俺の好きな神プロのキャラが活躍する小説を書きたかっただけ。   作:いでんし

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リリスの技を確認する為にストーリーモードでリリスを探したけど…

全然見つからない…

一番強くてキュベレーの世界のやつって…
そんなに戦ってないのな…


vs.リリス

「ここまで来たってことは、『彼』は負けたのね。やるじゃない」

 

 リリスと名乗る美女は、ハスターとビリーを褒めたてた。

 

「貴女達がここに来た理由は大体わかるわ。神姫を取り戻しに来たんでしょ?」

「よく分かってるわね。できれば今すぐ返して欲しいのだけど」

「無理ね。返せって言われてはいどーぞって返す程、私達はできてないのよ」

 

 ハスターとリリスは言葉を交わす。

 

「でもまぁ…私を戦闘不能にできるなら、こちらもソルを返すしかないわねぇ」

「あら、分かりやすいわね」

「確かに分かりやすいわね。それができればの話だけど」

 

 瞬間、ハスターの横から闇魔法が飛んできた。

 攻撃自体はビリーが撃ち落としたので問題ない。

 しかし、大ホールのギャラリーには、いつのまにかテスタメントの男達が数十人も立っていた。

 

「ちょっと!あんた達が手出しても意味ないのよ!私に任せておきなさい」

 

 リリスの指示を受け、テスタメントは追撃をやめた。

 

「さて、そろそろ始めましょうか」

「そうね、いつまでも無駄話する意味は無いわ」

 

 ハスターとリリスが魔力を高める。

 ビリーも、銃を構えて臨戦態勢に入った。

 

「エメラルド・ラマ!」

 

 先手を取ったのはハスター。

 相手の防御力を弱体化させる魔法を纏った風攻撃だ。

 それらを何発も繰り出す。

 リリスはサイドステップで回避し、攻撃が終わるのを見計らって突撃した。

 そして、手に持った杖でハスターに殴りかかった。

 距離を取れず回避が間に合わないと判断したハスターは、腕でガードして杖を受けた。

 腕と杖がぶつかり合うと、衝撃が響いた。

 想像より一撃が重い。

 何発も食らえるような攻撃ではない。

 

「ハスターさんから…離れてっ!」

 

 ビリーが横から銃を連射する。

 リリスは後退して回避したが、結果的にハスターから距離を取ってしまった。

 ハスターは角笛を吹き、先程よりも強力な風魔法で攻めたてる。

 一回撃つ毎に隙ができるが、その隙をビリーが銃撃で補う。

 リリスは二人から遠距離攻撃を連続で食らう羽目になった。

 しかし。

 

「流石ね。継承者がいなくても連携が取れているわ」

 

 状況に似つかわしくない表情と余裕。

 どうやら、彼女はまだまだ余力を残しているようだ。

 そして、リリスは再び突撃した。

 当然、ビリーが銃をぶっ放し、ハスターとの距離を離そうとする。

 しかし、リリスの傍らにいた蛇が動き出す。

 リリスの盾となり、銃弾を全てその身ひとつで防ぎ切った。

 おまけにちゃっかり防御魔法を発動させており、ほぼ無傷だ。

 妨害を避け切ったリリスは、杖でハスターに突きを繰り出した。

 人間の目で追うのはほぼ不可能な攻撃。

 すんでのところでハスターは回避した。

 

 ズドォン!!

 

 突きは床に風穴を開けた。

 

「嘘っ⁉︎」

「あの杖、尖ってもないのに…!」

 

 二人とも驚きの声を上げる。

 あの突きを食らえばタダでは済まないだろう。

 

「ルクス・アルデバラン!」

 

 ハスターは攻撃力を上昇させる魔法を発動させた。

 

「長引くと不利だわ。短期決戦で行くわよ!」

「りょうかーい!」

 

 ハスターは竜巻を発生させ、リリスに向かって発射する。

 速度・威力、共に申し分ない。

 とはいえ、リリスにとってこの程度の攻撃、回避するのは容易だ。

 しかし、リリスが避けた場所に向かって、ビリーが銃を連射する。

 

「ちっ!」

 

