今回のお話は、早速セクハラーメンこと葛城に、試練が訪れます。どんな試練かは、読んでからのお楽しみにです。
時刻は、朝。忍クラスでは、朝礼が始まろうとしてた。飛鳥・斑鳩・柳生・雲雀の4人が集まっている中、そこに葛城の姿はありません。
「もうすぐ朝礼なのに、葛姉はまだ来ませんね。起こしに行ったけど、部屋の鍵は閉まってたし」
後輩である飛鳥は、葛城のことを心配していた。
その一方で、真面目な斑鳩は。
「どうせまた、深夜にプロレス鑑賞でもしていたんですよ。葛城さんも葛城さん!自業自得です」
「うん、葛城は葛城だ!」
当たり前かの様に、厳しい意見を言う斑鳩。
柳生も同情する。
「2人とも、葛姉に冷たすぎるよ」
「そうだよ、雲雀もずっと葛姉の事が心配だもん」
逆に、葛城を心配する飛鳥と雲雀。
4人の思いをよそに、葛城はどうしているのか。
そんな中、1つの煙玉が少女達の前に転がり、破裂する。
「ケホケホ(咳き込み)…。今日もまた、すごい(煙の)量…」
少女達が煙たがる中、教師の霧夜が姿を見せる。
「おはよう、お前達」
「おはようございます、先生」(一同)
少女達が挨拶すると、霧夜は早速異変に気づく。
「おいお前ら、葛城はどうした?」
「それが、今朝起こしに行きましたが、返事がなくて」
「もしかすると、早めにここへきていると思いまして。でも、ご覧の通りまだで…」
葛城の遅刻を知った霧夜は、もううんざりしていた。
「はぁ(ため息)、アイツの事だ、たぶんまた夜遅くまでプロレス番組でも見てたんだろ」
偶然にも、斑鳩・柳生と同じ予想をする霧夜。それほど葛城の遅刻パターンは想定されているようだ。
「まぁいい。それでは早速授業を始めるぞ」
霧夜はチョークを手にし、早速授業を始めようとする。すると廊下から、いかに急いでいる事がまるわかりな足音が聞こえた。
その音はどんどん近くなり、そしてようやく教室の中へ。
「おっぱよう!」
「葛姉!」
葛城は、遅刻したにも関わらず、いつもの明るさで挨拶し、何事も無かったかのように教室へ入った。
「セーフ!」
「セーフではありません 」
葛城の発言に、斑鳩は冷静にツッコミを入れた。
もちろん、霧夜も黙っていなかった。
「葛城、今まで何をやっていた 」
霧夜は、葛城になぜ遅刻したのかと、理由を問い詰めた。
「へっへっへー…いや何つうか…その…ついプロレスが面白すぎて…」
「ハァ(ため息)、やはりか…」
葛城の遅刻理由を聞いて、ガッカリした感情を抑えきれず、霧夜はため息をついた。
「もう、いい。廊下で反省してこい」
「は…はい」
葛城は、そのまま廊下へと向かった。そんな葛城を見た雲雀は、ある事に気づく。
「葛姉の顔に、大きな隈が出来ていたね」
「よっぽど長い試合だったのかな?」
「おいお前達、気にせず授業を始めるぞ!」
葛城の目の隈を見て心配する少女達。
廊下でバケツを持ちながら宙吊りになり、葛城は反省したと思われたが、途中から睡魔に負けて教室まで聞こえる鼾をかいて爆睡していた。
その結果、霧夜から愛のムチ(拳骨)と反省文提出の宿題を受け取ったらしい。
時間は経ち、その日の授業は終わった。
少女達は、寮へと帰宅した。
葛城だけは、忍クラスの掃除と反省文提出の為、居残りを受けていた。
そして、何やら斑鳩がリビングの椅子に座り込み、考え事をしてた。
「う~ん…やっぱり変ですね」
そんな斑鳩を見つけて、飛鳥は声を掛けてみた。
「どうしたの、斑鳩さん?」
「何かあったのか?」
「雲雀達でよければ、力になるよ」
柳生と雲雀も飛鳥につられて斑鳩を心配する。
斑鳩は、そんな3人に自身が考えていた事を打ち明けた。
「別に対した事ではありませんが、今日の葛城の様子が変に思って」
「葛姉が?」
どうやら、斑鳩は葛城の事に疑問を抱いていた様子。
そして、斑鳩の口が再び動き出した。
「葛城さんがプロレスを見て夜更かしした事は、過去に何度かありましたが、今日はいつもと違っていて…」
「そうかな?雲雀はいつもと同じだと思うけど」
「いいえ、雲雀さん。私がまず変に思ったのは、葛城さんの言動です」
「言動?」
斑鳩は、話を続けた。
「いつもの葛城さんでしたら、遅刻理由を自分から口にしません。霧夜先生の誘導尋問により、ようやく話しておられます」
「言われてみれば、そうだったかも」
葛城とは、3年間忍クラスを共に過ごしてきた斑鳩。
付き合いが長い分、彼女の行動パターンを把握している様子であった。
飛鳥達も思わず頷く。
「雲雀は多分、先生に怒られるのがイヤだから、覚えていたんだと思う。
雲雀は、逆に葛城の事をポジティブにフォローした。
しかし、斑鳩の推理は止まらない。
「あと、葛城さんの手もおかしくて」
「葛姉の手?」
斑鳩の発言に困惑する3人。
斑鳩は、あの短時間で葛城の手にも注目してたらしい。
「葛城さんの右手の、小指から手首にかけて黒い跡の、様なものが付いていました」
