どうも、キャプテンタディーです。
昨日は4thライブ&ファンミの当落で、色々と感嘆と落胆の声がありましたね。私は4thライブのDay1は応募してないのですが、なんとファンミの仙台公演(出演:AZALEA)が当たったので、内心はウハウハ()
それはさておき、本日も前回からの続きとなり、
今回は少しばかり短くさせていただきました。
読み足りないかと思うかもしれません。
ですが、是非最後まで読んでいってください!
それでは、本編をどうぞ!!!
「えっ?曜、遼に告白するの?」
「うん。本当は鞠莉ちゃんと2人だけの秘密にしたかったんだけど、果南ちゃんには、この事を伝えておこうかなって思って……」
「……ふぅ〜ん」
夏祭りの真っ只中で、私と果南ちゃんはみんなと別れ、2人で今ヨーヨーすくいをしている。
遼くんから一旦離れた訳は、ずっと彼にドキドキしてたからで、それを落ち着かせたかったからだ。果南ちゃんが一緒なのは、この水風船のヨーヨーの屋台に行く私を見て着いてきただけ。
私は夏祭りで、毎年ヨーヨーすくいをして水風船ヨーヨーを釣るのが恒例で、今年も水色の水風船を軽快に釣り上げる。
「やった!今年も水色!」
「よっ!よし、私も釣ったよ!」
「やったね果南ちゃん!」
果南ちゃんも緑色のヨーヨーを釣り上げ、ご満悦な表情を見せているのだけれども、すぐに私の方に顔を向けては真剣な表情に移り変わる。
その表情を見て、私は果南ちゃんに何かしら言われるんじゃないかって思っていたけど、果南ちゃんから放たれた言葉は、とても真面目なことだった。
「……でも曜、本気?告白するだけでも、とてつもなく覚悟が必要なんだよ?」
「分かってる。鞠莉ちゃんから全部教わったんだ。好きな人に“告白”するということは、好きな人から
「……………………」
どうして果南ちゃんだけにこの事を話すのかなんて、理由はこの一言に尽きる。
“幼馴染み”だから。
そしたら千歌ちゃんにも話すべきだって感じると思うけれど、私の中では、千歌ちゃんにはこの事を話したくはないんだ。
それにもし千歌ちゃんが遼くんのことを好きで、それで私が思わず千歌ちゃんに話してしまったら、千歌ちゃんは間違いなく嫌な気分になると思う。
私と遼くんは恋人同士になれば、千歌ちゃんだけが仲間はずれのように“友達止まり”になって、千歌ちゃんに気を遣わせてしまうからだ。
私に気を遣ってくる千歌ちゃんを、私は見たくないからだ。
だから私は思った。例え私と遼くんが恋人同士になったとしても、千歌ちゃんにはそれを知って欲しくない、ずっと友達同士でいたいって。
それが、私だけの自己満足だとしても……。
「あまりこういう事を聞くのもアレだけどさ、遼に告白して失敗したら、どうする?」
「……果南ちゃん、今から幼馴染みに告白しようって人に質問すること?…………あんまり、考えたくないかな?怖くなるから……」
「……そう」
果南ちゃんの問いかけはある意味意地悪だ。人が告白しようって時なのに、失敗したらどうするとかそんな事を尋ねてくるなんてさ。
本当に持てなくなっちゃう。
遼くんに告白する『勇気』がさ。
「まぁ曜、告白することであまり気負い過ぎてたら出来なくなっちゃうから、緊張せずに頑張ってよ。私も鞠莉も、応援してるからさ!」
「うん。ありがとう果南ちゃん」
でも何か応援してくれる果南ちゃんは、やっぱり私にとっては優しいお姉さんで、すごく頼れる人。告白を応援していると聞いた時は、不思議と自然に勇気が湧いた。
「じゃあみんなのところに戻ろう!」
「そうだね。行こうか!」
そして私の恋愛をずっと応援してくれていた鞠莉ちゃんのためにも、遼くんへの告白は、絶対に成功させたいと思った。
遼くんに対して持っている『好き』という気持ちを、全部彼にぶつけたいと思った。
そういう気持ちを持って、私は果南ちゃんと一緒に人混みの間を縫うようにして遼くんたちがいるところへと戻る。
すると、ベンチでたこ焼きを美味しそうに食べている千歌ちゃんと花丸ちゃんがいて、そこから少し離れたところには、3人で楽しそうに話をしている梨子ちゃんと鞠莉ちゃんと善子ちゃんの姿がある。そして千歌ちゃんと花丸ちゃんが座っているベンチの隣のベンチでは、未だに倒れているルビィちゃんを介抱している、遼くんとダイヤさんの2人の姿があった。
「ダイヤさん、ルビィちゃんは?」
「ルビィは大丈夫ですわ。2人がいない間に一度目を覚ましたのですが、またこの状況ですわ」
「う……うゅ……」
ルビィちゃん、一度目を覚ましたんだ。でも今もこの状況ってことは、また遼くんが何かしらルビィちゃんに言ったのかな?
