少年と少女達の輝き目指す物語   作:キャプテンタディー

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どうも、キャプテンタディーです。

台風は過ぎ去るも、猛暑で溶けそう()
ということで今回も前回の続きになります!
でも、タイトル通りに平常運転なので…

それでは、本編をどうぞ!





#18 体験入部

 

 

 

 

 

「えっ!?本当!?」

「はい!!」

「よろしくお願いします!」

 

 

朝練後、いつものように3人で学校に向かい、授業を受けたその放課後、私たちスクールアイドル部に2人の訪問客がやってくる。

 

訪れてきたのは、千歌ちゃんが可愛いと言っては、スクールアイドル部に勧誘していたルビィちゃんと花丸ちゃんの2人だった。

 

 

「やった……やったよ……!」

 

 

千歌ちゃんは2人の話を聞いて目には涙を滲ませ、嬉しくて震える声で呟く。

 

 

「やったぁ〜!!」

 

 

そして千歌ちゃんは部室から庭に出る扉を勢いよく開けると、喜びを表現して大ジャンプする。

 

いや、オーバーリアクション過ぎるけどね。

 

 

「これでラブライブ優勝だよ!レジェンドだよ!」

 

 

千歌ちゃんは私と梨子ちゃんの肩に腕を回し、気が早過ぎるくらいにそんな事を言っている。

 

うん…千歌ちゃん全然分かってない。

 

まだ“仮入部”だっていうことを忘れてる。

 

 

「違うよ千歌ちゃん。体験入部だよ?」

「えっ?どういう事?」

 

 

千歌ちゃんは私の言葉にそんな素っ気ない声を上げると、代わりに梨子ちゃんが説明をしてくれた。

 

 

「要するに、お試しってこと。それでいけそうだったら入るし、合わないって言うなら入らない」

「へえ〜そうなんだ〜」

 

 

千歌ちゃんもやっと本題の話を理解してくれたので、花丸ちゃんとルビィちゃんに話をしようとしたら、千歌ちゃんがいきなり言い放つ。

 

 

「…って、そうなの!?」

「千歌ちゃん……」

「話聞いてなかったわね……」

 

 

梨子ちゃんの言う通り、千歌ちゃんは話を聞いていなかった。花丸ちゃんから体験入部をしたいって言いに来たことを、千歌ちゃんは全く耳にしていなかったようだ。

 

でも花丸ちゃんは、千歌ちゃんの驚きながら尋ねられたことに対し、少し言葉を濁らすように答える。

 

 

「いや…あの、その……いろいろあって…」

 

 

花丸ちゃんはルビィちゃんを度々チラッと見ながら話をしているから、もしやと思い私は尋ねる。

 

 

「もしかして、生徒会長?」

「あっ…はい。だから、だからルビィちゃんとここに来たことは内密にして欲しいんです」

「あぁ、なるほどね」

 

 

すると答えはやはりそれだった。

 

ルビィちゃんにはダイヤさんがいる。ルビィちゃんがスクールアイドル部に体験入部していると知ったら、辞めさせられるだろうと思ったんだろう。

 

2人が折角体験入部しに来てくれた。花丸ちゃんからのお願いは、聞き入れる他ないよね。

 

 

「いいよ!ダイヤさんには内緒にしておくから!」

「…っ!ありがとうございますっ!」

 

 

ルビィちゃんは私の話を聞くと、パァ〜っと明るい笑顔を見せ、そう言って律儀にお礼をしてくる。

 

こういうのを見ると、やっぱりダイヤさんの妹なんだなって、私は今改めてそう考えさせられる。

 

 

「じゃあとりあえず、2人も私たちと一緒に練習をやってもらうのが一番ね!」

「は…はいっ!」

「よろしくお願いします!」

 

 

それから梨子ちゃんその場を仕切り、ルビィちゃんと花丸ちゃんに声をかける。

 

2人は梨子ちゃんの言葉を聞いて返事をする。ルビィちゃんに関しては、凄く練習することが楽しみそうな表情を見せていた。

 

