どうも、キャプテンタディーです。
今回でサンシャイン第4話が終わります。
いつの間にか4話まで終わっちゃうのがなんか
あれですけど、早いなって思います。
ルビィの花丸、大切に思い合う2人の
気持ちが交錯するお話です。
今回も短めですが、ご了承を…。
それでは、本編をどうぞ!
翌朝の学校
部室でルビィは、入部届を書いている。
お姉ちゃんからスクールアイドルをしてもいいと、許可を貰えた次の日の朝、千歌さんたちに見守られながら、ルビィは入部届を書く。
氏名 黒澤 ルビィ
“スクールアイドル”部への
入部を希望します。
「よろしくお願いします!」
自分の名前と入部する部の名前を書いた私は、ペンを置いて千歌さんにその紙を渡す。
ルビィから入部届の用紙を受け取った千歌さんは、入部届に不備がないかを確認した上で、笑顔でルビィを迎えてくれた。
Aqoursの、4人目のメンバーとして…。
「よろしくね!ルビィちゃん!」
「ようこそ、Aqoursへ!」
曜さんも梨子さんも、ルビィを快く迎えてくれた。
本当の意味で、スクールアイドルになれた。
ルビィの夢が、叶った瞬間だった。
「はい!頑張ります!」
曜さんの歓迎の言葉に、笑顔でそれに答える。
自分の中でも、夢が叶ったからには全力でスクールアイドルを頑張ろうと、ルビィは心から誓った。
そんな時、梨子さんが不思議そうに尋ねてくる。
「そういえば、国木田さんは?」
「……っ!」
友達である、花丸ちゃんのことだった。
花丸ちゃんは、この部室にはいない。
昨日から、連絡すら取れていなかった。
「あれからルビィちゃん、連絡は取れたの?」
「い…いえ。花丸ちゃんにはメールとか、電話もしてみたんですけど、全然出てくれなくて…」
「そうなんだ……」
昨日の練習のあと、千歌さんたちと別れてからルビィは、花丸ちゃんにメールとか、花丸ちゃんの携帯電話に電話してみたりもした。
だけど、一度も出てくれなかった。
私の背中を押してくれた花丸ちゃんにお礼が言いたかったのに、どうしてなの…花丸ちゃん。
私は顔を下に俯かせてシュンとしてしまっていた。
するとそんな時、私の落ち込みようを見かねた千歌さんは、花丸ちゃんの話をする。
「花丸ちゃん、昨日の屋上での練習、凄く楽しそうにしてたのにね…」
昨日の練習で、花丸ちゃんが凄く楽しそうに練習していたのを見ていた千歌さんがそう呟く。
すると、曜さんもそれに反応を見せる。
「千歌ちゃんも思ってたんだ。実は…私も…」
「曜ちゃんも?」
「うん。私も同じこと思ってた」
曜さんは千歌さんの話に共感していた。
そして梨子さんも、花丸ちゃんの事に関して不思議に思ったことを、ルビィたちの前で首を傾げながら疑問として投げかける。
「どうして花丸ちゃん、私たちに何も言わずに去ってしまったんだろう?」
「「「…………」」」
だけどその梨子さんの疑問に、ルビィを含めて千歌さんも曜さんも理由が全く分からなかった。
でも、ルビィはさっきの千歌さんと曜さんの2人の話を聞いて、2つだけ分かったものがある。
1つは、花丸ちゃんは無理していたということ。
ルビィに気を遣ってスクールアイドルをして、私がスクールアイドル部に入れるように仕向けて、花丸ちゃんは無理をしていたんだと思う。
昼休みに花丸ちゃんから、『体験入部してみない』って、話を持ちかけてくれたあの時から…。
ううん…そのずっと前からだと思う。
「でも、やっぱりそうだったんだ……」
「…?ルビィちゃん?」
そして2つ目は、花丸ちゃんはスクールアイドルが大好きなのかもしれないということ。
でなきゃ、千歌さんと曜さんの2人が言ったみたいに、花丸ちゃんが楽しそうに練習するわけない。
花丸ちゃんは隠してたんだ。
ルビィに対して、先輩たちに対して、スクールアイドルが本当は大好きだってことが……。
ルビィはそんなことを頭の中でずっと考えたとき、ルビィは突発的に先輩たちに言葉を発していた。
「ルビィ、花丸ちゃんのところに行きます!」
「えっ!?」
私の思いもよらない発言に梨子さんは驚く。
今、花丸ちゃんのところに行かないと手遅れになると思う。多分きっと、このままじゃ花丸ちゃんはこれから1人ぼっちになっちゃう。
それだけは絶対にさせたくない。
だって、花丸ちゃんの本当の気持ちは!
