ロクでなし魔術講師の弟   作:どるまん

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この作品を読んでくださっている皆様…
更新が遅れて申し訳ございませんでした…

理由としては最近忙しかったと申しますか…
べ、べつに最近ガルパンにハマったとかそんなことはないんだからねっ

はいすいませんでした、
今後もこのようなことが起きることがありますが
気長に待ってくれると幸いです


では本編をどうぞ!


兄は非常勤講師

「わわっ」

 

「に、兄さん!?」

 

「きゃあああぁーー!!」

 

多種多様な反応を見せる三人、

そして反射的にシスティーナは≪ゲイル・ブロウ≫の詠唱を始める

 

「お……≪(おお)いなる(かぜ)よ≫ーーーーっ!!」

 

放たれた魔術によって空に舞い上がったグレンは

重力に従って広場の噴水へと落下した

 

「シ…システィ?」

 

「し…しまったつい…」

 

「ついじゃないよシスティーナ…それより兄さんは…」

 

視線を噴水に向けると今も水の中でブクブクと泡を立てるグレンの姿が見えたが、

直後ザパアと音を立てて勢い良く立ち上がった

 

「フ…大丈夫だったか君たゲポォ

 

「いや貴方が大丈夫?」

 

勢い良く口から水を吹き出すグレンにシスティーナは

心配というか呆れながら言った

 

「ダ…ダメだよシスティ!!いきなり魔術なんて使っちゃ!!」

 

「う…そ、そうね…あの…ごめんなさ…」

 

「全く!!どんな教育受けてんだ!?あ!?」

 

「い…ってええ!?」

 

システィーナが謝るのに対し驚きの変わり身の早さで文句を口にするグレン

 

「いきなり突っ込んできた兄さんにも非があるんだしその言い方はどうかと思うよ…」

 

「ん?ユウじゃねえかこんなところで何してんだ?」

 

「それはこっちの台詞だよ…」

 

「兄さん…?ってことは貴方がユウのお兄さんなの!?」

 

驚いた表情をとるシスティーナにグレンは頭を掻きながら答える

 

「おうそうだが…初対面のわりに馴れ馴れしいな白猫」

 

「し…白猫!?だ…大体馴れ馴れしいのはあなたもでしょ!」

 

おちょくる様に白猫とシスティーナに言うグレンに

子馬鹿にされた態度でカチンときたのかシスティーナは

顔を朱に染めて言い返す

 

「ちょっとシスティ!…すいません私から謝ります…」

 

システィーナの代わりに謝るルミアをグレンは見つめる

 

「!?」

 

グレンはなんと見つめた後にルミアの頬をつねり体をまさぐり始めたのだ

 

「お前どっかで…」

 

「何をやっとるかー!!」

 

ルミアの体をまさぐるグレンにシスティーナは

背中に向けて強烈なキックをお見舞いした

 

「ルミア、ユウ!!今すぐこの変態を警備官に突き出すわよ!!」

 

「ええっ、ち、ちょっと待て!!許して!!

仕事初日からそんなの殺されちゃう!!」

 

「ぎゃーっ、し、知らないわよそんなの!!」

 

地面に這いつくばりながらシスティーナの足にすがりつき

泣き言を言うグレン、そんなグレンは自分の弟ユウに助けを求める

 

「は!そうだユウこいつらお前の友達だろ?何とか言ってやってくれ!」

 

「…兄さん見損ないましたよ…白昼堂々痴漢するなんて…」

 

ユウは弁護を求めるグレンに対して冷たい目でグレンを見下ろす

 

「やめろ!そんな目で見るな!!大体俺はどっかで見たことが

あるなって思ってただけだから!他意はないから!!」

 

「だそうだけどシスティーナ?」

 

「有罪ね今すぐ警備官に連行してもらいましょう」

 

先程までよりも冷たい目凍えるような視線を浴びせる二人、

まさに絶体絶命というグレンに一つの助け舟が来た

 

「まあまあ…二人とも落ち着いて私も気にしてないから…」

 

「ルミアがそう言うならいいんだが…」

 

「もう…本当に甘いんだからルミアは…」

 

ルミアが二人を抑制すると二人は渋々といった感じでグレンを許した

 

「フゥ、ところでその制服…お前ら魔術学院の生徒だな?」

 

「だから何なのよその変わり身は…」

 

キメ顔で再び驚きの変わり身の早さを見せるグレンに

システィーナは呆れ顔でそう言った、だがそんな言葉に気も止めずグレンは発言を続ける

 