でも遼くんの表情はどこか落ち着いていて、全く焦っている様子さえなかった。
私はルビィちゃんのいるベンチのところまで歩み寄り、ひとまずダイヤさんにことを尋ねる。
「何かあったんですか?」
「えぇ、ありましたわ。彼から聞けば、全ての全貌が明らかになりますわ」
「…………あぁ」
そしたらダイヤさんは呆れた表情でそう言うもんだから、やっぱり遼くんが悪かったんだって改めて理解することが出来て、私は彼に視線を送る。
ていうかどうして自分のせいだと分かっていて、遼くんはそんな表情でいられるのだろう?自分の罪を認めているのかな?
「そうだよ曜。俺が悪いんだ」
「あはは。きっぱりとした潔さだね」
「俺がした事はちゃんと認めるさ」
きっぱりと、彼は自分のしたことを認めていた。キッと澄んだ目を、じっと私に向けていた。
ドキッ
「……!」
その時、私は彼のその目に心が高鳴る。吸い込まれるようにその眼差しから離せなくなって、遼くんに対して抱いてる気持ちを改めて再確認出来た。
けれど、心の動悸が早くなって収まらない。
「んっ?どした?」
「う、ううんっ!何でもないっ!」
「変な曜……」
うぅ、またドキドキし始めてきちゃった。
果南ちゃんと一緒だったときは全然こんなことはなかったのに、遼くんを前にすると胸のドキドキが止まらない。やばい……どうしよう。
そんなときに、ダイヤさんの膝で目を閉じていたルビィちゃんが、ゆっくりとふと目を覚ます。
「んっ……あれ?お姉ちゃん?」
「ルビィ!はぁ……良かったですわ」
重い瞼を擦りながら起き上がるルビィちゃんを、ダイヤさんはホッと安心し、安堵していた。
それはルビィちゃんに何かしらを言い放った彼も一緒だった。私から見た彼の横顔は、口角を上げて優しく微笑んで笑っていた。
「ルビィちゃん、もう大丈夫?」
「はい。また迷惑をかけちゃってごめんなさい」
「いいよ。俺は大丈夫だから」
ルビィちゃんの謝りにも、笑って対応する彼。
僅かな木の枝から差す太陽の光に当たれば、彼の表情はより一層に明るくなって、私の胸はキュンと不思議な気持ちになった。
これが私が抱く、遼くんへの恋……
やっぱり私、彼に恋してるんだ。
心の底、本心からそう思うようになったその頃、たこ焼きを食べ終えた千歌ちゃんが、夏祭りの賑やかさに飛び込ませるように促す。
夏祭りを心から楽しんでいる彼女の声は、みんなを屋台の並ぶ楽園へと駆り立てた。
「よ〜しっ!ルビィちゃんが目覚めたことだから、またみんなで屋台に繰り出そう〜!」
「ずら〜!!!」
「あ、あははは……」
遼くんから話を聞いたら、千歌ちゃんはライブの時間までに屋台を全部回るつもりらしい。
千歌ちゃんが考えそうで、本当にやりそうな行動ではある。でも、こうしてみんなと楽しく夏祭りを過ごせる時間はそんなにない。
何故なら、ライブの準備があるから。
「それじゃ、レッツゴー♪」
「あっ、鞠莉さん!」
「今のこの時間を、目一杯楽しみましょ!」
「クックックッ!承知!」
でもみんなは夏祭りの事を考えていて、どうやら今はライブのことを考えててもしょうがないように思えた。
みんながそれぞれ屋台に向かっていき、楽しそうに話しているみんなの後ろ姿を見ていたときに、私の肩をポンと軽く叩いた彼は、私の前を歩くようにして私に言ってきた。
ポンッ
「へっ?」
「なにボーッとしてんだよ?置いてくぞ?」
「あっ、うん!」
その場で立ち尽くしていた私を見かねた彼は、私に対して微笑みかけながらそう言って、みんなの後をゆっくりと追いかけていった。
「……………………」
みんな、誰も遼くんのことを見ていない。
もしかしたら、今なら出来るかも。
鞠莉ちゃんから教えてくれた、さりげない行動で男の子を絶対に堕とす方法『その1』を試す時かもしれない。
そう感じたとき、私は、即行動に移した。
ギュッ!