「黒い跡?」
「はい!おそらく鉛筆か、ペンの跡なんではないかと…」
「アイツの事だ。プロレスを見ながら、選手の情報でもメモってたんだろ」
斑鳩の疑問を冷静な答えで予想する柳生。
確かに、プロレス好きの葛城なら、試合を鑑賞しながらデータを取っててもおかしくはない。
しかし斑鳩は、納得している様子ではなかった。
「それは、違う思います。実は前にこんな事があって…」
斑鳩は、3人にある出来事の記憶を話し始めた。
話は、今から2年前に遡る。
ある日の夜、葛城が自身の部屋でプロレス鑑賞をしている事に気づき、斑鳩は文句を言いに行ったらしい。
「よし、イケイケ!そこだ~」
「ちょっと葛城さん、今何時だと思っているのですか」
葛城の後ろには、斑鳩の姿があった。
「何だ、斑鳩か。人の部屋に入る時ぐらいノックしろよ」
「ノックならしました!それも何回も!」
葛城は、小型テレビにイヤホンをさしていた為、斑鳩のノックが聞こえていなかった様子。
「今、いいところなんだよ。お説教なら後にしてくれ」斑鳩の発言に動じることもなく、プロレス鑑賞を続行する葛城。
それでも、真面目な斑鳩は諦めません。
「いい加減にしてください!忍とあろう者が、夜更かしなんてイケま…あれ?」
何かに気づいた斑鳩。
「この試合って、確か前にも見えませんでしたっけ?」
なんと葛城は、一度見た試合を見直していた様子。
「ああ、そうだ。アタイは、選手のデータをまとめたり、メモったりすることが嫌いでな。だから、こうやって目に焼きつくまで同じ試合を何度も見るのさ。お、そこだーイケイケ!」
葛城の美学を聞いた斑鳩は、バカバカしくなってきました。
「ハァ(ため息)…。そういうところを学業で活かすべきかと…」
その後、葛城は寝坊し、霧夜から初めての愛のムチ(拳骨)を受け取ったのは、また別の話である。
という出来事があったことを、斑鳩は3人に話した。話を聞いた3人は、斑鳩の観察力に驚きを隠せません。
「凄いよ、斑鳩さん」
「まるで、名探偵みたい…」
「これが、クラス委員の力か…」
推理を終えた斑鳩は、結論を出す。
「結果、葛城さんが遅刻しのには、何かに別の理由があるのではないかと、私は思います」
斑鳩の推理に全員の意見が一致した。
「じゃあ葛姉は、私達に何か隠し事をしているって事ですか?」
「はい、おそらく…」
「でも、雲雀達に一体何を隠しているの?」
葛城が隠し事をしているのを知った4人は、若干心配になってきました。
しかし、柳生からこんな一言が。
「迷っているより、調べた方が早いんじゃないか」
この発言に、一同は耳を疑った。
「柳生さん、今何と?」
斑鳩は、聞き返した。
「迷っているより、葛城の部屋に入って謎を探ればいいんじゃないか」
なんと柳生は、葛城の部屋入って謎を解く作戦を提案したのだ。飛鳥と雲雀は、止めた。
「ちょ、柳生ちゃん。それはいくらなんでも、やり過ぎなんじゃ…」
「そうだよ、柳生ちゃん!」
そんな中、斑鳩の口から。
「行きましょう!皆さん」
「え!?」(飛鳥・雲雀)
斑鳩の思わぬ発言に、2人は驚きを隠せません。
しかし、斑鳩には同級生である葛城の事を誰より心配していた。
「確かに、私がやろうとしていることは、クラス委員としていけない事です。でも、葛城さんに聞いたとしても素直に話すとは限りません」
斑鳩の思いを語り出した。
「勝手な妄想かもしれませんが、葛城さんに何かあってからだと手遅れです。私達は、チームとして仲間(葛城)の抱えている事を、共に分かち合うべきだと思います」
その思いは葛城だけでなく、チーム全体の絆を確かめる意味での熱い思いであった。
その思いを知った飛鳥と雲雀は。
「斑鳩さん…そうだね!葛姉は私達の仲間だもんね」
「うん。雲雀だって葛姉を助けたい。そして、チームの絆を守りたい」
斑鳩がいかに葛城を心配している事を知り、飛鳥と雲雀は、自分達も葛城の抱えている物を分かち合う決意をした。
「行こう、みんな」
「はい、行きましょう」
「葛姉の部屋へ!」
「部屋に入るだけで、大冒険に出かのようなセリフだな 」
何がともあれ、少女達は葛城の謎を探るために、部屋へと向かった。
「ヘックシッ(くしゃみ)。誰かアタイの噂でもしているのか?」
その事を知らない葛城は、半蔵学園で居残り中。
これぞ葛城…いやっ、セクハラーメンマンに訪れた最初の試練でもありました。
そう、セクハラーメンの計画がバレるかバレないか…
果たして、葛城の部屋にはどんな秘密がかくされているのか。
そして、セクハラーメンの邪道ヒーローへの道は、どうなってしまうのか…。
2話目終了。こちらでいろいろトラブルはありましたが、なんとか書き終えました。閃乱カグラに関しては、まだまだ足りたい事だらけですが閃乱カグラへの愛は負けません。
これからも、もっと勉強して次も盛り上げていきたいと思います。よろしくお願いします(_ _)