俺の好きな神プロのキャラが活躍する小説を書きたかっただけ。 作:いでんし
俺も早く覚醒させたいけど
金のエロ本と眼が足りないんですよ…
朝五時。
宿のチェックアウトを済ませたカゲツとエリゴスは、北東の遺跡に向かって出発した。
あらかじめ買っておいた食料を頬張りながら、遺跡までの道を歩いていく。
途中何体かの魔物に遭遇したが、カゲツが何かする前にエリゴスが全て片付けてしまった。
男なのに戦闘をエリゴスに任せっきりなのを感じて、カゲツは申し訳なくなった。
×××
歩き始めて数時間。目的地の遺跡に到着した。到着したのだが…
「しまった…教会騎士の存在を忘れていた」
遺跡の周囲には、赤と銀の高貴な鎧を身につけた集団がいた。
彼らが教会騎士。
この世界に点在する遺跡を守護する役目を持つ。
迂闊に遺跡に近づこうものなら、一瞬で捕らえられてしまうだろう。
とはいえ、カゲツは教会騎士数人が倒せなかったゴーレムをたった一人で倒しているし、エリゴスはそのカゲツよりはるかに強い。
その気になれば真っ正面から突っ込んでも勝てそうではあるが、念には念を入れて、騎士の少ないエリアから侵入する。
ちなみに、オークと戦った時にエリゴスがカゲツに使った、相手から姿を見えなくする魔法は、少し移動するだけですぐに解除されてしまうため、使う事はできないらしい。
騎士達の隙をついて、こっそり遺跡に侵入する。
手筈だったのだが…
ドカァン!
カゲツ達のいる場所の反対側から、突如爆発音が響いた。
騎士が次々と爆発音の方へ走っていく。
「……マスター、行かないの?」
「…誰がやったか知らないが、確かに今がチャンスだな。行くぞ!」
二人は遺跡に突入する。
×××
「くそっ、誰だ⁉︎こんな事をしたのは⁉︎」
一方こちらは爆発のあったエリア。
爆発に巻き込まれた騎士数人がうずくまっている。
「おい!しっかりしろ!何があった⁉︎」
「うう…」
「木の方から何か落ちたと思ったら、そいつが爆発したんだ!」
「おい!木の上にガキがいるぞ!」
一人の騎士が叫ぶ。やがて騎士達の視線は樹上の子供に向けられた。
露出の多い赤い服と非常に短いダメージジーンズ、白いテンガロンハットを被った碧眼の少女。
水色の髪を束ね、ヘッドマイクのような装飾品をつけている。
見た目は10歳に達しているか怪しいほど幼い。
どこぞの西部劇に出てきそうな、ウエスタンな雰囲気を醸し出している。
「お前か!今の爆発を起こしたのは!」
騎士の質問に対し、少女は満面の笑みで対応する。
どうやら、爆発を起こしたのはこの少女のようだ。
敵とわかれば、騎士がやるべき事は一つ。
邪魔者の排除である。
「光魔法、放て!」
騎士が一斉に少女に剣を向け、光の光線を放つ。
そんな中、少女が取り出したのは二丁の拳銃。
そして撃つ。撃ちまくる。
一見乱雑に撃っているようにも見えるが、弾は的確に光線に命中している。
ついには、光線全てを撃ち落とした。
「くっ…第二射、用意!」
騎士達が攻撃の体制に入るが、させぬと言わんばかりに少女の拳銃が火を噴く。
銃弾は騎士の手や剣に的確に命中し、あるものは手を負傷して剣を落とし、あるものは自慢の剣を折られて落胆した。
「なんだこの精度は⁉︎」
少女は無垢な笑顔を見せて言った。
「お兄ちゃんの邪魔は、ビリーがさせないんだからね!デスバレット!」
少女の二丁拳銃から銃弾が発射される。
だが、狙ったのは騎士ではなく、地面。
着弾すると、地面にヒビが入り、やがて大きな爆発を起こした。
騎士の目が爆発に向いてる隙に、少女は木から飛び降り、騎士の集団に突っ込んだ。
「おい!ガキがそっちに行ったぞ!」
少女を見ていた騎士が叫び、反応した騎士が少女を探し始める。
しかし、どういうことだろうか。
先程の集団をいくら探しても、少女が見つからないのだ。
少女と騎士の格好は大分異なるため、集団に紛れるなんてことはできない。
「おい!お前、鎧はどうした⁉︎」
「くっ…何者かに襲われて、一瞬で剥ぎ取られた…」
声の方を見ると、鎧を全て脱がされ、パンツ一丁になった男が。
「…まさか…!」
騎士の一人がワナワナと震えだす。
「侵入者だ!今のガキは囮だ!ガキも鎧を着て遺跡に侵入したに違いない!探せ!捕えろ!」
騎士達はすぐに動き出した。
×××
「まさかこんなに早く見つかるとはな……!」
遺跡に侵入して早数分。
カゲツとエリゴスは早くも騎士との戦闘に入っていた。
だが、騎士達は少し苦戦している。
教会騎士は遺跡を守護する者。
遺跡の狭い通路の中で魔法をぶっ放そうものなら、重要な文化財に傷をつけてしまう可能性がある。
