どうも、キャプテンタディーです。
新作、2発目です。
ここから主に、タグで書いてある通り基本アニメ
準拠で話を進めていきます。
主人公も織り交ぜてですが…。
最後まで読んでってくだされば、幸いです。
それでは、本編をどうぞ!
普通な私の日常に、突然訪れた……奇跡。
何かに夢中になりたくて
何かに全力になりたくて
脇目も振らずに走りたくて
でも、何をやっていいか分からなくて
くすぶっていた私の全てを吹き飛ばし
そして、舞い降りた!
それが………
「スクールアイドル部で〜す!春から始まる!スクールアイドル部で〜す!!」
私の名前は、高海 千歌!高校2年!
静岡県の沼津市にある、内浦という小さな町に住んでいる私は、浦の星女学院っていう、いわゆる女子校に通っているの。
家は『十千万』っていう旅館に住んでいて、三姉妹の中で1番下の末っ子。特に自慢することも、特技も何もない、至って普通の女の子。
そしてそんな普通の私は、とあることに挑戦しようとしている。
それは、スクールアイドルを始めること。
「スクールアイドル部です!春から始まるスクールアイドル部です!よろしくお願いしま〜す!」
きっかけは東京に行ってからなんだけど、話が長くなってしまうので割愛。
幼馴染みで大事な友達でもある曜ちゃんに手伝ってもらって、今年に入ってくる新入生に対して勧誘を行なっていた。
今日は4月7日。
今日は学校の入学式で、それと同時に各部活動が部活に入りませんかと勧誘を行なっているのが、この学校の毎年恒例である。
「輝けるアイドル!スクールアイドル〜!」
だから私も負けじと、大きく声を張り上げ、私と一緒にスクールアイドルをやりませんかと、新入生に対して入部の勧誘を呼びかけた。
けど、結果は散々だった。
「もう〜!どうして来てくれないの〜!」
「全然だね。千歌ちゃん……」
誰1人として私たちを見ることもなく、新入生の人たちは他の部活の方へと足を運んでいってしまった。
「千歌ちゃん……」
曜ちゃんは私を心配そうに見つめてくる。どうするのかと、名前を言って尋ねてくる。もちろん私はまだ全然諦めてないし、もしかしたら言い続けてれば1人くらい来てくれると思う。
だから私は、言い続けることにした。
「まだまだ。きっと言い続けてれば、きっと私たちのところに来る人はいると思うし!」
「うん。そうだね!よしっ!私も手伝うよ!」
私のために手伝ってくれる曜ちゃんが嬉しくて、どうしても1人でも多くの新入生を勧誘しようと声をかけて言い続けた。
あれから10分も言い続けた。けど……
「スク〜ルアイドル部で〜す……」
「大人気……スクールアイドル部で〜す……」
結局のところ、あれから誰も来なかった。
もう私たちの前には誰もいなくて、遠くで他の部活動に集まっている新入生の姿がいくつも見られた。
私も曜ちゃんも、やる気が消沈していた。
台座の代わりにみかん箱の上に背中合わせで座り、私と曜ちゃんは黄色いメガホンを持って、細々と呟いていただけだった。
せっかく作って用意していたスクールアイドル部のチラシも全くもって無駄だった。
「全然だね……」
「うん、そうだね……」
ずっと呼び続けても、誰も来てくれない。こうなってしまっては、もう仕方ないのかもしれない。
そう思った私は、曜ちゃんに話す。
「諦めよう曜ちゃん」
「千歌ちゃん……」
「こうやってずっと呼び続けても仕方ないもん。諦めるのも、きっといいことだよ!」
諦めるのも大事。そんなことを自分にも言い聞かせるように言い、曜ちゃんもそのことには私の意見に賛成してくれた。
「じゃあ、引き上げようか?」
「うん、そうだね」
そう言って私はみかん箱から立ち上がり、視線を学校の昇降口付近へと向かせた。
そんなときだった。
「………っ!!」
「…?千歌ちゃん…?」
曜ちゃんは首を傾げ、私の名前を呼ぶが、当の私は曜ちゃんの声すら全然聞こえていなかった。
なぜなら私は、目線の先に見つけたある新入生たちに、目を奪われていたからだ。
「花丸ちゃん、学校終わったらどうしようか?」
「う〜ん、どこかでルビィちゃんと一緒に何か食べに行きたいずらっ♪」
楽しそうに横に並び、話をする2人組の女の子。
2人とも胸のところを見るとリボンが黄色だから、間違いなく新入生だった。2人とも背が小さく、私は2人がとても可愛かった。
1人は赤い髪をしていて、頭の両脇に髪の毛を下げたツインテールの女の子。もう1人の女の子は、黄色いカーディガンを着ていて、髪はサラサラした真っ直ぐなロングヘアだった。
私は思った。もうこれは最後のチャンスなのかもしれないって。そう思った私は、すぐさま彼女たちの元へと駆け寄った。
「美少女……あれっ!?」
曜ちゃんも2人の新入生の存在に気づいたけど、いつの間にか私がそばにいないことに気づいた時、曜ちゃんはそれに驚いて、座っていたみかん箱の上から曜ちゃんは転げ落ちた。
「あのっ!」
「ずらっ!?」
「スクールアイドルやりませんか!?」
「……ずらっ?」
私に突然呼び止められた黄色いカーディガンを着たまっさらな髪の長い女の子は、驚きのあまりに、『ずらっ!?』という言葉を漏らす。
ツインテールの女の子も私に呼び止められ、驚いて目を見開いてキョトンとしていた。
でも、『ずら』ってなに?
