インフィニット・ストラトス~君が描いた未来の世界は~   作:ロシアよ永遠に

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本編の息抜き程度に書きました。
だってさぁ…バトル書きまくってたらほのぼの書きたいんだもん!
息抜きとガス抜きと微イチャイチャ執筆したい…そんな衝動に駆られた短編。
タイトル通り、本編のネタバレが含まれますので、
『2人のイチャつき見せろやゴルァヽ(*`Д´)ノ』
とか、
『円夏の厨二病見せろやゴルァヽ(*`Д´)ノ』
って方以外はバックして、どうぞ。


未来・日常編
(微ネタバレ注意!)未来を見据えて


10月半ば

織斑家のリビング。

ソファでゴロゴロとファッション誌を読んでいた木綿季が、読み飽きたかのようにその誌面を閉じて目を半目にする。

時は既に秋口。涼しい日々が続いてきており、服も半袖から長袖へと替わりつつある。

そんな時期。

木綿季が視線を移せば、黙々と家計簿を付けている恋人の姿。

 

「一夏~。」

 

「ん~?」

 

「暇だよ~。」

 

駄々をこねるようにお気に入りのクッションを抱きかかえ、足をばたつかせる。

 

「暇なら円夏とゲームでもしてたらどうだ?」

 

「ヌッ!対戦か!?生憎と今、私はレアアビリティが付与した装備の厳選中だ。少し待て。」

 

「ゲームも良いけど、もう少しアクティブなお勧めとかないの?」

 

「…ぶっちゃけると?」

 

「お出かけしたい!!」

 

まさしく風の子だと言わんばかりの元気いっぱいの木綿季。

まだ無菌室に籠もっていた時の鬱憤を晴らし切れていないようで、何かと言えばこうして外に出たがるのだ。

 

「ね~ね~!外に行こうよ一夏~円夏~!」

 

「ん~。」

 

「天気も良いしさ~。」

 

「だ、ダメだ!太陽神(ソル)聖域(サンクチュアリ)に私は踏み入ることは禁じられている!踏み込めばたちまち浄化(カタルシス)の光によって…。」

 

「えっと、つまり出かけたくないと。」

 

「流石我が妹。ニュータイプか。」

 

「いや、ボクがお姉ちゃんだし。」

 

「いやいや…」

 

「いやいやいや…」

 

「じゃあ円夏は留守番でいいのか?」

 

「大丈夫だ、問題ないキリッ」

 

「何かお土産買ってくるね~。」

 

「いや、散歩だろ?」

 

「散歩でもコンビニとか寄れるじゃん。」

 

「ならば木星帰り絶殺アイスを所望する。」

 

「え…と?」

 

「つまりスイカバーだな。」

 

「涼しくなってきてるのにアイス?…ん~まぁ美味しいけどね。」

 

「アイスは年がら年中美味いものだ。偉い人にはそれがわからんのだ。…ムッ!☆14が泥したか!」

 

「…とりあえず行くか。」

 

「…そだね。」

 

どうやらレアドロップがあったらしく、自身の世界にトリップした円夏を尻目に一夏は家計簿を閉じ、準備を整えて木綿季と共に外へ繰り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のんびりと並木道を連れ立って歩く。

青春の典型的なワンシーンだ。

よもや病床に伏していた自分がこうして外を歩き、さらに恋人とそう出来るなんてことが未だ夢じゃ無いのかと未だに疑ってしまう。

夢ならば覚めないで欲しい。それほどまでに今の生活が心地よく、それでいて魅力溢れるものだった。

 

「随分ご機嫌だな木綿季。」

 

「ん~?だって一夏とお出掛けだもん。当たり前だよ。」

 

木綿季は先述の事情があってか、何をするにしてもこうやってウキウキしており、まるで常日頃が旅行か何かなのかと思わせる程に楽しげに過ごしている。その証左に、無意識なのか軽くステップを踏んでいたりする。

 

「所で一夏?今日のデートプランは?」

 

「そだな~。丁度食材が微妙に足りないから、このままスーパーに行くとしようか?それでも良いか?」

 

「うむ、よしなに!…でもいつの間に食材チェックしてたの?」

 

「準備したついでに、な。」

 

「相変わらず主夫してるねぇ…。」

 

「なんなら木綿季も今の間に練習しとくか?」

 

「練習?」

 

「将来のために、だ。…俺、木綿季の料理とか食べてみたいしさ。」

 

「へ…?……あっ!」

 

一夏の言葉の意味を理解して、ボンッと茹で蛸のように紅潮していく木綿季。

彼の言う将来のための練習…木綿季の料理…。つまりは結婚生活を見据えての物だった。

確かに木綿季としてもいずれはそうなればと言う夢もある。だが、まだまだ華の16歳。今を楽しむのに一杯一杯で、将来の具体的なビジョンは朧気だったりする。

 

「ぼ、ボクの…料理…?」

 

「おう。やっぱり好きな女の子の料理って、食べてみたいものなんだよ。男ってのはさ。」

 

「うぅ~……。」

 

木綿季は未だ料理経験が無い。興味を持ち、母親の料理を手伝い始める年頃を病院で過ごしていたため、そのスイッチが未だ入っていなかったりする。

だが一夏の『木綿季の料理を食べてみたい』と言う言葉に、彼女のスイッチがOFFからONに変わりつつあった。

 

「ほ、ホントに食べたい?」

 

「おう。」

 

「ボク、美味しくないかも知れないよ?」

 

「俺だって最初から上手かったわけじゃ無いさ。こう言うのは経験だからな。」

 

「…そっか。…うん!ボク、頑張ってみるよ。」

 

木綿季、覚醒。

ここに将来、『プロ級に料理上手な元国家代表おしどり夫婦』と雑誌の片隅に記載され、密かに有名になる2人のスタート地点となることを記しておく。

 

「じゃあ、簡単な物から行くか!早速今日からやってみようぜ。」

 

「うん!」

 

「あとは…エプロンも買わなきゃな…それに簡単なものだと……」

 

あーだこーだと今日の献立を考えながら、何気ない会話と共にスーパーへと消えていく2人。その姿はさながら、新婚ほやほやの若夫婦の雰囲気だったと目撃者は語るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

「むむむ…やはりこのドゥドゥは許せん…何が『素晴らしく運が無いな、キミは!』だ!」

 

「ただいま~!」

 

「私の装備強化を失敗したことを呪え…!」

 

「マドカ!ボク達の世界に帰るんだ!」

 

開封されたスイカバーが円夏のお口にシュゥゥゥゥゥッ!!超!!エキサイティンッ!!!!

 

「むっ!むぉああああっ!?!?」

 

織斑家は今日も平和である。

円夏が一夏を呼ぶ時の呼び方は?今後の小説に反映されます。

  • にいに。
  • お兄ちゃん。
  • 兄さん。
  • 兄貴。
  • 一夏。

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