どうも、キャプテンタディーです。
前よりも更新が早く出来ました。
今回も前回の続きになります。
今回も果南と鞠莉はデットヒート!?
それでは、本編をどうぞ!
遼くんは結局戻ってこなかった。
あれから私たちは遼くんが戻ってくるのを待っていたんだけど、戻ってくる気配がなかったから、彼を置いていってしまった。
それが悪い事だとは私たちも分かっている。でも彼は戻っても来なかったし、入口で待ってたら果南ちゃんがやって来て超慌てたしで、とにかく止むを得ずだった。
「遼くん、大丈夫かなぁ……」
「きっと大丈夫だよ。遼くんだもん!」
「そうね。遼くんなら大丈夫よ」
「う〜ん……」
そして私たちは各自に戻り、私に関しては遼くんに再会することもないまま学校に来てしまった。
ギリギリまで家で待って、遼くんからなにか聞き出せば良かったと後悔しながら、教室のベランダで項垂れる千歌ちゃんを元気付けていた。
梨子ちゃんも一緒にね。
すると千歌ちゃんが仕切りに話し出す。
「果南ちゃん、どうして鞠莉さんに対してあんな事言っちゃったんだろう……」
「私もそれに関してはすごく気になってた。私から見ても果南さんは、あんなことを言う人だとは思えないもの」
朝の弁天島で繰り広げられていたやり取り。
果南ちゃんが鞠莉さんに向かってあんな言い方をしていたのは初めて見た。
現場を目撃してた私たち6人でさえ、果南ちゃんに対してもの凄いショックを受けていた。
そして多分、遼くんもそう感じてるかも。
「確かに果南ちゃんは、私たちの知らない、本当の自分みたいなところを鞠莉さんに見せていた。でもそれは、何か理由があるのかもしれないと思う」
「曜ちゃん、何か知ってるの?」
「ううん。何となく、そう思っただけ……」
千歌ちゃんの問いかけには『何となく』と、私は苦笑いをして答える。
正直なところ、果南ちゃんが鞠莉さんに向かって言った言葉の裏には、何かしらの真実がありそうな気がするの。
絶対にそうとは言い切れなくて、確証も全くないけれど、私はそんな感じがするの。
もしかしたら、遼くんはそれにもう気づいてたのかな?そうじゃなかったら、遼くんは果南ちゃんにあんな『目』で見ていないと思うし……。
「そっかぁ。はぁ……」
「どうしてだろうね?」
「うん。私も全然分からないや」
私たち3人は思い悩む。
私や千歌ちゃんにとっては、いつも一緒に遊んでいた友達だ。梨子ちゃんに関してはまだ関係が深いとは言えないけど、果南ちゃんと会えば、楽しく話をしていると聞いた。
ただそんな果南ちゃんが、鞠莉さんに向かって、『顔も見たくない!』って言葉を、簡単に口にするような人じゃない。
この2人を一番よく知っているのは、ダイヤさんのただ1人。
一か八かで、2人のことを一番知っているダイヤさんから話を聞いてみたいけど、ダイヤさんがそれを話してくれるかどうかさえ未知数。
何も手がかりもなく、今の果南ちゃんたちの関係に足を踏み入れる手立ても何もない今の私たちは、一体どうすればいいのか思い悩んでいた。
そんな時に、ある転機が訪れた。
「んっ?何あれ?」
「本当だ。なんだろう?」
私たちの真上、つまり上階のベランダから、1着の真っ白な服がヒラリヒラリと落ちてくる。
まるでそれはセーラー服のようで、純白な生地に紫のリボン、更にはスカートの部分にまで紫の生地を取り入れられていて、シンプルながらも、とても綺麗な出来栄えの服だった。
そう。それは、それはまるで……!