「授業は8時40分からだろ?急がないと遅刻だぞ」

 

「は?遅刻?」

 

「この時計を見ろもう8時半だ」

 

「え?」

 

「兄さん今は8時だよ…多分兄さんが遅刻しないように針が動かされてたんだよ」

 

「…チッそういう事かあのクソ女…」

 

小さい声でそう呟いたグレンは用事があると言って後ろに振り返えった

 

「あっ!兄さん何処に…」

 

「言っただろ用事だよ用事」

 

「一年間引きこもりだった兄さんに用事らしい用事なんて…

てっ何処か行くのはいいけれどちゃんと仕事行きなよ!」

 

「わーてっるよ…お前は俺の母親かよ…」

 

歩き始めたグレンを如何にも心配そうにユウは見つめていた

 

「な、何だったのかしらアイツ…」

 

「ハハハ…」

 

「本当に勘弁してくれよ兄さん…」

 

顔を両手で塞ぐユウにルミアとシスティーナはそっと手を置いた

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅い!何してるのよ代わりの講師は!!」

 

システィーナはご立腹であった、あの後学院には無事に着き

学院の教授であるセリカからホームルームを受けたのだが…

 

「アルフォネア教授は優秀な奴だって言ってたけど…全然来ないじゃない!!」

 

そう来ないのだ、しかも授業時間を半分過ぎてもだ

 

「ま、まあまあ…落ち着いてシスティ…もしかしたら何かあったのかもしれないし…」

 

「だとしてもよ!ここは近隣諸国にも名高い最高峰の魔術の学び舎、

そこの講師が授業に遅刻するなんて許された行為ではないわ」

 

「システィーナの言うことにも一理あるけど…

ルミアの言った通り本当に何かあったのなら心配だな…」

 

「ユウも、ルミアもお人好しなんだから…」

 

そんな会話を3人がしていると教室の扉が開いた

 

「あー悪ぃ悪ぃ遅れたわー」

 

「やっと来たわね!!ちょっと貴方!!この学院の講師としての自覚は…」

 

システィーナは勢い良く立ち上がり入って来た教師に視線を向けるとそこには…

            

 

 

              グレンが居た

 

 

 

 

「「って、あーーーーーーーーっ!?」」

 

ユウとシスティーナは思わず声を上げた、それもそうだユウは自分の兄が、

システィーナは先程ぶつかってきた男が入ってきたからだ

 

「あ…あなたは今朝の…」

 

「…違います人違いです」

 

「なワケないでしょ!!」

 

「そうだよ人違いなわけ…」

 

「何を何と言おうと人違いでーす」

 

自分の意見を突き通すグレンは教卓の前に立った

 

「えー…グレン=レーダスです、これから一か月皆さんの勉学のお手伝いをさせて頂きます」

 

教室内がざわめきだした『レーダス』という単語を聞いてだ、

ざわめきと共に皆の視線が一斉にユウの方向に向いた、

そしてグレンが反応を見せた

 

「ん?どしたお前らなんか珍しい物でも…

ってユウじゃねえか!お前このクラスだったのか」

 

「あ、あのユウ大丈夫?」

 

「ハッ…だ、大丈夫だ問題ない…というか何で兄さんがここに…」

 

「だからここの教師やるって言っただろ…」

 

「聞いてないよ!」

 

「そりゃ言ってないからな」

 

そんなやり取りをレーダス兄弟がしていると、

教室内ではグレンに対しての賛否両論が流れていた

「ユウのお兄さんなら…」と期待を寄せている者もいれば

「それでも授業に遅れるなんて…」と批判の声も上がっていた

 

ユウは優秀であった別にかけたわけではではないが優秀であった

座学、実技共に優秀な生徒であり学院での評価も高い、まさに模範的な生徒といえるだろう、

本人は言われるのを拒んでいるが彼は『天才』と言われる部類であった、

なので実はあの教師はすごい人なのではないかと教室内がざわついたのであった

 

だがその評価は一瞬で崩れ落ちた

 

「ハァ…もう良いから授業を始めて…」

 

「お、それもそうだな…じゃ、かったるいが始めるか」

 

そう言うとグレンはチョークを手に取り黒板に文字を書き始めた

        

 

 

        『自習』と

 

 

 

 

 

 

場所は変わって学院長室、そこでは一人の講師が異議を申し出ていた

その名はハーレイ、魔術学院の講師である

 