「えっ?……ずらっ?」
「あっ…いいえ。何でもないです」
自分でも『あっ…』と内心で気づいたのか、彼女は思わずで口元を両手で隠すように抑え、私に向かって何でもないですと話す。
2人とも突然として私に呼び止められ、ちょっと怯えるような行動もしていたけど、その怯えによる警戒心を解くために、私は笑顔で2人に接する。
「大丈夫!悪いようにはしないから!あなた達ならきっと人気が出る!間違いない!」
「いや……でも、マルは…ちょっと……」
笑顔でそんな風に話をすると、マルという女の子は困った表情を見せ、勧誘に対して拒否しようと言葉を投げかける。
もう1人のツインテールの女の子はというと、意外にも私があらかじめに作っていた宣伝用の紙に対して、じ〜っと彼女は見つめていた。
試しにその宣伝用の紙を動かすと……
「さっ!ささっ、さっ!」
「………………」
彼女も紙と一緒についてきて、どうやら彼女はスクールアイドルに興味があるのかと私は思った。
「もしかして、興味あるの?」
私はツインテールの女の子に対して聞いてみると、彼女は宣伝の紙を見て間を空け、それから私に向かって今度は彼女から尋ねてきた。
「ライブとか、あるんですか!?」
質問に対して質問で帰ってきたけど、彼女はライブとか聞いてくるあたりは、きっとスクールアイドルに興味があるんだろうと、私の中でそう決めて、私は彼女の質問に答える。
「ううん、ライブとかはこれからなんだ」
「そ…そうですか…」
ツインテールの子は、その答えにしょぼ〜んと肩を落としてしまう。だけど私は、『だけど』に続けて、彼女に話を始めた。
もちろん、勧誘である。
「だけどあなたみたいな可愛い子に、是非スクールアイドル部として、スクールアイドルをやって欲しいの!だから、是非……!」
そう言って私は、彼女の右腕のあたりをちょこんと左手で触った途端、彼女の表情が一変する。
その場の空気も、さっきより張り詰めたような?少し変わったような雰囲気に包まれた。
「………………」
「んっ?どうしたの?」
「………ずら……」
ツインテールの彼女は、青ざめた表情になっていた。きっかけがどうなのか分からないけど、なぜか彼女の顔色が悪かった。
するとマルという女の子が、また“ずらっ”と言いながら耳を抑えた。私はその行動に疑問がよぎったが、すぐに起こる事態に対して、そういうことだったのかと、私でも理解することが出来た。
「ピギャアアアアァァァァ!!!」
「うわっ!?ど…どうしたの!?」
何かの鳴き声のように、ツインテールの女の子は顔を真っ赤にして甲高い声を上げて叫んだのだ。
私は突然のあまり、片足立ちになって、驚きを隠せないポーズをとっていた。
なぜこの子は叫んだのか?その理由は、マルという女の子の発言ですぐに明らかになった。
「ルビィちゃんは、究極の人見知りずら……」
「な…なるほどね……」
マルという子は、赤い髪のツインテールの子に対して、ルビィちゃんと呼んだ。このツインテールの子は、ルビィちゃんと言うらしい。
ルビィちゃんは、究極の人見知りらしく、もしかしたら私がルビィちゃんの腕を触ったから、その衝動でルビィちゃんは叫んだということになる。
私はやっと全部理解出来た。
これでまたスクールアイドル部の話を続けられると思ったが、これだけでは終わらなかった。
「わ…わわっ…わああぁぁ!?」
「えっ!?」
突然、上の方から声が聞こえて来て、上を私は見上げると、満開に咲いている桜の木々の中から、なんと女の子が落っこちて来たのだ。
これには私も驚きを隠せなかった。
だって、いつからいたのか分からないし、突然人が木から落ちてくるなんて思いもしなかったから。
ドスンッ!
