女子恐怖症な俺がIS学園とか地獄でしかない件   作:ソーミア

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某剣道アニメとは剣道を英語読みしたアレです。面白いよね


篠ノ之との過去

「久しぶりだな音無」

 

ん??ちょっと待って?どちら様かな?

急に俺の事を呼ばれ首を傾げていると

 

「覚えてないのか?」

 

「えっと・・・ご、ごめん」

 

覚えてないと知ると少し悲しそうな顔をした

 

「箒は刃の事知ってるのか?」

 

「あぁ、私を正しい道に連れ戻してくれた人だ」

 

ん!?俺なんかしたっけ?ほうき?箒・・・あ!!!

 

「お前篠ノ之か!?」

 

「そうだ!」

 

あー思い出した!思い出した!篠ノ之は去年の剣道女子の部の優勝者だ。一緒に表彰台に登ったのを覚えている

・・・そのあと俺が切れたことも

 

「あの時はすまなかったな」

 

「いや、あの時のおかげで私は自分と向き合うことができたんだ」

 

「えっと・・・二人はどういう関係?」

 

隣で一夏が困惑している。そりゃそうか

いやー話したくないなー本当に黒歴史かしてるもの

 

「去年の夏にだな・・・」

 

あ、篠ノ之が話し始めちゃったよ・・・

 

 

 

中学の時の私は一言で言えばグレていた

姉は天才と言われ私にも期待の目が向く

それに応えられないと知ると周りは離れていく

私は一心不乱に竹刀を振った。相手にストレスの全てをぶつけるように

八つ当たりをしていたのだ

毎日竹刀を振った。何もできない自分が悔しくて・・・周りの目が腹立たしくて

そのおかげか私は大会で優勝することができた。なぜか嬉しくなかったが

表彰式で隣にいたのが音無。男子の優勝者だった

そこでいきなり音無に言われたのだ

 

「暴力のために竹刀を振るのはやめろ」

 

私はその言葉に激昂した。見透かされてるのが悔しかった

 

「お前に何がわかる!!」

 

つい叫んでしまった

 

「少しついてきてもらおうか」

 

音無はそう言って歩き出した

ここで逃げるのは私が許さなかった

連れて行かれたのは誰もいない道場だった

そしてそこで音無に渡されたのが日本刀

 

「そんなに暴力を振るいたいなら竹刀じゃなくこれを使え

そして今ここで死合いをしよう」

 

音無も日本刀を構える。私は怖かった・・・この刀の重みが

命を奪える重みが怖くて震えた

それでも私は弱くない!と言い聞かせ音無に振りかぶった

 

「はぁ!!!」

 

震える腕を無理やり動かした

音無は避けなかった

刀は音無の肩を切りつける

 

「え・・・」

 

私はすぐに刀を手放した

 

「な、なんで・・・」

 

「お前は優しい人間だよ。相手を傷つけて自分も傷つく

それができるのに剣道を暴力に使うのが許せなかっただけだ」

 

「う、うぅぅぅぅ」

 

私は泣いた。一生で一番涙を流したかもしれない

そして音無は私の頭を撫でて

 

「好きなだけ泣くといい。ここは俺の家の道場だ今日は誰もこないさ」

 

そして音無は去って行った

私はそれからしっかりとした意志を持って竹刀を振るようになった

 

 

「というわけだ」

 

「すごいじゃないか刃!」

 

や、やめてぇぇぇぇぇ!!!

言えないよ!大会前で興奮して某剣道物のアニメを一気みした後に

仮面ライダーを見て正義感溢れてたなんて

 

「やめてくれ、俺はそんなできた人間じゃない」

 

「そんなことない!私はそれで救われたんだ!自信を持て!」

 

中学二年生の時に書いた日記を読まれるみたいな感覚だよこれ・・・

でも、篠ノ之とは何か喋りやすい。剣道やってるからかな?

 

「そうだ!刃も俺の特訓に付き合ってくれないか!?」

 

「特訓??」

 

「俺クラス代表を決めるために戦わなくちゃいけないんだ」

 

あーなんか織斑先生が言ってた気がする

 

「俺でよかったら協力するよ」

 

「やったぜ!」

 

まぁ、断る理由もないしいいかなー俺もISで戦闘してみたいし!

 

「俺はISをそこまで動かしたことないけど大丈夫か」

 

すると篠ノ之は苦い顔をして

 

「実はアリーナが埋まっていてISの訓練はできないんだ」

 

「え?じゃあどうやって特訓するんだ?」

 

「剣道だ」

 

「え?」

 

「剣道だ」

 

「・・・」

 

なるほど篠ノ之は剣道で戦闘訓練をしていたのかー

 

「それなら俺も力になれるかもしれないな。戦闘訓練にはうってつけの特訓があるし」

 

俺は首を傾げる二人の前で不敵に笑ってみせるのだった




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