「グレン=レーダス…何ですかこの男は…当時最年少11歳で入学し

その後の成績は平凡そして15歳で退学…問題はここからです、

退学からこれまで定職に就いた記録なし…学院長こんな男を

この魔術学院に入れるなど問題ですよ!」

 

「しかしねハーレイ君、彼はユウ=レーダス君の兄であり、

あのセリカ君からきっての推薦じゃからなあ…」

 

「…またあの魔女ですか!あのような旧世代の老害の甘言を…」

 

セリカの罵倒を口にするハーレイの後ろに一つの人影が現れた

 

「言ってくれるなハーレイ」

 

「セ…セリカ=アルフォネア…いつからそこに…」

 

「さあ…いつからだろうな…当ててみろ…そんな事よりも…だ、

私のことをどう言おうと構わんが…私の前であいつを悪し様(あしざま)に言う事は許さん」

 

セリカはそう言って鋭い目つきでハーレイを睨みつける

その目つきに圧倒されたのか「くそ…覚えていろよ!」と捨て台詞を吐いて立ち去って行った

その後学院長はセリカに語り掛ける

 

「…全く、相変わらずおてんばじゃのう…しかし今回の件はいくら君でも無茶じゃよ…

ハーレイ君と同様ほかの教員も彼のことをよく思ってないようだしのう…」

 

「わかっているよ学院長…あいつが何か問題を起こした場合私が全責任をとるさ」

 

「ううむ…君がそこまで肩入れするなんて何か深い理由が…」

 

「別ににただの老婆心さ…アイツにはいい加減…前に進んで欲しいんだ」

 

そういったセリカの表情は母親の様な顔をしていた

だがそんなセリカの思いも裏腹にグレンは教師としてあるまじき行為をしていた

 

 

 

 

 

「はぁ兄さん…ちゃんと授業してよ…」

 

「無理だな」

 

「断言しないでよ兄さん…またセリカさんに【イクスティンクション・レイ】打たれるよ」

 

「マジでそれは勘弁だ…あの女躊躇なく打ってきやがるからな」

 

「それは兄さんが悪いと思うよ…ほら早く行こう」

 

この会話を聞いてわかると思うがグレンはまともな授業をしていない

あの後『自習』とグレンが黒板に書いたあとグレンは「眠いから」と言ったあと教卓に頭を伏せた

 

そんな行為をシスティーナが許すわけもなく教室内に怒声を響かせた

そんな怒声を聞いたにも係わらずグレンの授業は適当であった

字は汚く、生徒からの質問への返答も適当、おまけに教科書にマンガを挟み込み笑い出すというひどいものであった、話は現在に戻る

 

「めんどくせえな本当に錬金術ってのは…何で着替えなんてしなきゃいけねえんだよ」

 

「しょうがないよ兄さんそれだけ危険を伴うってことなんだから」

 

「そーかよでもやっぱりめんどくせえもんはめんどいなッ」

 

「兄さんそこは違っ…」

 

ユウの制止も聞かずグレンはドアを蹴破った…

そこには着替え中の二組の女子が居た

 

「あー…なるほどな…俺が在校した時とは

更衣室の位置が入れ替わってたってワケだ…」

 

まさに一触即発というべきか、グレンが変な行動を取れば

それ相応の対応が飛んできそうな空気の中グレンは語り続ける

 

「まぁ待て?お前らの言いたいことは分かる、

この場で何を弁明したところで無駄だって事もな…」

 

「…だからいっそ俺は…この光景を目に焼き付けるっ!!

 

目を見開いてそう言ったグレンはお約束というべきか

女生徒からの怒涛の連撃をくらい宙を舞った

 

「に、兄さんーーー!!」

 

ユウは大声を出し兄に呼びかける、

その行動が裏目に出たのか女生徒の目線はユウへと切り替わる

 

「あ、あのですね別に覗きをしに来たわけじゃ…

兄さんが間違えただけで見る気はなかったんです!」

 

ユウは今にも拳を振り下ろそうとしている女生徒たちに制止の言葉を投げかける

 

「つまり事故だと…?」

 

「は、はい!」

 

これまで友人をやってきて聞いたことのない低い声のシスティーナの

声に身を震わせながらユウは返事をする

 

「…まぁいいわ…ユウは許してあげるわ」

 

「そうですわね先程のような変態ならともかくユウさんなら…」

 

「そうですねさっきの変態じゃなくユウさんですもの…」

 

異様に一部を強調しながら言う彼女たち、

ユウは何とか危機を脱したのであった…

 

 




グレンはダメ講師から変態へとランクアップした




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