閃乱カグラ外伝 ヒーローは動く   作:智昭

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 急遽予定を変更しました。なんだか、特撮よりになってきましたが、閃乱カグラと特撮を両立できるように頑張ります。


第5話 電信柱に御用心!

 突如、葛城の前に現れた謎の男。男は、謎の白い粉により姿形を化け物へと変えて葛城を襲った。男は強い力を纏っており、その力に葛城も苦戦していた。

 

 しかし、葛城は春花により発明された変身ベルトを使って『セクハラーメンマン』へと変身した。その圧倒的な力により、葛城は男の中の化け物の魂を除去する事に成功し、勝利を掴んだ。

 

 それから翌日、半蔵学園の教室にて霧夜が5人の生徒に話しかけていた。

「男の名前は、渡辺出雲42才。一ヶ月前まで雲隠れ商事に勤めていた会社員だ」

霧夜が話していたのは、葛城が戦った化け物が取り憑いていた男のことである。どうやら霧夜は、男の意識が戻った後にいろいろと聞き込んだ様子であった。

「そして、この間葛城が話していたように、リストラと家族の夜逃げにより彼は孤独身になった」

 

 「霧夜先生、あのオッサンはアタイと会ったときに『アノ男』って言ってたけど、その男の情報は?」

葛城は、霧夜に1番気になっていたことを聞いた。

「残念だが、渡辺さんはそれ以降の記憶が無いと話していた…」

葛城は、悔しいという感情を抑えながら視線をそらす。

 

 「そうなってくると、いつ騒ぎが起こるかわからないですね」

斑鳩は、心配した。

「人間じゃなくなる白い粉かぁ…」

「雲雀、なんだか怖いよぉ…」

「安心しろ、どんな相手だろうと雲雀は俺が守る」

「ありがとう柳生ちゃん」

謎の白い粉に怯えていた雲雀だが、柳生の助言を聞いて安心した。

 

 そんな中、霧夜は再びしゃべり出した。

「お前達、安心しろ。情報は、完全に途絶えた訳ではない」

「どういう事ですか」

霧夜の報告を知ろうと、5人は耳を傾けた。

 

 「実はあの後、こちらで情報を基に調査を進めておいた」

「調査!」

「ああ。その結果、数日前に謎の薬品を売り歩いている男の情報が確認された」

「それってもしかして…」

「おそらく、あの白い粉なのではないかと…」

霧夜の情報に、5人は驚愕した。

 

「そうなってくると、ここ数日で何人かにアノ粉が手に渡っていると…」

斑鳩は、冷静に分析した。その発言に、霧夜は頷いた。

「おいおい、それって大丈夫なのかよ!?このままだと、またアタイの時みたいに…」

慌て出す葛城。すると、飛鳥はある事に気付いた。

「ちょっとまって、この数日の間に薬が渡されたんだよね…。それにしては、テレビのニュースとかに取り上げられていないよね」

 

 飛鳥の言うとおりだ。アノ白い粉の力を使えば多くの犯罪を発生させる事が可能となる。しかし、使うことで怪人化してしまう為、世間も黙っていないはずだ。

 

 「確かに…」

「飛鳥ちゃんすごい!」

飛鳥の発言に、柳生と雲雀は感心した。霧夜は、再びしゃべり始めた。

「そこで、今回の任務なんだが、お前達にはこの男性を探してもらいたい」

霧夜は、後ろの黒板にある男の情報を貼り付けて5人に見せた。

 

 「雷田誠28才。今から3日前、この男が路地裏で謎の人物と取引きしている事が確認された」

「つまり、騒ぎが起こる前にこの男を捕まえるって事か!」

葛城は、誰よりも先に任務内容を察知した。

「その通りだ!だが今回は、ペアを組んで動いてもらう」

「「「「「ペアを?」」」」」

 

 霧夜の独断と偏見で任務のペアが決められた。飛鳥は葛城と、柳生は雲雀と、斑鳩は学園に残り霧夜と情報収集を行う事となった。

 

