赤い瞳と赤い弓兵   作:夢泉

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新章です!(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノィェーィ!
お待たせしました!m(._.)m
え、………待ってない?=(;゚;Д;゚;;)⇒グサッ!!




二章~旅~
二章第一話


 

 

 俺はライブ!放浪の旅をしている!風の吹くまま気の向くまま、あてもなくさすらう孤独な一人旅。俺の歩みは誰にも止められねぇ!

 ………はい。すみません。ふざけました。改めまして、私はライブ。8才です。旅をしているのは本当だけど、決して一人旅なんかじゃないです。私の前には赤い外套を繕った男の人の、頼もしい大きな背中がある。この人はエミヤ シロウ。そう、この人こそ私の旅の同伴者であり、正義の味方であり、そして私のお父さんです!

 

「ライブ、疲れてはいないか?」

 お父さんが振り返って聞いてきた。今は8月。この時期はとても暑い。カラッとしているからとても喉が渇く。確かに疲れてきたけど、まだ出発してから全然進んでいない。強くなるって決めたの。だから、

「平気。まだ、歩けるよ…………。」

 しかし、こんな嘘が通じるお父さんではない。

「無理をすることはない。休憩にしよう。」

「でも、まだ全然進んでない。」

「いいじゃないか。別に何か目的があるわけではないだろう?急ぐ必要などない。………実を言うとな、私はもう限界でね。情けない話だが休みたい。どうだ?休んではくれないか?」

 嘘。英雄とも呼ばれたあなたがこの程度で疲れるわけないじゃない。………本当にこの人は優しいな。

「もう………しょうがないなぁ。」

「ふっ、そうだな。しょうがない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達は今、横たわっていた枯木に並んで座っている。崩壊した家屋が瓦礫となってそこかしこにあり、この辺にもたくさんの人が住んでいたのだろうことがわかった。だが今は辺り一面が草花でおおわれている。主を失った古ぼけた人形が一体転がって、その翠の瞳を雲一つ無い蒼い空に向けていた。

「紅茶でも飲むか?」

「うん。」

 お父さんは何時も持ち歩いているという茶葉をだし、水筒を出す。続いて何もない所からティーセットを出した。

 これがお父さんの魔法「投影」らしい。剣であれば見ただけで複製し、自身の世界「固有結界」に貯蔵する魔法で、その応用でその他のものも、ある程度は投影できる。この話を聞いたとき、単純に凄いと思った。だけど、彼の魔法は少々異質で、他の人がやっても投影品はすぐ消えてしまうそうだ。

 ーー私はどんな魔法が使えるのだろう?どんな魔法が使いたいのだろう?

 

「出来たぞ。」

 考え事をしている間に紅茶は完成したようだ。すごく美味しそうな香りがする。紅茶の香りの差異なんて私にはわからないし、上手く表現できないけど、美味しそうであることは間違いない。

 カップを受け取り一口飲む。

 

 ーーーーやっぱり美味しい。

 

 他の紅茶を飲んだことはないけど、これがとっても美味しいことはわかった。これ以上の飲み物なんて想像できない。

 

 

 

「これからどこへいくの?」

 

「全く、旅に出たは良いが、ここまで無計画とはな。先が思いやられる。」

 

「しょうがないじゃない。エリアの外になんか出たこと無いんだもの……………。」

 

「ふっ、心配することはない。私は以前、この国で暮らしていたことがあってね。そのときと大分変わっているとはいえ、土地勘はあるつもりだ。」

 

「なら安心だね!」

 

「はぁ、全く……世話のかかるマスターだ。」

 

「それで結局どこにいくの?」

 

「ロンドンに行こうと思っている。」

 

「ロンドン?」

 

「あぁ。あれほどの大都市だ。滅んではおるまい。私も君も今の世界を知らなすぎる。ロンドンに行って情報を集めることにしようと思う。」

 

「わかった。でも、遠いんじゃないの?」

 

「直線距離でも700㎞はあるからな………このペースで行けば……半年以上はかかるな。」

 

「そっかぁ、半年………半年!!?」

 

「徒歩だからな。」

 

「ど、どうしよう………。」

 

「なに、心配することはない。………そろそろいくぞ。」

 そう言いながらお父さんは私を抱き抱えた。

「へ?」

 

「私は英霊だ。この程度の距離、どうということはない。」

 

「ダメ!おろして!私は強くなるって決めたの!自分で歩かなきゃ!」

 私はじたばたと手足を動かすが、お父さんはびくともしない。

 

「別に脚力や体力だけが強さではないだろう?そんなものは後からどうとでもなる。君はまだ幼く、時間はたくさんある。無理をするな。今出来る事をすれば良い。」

 

「今出来る事?」

 

「魔法や知識、その他にもいろいろ。強くなるために出来る事はたくさんあるだろう。……それに、」

 

「それに?」

 

「幼いうちは甘えておけ。今からそれでは"普通"の幸せとやらは掴めんぞ?……それに、、何より、その、…そのだな…」

 お父さんが言いにくそうにしてる。なんだろう?

「……君は私の、……む、娘だ!」

 

「っ!」

 

「だから、遠慮せず甘えておけ!!!」

 

「………う、ん。ウッウッ…ウクッ…ヒクッ」

 

「お、おい。ど、どうした。泣くな。」

 

「ごめん。嬉しく、て。」

 

「そうか………」

 

「ありがとう……」

 

「それじゃあ行こうか。」

 

「うん。お願い、お父さん。」

 

「了解した。いくぞライブ。」

 

 

~続く~





~あとがき~
 ついに新章突入しました。一章は全体を通してシリーズのプロローグ。二章は"成長"がテーマで、旅を通していろいろな出会いや別れ、楽しいことや危険なこと、様々な経験を通して成長していくライブとそれを見守るエミヤを書いていきます。
 また、この作品を書くに当たってイギリスの広さや気候にも配慮しましたが、変なところがあったらいってください。

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