そんな鈍い音がしながらも、木から落ちて来た女の子はあの高さから足で着地した。
だがそれなりの高さだったため、着地した時の衝撃が足に集中し、木から落ちてきた彼女は足の痛みを堪えるのに夢中だった。
「ぅあ…あ…足ぃ…」
そして彼女の悲劇は、まだ終わらなかった。
「うげっ!」
「うわっ!だ…大丈夫!?」
なんと彼女が持っていたカバンが、彼女の後頭部はちょうどジャストミートするように落ちきてきた。
足の痛みにプラスで頭の痛み。不運が度重なる形で悲劇は彼女を襲った。
すると曜ちゃんはあるものを見て叫ぶ。
「見て!この子も新入生だ!」
「本当だ!黄色リボン!」
よく見ると彼女も新入生だった。胸にある黄色いリボンが何よりも証拠だった。
私は木から落ちてきた彼女に対して、足や頭の痛みが大丈夫かどうか尋ねる。
「ねぇ、大丈夫?」
「…………フッ、フッフッフッ……」
すると彼女は痛みを堪えるどころか、なぜか不敵に笑いを見せて、突然笑いながら話を始めた。
「ここはもしかして…地上?」
「うわっ……」
「ぜ…全然大丈夫じゃなさそう……」
ここは紛れもなく地上。だけど彼女は、意笑いながら味不明な言葉を口にしたので、私たちはその言葉にドン引きしてしまう。
それからまた、彼女は私たちに尋ねてくる。
「ということはあなたたちは、下劣で下等な人間ということですか?」
「……うわっ」
曜ちゃんは彼女のことに関して何かを悟ったのか、曜ちゃんはまた一歩後ずさる。
それでも彼女の足とかが大丈夫じゃないかと、私は彼女の足をチョンチョンと触りながら尋ねる。
「それよりも、足…大丈夫?」
ズキッ!
「いっ!……痛くわけないでしょ!この身体は単なる器なのだから!」
私が触ったことで痛みを感じ、目に涙をこぼしながらも彼女は堪えながらそう話す。彼女は胸を張り、足の痛みをもろともしないように強がって見せながら、彼女は私たちに話す。
「ヨハネにとってこの姿はあくまで仮の姿…」
「ヨ…ヨハネ?」
「か…仮の姿?」
ヨハネ、それが彼女の仮の名前なのだろう。
名前を名乗ってしまったヨハネちゃんは、表情を全く変えず、もう一度自分の名前を名乗った。
「おっと、名前を言ってしまいましたね。聞いて驚くがいい!我が名は、堕天使ヨハ…」
「善子ちゃん?」
「…………えっ?」
するとヨハネちゃんの話の途中で、いきなりマルという子がその子の本名と思われる名前を呼ぶ。
あたかもマルという子は、頭の右側がお団子ヘアになっている女の子の発言に対して、とても聞き馴染みのあるように思えた。ヨハネちゃんは、自分の本名を呼ばれると、何で名前を知ってるのよと、驚きを隠せない表情へと移り変わる。
そしてマルという子は自分の中で何かを思い出し、笑顔になってその子に近づいて話をする。
「やっぱり…やっぱり善子ちゃんだ!私だよ!花丸だよ!幼稚園以来だね!!」
「はっ、は・な・ま・るぅ!?」
善子ちゃんは自分の昔の友達であろう花丸ちゃんに迫られ、彼女は幼稚園の時の友達が目の前に現れたことに慌てながら、話を逸らそうとする。
「に…人間風情が何を言ってるの?私は善子ではありません。私は堕天使ヨハネです」
明らかに誤魔化して話を逸らそうとしている彼女に対して、花丸ちゃんは突然善子ちゃんに向かってジャンケンをし始めた。
「ジャ〜ンケ〜ン……」
「「ポンッ!」」
それに善子ちゃんも乗っかって花丸ちゃんとジャンケンをすると、花丸ちゃんはグーで、善子ちゃんはチョキを出したのだが、善子ちゃんのチョキはやや特殊で、右手の小指と中指を折り、親指と人差し指、そして薬指を伸ばしているのが、善子ちゃん流のチョキらしい。
そのチョキを目にした花丸ちゃんの表情は、疑問から確信の表情へと変わり、そのチョキを出した人物が善子ちゃんだけだということが理解できた。
「そのチョキ…やっぱり善子ちゃんだ!」
