今回も楽しんで見て頂ければ幸いです
昼食の時間ある三人は食堂にて食事を取っていた
「シ、システィーナまだ怒ってる?」
「別に怒ってないわよ」
システィーナはユウの質問に対して如何にも不機嫌そうに答える、
それもそうだ許すとはいっても一応は自分の下着姿を見られたのだ
そんな態度をとってもおかしくはない
「まあまあシスティそれくらいにしてあげなよ…
そうだ楽し話しよ?メルガリウスの天空城の話とか…」
「ええ!?もう仕方ないわねー」
(ナイス!ルミア)
ルミアの提案により機嫌が直ったシスティーナは
メルガリウスの天空城について話し始めた、すると
三人の座っている席に一人の男が来た
「おっ、この席空いてんな…ん」
「あ…貴方…!!さっきの今でよくも私たちの前に顔を…」
その男、グレンが席に着くとシスティーナは立ち上がり
怒りの声を浴びせる、だが…
「うめえ…ユウの作ったメシもうめえけどここのもうまいなあ」
「露骨にムシしてんじゃないわよ!」
無視をされて唸り声をシスティーナは上げる、
そんな中ルミアはグレン向かって質問をする
「わあ…ユウは知ってたけど先生もたくさん食べますね、
その炒め物すごくおいしそうです」
「おっ分かる?この豆は今が旬なんだよ、
何なら一口食ってみるか?…ユウのを」
「何で俺のなんだよ兄さん…まあいいけど…」
「えっいいの?でもそれじゃあ間接キスになっちゃうね」
「別にいいよそれくらい子供じゃないんだから」
三人が談笑をしている中置いてけぼりにされている
システィーナにグレンは声を掛けた
「ところで、そっちのお前はそんなんで足りるのか?
えーと…シスコンティ君!」
「システィーナです!!昼は授業中眠くならないようあまり食べないだけです、
ま、先生には関係ないみたいですけどね」
「システィーナ!確かに本当のことだったしてもそれは…」
「ユウそれ全然フォローになってないよ…」
ユウのフォローになってないフォローをグレンは聞き流し
システィーナの挑発的な言葉に対して反応する
「…周りくどいな…言いたいことがあるならはっきり言ったらどうだ?」
「…分かりました、はっきり言わせて貰います貴方は講師として…」
「フ…いや、いい、分かってる、お前も食いたいんだろ?ホラ…やるよ」
「違います!!」
グレンの的外れの回答にシスティーナは声を上げた
「何だよ食わねーと育たねーぞ?どこがとわ言わねぇけど」
「な…っ!?も…もう許さない!!このォーッ!!」
「シ、システィ落ち着いて!!」
「…育たない?…ああ!むn「フン!!」ゴファ!」
ユウのデリカシーの無い一言にシスティーナのボディブロウが炸裂した
◇◇◇
その後もグレンの授業態度は改善されることもなく
むしろ悪化していく一方だった
「いい加減にして下さい!!」
「…ハァ、またお前か…しつこいねー白髪娘」
「しら…っ!?これは銀髪です!!…ってそうじゃなくて」
「どこの世界に、教科書を黒板に打ち付ける授業があるんですか!!」
そう、グレンはもはや自習と書く気もなく
黒板に教科書を釘で打ち付けていた
「いつまでも態度が改まらないなら
こちらにも考えがありますよ」
「よくやるよなシスティーナも」
「もうほっときゃいいのによ」
システィーナの説教は毎回の事らしく
教室内では呆れた様な声が聞こえた
「ユウは何も言わなくていいの?」
「ああ…うん…言ってももう無駄だと思うんだ…
兄さん元々講師やるのも乗り気じゃなかったしそれに…」
「それに?」
「これに関しては兄さん自身が決めるべきだと思うんだ…
兄さんが魔術とどう向き合うかいい機会だと思ったから…」
「ユウはグレン先生の事が大好きなんだね」
「うん好きだよだって…たった一人の兄さんだから…」
二人がそんな話をしている中も口論は進んでいた、
口論というかグレンは何を言われても聞き流しているので
システィーナによる一方的なものになっていたが
「お父様に進言すればあなたの進退を決することもできるんですよ!?」
「何…!?ウ…ウソだろ…?」
「いいえ本当です、本当はこんな手段に訴えたくありませんが…」
「お父様に期待してますとよろしくお伝えください!!」
ガッとシスティーナの肩をつかみグレンは言った、
その後「これで一か月待たずに辞められる」と言った、