「えっ?」
「ごめん!少しだけ……このままで……」
今の私の表情、彼には見られなくない。私が自分から彼と手を繋ぐなんて事、恥ずかしすぎて遼くんにさえ顔向けできない。
でも遼くんは、それを察してくれた。
「…………分かった」
「……っ!」
遼くんはそれ以上何も言わず、私の右手と繋いでいる左手を、ギュッと優しく包み込んでくれた。
その暖かさが、彼の暖かさでもあった。
「……ありがと」
「礼なんざいらねぇよ……」
「えへへ。嬉しい」
その後、しばらくの間だけど、彼は嫌がる様子もなく私と手を繋いでいてくれた。
突然にこんな風に手を繋がれて、本当は遼くん嫌なんじゃないかと思うのだけれど、やっぱり遼くんは優しいな……。
こんなの、“好き”にならずにいられないよ。
〜〜〜〜〜〜※※※※〜〜〜〜〜〜
「んん〜!りんご飴美味しい〜!」
「やっぱり飴さんはりんご飴ずら〜♪」
「そうだね!花丸ちゃん!」
あれからルビィちゃんは、いつも通りにすっかり元気になった。
千歌と花丸ちゃんと、一緒に3人で仲良くリンゴ飴を舐めている風景は、正しく祭りを楽しんでいる子供のようだった。
まぁ、これは本人たちには内緒だ。
千歌が特にそれを気にするタイプだからな。子供扱いされるのが嫌なんだ、千歌は。
「ルビィが元気になって良かったですわ」
「うふっ。良かったねダイヤ」
「ルビィちゃんが元気になると、ダイヤまで元気になる。やっぱりダイヤは妹想いだね!」
「なっ!?私は別に……!」
「もう、照れ屋さんなんだから!」
「鞠〜莉〜さ〜ん!」
そんでダイヤたち3年の3人は、特にダイヤが果南と鞠莉の2人に弄られている始末。
ルビィちゃんが元気になって嬉しそうにしているところを、2人にからかわれるように弄られているのである。
でもそれが、俺がずっと見てきたいつもの光景。
鞠莉がダイヤを弄り倒して、時と場合でどちらかの味方につく仲介役の果南。この3人のやり取りをまた日常の一部として見られることが、俺にとって何よりも嬉しく感じた。
ただ俺の隣にいるそいつは、俺が感じている気持ちなんていざ知らず、俺が浮かべている笑みの表情を、ある意味変に捉えられてしまった。
「遼くん……?なんで果南ちゃんたちを見て笑っているの?変な目で3人を見てたら、果南ちゃんたちに言いつけちゃうから!」
「はぁっ!?い、いや!俺は果南たちをそんな風に見てねぇから!変な思い違いはやめてくれ!」
それを俺はすぐさま弁解して、何とか曜にはそういうことで理解してはくれた。
「なんだ。それなら
「“良かった”って。なに言ってんだよお前」
「あっ!う、ううん!何でもないよ」
「……………………」
とはったものの、今日の曜はやっぱり何か変だ。
朝での平素ではない素ぶりもそうだけれど、今もこうして手を繋いでいるこの状況も何かと変に俺は思えてくる。
もうかれこれずっとこうだ。みんなで一緒に屋台を回ってる時も、みんなで一緒にお昼を食べている時もだ。曜にお昼を『あーん』させて食べさせるという、俺にとって羞恥極まりないことだってして、曜の右手をずっと握っていたせいか、左手の握力が子供並みに弱くなってしまった。
本当、こいつは一体なにを考えているのか……。
「あっ!ねぇ遼くん!」
「んんっ?今度はなんだ?」
「あれ!あれやってよ!」
「あぁ〜。射的かぁ……」
そしたら考えていたその矢先に、彼女から射的をしてほしいとの要望が出た。曜が一点張りになって当てて欲しい景品は、あの『ミ○キーはママの味』で知られるアレだった。
それなりに小さい小箱のような大きさだから、当てられるかどうか難しいかもしれない。
だが安心しろ。
俺は射的が、大の得意なんだ。
パァンッ!