 リリスは銃撃を蛇にガードさせる。

 しかし、先程とは違い、蛇が徐々に押されている。

 

「あの小娘まで攻撃力が上がっているというの…⁉︎」

 

 やがて、蛇の防御魔法が貫かれ、蛇はダメージを負った。

 怯んだリリスに、ハスターが一瞬で距離を詰める。

 そして、風魔法を纏った掌底を叩き込んだ。

 吹っ飛ばされ、壁にぶつけられるリリス。

 衝撃で壁にヒビが入った。

 

「リリス様!」

 

 流石のテスタメントからも焦りの声が響く。

 ハスターは壁に寄りかかるリリスに急接近。

 拳に風を纏わせ、インファイトを繰り出した。

 肉弾戦はハスターの専門外だが、風魔法を併用することで一撃一撃が非常に重くなっている。

 リリスは腕をクロスしてガードの体制に入るが、ハスターの連撃は止まらない。

 更に、ハスターがリリスを殴る度に、壁のヒビがだんだん広がっていく。

 

「これで終わり!サモンッ…フォーカイム!」

 

 至近距離から強烈な一撃を叩き込む。

 

「ぐあぁぁっ!」

 

 リリスが背にしていた壁はついに崩壊し、リリスは奥の部屋へ吹き飛ばされた。

 

「マズイぞ、リリス様が!」

「いや、待て!あの部屋は…」

 

 テスタメントの声が聞こえる。

 どうやら、リリスを吹き飛ばした部屋には何かがあるらしい。

 瓦礫の埃にむせながら、ハスターは奥に入っていく。

 

「なっ…⁉︎」

 

 広さはホールの半分程度。

 そして、巨大な鉄格子が右手にあった。

 暗くて見えにくいが、鉄格子の奥に人のような影が見える。

 しかも一人二人じゃない。

 二十人程度はいるだろう。

 衰弱しているのか、ハスターが入ってきても何の反応もない。

 そして、その中に一人、淡い光を発している少女の姿があった。

 

「ソル⁉︎」

「⁉︎ハスター!」

 

 ハスターに気付いたソルが駆け寄ってくる。

 

「無事だったのね!ケガはない?」

「大丈夫だよ!他のみんなは…」

「ビリーちゃんがいるわ。マスター君達は街に来た魔物を相手してるから、ここにはいないけど…」

 

 とりあえず、ソルは見つけた。

 しかし、檻から出す手段が見つからない。

 檻の錠前は電子ロックで、鍵穴は見当たらない。

 パスワードで開くらしいが、適当に打って罠が発動しようものなら目も当てられない。

 カゲツの到着を待つしかないだろう。

 

 

「ハスターさん!後ろ!」

 

 突然ビリーが叫ぶ。

 

 背後から、蛇にまたがったリリスが襲いかかってきたのだ。

 

 蛇のスピードはとてつもなく速い。

 一瞬で距離を詰め、ハスターを串刺しにしようと杖を突き出す。

 ハスターはすんでのところで回避したが、リリスはしつこく刺突を繰り出した。

 

「決めたわ!あんたは絶対に殺す!!!」

 

 ビリーが助けようと銃を向けたが、無駄だった。

 相手が速すぎて、銃弾が当たらないのだ。

 狙いを定めず乱射すれば当たりはするだろうが、もともと効果があるかどうかと聞かれると怪しいし、何よりハスターやソル達を巻き込みかねない。

 つまり、ビリーは何もできなかった。

 ハスターは風魔法を纏わせてスピードを上げようと試みるが、リリスはそれにしっかりついてくる。

 大ホールと比べて半分以下の広さしかないこの牢獄では、逃げられる場所も制限される。

 そして、ハスターにも異変が起きる。

 

(…え?あれ?嘘っ、魔力が出ない…⁉︎)

 

 本人の言う通り、突然、魔力が出なくなった。

 スピードはガタ落ちし、攻撃は一切できなくなる。

 自分の身体に何が起きたのか?

 それを考えた時、ハスターの目の前にリリスが迫っていた。

 

(⁉︎しまった!)

