麦わら帽子の英雄譚   作:もりも

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今作初めての二次小説になります。
基本地文は少なくして読み易くしようと思ってます。
(追記:回を追うごとに多くなっています)
批判・批評ウェルカムなのでアドバイスお願いします。

ではでは…




その男 麦わらのルフィ

突如、超常の力を持つ子供たちが生まれ始めた。

その現象は次世代にも引き継がれ、今ではその力を持たぬ人の方が珍しがられるほどに世界に浸透した。

その力は個性と呼ばれた。

しかし、力を持つと悪い人間は出てくるもので個性が発現した当初は敵(ヴィラン)の犯罪行為が絶え間なく横行した。

 

勇気ある市民たちは、悪に立ち向かうヒーロー活動を行い始めた。

これに世論は賞賛一色、たちまち彼らの行いは市民権を得て、政府は敵に対抗する存在としてヒーローを公的職務として認めることとなった。

 

そしてヒーローはたちまち憧れの職業として扱われ、今やヒーローがなくてはならない社会とまでなっている。

 

 

 

 

「カッッケーーーー!!!!」

 

「こんなすんげぇヒーロー見たことねーよ!」

 

一人の少年はテレビを見てワクワクしながら、未曾有の災害現場である一人のヒーローが数多の人々を救助している様を眺めていた。

 

「こんなヒーローが日本にいるのか!」

 

「なんじゃいこんな奴!」

「ルフィ!じいちゃんの方がずっとすごいんじゃぞ!」

 

「日本か〜 行って見たいな〜」through!!

 

少年はキラキラ目を光らせてテレビに食い入り、隣で構って欲しい祖父をシカトしていた。

 

 

「決めた!」

 

「NO.1ヒーローにおれはなる!!」

 

オールマイトのようなヒーローを目指し、ブラジル出身ブラジル育ちの少年モンキー・D・ルフィはサンパウロ中に響こうかという声で高々に宣言した。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ここが日本か〜〜〜。」

 

「じいちゃん以外で日本語初めて聞くな〜〜」

「なんか変な感じでおんもしれぇ」

 

羽田空港で周りを面白そうにキョロキョロと見渡して、サンパウロからやってきた少年は疲れを感じさせないほど元気だ。

 

「・・・なんかうまほーな匂いがあちこちからすんなぁ」

 

鼻の穴を大きく開けて空港内の飲食店から匂う料理を嗅いで大量のよだれを垂らす。誘われるように匂いの元へ足を運んで行った。

 

・・・・・

 

「あのね・・君?そんなに食べてお金はあるのかい?」

 

中華料理屋に勢いよく入った少年は信じられない勢いで料理を消化していく。少年のいる卓には器や皿が山積みになっていた。どうやらホールがこまめに下げにきても間に合わないらしい。

店長らしき人がまだ幼い彼に冷や汗をかきながら尋ねる。そこそこ単価の高いこの店は本来こんな爆食いするようなところではないからだ。

 

バクバクむしゃむしゃズズズコリッコリッズバビっズバビっ

ハフッハフばくばくゴクゴクくちゃくちゃモグモグ

 

ズルルルーーーーーー

「聞けよ!!!」gabiiiin!?

 

少年は食事に夢中すぎて視野が狭まっている。

 

「だいぼうぶ!バネはボッデルゾ!」

 

「あのね 飲み込んでから話しなさい。」

「飛び散ってるから おじさんに・・・」

 

ごくん、と頬張った料理を一気に飲み込んだ。

 

「なっはっはっはっは!わりぃわりぃ!」

「持ってるぞ ちゃんと!」

 

ごそごそと無造作に少年はカバンから札束を取り出した。いかにも親に持たされた感がある。ごそっと取り出したお金は帯に巻かれるほど分厚い札束であった。

店員はそれにギョッとするも、ちゃんとお金を持っていたかとホッと一息をついた。しかし何か違和感を感じた札束をもう一度確認した。

 

レアル紙幣

 

「・・・・・」

 

「それよりさ!さっき頼んだギョーザまだか?」

 

「・・・」

 

ここは日本。ブラジル通貨を出しても無銭飲食には違いない。

 

ーーー

 

会計の前に空港内の換金所までその店の店長に連れてもらってなんとかなった少年は、日本に到着してから3時間も経ったのにも関わらず未だに空港内をさまよっている。

 

「う〜ん いままでで一番困ったかも知んねえな。」

「迷ったし、金がねえ」goooon

 

腕を組み、なぜか堂々としている少年の旅路は前途多難である。

 

 

 

 

30分後、勤務上がりの店長に出くわし目的の場所まで送ってもらうのだった。


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