 まずは、柳生と雲雀の仲良しペアは街中を捜査していた。

「え~と…霧夜先生の情報だと、雷田さんはよくここのコンビニに立ち寄ってるみたいだね」

「う~ん、他に役に立つ情報があればいいが…んっ、どうした雲雀」

柳生が悩んでいる隣で、雲雀は緊張していた。

「あ、ごめん柳生ちゃん。いつ事件が起こるかわからないから緊張しちゃって…エヘヘ」

雲雀は、笑って誤魔化そうとする。そんな雲雀に対し、柳生は心の中では…

『あぁ~、大好きな雲雀と一緒に捜査が出来るなんて…俺は幸せ者だ…』と思っいる様子。

 

「柳生ちゃん?」

「へ…あぁすまん、何でもない。雲雀は俺が守る。命にかえてもな!」

雲雀の前でかっこよく決める柳生。

「ありがとう柳生ちゃん。でも雲雀だって子供じゃないから、柳生ちゃんにあまり頼らずに頑張る」

「そ、そうか…」

雲雀の言葉に、若干落ち込む柳生であった。

 

 その頃、街外れを捜査している飛鳥と葛城は。

「情報によると、ここの路地裏で取引きをしてたみたい」

「いかにも、あまり通らなさそう路地裏だな」

霧夜からの情報をもとに、雷田誠が目撃された路地裏で捜査を行っていた。飛鳥は、葛城に聞いた。

「葛姉、この間戦った渡辺さんに憑いてた怪人って、かなりつよかったんでしょ?」

「えっ!?まあ、確かに強かったけど以外と大したことなかったなぁ」

「本当?」

「本当だって、アタイが言うから間違いないねーよ。それとも飛鳥、お前怖いのか?」

「ち、違うってば葛姉。私はただ、敵が気になっていたからその…別に怖いわけじゃ 」

 

 葛城の発言に、飛鳥は動揺しながら、慌てて否定する。そんな飛鳥を見て、葛城はニヤけていた。

「はは~ん、それにしてはえらく動揺しているじゃねーか。正直に言わない子は、お仕置きタ~イム」

そう言って、葛城は飛鳥の大きな胸を鷲摑みし、揉み始めた。

「きゃあ!葛姉、任務中のセクハラは禁止!」

「いいじゃないか、減るもんじゃないし」

 

 葛城は、相変わらず任務中にも関わらずセクハラをする。

「ちょっと、辞めてよ葛姉」

「ニシシシー…あっ!」

「あれ?本当に辞めた」

 

 急に葛城が手の動きを止めた。何かの雰囲気を察知した様子だ。

「飛鳥、隠れろ!」

「えっ?う、うん」

2人は近くの物影に隠れた。すると、黒のパーカーとサングラス、白いマスクを身につけ1人の男が2人の近くを通りかかった。

 

 2人は、その男を見て何かを感じていた。

「葛姉、あの人なんだか怪しくない?」

「ああ、いかにも怪しい男って感じだな。飛鳥、後を追ってみよう」

 

 とりあえず2人は、男の後をつける事にした。男は、周りをキョロキョロさせながら、コソコソとしていた。

飛鳥と葛城は、隠れながら後を追う。

「葛姉、あの人ってもしかして…」

「いや、そう判断するのはまだ早い。何かコレといった証拠が見つかったら捕まえた方がいい」

男はどんどん奥へと進んでいった。そして、人影の少ない街外れの広場へとやってきた。

 

 男は、近くの物影に隠れて何かをコソコソとしていた。

「へぇ~こんな広場があったとわな」

初めて来る場所に、葛城は興味を示す。一方の飛鳥は、男の行動に興味を示す。

「あ、葛姉!あの人を見て!」

2人が男の方向に視点を合わせた。すると、男は服のポケットから小さい袋を出していた。その袋を見て、葛城は咄嗟に判断した。

 

 「飛鳥、その男を抑えるぞ!」

「了解」

葛城は前方、飛鳥は後方へと回り込んだ。男が気付いた頃には遅かった。男は、2人によって取り抑えられた。

 