「大丈夫ですっ!花丸ちゃんは学校に来てると思います。本を読むのが大好きだから、多分きっと花丸ちゃんは図書室に!」
そう先輩たちに花丸ちゃんの居場所を話したルビィは、部室を飛び出し、急いで花丸ちゃんがいる図書室へと向かった。
待ってて花丸ちゃん!
今度は、ルビィが花丸ちゃんの背中を押す番!
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〜花丸 side〜
マルのお話は、もうこれでおしまい。
マルの夢は…叶ったから。
マルはこれから、また本の世界に戻るの。
図書室にいるマルは、ルビィちゃんが千歌さんに入部届を出していたのを目の当たりにした。
だから理解出来た。
自分の気持ちをダイヤさんに伝えられて、それでスクールアイドルをしてもいいんだってことに、マルはそれを見て思った。
嬉しかった。マルの夢が、叶ったことに…。
そして、1人ぼっちになることも……。
「………大丈夫。1人でも…」
ルビィちゃんがスクールアイドルを始めれば、必然的に私は1人ぼっちになる。
でも大丈夫ずら。マルは小さい頃から、そうやって1人で遊んだり、1人でずっと本を読んでいたから、きっと…大丈夫ずら。
1人そんな風に考えていたマルは、受付カウンターの引き出しに入っている雑誌を取り出す。
それは一昨日、マルがスクールアイドルの勉強にと思って買った、『μ's』の特集がされた雑誌。
『星空 凛』
マルはこの雑誌を読んで目に止まった、彼女の記事までページをめくる。彼女がウェディングドレスを身に纏った写真を見て、マルはずっと思っていた。
ううん…この雑誌を読んでいるうちに思っていた。
マルも、こんな風になりたいって…。
彼女みたいに、ルビィちゃんみたいに、キラキラ輝く星のように、マルもスクールアイドルになって、こんな風になりたかったって…。
「でも、マルには無理ずら……」
でも、マルはそれになれない。
運動も苦手だし、むいてない。
だからマルは、彼女みたいになれない。
だから、これでさよなら。
マルの話は、これでもうおしまいだから。
だから
「バイバイ……」
マルはその雑誌を、そっと閉じていく。
彼女との別れを惜しむことなく、ゆっくりと…。
その時だった。
「ルビィね!」
「えっ!?」
図書室の入り口から声がして、マルはそこに視線を送ると、そこにはいないはずのルビィちゃんの姿があった。
マルはそれに、凄く動揺していた。
同時に、マルは驚いていた。ルビィちゃんがマルに対して、すごい真剣な表情をしていることに。
「ルビィちゃん…?」
「ルビィね!!花丸ちゃんのことをずっと見てた!ルビィに気を使って、スクールアイドルやってるんじゃないかって…。ルビィのために、無理してるんじゃないかって、心配だったから…!」
そしてルビィちゃんは、今にも泣きそうな声でマルに向かって叫んでいる。ずっと人見知りばかりしていた、マルの大切な友達が……。
「でも練習の時も、屋上にいた時も、みんなで話してる時も、花丸ちゃん、嬉しそうだった!それ見て思った。花丸ちゃん好きなんだって!ルビィと同じくらい好きなんだって!スクールアイドルが!」
自分の気持ちを押し出すようにして、自分の言葉で、マルに向かって叫んでいた。
それに、マルがスクールアイドルが好き?
そんな…そんなのありえないずら。
「マルが…?まさか……」
「じゃあ、なんでその本そんなに読んでたの?」
「そ…それは……」
ただルビィちゃんからそう聞かれた時、マルは瞬時に言葉を詰まらせてしまう。
ルビィちゃんから、目をそらしてしまう。
なんでこの本をそんなに読んでいたのか、なんでこんなにも惹かれてしまったのか。心の中で考えても、マルの考えは全くまとまらなかった。
するとルビィちゃんは受付カウンターの正面に来て、マルと正面を向き合って話し出す。
「ルビィね!花丸ちゃんとスクールアイドルやれたらって、花丸ちゃんと一緒に頑張れたらって、ずっと思ってた!」
マルと一緒に?スクールアイドルを?