「ほれ。ご要望の品だ」
曜からお願いされた小さい景品なら、簡単にそれを当てられるくらい得意である。悪いけれど、これは俺の自慢だ。
それで俺は当てた景品をやると、曜は繋いでいた右手を離して両手で受け取って、同時に俺の左手もやっとの思いで解放された。
「わぁ〜い!ありがとう!」
「うぉ……と」
あかん。久しぶりに左手がフリーになったから、左手だけ異様に変な感覚がする。
麻痺を起こしているような感じでは全くないのだけれど、とりあえずようやく曜と手を繋いでいる事から解放されて良かったと思っている。
「ふぅ……」
安堵のため息をつく俺。
が、その束の間の瞬間だった。
「ねぇ遼くん!」
「のわっ!?」
俺は曜にTシャツの袖をぐいっと引っ張られて、危うく背中から地面へ倒れそうになる。
「……っ!」
けれど日々の部活の練習の賜物なのかな?体幹を鍛えていたおかげで何とか倒れるという最悪な事態にはならなかった。
といっても、曜には怒ったけどね。
今までのことを、全部ひっくるめてな。
「曜!お前いい加減にしろよ!」
「えっ!?ふ、服引っ張っただけだよ!?」
「そうじゃない!今まで我慢してきたけどさ、俺は朝からの曜の言動に怒ってんだよ!」
「…………っ」
あまり曜に対して今までの言動のことで怒る気にはなれなくて、本当は言うべきかどうか迷っていたけれど、正直少しばかり我慢ならない。
言いたいことを、俺は全部言った。
「今日のお前は何か変だぞ?朝から俺に対して何か言おうとしてみたり、俺のすぐ近くでそわそわしてみたり、いきなり俺の左手を握ってきたり!お前は一体、何がしたいんだよっ!」
「うっ……」
俺の怒涛の怒鳴り声に、後退りして怖気づく曜。
幸い、あいつらとはまた別行動で2人っきりなのだけれども、夏祭りを楽しむその他の人たちからの視線がアレで、今すぐここから離れたい。
「……何あれ、喧嘩?」
「あー。あれは多分別れるやつだ……」
離れてヒソヒソ話してても聞こえてるぞ?
でもまぁ、夏祭りで男女2人っきりなら有り得ることなのかな?俺も時々たまに目の当たりにする。恋人が夏祭りで喧嘩している光景をね。
ただそれを別に恋人でもない、ただの幼馴染みの曜と恋人扱いされ、更には今の様子を見られて喧嘩していると誤解されてしまうなんてな。何というかもう、俺は早くここから逃げだしたい気分だ。
「……………………」
何も言わず、下に俯く曜。
言いたいこと全部言えたから、個人的にはとてもふっきれた。けれど、言い方のところで少しきつくしてしまったかもしれない。
少しばかり、言いすぎたか?
そう思っていた刹那、曜は動き出した。
ギュッ!
「……へっ?またかよ」
「遼くん、ちょっと場所変えよ?」
また唐突に俺の手を握ってきたから、多分人気のないところへ連れて行こうとしているのだろう。
でも俺は無言で抵抗するように、彼女が行こうとしている方向の反対へグイッと腕を引っ張る。それで曜の動きは止まるけれど、顔をこっちに向けようとはしなかった。
彼女を止めた理由は簡単。
まだ曜は、俺の質問に答えていないからだ。
「待て。先に俺の質問に答えろ」
「………………」
そう言って、俺はやや強引に曜に尋ねるけれども彼女は口を開こうともしない。黙秘し、黙って逃れようとしていた。
が、その思い込みはすぐに砕かれた。
「……遼くんの質問には、ちゃんと答えるつもり。でも、ここで答えるのは私が嫌だから、出来れば、人気のないところに行こう?」
「……………………」
曜は目だけをこっちに向け、顔全体を見せることなく俺に対してそんな意見を提示してくる。
俺のあの質問に、何をどう思って人気のない場所に行こうと考えたのかは俺も知らん。ただこうして周りには多くの人に目を向けられているのだから、逃げるように場所を変えるのも必然か。
ある意味好都合。この際、曜の思惑に付き合ってやるのも、たまにはいいかもしれないな。
「分かった。この際は、お前の言い分に付き合ってやる。でも、人気のない場所に移動したら、ちゃんと答えてくれよな?」
「……うん、ちゃんと全部話すよ」
暫しの無言の後、彼女は迷いなく口にした。
今日の今まで、霧のようにこの胸を覆い尽くしているモヤモヤが、ようやく彼女の口から聞けて晴れやかになるのだから。
それだけで俺は満足だった。
「じゃあ、行こ?」
「……おう」
こうして俺と曜は、賑やかな夏祭りの表舞台から降りるように、たち並ぶ屋台の会場をあとにした。彼女の口から、どんなことを話してくれるのか興味が湧いて仕方がないが、今は俺から何にも声をかけないようにして、こいつ自身から直接話してくれることを願おう。
そして、人気のない、あまり人がやってこないであろう場所へと移動するとき、俺はふと曜の横顔を目にする。
「……っ!」
「………………」
顔全体を見ることが出来たら、彼女がこの今どう思っているのか理解することが出来たのだけれど、でも何となく理解出来た。
何となくで、本心はどうなのか分からない。
けど、自信を持って考えられることがある。
今のあいつは、“本気”だ。
迷いという淀みのない、決心をした目だった。
「……曜、ちゃん?遼くん??」
次回において、この夏祭りのお話は
終わらせるつもりであります。
あまり話を長引かせると、色んな面で
バッシングとか来ちゃいそうなので(笑)
ということで皆さん!次回も是非
楽しみにしていてくださいね!
感想や評価など、お待ちしています!