「よ…善子言うなっ!い〜い?私はヨハネ!堕天使ヨハネなんだからね〜!」
そう善子ちゃんは私たちに言い残し、カバンを上手く頭の上に乗せながら走り去ってしまうが、花丸ちゃんは善子ちゃんを追いかけ、ルビィちゃんは花丸ちゃんを追いかけるように走り去ってしまった。
「待ってよ善子ちゃ〜ん!」
「善子言う〜な〜!」
「花丸ちゃん待ってよ〜!」
自分自身、疾風の如く現れ、風のように去っていく彼女たち3人を、どうにかしてスクールアイドル部に招き入れたいと思った。
「行っちゃった……」
「曜ちゃん!あとで今の3人を、スクールアイドル部にスカウトしに行こうよ!
「えっ?今の3人を?」
「うん!3人ともとても可愛かったし、スクールアイドル始めたらきっと人気になると思う!」
花丸ちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃんの3人はとても可愛かった。だから是非と、スクールアイドル部に勧誘したい気持ちを曜ちゃんに伝えた。
「あとでスカウトしに行こう!」
「あ…あははは…。大丈夫かな…?」
私は右手で拳を作り、あの3人を絶対に入れてやろうと思った。曜ちゃんはその私の姿を見ては、少しばかり心配そうな表情をして苦笑いを浮かべた。
「ちょっと…お話いいですか?」
「えっ……?」
その決心を固めた次の瞬間、私と曜ちゃんの後ろから女性の声がして、私たちに声をかけてくる。
私はその声に後ろを振り向くと、私と曜ちゃんと同じ学校の制服を身に纏った生徒がいた。
風格が漂い、とても気品さが際立っていて、髪は真っ黒でサラサラのロングヘア。目は若干つり目気味で、口の下にホクロがある。
大和撫子というに相応しい女の子だった。
「貴方ですの?このチラシを配っていたのは?」
「えっ?えっ……?」
「いつ何時、スクールアイドル部なるものがこの浦の星女学院にできたのです?」
彼女はまっすぐ目つきを鋭くして、私を睨みつけながらそう話してくる。けど私は話していることがよく分からなかったから、とにかく彼女は新入生かどうか尋ねることにした。
「貴方も…新入生?」
「ちっ、千歌ちゃん!」
「んっ?どうしたの曜ちゃん?」
すると私から発せられた言葉に曜ちゃんは驚き、思わず私の肩を掴んでくるので私は曜ちゃんに対してどうしたのかと尋ねる。
すると曜ちゃんの口から、思いがけないような言葉が飛び出してきたのだ。
「千歌ちゃん、その人は新入生じゃないよ!この学校の生徒会長だよ!!」
「………えっ!?生徒会長!?」
私は目の前に立っている人物が、まさかの生徒会長だとは思わなくて、ついタメ口で喋ってしまっていたことが間違いだったと考えさせられる。
ましてや胸のリボンは3年生がつけている緑のリボン。自分より年上だということが今はっきりした。
生徒会長に謝ろうと思ったけど、私より先に生徒会長から口を開いて話をする。
「ここで立ち話もなんなので、少しばかり話があるので、生徒会室に来てくれませんか?」
「あ…あぁ、はい……」
私は生徒会長に言われるがまま、トボトボと生徒会長について行くように生徒会室へと足を運んで行くのであった。
曜ちゃんも一緒に生徒会室まで来てくれるけど、きっと生徒会長は私と話すんだろうな……。
そんな野暮な考えことを、私はするのでした。
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「つまり、設立の許可どころか申請もしていないうちに、勝手に部員集めをしていたというわけ?」
「は……はい……」
生徒会長のツッコミに対して、千歌ちゃんは苦笑いを浮かべつつ、はいと言うことしか出来なかった。
私と千歌ちゃんがスクールアイドル部の勧誘をしていたところに、まさか生徒会長が出てくるとは、自分でも全く思わなかった。