ルビィちゃんは自分の気持ちを真っ直ぐに、マルに思っていることと、その気持ちは、マルの胸に直接伝わってきた。ルビィちゃんのその言葉が、マルにとってその想いが、とても嬉しかった。
でも、マルはその想いには応えられない。
マルは首を振って、ルビィちゃんに話す。
「でもマルには無理ずら。ルビィちゃんだって昨日の練習でも見たはずだよ?階段を登るだけでマルの体力がもたないし、運動も出来ない。だからマルには、向いてないよ……」
大切な友達のルビィちゃんを正面に、マルは自分の思うことを正直に話す。
するとルビィちゃんは、泣きそうだった顔から少し笑う表情を見せると、マルが見ていた『星空 凛』の記事をルビィちゃんは見てある事を話し出す。
その内容は、マルも驚きを隠せなかった。
「その星空凛ちゃんもね、自分はスクールアイドルに向いてないって、ずっと思ってたんだよ?」
「えっ!?この人が!?」
「うん。そうだよ!」
ウェディングドレスを身に纏って、こんなに可愛い笑顔をしているのに、この子も今のマルのように、自分は向いていないってずっと思っていたことが、マルにとって本当に驚きだった。
でも…だとしたら、どうしてこの子はスクールアイドルをやっていたの?
マルはそれを、とても不思議に思っていた。
「でも好きだった」
「えっ!?」
するとその時、図書室の入口からまた声が聞こえてくる。その方向に目を向けると、そこには2年生の千歌さんたちが立っていた。
その中で声に出していたのは、梨子さんだった。
「やってみようと思った。最初はそれでいいと思うけど…?」
「そうだよ!花丸ちゃんもやろう?」
曜さんも、ルビィちゃんと同じような言葉をかけてきて、やってみようってマルを誘う。
千歌さんも、マルに手を差し出してくる。
曜さんみたいに口から言葉で言うのではなく、にこやかに笑って、目でマルに訴えかけていた。
マルが、その手を握っていいのかな?
心に不安がよぎり、千歌さんが差し伸べてくれた手を、マルが握っていいのかなって思っていた。
でも、ルビィちゃんは叫んだ。
「ルビィ!スクールアイドルがやりたい!」
「花丸ちゃんと!!」
「……っ!ルビィ…ちゃん…」
マルと一緒に、スクールアイドルがしたいって…。
ルビィちゃんが叫んだその一言に込められた想いは、マルにとってとてつもなく大きいものだった。
「マルに…できるかな……?」
「大丈夫だよ!」
「えっ?」
「私だってそうだよ?」
千歌さんはマルに優しく話しかけてくる。
マルの不安な気持ちを吹き飛ばしてくれるくらいに、それはとても優しい言葉だった。
「大切なのは、出来るかどうかじゃない。やりたいかどうかだよ!!」
「やりたいか……どうか?」
「花丸ちゃんは、スクールアイドルやりたい?」
千歌さんのそんな問いかけに、マルは考える。
周りの千歌さん、曜さん、梨子さん、そしてルビィちゃんは笑顔でマルを見つめている。
やりたいか……どうか。
マルがスクールアイドル始めたら、いつしか彼女《星空 凛》みたいになれるかな?
キラキラと、輝く星みたいになれるかな?
だとしたら……やりたい。
マルも、スクールアイドルが…やりたい!
その時の千歌さんは、まるで私を照らしてくれる太陽のようで、差し伸ばしてくれたその右手に、マルはそっと自分の右手で掴んで触れる。
それからマルの右手の上に、梨子さん、ルビィちゃん、曜さんの順番に手を重ねて、マルの手は暖かくなって、とても心地良かった。
そして千歌さんは、マルに言い放った。
「Aqoursへようこそ、花丸ちゃん!」
とびきりの笑顔で、マルをAqoursのメンバーとして歓迎するとっても暖かい言葉。
その暖かい言葉に、マルは思う。
ここからが、マルのお話の始まりなんだって。
「っ……はい!よろしくお願いします!」
「花丸ちゃん!」
ルビィちゃんは受付カウンターを周り込み、マルに思いっきり抱きついてくる。
「ルビィちゃん!」
マルはルビィちゃんの勢いで後ろに倒れそうになったけど、マルはなんとかそれを持ち堪えて、マルもルビィちゃんをギュッと抱きしめた。
千歌さんたちににこやかに私とルビィちゃんの様子を見つめられながら、マルは心から誓った。
マルにとって大好きな友達と、マルを大切にしてくれるルビィちゃんと、二人三脚でスクールアイドルを一緒に頑張ろう。
マルは心からそう誓うのであった。
〜花丸 side out〜
サンシャイン第4話、これで終了になります。
次からは堕天使が出てきますが、
次回は自分のツイッターで投票した結果で、
曜ちゃんの個人回を書かせていただきます!
曜ちゃんとイ○○イ○○……ゲフン
久々にオリ主も登場予定
では、次回もお楽しみに!
感想・評価等、お待ちしてます!