私たちが活動を始めてから、ずっと私たちのことを見てくれていたルビィちゃんは、もしかしたらスクールアイドルが好きなのかも。

 

ダイヤさんはスクールアイドルが大嫌い。だけど、ルビィちゃんはスクールアイドルが大好きっていうちょっとおかしな構図だけれど…。

 

私の憶測だけど、そんな気がする。

 

 

「これは私たちの練習メニュー。いろいろなスクールアイドルのブログを見て作ってみたの!」

「わぁ〜!本物のスクールアイドルの練習!」

 

 

それで梨子ちゃんはホワイトボードに私たち3人が考えて作った練習スケジュールのグラフを見せる。

 

準備運動、基礎体力の訓練、ボイストレーニング、ダンストレーニングの4つの項目がグラフに示されている。

 

それで私は梨子ちゃんに言う。

 

 

「曲作りは?」

「それは別に時間を見つけてやるしかないわね」

 

 

千歌ちゃんや梨子ちゃんが担当する曲作りに関しては、空いた時間を縫って作ることにするみたい。

 

ルビィちゃんと花丸ちゃんは、ホワイトボードに貼られたスケジュールを見ては感心し、『おぉ〜!』と声を上げる。

 

ルビィちゃんはここでも、目を輝かせていた。

 

やっぱり…ルビィちゃんは本当に……。

 

 

「でも、練習はどこでやるんですか?」

「…………あぁ〜!?」

 

 

そんな花丸ちゃんの質問に対し、千歌ちゃんはそれをまるっきり忘れていた声で絶叫する。

 

私も梨子ちゃんもすっかり忘れていた。

 

だからどうやら今から、私たちは学校での練習場所を探す必要があるみたい。

 

 

「よしっ!探しに行こう〜!」

「ず…ずらぁ〜!?」

「ピギャア!?」

 

 

千歌ちゃんは花丸ちゃんとルビィちゃんの手を掴むと、そのまま練習場所を探しに向かって部室から出て行ってしまった。

 

 

「もう…千歌ちゃんったら〜」

「仕方ないよ。私たちも忘れてたんだから…」

「むぅ……そうね……」

 

 

千歌ちゃんの自由奔放さに、梨子ちゃんは頬を膨らませて怒っている。けど私は梨子ちゃんを慰めて、梨子ちゃんの怒りを鎮める。

 

それから千歌ちゃんたちを追いかけるようにして、私と梨子ちゃんも部室から飛び出した。

 

練習場所を探すために、私たちはまず学校の校庭に向かったんだけれど、校庭はソフトボール部が使っていて、使えるスペースはほとんどなかった。

 

 

カキーン!

 

 

「回れ〜回れ〜!」

 

 

金属製のバットがボールに当たって大きな金属音が鳴り響く。同時に部員の指示の声も大きく聞こえて私たちの耳に入ってくる。

 

校庭でソフトボールの練習に取り組んでいる部員の姿を、私たちはフェンスの裏から眺めていた。

 

 

「中庭もグランドも、他の部活が使ってていっぱいだね。部室もそこまで広くないし…」

 

 

千歌ちゃんは学校の校庭や中庭も使えないことに、ひどく悲しい声を上げる。

 

それで私は、いつも放課後に練習している砂浜じゃだめなのか尋ねると、梨子ちゃんが右手を顎に当てながら答える。

 

 

「いつも練習してる砂浜じゃだめなの?」

「できるだけ…練習場所は学校内で確保したいわ。練習の時間考えていつも練習してる砂浜まで行くには、それなりに時間もかかるし…」

 

 

それは…そうだね。

 

梨子ちゃんの言う通り、学校からいつもの練習場所である砂浜まで行くには、相当に時間もかかる。

 

話を聞いたら、私も納得してしまった。

 

するとルビィちゃんから意見を出す。

 

 

「あの!屋上じゃだめなんですか?」

「えっ?屋上?」

 

 

千歌ちゃんはそんなルビィちゃんの意見に聞き返すと、ルビィちゃんは話を続ける。

 

 

「μ'sはいつも、屋上で練習してたって…」

「あっ、そうかっ!」

 

 