「くんくん♪制服だぁ〜♪」
「……っ!?曜ちゃ〜んっ!!」
「ダメェ〜!!」
私はこの時、目の前に落ちてきた制服に夢中で、自分がいる場所を全く理解していなかった。
間一髪で千歌ちゃんと梨子ちゃんに助けられたものの、もし助からなかったら私は、2階のベランダから真っ逆さまに地面に落ちていただろう。
危うく本当に死んじゃうところだった。
千歌ちゃんと梨子ちゃんに感謝しないとね。
「ご、ごめん!千歌ちゃん。梨子ちゃん」
「曜ちゃん!突然飛び出したら危ないじゃない!」
「私もびっくりしちゃった。曜ちゃん大丈夫?」
「う、うん。大丈夫だよ千歌ちゃん」
とりあえず私は、ギリギリでその真っ白な制服を両手で掴むことは出来た。千歌ちゃんと梨子ちゃんもそうで、ギリギリで私を掴むことが出来た。私の腰のところを、2人で抱きかかえてる感じ。
でもこの制服、よく見ると何かスクールアイドルで着そうな制服だ。
「でもこれって、スクールアイドルの……?」
「本当だ。私もそんな感じに見える」
「でも、どうして上から……?」
そして梨子ちゃんの言う通り、どうして“3年生”のいるベランダからこれが落ちてくるの……えっ?
あっ、これってもしかして!?
「私、分かったかもしれない」
「えっ?何が?」
「千歌ちゃん!梨子ちゃん!一緒に3階に行こ!」
「えっ!?ちょ、ちょっと〜!」
私は制服を見て閃き、すぐさま千歌ちゃんと梨子ちゃんを連れて3階へと駆け上がる。
私の突然な行動に2人は驚きながらも、私の後ろを着いてくる。それで私たちがいる2階から3年生の教室がある3階へと向かうと、教室のまえの廊下にはたくさんの生徒がそこに集まっていた。
1年生のルビィちゃんでさえ、3年生の教室の前で中の様子を覗き込んでいた。
「ルビィちゃん!」
「あっ!曜さん!」
ルビィちゃんがそこにいることに私たちは驚いたけど、今はそれよりも3年生の方だ。
「なんで3年生の教室にいるの?」
「実は、あれを見てください……」
「えっ…?えぇ!?」
私はルビィちゃんに対してそう尋ねると、ルビィちゃんは3年生の教室に指を指差す。ルビィちゃんが指した方向に導かれるようにして私たちは視線を向けると、教室内はバトルが繰り広げられていた。
「離して!離してって言ってるの!!」
「いいって言うまで離さない〜!」
黒板の、さらには教卓の目の前で、果南ちゃんと鞠莉さんが激しい言い争いをしていた。
鞠莉さんが果南ちゃんの腰の辺りにしがみついては、果南ちゃんが鞠莉さんを引き剥がそうとする。それはまるで、朝の弁天島で繰り広げていた、あのやり取りの続きを見ているかのようだった。
「強情も大概にしなさい果南!たった一度失敗したくらいで、いつまでもネガティブに……!!」
「うるさい!いつまでもはどっち?もう2年前の話だよ!大体今更スクールアイドルをしようなんて!私たち、もう三年生なんだよ!?」
「2人ともおやめなさい!みんな見てますわよ!」
ダイヤさんは2人のそばにいて、喧嘩をする2人を止めさせようと声をかけているけど、一向に2人は止める気配はない。
というか寧ろ、激しくなる一方。
「ダイヤもそう思うでしょ?」
「おやめなさい鞠莉さん!!いくら粘ったとしても、果南さんは再びスクールアイドルを始めることはありませんわ!」
「どうして!?あのときの失敗をそんなに引きずること?千歌っちたちだって、再スタートを切ろうとしてるのに!」
「私は、千歌たちとは違うの!」
理事長である鞠莉さんに、生徒会長であるダイヤさん。学校の代表と生徒の代表が一堂に会しているこの場面に誰も割って入る姿もなく、まるで修羅場のような状況をどうにかして収めようと行動をする人もいなかった。
当然、私や梨子ちゃん。そしてルビィちゃんたちもそう出来る勇気すら持っているわけじゃない。
「……………………」
ただ、1人を除いて……。
その子はズカズカと3年生の教室へと入っていくと、団子のように集団で集まっていた3年生の間を縫うように割って入っていっては、果南ちゃんたちの目の前に姿を現した。