故に、騎士達は剣での戦闘を強いられており、近距離戦を得意とするカゲツとエリゴスに有利な間合いで戦う事ができない。
一方、遺跡が多少傷つこうと何の問題も無い二人は、相手から魔法が飛んでくる心配も要らないため、好き勝手に暴れられる。
剣や槍を壁にいくら引っ掛けたか、二人はもう覚えていない。
ただ、異世界への扉がある、遺跡の最奥部へと突き進むだけである。
×××
二人ともこの遺跡の構造は知らなかったが、デバイスのサポートのお陰で何とか最奥部にたどり着く事ができた。
最奥部は広いホールとなっており、天井や壁からの光源で明るくなっている。
この光源は、デバイスによると魔法科学文明の遺産であるらしい。
だが、その仕組みは今となっては謎で、デバイスにも記録は残っていない。
こういった物にロマンを感じるのも乙だが、今はそれどころではない。
いつ起こるかわからないラグナロクに向けて神姫を集めるために、異世界へ行く必要がある。
ホールの奥に台座があり、どうやらそこから行けるらしい。
だが、その前には巨大なゴーレムが、まるで守護神のように鎮座している。
カゲツとエリゴスが近づくと、ゴーレムの目と思わしき部分が発光し、ゆっくりと立ち上がった。
目の光がだんだん強くなり、やがて高熱のビームを発射した。
カゲツは持ち前の身体能力で、エリゴスは予知能力でギリギリ回避。
エリゴスはそのまま突っ込み、ゴーレムに槍を突き立てる。
しかし、硬い装甲に槍は弾かれ、ゴーレムは反撃のパンチを繰り出す。
エリゴスはまた回避。床にぶち込まれたパンチは、大きなクレーターを作り出した。
まともにくらえばたまったものじゃないだろう。
ゴーレムの意識がエリゴスに向いている隙に、カゲツは台座へ向かい、デバイスを起動させる。
だが、察知したゴーレムはカゲツの行く手をビームで阻む。
「こいつを大人しくしなければ、台座へは行けないってことか…」
カゲツは剣を構えてゴーレムに突撃する。
ゴーレムが拳を振るうが、カゲツはスライディングで回避し、膝の裏側に剣を突き立てた。
だが、鈍い金属音と共に弾かれる。
「なっ…ここも硬いのかよ!」
驚くカゲツ。ゴーレムの拳が飛んで来て、慌てて避ける。
「……ナイトメアスピア」
エリゴスが放つ闇の光線がゴーレムの腹に命中するが、これも効いていない。
「くそっ…どうすればいいんだ…」
全身が硬い装甲に覆われたゴーレム。エリゴスの魔法すら弾く強度。
どうやって倒せばいいのだろうか。
悩むカゲツ。
その間に、エリゴスが壁に追い込まれ、逃げ場が無くなってしまう。
「エリゴス!」
ドォン!
ホールに響いたのは、エリゴスがゴーレムに潰される音ではなく、銃声だった。
ゴーレムの目から煙が上がり、動きが突然鈍くなる。
「お兄ちゃん!大丈夫⁉︎」
突然ホールの入り口から声がする。そこには二丁拳銃を持った少女が。
あの少女がゴーレムを撃ったのだろう。
身体に攻撃を当ててもビクともしなかったのに、目を撃たれただけでこの弱りよう。
恐らく、このゴーレムの弱点は目のようだ。
カゲツが叫ぶ。
「エリゴス!目を狙え!」
カゲツの指示を受けて、意図を察したエリゴスは跳躍する。
槍に魔力を込め、ゴーレムの頭を貫いた。
頭部を失ったゴーレムは、エリゴスを殴ろうとした体制のまま、動かなくなった。
×××
「ビリーはビリーザキット!お兄ちゃんのデバイスから召喚された英霊だよ!」
「英霊…?」
戦闘の後、カゲツはデバイスを起動させつつ、ビリーザキットと名乗った少女と会話していた。
エリゴスには、教会騎士が来ても大丈夫なように入口の方を見てもらっている。
『英霊は真の勇者の素質がある者の元に現れる存在。その実力は神姫となんら変わりありません』
話を聞いていたのか、デバイスが補足する。
「お兄ちゃんは、ラグナロクを止めるために行くんでしょ?ビリーも連れてってー!」
ビリーザキットの銃の扱いはかなりの精度だった。これからの旅は魔物との戦闘もきっと多くなる。戦力が増えるのは純粋にありがたい。
「わかった。これからよろしくな、ビリーザキット!」
「長いからビリーでいいよー?」
「そ、そうか。よろしくな、ビリー!」
二人が挨拶を交わすと、エリゴスが戻って来た。
「デバイスの準備……できてるみたいだけど」
デバイスを見ると、画面が虹色に輝いている。
「二人とも、準備はいいか?…行くぞ!」
三人は、デバイスの光に包まれた……
神姫より後に英霊を解放するっていうのもアリだと思うんですよ()
次に仲間にする神姫はもう決めてるんだ…
さぁ、誰が来ると思います?