ルビィちゃんから意見を聞いた千歌ちゃんは、μ'sが学校の屋上で練習していたことを思い出し、右手を拳で左手の手のひらにポンっと軽く手を叩く。

 

 

「屋上か〜!」

「屋上ならいいかもっ!」

 

 

私も屋上なら賛成。雨が降ったときは練習出来ないかもしれないけど、梨子ちゃんも学校内だからとルビィちゃんの意見に賛成していた。

 

 

「じゃあ早速、屋上に行ってみよ〜!」

「「「おぉ〜っ!」」」

「ヨーソロー!」

 

 

そうと決まった私たちは屋上に向かう前に、千歌ちゃんを先頭に一旦部室に戻ることにした。

 

何故なら、私たちまだ練習着に着替えてないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜※※※※〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ〜!すご〜い!!」

「千歌ちゃん、そんなにはしゃいでると転んじゃうわよ〜!」

「分かって…あいたっ!」

「ほら…言ったそばから……」

「あはははは……」

 

 

練習着に着替えた私たちが屋上に着くと、千歌ちゃんは今1番に駆け出し、屋上で大ジャンプする。

 

だけど梨子ちゃんが言ったそばから、千歌ちゃんは本当にはしゃぎすぎて転んでしまう。梨子ちゃんが建てたフラグが見事に回収された瞬間だった。

 

 

「富士山、くっきり見えてる!」

「でも、この日差しは少し強いかも」

 

 

屋上からは富士山がくっきり見え、感動していることを私が口にすれば、花丸ちゃんが太陽の日差しが眩しそうに手をおでこに当てて日陰を作る。

 

 

「そこがいいんだよ!太陽の光を一杯浴びて、海の空気を胸一杯に吸い込んで!」

 

 

千歌ちゃんは両手を広げながら、みんなに言う。

 

それから私たちは千歌ちゃんの近くまで行き、屋上の床にみんなで円になって座り込む。

 

 

「あったかい…」

「本当だ。あったかい……」

 

 

千歌ちゃんの言葉に、私もそう言う。

 

太陽によって温められた屋上の床はどことなく暖かくて、その場で横になったらとても気持ち良さそうなベッドになりそうだった。

 

 

「ん〜!気持ちいいずらぁ〜♪」

「ふふっ…花丸ちゃんったら…」

 

 

そしたら花丸ちゃんは気持ちよくて、その場で横になる。とても気持ち良さそうな表情をしていた。

 

隣にいたルビィちゃんは花丸ちゃんの行動に笑みを浮かべると、花丸ちゃんの頬を左手の人差し指で、ツンツンとつつく。

 

見たところ、花丸ちゃんの頬はとても柔らかそう。

 

部に入ったら、あとで触ってみよっ。

 

 

「さぁ、始めようか!」

 

 

それで立ち上がった千歌ちゃんはそう話す。

 

千歌ちゃんの言葉に私も首を縦に振って頷いたあとで、その場に立ち上がって話す。

 

 

「そうだね!」

「えぇ!2人とも、用意はいい?」

「はい!大丈夫です!」

「が…頑張ります!」

 

 

梨子ちゃんは花丸ちゃんとルビィちゃんに聞けば、2人ともやる気は満々。練習に励むと強い気持ちがこもっていた。

 

 

「じゃあ円陣組んで!」

 

 

そして千歌ちゃんの指示のもとで5人で円になって円陣を組み、手を重ね合わせる。

 

それから千歌ちゃんの合図で、私たちは叫んだ。

 

 

「いくよ〜!Aqours〜!」

「「「「「サ〜ンシャイ〜ン!」」」」」

 

 

体験入部で練習参加してくれた花丸ちゃんとルビィちゃんを含め、私たちは練習を始めた。

 

 

「ワン、ツー、スリー、フォー!」

「はぁ…はぁ…!」

 

 

私の手拍子と声に合わせながら、最初に千歌ちゃんとルビィちゃんの2人がダンスの練習をしている。

 

振り付けは、最初のライブで踊った『ダイスキだったらダイジョウブ』の振り付け。

 

