヘルモーズ達と祭りに出かけたんじゃなかったのか?」

「お兄ちゃんがビリー達に残れって言ったのにー」

「そうだったか?」

 

 談笑する余裕まであるのか。

 コガネは驚きを隠しきれない。

 雷光とラミエル、カゲツの仲間であるソルまでもが同様だった。

 

(ソルさんには伝えていなかったのか…!)

 

 敵を騙すにはまず味方から、ということだろうか。

 彼女らを尻目に、カゲツはハスターに接近する。

 

「…いつから気づいていたのかしら?」

「誘拐犯との戦いの後、ソルがエリゴスを回復してくれた時辺りだ。魔物退治をしてたからな、魔物や人の気配を察知するのは得意なんだ」

「そう。…それで、私とイタクァをどうするのかしら?」

「そっちの対応次第だな。あんたらの狙いは十中八九デバイスだろ?」

「…何もかもお見通しみたいね」

「コガネから色々教えて貰ったからな。デバイスの重要性を知って、少し過敏になってるんだ」

 

 カゲツは冷たい目でハスターを睨みつけた。

 その茶色の瞳からは、微かに殺気すら篭っているようにも見える。

 観念したのか、ハスターは自らの目論見を話し始めた。

 

「私はハスター。いずれ黄衣の王となり、全ての神姫を従える神姫よ。そっちは部下のイタクァ」

「王…か。大きく出たな」

「自分が王になろうとしている神姫は別に珍しくないわ。私もその一人って訳」

「デバイスを使って、自らが王になる準備を進めたかった訳か」

「ちょっと違うわね。私はデバイスの存在なんて知らなかったわ。ただ、人間が神姫を操っているのを見て、何かあると思っただけ。デバイスがどんなものかは、さっきの盗み聞きでようやく知ったの」

「…王が盗み聞きなんてしていいのか?」

「う、うるさいわね…」

「それで、あんたはこれからどうするんだ?俺からデバイスを奪って逃げるか?」

「そんなことできると思う?今私は押さえつけられてて動けないのに」

「そうか。じゃあどうするんだ?」

 

「そうね、私は思ったわ。私が黄衣の王になるためには、そのデバイスの力が必要不可欠だと思うの。でも、あなたからデバイスを奪うのは相当難しいと思うの」

「…つまり?」

 

「私達をあなたの仲間に加えて欲しいの」

 

 直後、ハスターは殺気を向けられたのを感じた。

 だが、カゲツからではない。

 

 彼女を押さえつけているエリゴスからだった。




コガネ君のパーティ、見事に雷ばかりです。
キュクロプスと一緒にいるとかなり股間と性癖に困りそう。

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