私は千歌ちゃんと生徒会室まで来たものの、生徒会長は千歌ちゃんと話したいらしかったから、私は仕方なく生徒会室の外にいて、廊下から千歌ちゃんの様子をしばらく見守っていた。
「悪気はなかったんです。ただみんな勧誘してたんで…ついでと言うか…焦ったというか…」
千歌ちゃんはなんとか事情を話して、この場をなんとか切り抜けようと必死に話していた。
ちなみに生徒会長は、家は網元で結構古風な家系らしく、名を黒澤家。
生徒会長の名前は、黒澤ダイヤ。
「部員は今何名いるんです?この紙には、1人しか書かれていませんが?」
「今のところ…1人です」
頭をポリポリと右手で掻きながら、千歌ちゃんは生徒会長の質問に答えていく。
私も千歌ちゃんの助け舟を出したいけど、廊下からでは助け舟を出すにはとても難しかった。
生徒会長はとても厳しい人。特にルールや規則に関してはとことん厳しい……らしい。
『部の申請は、最低でも“五人”は必要ということは知っていますわよね?」
「だ…だから勧誘してたんじゃないですか〜」
バンッ!
「うわぁ!?」
ダイヤさんは机の上に思いっきりバンッ!という音を立てて、部の申請書を叩きつける。
「…あっ!いったぁ〜!」
「……ふっ、ふふ……」
でもどこか抜けていて、机を強く叩き過ぎたせいで、何故か自分の手まで痛めてしまった。
その様子を見た千歌ちゃんは、生徒会長の天然ぶりに思わず口が緩んで笑みがこぼれてしまう。
ただその様子を見逃さなかった生徒会長は、千歌ちゃんに指をさして言い放った。
「笑える立場ですの!」
「ご…ごめんなさい……」
すぐさまに千歌ちゃんは謝ったものの、生徒会長は部の申請書を見てため息をつき、生徒会長は千歌ちゃんに対して話す。
「とにかく、部員が5人も満たないこんな不備だらけの部の申請書、受け取れませんわ」
「えぇ〜!?」
突きつけられた現実に、千歌ちゃんはうなだれる。
とりあえず生徒会長からの話は終わりそうだから、私は突きつけられた現実にうなだれる千歌ちゃんに向かって、そっと声をかけた。
「千歌ちゃん…1回戻ろう?」
後ろから私の声が聞こえたのか、千歌ちゃんは悔しいとばかりに両肩を意図的に上げたあとで、千歌ちゃんは生徒会長に言い放つ。
「じゃあ、また5人集めてまた持ってきます!」
「別に構いませんけど、例えそれでも私は承認は致しかねますがね……」
「……っ!?」
するとダイヤさんは突然、5人集めて持ってきたとしてもスクールアイドル部の設立は認めないと言い出した。
不備だらけの申請書は受け取らないといったばっかりなのに、今度は例え持ってきたとしても申請はしない。とても矛盾だかけの発言だった。
「ど…どうしてです!?どうして承認してくれないんですか?教えてください!」
千歌ちゃんは承認してくれない理由をダイヤさんに鬼気迫るように問い詰めた。
するとダイヤさんの口から発言された答えは、とても分かりやすい答えであるが、私の中では少し疑問の残る答えであった。
「それはですね…私が生徒会長でいる限り、スクールアイドル部は認めないからですっ!」
「そ、そんなぁ〜〜!!」
ダイヤさんの言葉と同時に、生徒会室の中に突風が吹いてくる。
千歌ちゃんはそのダイヤさんの答えに納得してしまったのか、その言葉や風に気圧され、千歌ちゃんは涙を浮かべながらそう叫んだのだった。
千歌ちゃんのスクールアイドル部の設立は
まだ道のりは遠そうだ。
そう心の中で思った、私であった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
とりあえずここまでです。
また次回から続きを書いていきます。
主人公が出てこなかったのは、話の都合上で
出せなかったからです。
次回は出せたら出します。
誤字・脱字等あれば、指摘お願いします。