ルビィちゃんは私たちのライブを見てくれていたのか、ダンスがとても上手だった。初めて練習するとは思えないくらいにすごかった。

 

多分、飲み込みが早いんだと思う。

 

あとは自分の性格としっかり向き合うことかな。

 

ルビィちゃんは人見知りだから、人前で弱気にならないことが大事になってくるかもね。

 

ダンスを一区切りまで踊り終え、最後の決めポーズまでしっかり踊り終えることが出来たルビィちゃんはとても嬉しそうだった。

 

 

「はぁ…はぁ…出来た…!」

「流石ルビィちゃん!」

 

 

隣で梨子ちゃんと一緒に見ていた花丸ちゃんは、ダンスをし終えたルビィちゃんを褒める。

 

 

「出来ました!千歌先…輩…?」

 

 

ルビィちゃんはダンスが出来たことを嬉しそうに千歌ちゃんに声をかけようとした。

 

だけど当の本人は、ルビィちゃんがした最後の決めポーズとは全く違うポーズをしていた。違う踊りで例えるなら、盆踊りのポーズ。

 

 

「…………あっ、あれっ?」

 

 

ようやく今の状況が分かった千歌ちゃんが気まずい声をあげると、梨子ちゃんに告げられる。

 

 

「千歌ちゃんはやり直し」

「えぇ!?そんなぁ〜!」

 

 

ルビィちゃんも花丸ちゃんも苦笑い。

 

千歌ちゃんは梨子ちゃんに告げられたように、千歌ちゃんだけまた踊る羽目になってしまった。

 

千歌ちゃんが1人でまた踊り、その次に梨子ちゃんと花丸ちゃんの2人が踊る。

 

 

「ワン、ツー、スリー、フォー!」

「はぁ…はぁ…!」

 

 

運動が苦手だと自分で話していた花丸ちゃんだけど、ダンスの練習を楽しそうに取り組んでいた。

 

時々見せる笑顔も、心から楽しんでいる証拠。

 

花丸ちゃんも、ルビィちゃんと同じでスクールアイドルが好きなんじゃないかな。私はそう思う。

 

 

「今日までって約束だったはずよ!」

「だって…思いつかなかったんだもん……」

 

 

それからダンスの練習の後で部室に戻り、梨子ちゃんは千歌ちゃんに対して叱責する。

 

実は千歌ちゃん、今日までに新曲の歌詞を完成させなければいけなかった。だけど、梨子ちゃんの怒りようをみると歌詞は完成していないみたい。

 

 

「思いつかなかったもん……じゃないの!」

 

 

梨子ちゃんと期限を約束していたなら、梨子ちゃんが怒るのも無理ないかなって思う。

 

千歌ちゃんは歌詞担当で、梨子ちゃんは作曲担当。

 

歌詞が完成しなければ作曲も出来ないわけだから、最近は2人のこんなやり取りの場面をよく見るようになっている。

 

花丸ちゃんが2人の様子を見て尋ねてくる。

 

 

「曜先輩、何かあったんですか?」

「う…うん。新しい曲を今作っててね…」

「花丸ちゃんも思いついたら何か言ってね!」

 

 

私は花丸ちゃんに曲作りの話をすると、梨子にお説教されている千歌ちゃんも花丸ちゃんに言う。

 

 

「はぁ……」

 

 

だけど花丸ちゃんは首を傾げる。

 

曲作りとの向き合い方が分からない彼女にとって、同意見を出せばいいのか分からないでいた。

 

そんな彼女は、ルビィちゃんの方へと目を向ける。

 

 

「ほっ…へっ…ほっ……」

 

 

ルビィちゃんは屋上で練習したダンスの振り付けの復習をしていた。小刻みにステップを踏み、部室の隅っこで小さく踊っている。

 

そんなルビィちゃんを見ていた花丸ちゃんは、少し嬉しそうに微笑んでいたのであった。

 

 

 

 

 






とりあえず一区切り()

今回短くてすみません。
でも次は長くします!
頑張るビィ!(ヤケクソ)

次回もお楽しみに!
感想・評価等、お待ちしてます!


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