その姿を見た果南ちゃんたちはさっきまでの喧嘩が嘘のようになくなって、それと同時にその子は、果南ちゃんたちに向かって叫んだ。
「いい加減にぃ〜!しろ〜!!!!!」
「……っ!千歌!?」
果南ちゃんの前に姿を現したのは千歌ちゃん。
千歌ちゃんの叫び声は、学校に張り巡らされた窓ガラスをガタガタ揺れるくらいに響かせていた。
そして無音という静けさに落ち着いたところで、千歌ちゃんの口は止まることなく果南ちゃんたちに向かって言葉を紡ぐ。
3年生に囲まれているというのに……。
「もうっ!なんかよく分からない話を、いつまでもずっとずっとず〜っと!!隠してないで、ちゃんと話しなさい!」
「ち、千歌たちには関係ない!」
「あるよ!!!」
果南ちゃんの突き放そうとする言葉。それに対しても千歌ちゃんは、それに対抗して言い放つ。
そして千歌ちゃんは半ば強引に、目の前の3人に向かって強く言いつけるように言った。
「ダイヤさんも!鞠莉さんも!3人揃って、放課後に部室に来てください!」
「いや、ですが……」
「いいですね!?」
「「「……はい……」」」
千歌ちゃんのものすごい剣幕に気圧された3年生の3人は、ただただ『はい』と、否定の言葉を口にすることが出来なかった。
でも今の千歌ちゃんはなんというか、私でさえあまり見てこなかった千歌ちゃんの姿だった。本当にあの時から、千歌ちゃんは自分の思ったことを話すようになったと思う。
それを見ていたルビィちゃんたちも、千歌ちゃんの姿に目を見開くほどに驚いていた。
3年生のダイヤさんたちも、例外じゃなく。
「ち、千歌さんすごいずら……」
「3年生に向かって……」
「………………あっ……」
〜〜〜〜〜〜※※※※〜〜〜〜〜〜
まさか千歌に怒られるなんて思わなかった。
いきなり3年生の教室に入り込んできて、目一杯に私や鞠莉、それにダイヤに向かってあんなことを言ってくるなんてね。
いつも私の後ろにべったり着いてきてた昔の千歌を比べたら、全然考えられなかったよ。
「果南ちゃん、どうしてスクールアイドル辞めちゃったの?やってたんだよね?」
「だから!それは東京で歌えなくて!」
そして私は只今、現に千歌たちが使っている部室に呼び出されて事情聴取を受けている。
私の隣にはダイヤが座って、テーブル越しに千歌たちが並んで立っている。それから鞠莉に関しては千歌の後ろに立っていた。
「それはダイヤさんから話は聞いたよ」
「…………ダイヤ」
「私の顔を見ないでいただけます?」
話は少しだけずれるけど、昼休みに私はダイヤを屋上に呼び出し、頭を深く下げて謝った。
あの時にダイヤに向かって凄く酷い言葉を言ってしまった事を反省して、私はダイヤに何度も何度も謝った。ダイヤにそれを許してもらえたのは、それからすぐのことだった。
ダイヤとはなんとか仲直りをして、そしてダイヤは私の肩をまた持ってくれると言ってくれた。本当にダイヤにはお世話になっている。
でも逆に、ダイヤに重荷を待たせ過ぎてしまっていることを気にしてる私がいるんだけどね……。
こうして話は戻るけど、ダイヤ、千歌たちにも話をしていたなんて私聞いてないよ……。
「どうしてなの果南ちゃん?果南ちゃんは、それで諦めるような果南ちゃんじゃないでしょ?」
「そうそう!ちかっちの言う通りよ!だからマリーは何度も言ってるのに……!」
千歌の両肩に手を乗せて顔を出し、千歌の意見に賛同しながら鞠莉は私に向かってそんな風に言う。
私の性格は、当然みんなにバレている事だって私自身でも分かっている。でもそうしなければ、鞠莉の将来がダメになる。
そのときの私は、自分の性格とかなんてどうでも良いと思っていた。
「何か事情があるんだよね?」
「……………………」
「ねぇ、果南ちゃ」
「そんなもの何にもないよ!」
「……っ!か、果南ちゃん」
「さっき言った通りだよ!私が、東京のイベントで歌えなかった。ただそれだけだよ!」