こんな事を魔術の名門フィーベル家の令嬢システィーナの前で
言うのだこれは屈辱と捉えられてもおかしくはないだろう
そしてシスティーナはグレンに向かって左手にしている手袋を投げた
「システィ!早く手袋を拾って先生に謝って!!」
なぜルミアが慌てて言っているかというと、
魔術師にとって相手に向かって左手の手袋を
投げるという行為は『魔術による決闘の意思表示』だからだ
◇◇◇
場所は変わって学院の中庭、
ここにて生徒と講師という前代未聞の決闘が行われようとしていた
「使える呪文は【ショック・ボルト】のみ、
俺が勝てばお前は俺への説教禁止だ、いいな?」
「分かりました…私が勝てば貴方の授業態度を改めて下さい」
「わーてっるよ…じゃ、始めるか」
クラスからのシスティーナへの心配、グレンへの期待など
色々な話が行われている中クラスで成績上位者の
ギイブルが考察をしていた
「成程…【ショック・ボルト】か…
なかなか難しい勝負になりそうじゃないか」
「どういう事?ギイブル」
ルミアの問いにギイブルは答える
「【ショック・ボルト】は通常《
センスのある者は節を切りつめ、《
「【ショック・ボルト】程度の魔術なら教師と生徒でも大した差は出ない、
つまり奴はシスティーナの高速詠唱を上回る自信があるのさ」
「…つまりギイブルは兄さんが魔術戦専門の講師だと思ってるのか…」
「違うのかユウ?てっきり僕はそう思ったんだが…」
「うん…まあ、見てみれば分かるよ」
そう言って三人は視線を決闘間近の二人に移した
「どうした?いつでもいいぜ?」
「……ッ!!」
システィーナはグレンの余裕的な態度に警戒心を高める
「おいおい…何も取って食おうってわけじゃねーんだ、
胸を貸してやっから気楽にかかってきな」
「いきます!!」
覚悟を決めた、そんな面構えをしたシスティーナは左手を構え詠唱を始める
「《
左手から発生した電撃は
「ぎゃああああーーーーっ!!」
「……え?」
見事に電撃は命中した、そんな結果に魔術を放ったシスティーナ自身は間の抜けた声を出した
システィーナもこんな事になるとは思っていなかったのだ、
あんな授業態度だったとはいえ仮にも魔術学院の講師を任せられている身で
あるグレンがこんなにもあっさりと自分に負けるとは思っていなかったからだ
「…なあユウ君の兄はまさか…」
「ああ【ショック・ボルト】の一節詠唱ができないよ」
場がざわめいた、学院に入学したものが初めて学ぶ魔術それが【ショック・ボルト】だ、
【ショック・ボルト】の一節詠唱はできて当然そんなレベルである、
そして生徒が出来る一節詠唱をグレンはできないのだ
「ハァ!?べ、別に出来ないワケじゃねーし!
ていうか詠唱省略とか魔術に対するボートクっつーかアレが」
(((あ、本当にできないんだ)))
その場にいる全員が悟り思った
「それにまだ勝負は終わってねえ!《
「《
それからも何かと理由をつけグレンはシスティーナに勝負を挑むも
システィーナの高速詠唱にはかなわず負け続けた
「とにかく決闘は私の勝ちです!約束通りこれからはまじめに授業を…」
「はて?何のことだっけ?」
グレンはとぼけだした、さらに問い詰められても言い訳をし
約束を無かったことに無理やりし背を向けて足早に去っていった
「ちょっと兄さん!?待って!」
ユウはこの場から逃げるようにして去っていくグレンを追いかけていった
◇◇◇
ここは屋上そこは夕暮れ時、太陽は沈みかけていたそこに頬杖をついている教師、グレンが居た
「兄さん…こんなところに居た…」
「ん?ああユウかどした?」
「どうしたじゃないよ、さっきの決闘あれはさすがに酷いよ、
魔術師同士の約束を違えるなんて」
「…だから言っただろ覚えてねえって」
まだシラを切り続けるグレンにユウは質問をする
「…やっぱり魔術は好きになれない?兄さん?」
「当然、魔術なんてただの人殺しの道具だ」
「確かに兄さんの言う通りかもしれない、
だけど魔術は人を殺すだけのものじゃない」
「…そう、かもな…」
グレンは昔を思い出しながらそう言った
「うん…だから、一度考えて欲しいんだこれからどうすべきか」
「…まあ、善処する」
二人を見守るかのように太陽はゆっくりと姿を消していくのであった
グレンの更生フラグが立った!