 

 刺突が迫ってくる。

 避けようとしたが、無駄だった。

 

 刺突は、ハスターの右脚を貫いた。

 

「あああああッ!……ぐゔぅ…」

 

 ハスターが苦痛を訴えるかの様に叫ぶ。

 ふと自身の右脚を見ると、太ももからドクドクと血が流れていた。

 脚はなんとか繋がってはいるが、これでは立てない。

 

「どうしたの?まだ終わりじゃないわよ!」

 

 リリスが杖を振り、ハスターをぶん殴った。

 ハスターが吹っ飛んだ先にリリスは一瞬で移動し、再びハスターを殴り飛ばす。

 さながらお手玉の如く、ハスターは弄ばれた。

 

「強い…」

 

 ビリーとソルは、ただハスターが一方的に攻撃されるのを眺めるしかなかった。

 最上位神姫が、こうもあっさりやられるなんて。

 勝てる訳がない。

 お手玉を数十回繰り返したリリスは、蛇に指示を出し、尻尾でハスターの首を絞めた。

 

「ハスター!」

「ぐっ…⁉︎かはっ…」

「あんたは私に屈辱を味わわせたわ。たっぷり痛めつけて、そこの牢屋にぶち込んであげる。英霊のガキは、後でいーっぱい相手してあげるから、楽しみにしていなさい?」

「ハスターさんを離して!」

 

 ビリーが銃を撃つ。

 しかし、弾はバリアに阻まれ、逆にビリーへ向かって飛んで来た。

 対応しきれず、ビリーは攻撃をまともに食らってしまった。

 

「ビリー!」

「後でって言ったのに…待ってなさい、今すぐに終わらせてあげるから!」

 

 リリスはハスターに杖を向けた。

 間違いなく、この攻撃でトドメを刺すつもりだ。

 

「どのみち、もうすぐ私の部下が魔封じの枷を持ってやってくるわ。リリス様に逆らった事を悔やみなさい!アハハハハ!!」

 

 勝利を確信し、高笑いするリリス。

 

「さぁ …まずはあんたを黙らせてあげる!」

 

 長い間首を絞められ、ハスターの意識はほとんど飛んでいる。

 あれでは抵抗もできない。

 

「ハスターー!」

 

 ソルは泣きながら叫ぶ。

 しかし、彼女には届かない。

 リリスの杖が、無慈悲に煌めいた。

 

 

 

 

 ガキィン!

 

 

 

「……え?」

 

 金属音にも似た音が響く。

 

 見れば、何者かが、ハスターとリリスの間に文字通り()()()()()()()()

 

 巨大な手の様な機械の翼が特徴的な少女。

 ソルはその姿に見覚えがあった。

 

「……エリゴスなの?」

 

「……ハスターから離れて」

 

 エリゴスは槍に魔力を込め、リリスの杖を弾き飛ばす。

 

「ナイトメアスピア」

 

 そのまま闇の光線を蛇にぶつける。

 攻撃をモロに食らった蛇は後ずさり、ハスターを離した。

 ようやく解放されたハスターは咳き込んだ。

 

「ゲホッ!ゲホッ!……エリ…ゴス?」

「ハスター、平気?…じゃなさそうね」

「ハスター様!ハスター様!」

 

 続けて、銀髪の毒使いのイタクァが、叫びながら駆け込んでくる。

 

「ハスター様!脚が…ビリーもダメージを受けてますね…すぐに回復します!」

 

 ソル程ではないが、イタクァも回復魔法を扱えるのだ。

 イタクァは杖を持ち、詠唱を始めた。

 

「どういうことよ…街へ向かった部隊はどうしたのよ!」

 

 イラついた様子のリリスが叫ぶ。

 それに返答したのは、男の声だった。

 

「街に来たテスタメントなら全員憲兵に突き出したよ。ここへ入る時にもテスタメントがいたが、全員片付けた」

 

 茶髪に茶の瞳、黒いマントの男。

 継承者のカゲツが、そこにいた。

 

「エリゴス、イタクァ。そいつを倒して、ソルを助けるぞ」




カゲツ一行のご到着だぜぇ!
がんばれエリゴスちゃん!


ハスターは脚をえぐられるか腹をえぐられるかで悩みましたが、書いてる俺が無理だったので脚にしました(は

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