私は千歌に怒鳴るようにして話した。
あまりに千歌たちには怒る場面がなかったから、私が怒っているという感情を目の当たりにしている6人は背筋が凍ったように体は固まっていた。
でも、それも一瞬の束の間。
誰も体を動かす言動すら見受けられなかったのに対して、千歌の隣で立っていた梨子が、その場から一歩前に出てくる。
すると梨子から、思いもよらない事を言われた。
「でも果南さん、1つ聞いて良いですか?」
「……なにさ?」
「今朝、果南さんは弁天島で踊ってましたよね?」
「……………………」
見てたんだ。あそこで、あの場面を。
あはは、参ったな。あんなの見られた遼や鞠莉の2人以外、誰にも見せたくなかったし、見られたくなかったのに……。
凄く恥ずかしくて、死んでしまいたい。
「Oh〜♪果南ってば赤くなってる〜♪」
「うるさい!鞠莉は黙ってて!」
「やっぱり未練あるんでしょ〜?」
「……っ」
だがそんな恥ずかしい感情は、鞠莉のそんな一言によって一瞬のうちに消えてなくなる。
未練なんてものはないし、それ以前に私は自分からそう決めたわけなのだから、さっき言った鞠莉の言葉に私は怒りをあらわにした。
「…………さい」
「えぇ〜?聞こえな……」
「うるさいって言ってるの!!未練なんかないっ!とにかく私は、もう嫌になったの!!!」
「果南……」
「とにかく、私は絶対に、二度とスクールアイドルなんてやらないから!!!」
「あっ!果南ちゃん待って!」
鞠莉に対して言いたい事を全部言った私は、その後にパイプ椅子から立ち上がって部室を後にする。
背後から千歌の呼び止める声が聞こえるけど、私は部室をもう見向きもしないまま、お父さんが待つ家に帰ることにした。
お父さんがやっと家に帰って来たのが私はすごく嬉しかったし、何よりこれでまた学校に行けるのが嬉しいって私は感じていた。
けれども今日はまた鞠莉が邪魔をして来て、気分もズンとすっかりなくなってしまった。
千歌たちに怒鳴るのも、本当は嫌だったのに。
はぁ……帰ったら寝よ。
教室に置いて来た自分のカバンを取りに来たあとで、今後は鞠莉と関わらないよう、彼女のそばから離れようと心から決心を決めた私だった。
〜〜〜〜〜〜※※※※〜〜〜〜〜〜
『私は絶対に、二度とスクールアイドルなんてやらないから!!!』
果南さんは皆さんに言い残した後で、部室を出てどこかへ去って行ってしまいました。
千歌さんが果南さんを呼び止める声を上げたものの、果南さんはこちらを振り向かず、歩みを止めずに去ってしまいました。
「……………………」
そして部室は、沈黙の空気に包まれました。
誰も口を開こうとしません。鞠莉さんでさえも、先程果南さんに言われた発言に、大変なショックを受けていました。
それから2分後
ある1人の人物がようやく口を開きました。
「あの、ダイヤさん……」
「……はい。何でしょう千歌さん」
私に声をかけてきたのは、千歌さん。
私を前にして礼儀正しくなって、私に尋ねること自体申し訳なさそうな表情を見せる千歌さん。私に声をかけてから10秒くらいの静けさのあと、千歌さんは私に尋ねてきました。
「どうしてダイヤさんは、果南ちゃんの肩を持つんですか?どうしてダイヤさんは、果南ちゃんの味方なんですか!?」
「……………………」
その千歌さんの聞き方には、私の中では多少野暮のように聞こえました。
それはまるで、私は果南さんの味方であることを決めつけているかのような発言。はっきり言って、そう決めつけられるのは困りますわ。
私は果南さんが出て行った中庭側に1つため息をつき、鞠莉さんを含めた7人に話をすることに私は決意しました。
「……勝手に決めつけないで欲しいですわ」
「えっ……?」
「どういう事ですか?」
「そろそろ、潮時かと思いまして……」
“潮時”
今まさにその時かもしれませんね。
果南さんには『肩を持つ』なんて昼休みに言ってしまいましたけど、今ここで告げれば、状況が一変するかもしれない。
