ライブを私の後ろに下がらせ辺りを見渡せば、そこにはステージⅣと思われるガストレアが1体、ステージⅢと思われるガストレアが5体。
ガストレアは前後両方からやって来る。前方からは巨大なステージⅣガストレアが一体。後方からはステージⅢガストレア五体が向かってくる。
ステージⅣはこちらまで余裕で届くであろう遠距離攻撃用の砲身が二つ持っていた。
可及的速やかに前方のステージⅣを沈めて、後方の相手をするより他にこの危機を脱する方法はない。
ステージⅣともなればその再生力は凄まじいものであるから、最悪、ステージⅣは砲身二つを潰すだけでいい。そしてそれが再生する前に後方を一掃すればよいのだ………なんて楽観的に考えてみたりはできない。
失敗は許されない。少しのミスが命取りだ。はっきりいって絶体絶命。
あと一人、自分と同等に戦えるものがいて、やっと解決できる程難しい局面だ。しかし、そんなものはいない。
しかし‼私はッ‼ライブを守り抜くと誓ったのだ‼無茶でも無謀でもやり遂げるより他はない‼
「I am the bone……」
私が詠唱を始めると……
「お困りのようだね。力を貸すよ」
どこからともなく声がした。
「まさか…セイ」
弓兵が何かに期待して振り替えるとそこには、
「……?」
振り替えるとそこには男がいた。
「えっと……?」
髪、肌、ローブ全部白色。全身真っ白の杖持った怪しげな青年だ。
「どうも~花の魔術師マー…」
青年の自己紹介の言葉が終わる前に……
「
ドオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォン
凄まじい威力の光線がとんでもない轟音とともに放たれた。大地は揺れ、空気が一気に温度を上げる。そして、ガストレアたちはその光線に触れて、叫び声をあげる間もなく、一瞬にして跡形もなく蒸発し消滅していった。
「( ゚Д゚)」←エミヤ
「( ゚Д゚)」←ライブ
エミヤとライブはひたすら呆然とするしかない。
「ハァハァ…お困りのようですね。…助太刀いたします」
息を整えつつ、キリッとキメ顔で何事もなかったように喋り始める少女。
「……ア、アルトリア……」
彼女の足元にはボロボロになった魔術師が倒れていた。
生前色々なものを見てきた。自分の始まりのあの炎に包まれた街。多くの命が無惨に散っていく戦場。たくさんの地獄を見た。
そんな弓兵でさえ、いや、そんな弓兵だからこそ思った。
ここが地獄か、と。