 「やったね、葛姉」

「ああ、思っていたより簡単だったな」

見事に男を捕まえることに成功した2人。しかし、なぜだか男は、何の抵抗もみせません。そんな男のマスクとサングラスを飛鳥は外して素顔を見てみた。すると…。

「「!!」」

「この人…探していた人と違う!!」

男の素顔は、霧夜に渡された資料とは別の人物であった。しかし、彼の手には謎の白い粉が。これは、一体どういうことなんだろうか。

 

 「飛鳥!避けろ!!」

突然葛城が、ある雰囲気を察知し、飛鳥に向かって叫んだ。すると、飛鳥の顔めがけて一つの銃弾が飛んできた。

「!!」

銃弾は、ほんの少し飛鳥の顔を擦ったが、完全に命中する前に見事に避けきった。

「葛姉、今の銃弾って」

「ああ。どうやらアタイらは、ヤツの罠にはまったみたいだな」

 

 2人は、銃弾が飛んでいた方向を振り向いた。すると、1人の男が2人に向かって歩いてきた。その男は、2人が捕まえた男同様、パーカーを着てマスクとサングラスを身につけており、片手にはピストンを持っていた。

「ふん、相手は手強いって聞いていたが、まさかこんな簡単にハマるとわな…電線に止まる烏の様にな」

 

 男は、パーカーのフードをとって顔を見せた。なんとその正体は、探していた『雷田誠』本人であった。

「雷田誠!」

「なるほど。アタイ達が捕まえたのは、ヤツの影武者って事か。…一本獲られたな」

雷田は、2人をの近くへと来た。一体何を仕掛けてくるのかと、2人は様子を伺った。すると、雷田は手にしていた銃を突然捨てた。謎の行動に、2人は不審に思う。

 

 「姉ちゃん達が探してた物は…コレのことかな?」

男は、パーカーのポケットから小さい袋を取り出し2人に見せた。

「し、白い粉!」

「じゃあ、アレが本物ってこと」

雷田が持っていた袋には、白い粉が入っていた。コレを雷田が飲む事で、渡部の時みたいに化け物になってしまうという心配が、2人の中にあった。

 

 「こんなのがほしいのか?ほしいなら…くれてやるよ!」

そう言って、雷田は粉が入った袋を上に高く投げつけた。

「葛姉!」

「任せろ!とうっ」

葛城は、高くジャンプして袋を見事にキャッチしたのだが。

「馬鹿め!引っかかりあがったな!」

すると、雷田の口が裂け始め、その口から長い舌が飛び出した。舌は、影武者が持っていたもう一つの粉を奪い取り、そのまま袋ごと飲み込んだ。

 

 「あっ!しまった!!」

「ということは…アレが本物!」

葛城がキャッチした袋の中身は、ただの小麦粉であった。しかし、気付いたときには、もう手遅れでした。粉を飲み込んだ雷田は、人間から怪人へと姿を変えた。

 

 「ごめん、葛姉…私のせいで…」

飛鳥は、偽物の粉を本物だと思ってしまった事に責任を感じていた。

「気にするな。取りに行ったアタイもアタイだ。それに今は……コイツを仕留めないとな」

 

 「オ前ラノ力…イタダク」

雷田は、近くの電信柱に手を当てた。すると、雷田の体がどんどん電信柱に吸収されていった。

 「来るぞ。飛鳥!」

「うん」

「「忍転身!!」」

2人は、胸の谷間から巻物を取り出し、戦闘コスチュームへと転身した。一方、雷田を吸収した電信柱は、地面から出て足を出し、電線をぶち抜き凶暴な化け物へと姿を変えていた。

 

 「ヴオ〰〰〰!!!」

電信柱の化け物と化した雷田は、威嚇し叫んだ。飛鳥は二刀流を構え、葛城は軽めのストレッチを終わらせ、準備万端。

「飛鳥、舞忍びます!」

「葛城、舞忍びます!」

「忍…コロス…キエ〰!!」

怪人は、忍結界を発動させて、2人を襲いかかった。

 

 一方、別を捜索していた柳生と雲雀も、忍結界に気付き現地へと向かっていた。

「急ぐぞ、雲雀!」

「うん、飛鳥ちゃん…葛姉……どうか無事でお願い」




次回は、戦闘回です。お楽しみに。

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