私はその場でゆっくり椅子から立ち上がり、果南さんの言葉に撃沈していた鞠莉さんに告げました。
「鞠莉さん。私は今からあなたに
「「「「「「……っ!?」」」」」」
「ダイヤ!?それは一体どういう事!?」
「ひとまず鞠莉さん、落ち着いてください」
私が発した言葉に鞠莉さんは興奮気味になると、私の両肩を強く握ってきます。千歌さんたちも私の言葉に驚きを隠せません。当たり前です。果南さんとずっと隠してきたことなのですから。
私は自分の肩にかけられた鞠莉さんの両手を握り、鞠莉さんを含めた7人に尋ねます。
「皆さん。このあと時間はありますか?」
「あ、あります!私たちは大丈夫です」
「ダイヤ……」
そんな興奮に満ちた眼差しで私を睨まないでください鞠莉さん。そして安心してください鞠莉さん。あなたにちゃんとした真実を話してあげます。
彼にもこのこと、連絡しないといけませんね。
「分かりました。ではこれから、私の家に皆さんで集まってください。そこで、全てを話しましょう。私と果南さんで隠してきた本当のことを……」
「「「「「「「…………」」」」」」」
皆さんに話す意志を告げた後で、私は果南さんと同じように部室を出て行きます。
それで部室に私の声が届かないだろうというところまでやってきた私は、スカートの右側のポケットから携帯を取り出し、彼に電話をかけました。
『もしもし?』
「こんな時間にすみません、遼さん」
『ダイヤか……』
電話に出た彼は、私の声を聞いて驚きました。
私自身も、あまり彼に電話をする機会がなかったので、今の私はおどおどしています。
ですが今は、それどころではありません。彼にもしっかりと、私の思う意志を伝えました。
「私、鞠莉さんに話そうかと思います」
『…………そうか』
「あの、何か言うことは?」
『ないよ。俺はダイヤの意志を尊重する』
すると彼は、私に何も言いません。
その言葉に偽りすらなく、真っ直ぐで透き通った言葉が私の耳に入ってきました。
そして彼は、私の胸中を当ててきました。
『正直、今の状況が嫌なんだろ?』
「……っ。遼さんには分かるのですか?」
『ダイヤが電話してきた地点でな』
それは、まるで私の考えている事が全て分かっているような発言で、遼さんはとても勘が鋭い人だとこの時の私はそう思いました。
『話すってみんなに伝えたのか?』
「はい。私の家で話すと皆さんに伝えました」
『ならみんなにしっかり伝えろよ。偽りも躊躇いもなく、鞠莉姉にもちゃんと分かるようにね』
「ふふっ。えぇ、十分承知していますわ」
大事な電話ですのに、彼の言葉を聞いている私は不意に笑みを溢してしまいます。彼と話をしてると安心してしまうのでしょうか?
……いいえ。そんな事はない、はずです。
『まぁ無理せずに頑張ってくれ。果南は?』
「果南さんは先に、自分のご自宅へと帰ってしまいましたわ。まさか遼さん……」
『あぁ。その
私には分かります。彼は電話越しに不敵な笑みを浮かべていることに。今から彼がしようとしていることに、私はすぐさま言いました。
「それ、私も協力したいです」
『ダイヤならそうしてくれると信じてた』
遼さんのしようとしていることに、私も協力する言葉を告げました。彼が試みようとしているのは、たった1つで一度きりの賭けです。
その結果次第では、もしかしたら本当に状況が『一変』するかもしれません。
この場合では、確実に2パターンに分かれます。
『良い方向』か、『悪い方向』
私は、彼の賭けに乗ることにしました。
果南さんと鞠莉さん。彼女たちが、無事に仲直りしてくれることを私は切実に願いました。
彼がそう導いてくれることを信じて……。
次回、第9話完結?
頭の中ではイメージしてるはいますが、
完結に行けるかまだ未定です。
ですが頑張ってそれを文章の中に
表していきたいと思います。
ダイヤは善子にやられませんでしたね(笑)
次回も是非楽しみにしててください!
感想や評価、誤字脱字等があれば
よろしくお願い致します!!